捜 索 篇1  Do in Rome as the Romans do.


★菩薩様と美少年と僕

GM:美里さんですが、来たんですね? 百合が原に。
美里:はい。
GM:そーするとですね、校門前に黒塗りのリムジンが止まっています。そこからそれなりに美形のお兄ちゃんが顔を出して、美里の方をちらっと見ます。「やあ、そこの美しいお嬢さん」
マリィ:(かわいい声で)アオイおねえちゃん、この車に10円玉で傷つけていい?
美里:(かわいい声で)あ、あら、ダメよマリィ、そんなことしちゃ(小声で)……やれやれー(一同笑)。

 どうでもいいが、君ら。相手がまだ何もしてないうちからそういう行動に出るのは、あべ氏演ずるところの紫暮以上だぞ(笑)。

美里:マリィ、ダメよ、ダメダメ(←まだやってる)。
GM/美形のお兄ちゃん:「……あの、おふたりとも、何をしてらっしゃるんですか?」
美里:え?(笑) あ、あの、私この学校にちょっと用事がありまして。
GM/美形のお兄ちゃん:「ほう、どういったご用件で?」
美里:えー、ちょっと友人がこちらを訪問してるって聞いたもので。
GM/美形のお兄ちゃん:「そうですか。その捜し人のお名前は?」
美里:…………。
GM:何ですその沈黙は?
美里:……え、じゃあ顔を赤らめて(笑)、えーと、大した用事じゃないんですけどぉ……。
龍麻:……おいおーい。
GM/美形のお兄ちゃん:「でも、この学校にいらっしゃるのは初めてですよね? よろしかったら、校内放送でお呼びしましょう。まぁ是非是非どうぞどうぞ。そちらのかわいらしいお嬢さんも」
美里:じゃあお願いしようかしら?
GM:はい、そういうことで、お兄ちゃんの後について校内を行くとですね、もういいかげん嫌になってきた薔薇薔薇な光景が広がっております。2人は応接室らしき部屋に通されますが、この部屋もすごいですね。赤い絨毯が敷いてあってシャンデリアが下がっててメイド姿のおねーちゃんずが3人ばかし並んでおります。んで中央に、偉そうにソファに座った超美形の少年がいます。彼は美里の方を見て、何だか不思議そうな顔をします。「やあ、ようこそ」
美里:あのー、私、友人を捜しに……。
GM/超美少年:(さえぎって)「君はあの人に似ている……」
マリィ:あ、世界に入った……。
GM/超美少年:「君、こちらにコーヒーを。こちらのお嬢さんにはココアがいいかな」
美里:あの……。
壬生:(のプレイヤー)お待たせいたしました、コーヒーです(←何やってるんだね、君)
マリィ:(ぼそっと)メフィストにはミルク。
GM:それじゃですね、白磁のカップに銀のさじ、メフィストには白いお皿にミルクたっぷり。暖炉には赤々と火が燃えて。
美里:何で暖炉が?
GM:何ででしょうねえ(笑)。ところで、この部屋にはそこらじゅうに薔薇の花が飾ってあるわけなんですが。
美里:……普通の薔薇ですか?
GM:マリィと美里は魔力もしくは直感チェック。
美里:(ころころ)ダメです。
マリィ:えーと魔力で……(ころころ)メフィスト、ミルクおいしい?
GM:駄目だったのね?
マリィ:(こくこく)
GM:んー、この部屋には薔薇がたくさんありますが、何故か切花はありません。みんな植木鉢に植わっています。
雨紋:(いきなり)植木鉢?
GM:目的、忘れてなかったみたいね(笑)。そう、植木鉢です。そうやって薔薇を見ていると、少年が「ああ、この薔薇ですか。綺麗でしょう?」と、ひときわ見事な、真っ赤な大輪の薔薇を指し示します。
美里:ええ、とても見事です。薔薇、お好きなんですか?
GM/超美少年:「そう……薔薇は美しい……特に僕はこの赤い薔薇が一番好きだ」
美里:はあ。
GM/超美少年:「赤い薔薇とは情熱的な愛……ところでお嬢さん、お名前は?」
美里:え……美里です。
GM/超美少年:「……それは名前ですか、苗字ですか?」
美里:(のプレイヤー、マジな顔で)あれ? ……どっちだっけ?
一同:おいおい!(爆笑)
マリィ:でもマリィも時々ミサトおねえちゃんって言いたくなるー(笑)。

 
松井もたまに間違えます(笑)。

GM/超美少年:(気をとりなおして)「美里葵さんとおっしゃるのか。美しい人にふさわしい、美しいお名前だ」
美里:え、そ、そんな……と、困ったような例の表情をして(笑)。
京一:……内心は?
美里:え? 内心? ……【悩】。
龍麻:それは違う(笑)。
紫暮:え? 当然よ、じゃないの?
壬生:何を今更わかりきったこと言ってんのよ、とか。
美里:とりあえずイニシアティブはとったわって感じかしら。

 
何のだ。

GM/超美少年:「美里さん、いえ、葵さんとお呼びしてよろしいですか」
美里:え? そんな、知り合ったばっかりですし。ところで友人を……。
GM/超美少年:(さえぎって)「葵さん。僕のブランセスになっていただけませんか」
美里:え? あの、そんな、いきなり……。
GM/超美少年:「できれば君にこの赤い薔薇を捧げたい……しかしこの薔薇は切るわけにはいかないんです。切ると薔薇の美しさは褪せてしまう……いや、ここは植木鉢ごと差し上げるべきだろうか」
美里:いえ……その。
GM/超美少年:「ああ、葵さん……君と一緒に人生を送れるなんて、僕はなんて幸せなんだ!」
美里:あの、校内放送……。
GM/超美少年:「もちろんですとも! 僕と君との愛を全校に知らせましょう! できれば地球じゅうに知らせたい! ああ葵さん!」
美里:……うふふっ。思わずマリィの方に目配せして、助けてよマリィちゃんて感じで。
マリィ:(知らん顔)メフィスト、ミルクおいしかった?
紫暮:こうなったらもう菩薩眼ビームでしょう。
一同:(爆笑)
壬生:状況を悪化させてどうするんだよ!
マリィ:ねー、アオイおねえちゃん、この人、アオイおねえちゃんのこと好きなの?
GM/超美少年:「その通りだ! 君、よくわかっているじゃないか。僕の葵さんに捧げるこの美しいアムールを!」 ――さて、キリがないので、以下略(笑)。ここで場面を切り替えますので、しばらくそうやってて下さい。壬生なんですけどね。裏門から入ります?
壬生:いや、普通に校門から入りますよ。
GM:入っちゃうの? あ、そうなの。
壬生:特に目だったことしなければ、裏門から入るよりいいでしょ?
GM:うーん、確かに……(しまった、予定が崩れてしまった。まあいいか)じゃあ加護チェック。
壬生:加護! よりによって?

 
加護とは「そのキャラクターがその土地の神々にどれくらい愛されているか」ということで、まあつまるとこらがラック。村雨あたりがパラメータ高そうなものです。
壬生はプレイヤーがいい目を出したせいで全般的に能力値は高かったのですが、GMの陰謀で(笑)加護だけは低いのです。だってほら、薄幸だしね彼。
 ちなみに、最初に振った目を下げられてまで知力の数値を落とされたキャラもいた。
誰かは……あえて言うまい(笑)。


壬生:(ころころ)失敗です。
GM:じゃあ期待通り、薔薇と十字団がからんであげよう。「君、そこの君、見ない顔だね。名前とクラスを言いたまえ」
壬生:……そういえば館長、何もアドバイスくれなかったなー……(一同笑)。
GM:当局は一切関知しないとゆー。
龍麻:自分で何とかしろってさ。
壬生:うーん、じゃあ0.5秒くらい悩んでから(冷静な声で)僕は今日からここに転校してきた壬生という。校長室はどこかな?
GM:校長室ですか、いきなり(笑)。
壬生:だって関わりたくないもんこんなのと(笑)。
GM:そりゃそーだね(笑)。じゃあ例によって美形のお兄さんが「君、薔薇と十字団に入る気はないかね。君には薔薇が似合いそうだ、フッ」
壬生:(あっさり)考えとくよ、と言ってすたすた。で、校長室はどこかな。
GM:そっけない奴だなー。
壬生:そっけないよ。
GM:わかりましたよ(笑)。「じゃあ仕方ない、案内しよう」と言われて歩いて行くと、校舎の隅に、何か崩れかかった古い建物があるのが目につきます。
壬生:あれはなんだい?
GM/美形のお兄さん:「ああ、あれかい? あれは旧学生寮だよ。もうそろそろ取り壊すんだ。危険だから、近づかないように」 で、温室があるんですけどね。それだけはわりと新しいそうな感じ。ただし滅茶苦茶に壊されてます。ガラスが割れて散らばっている。
壬生:(少し考えて)あの温室は?
GM/美形のお兄さん:「タチの悪い連中がいてねー。2週間前くらいかな? ふざけて割ってしまったんだよ」
壬生:タチの悪い連中?
GM/美形のお兄さん:「うん、相原って3年を中心としたいわゆる不良グループだよ。それのおかげで停学中だよ、あいつらは」
壬生:……相原ねえ。ふーん。それだけ言ってすたすたと。
一同:(笑)
GM:人にこれだけしゃべらせといて君(笑)。でねー、そこに一人の女生徒が通りかかります。美里をね、少しきつくした感じの美人。えーとね、橘朱日ちゃんが雰囲気としては一番よく似てる。でも顔は美里に似てる。
壬生:おや、と思って見てます。
GM/女生徒:「あら、あなた見ない顔ね。薔薇と十字団に入るの?」
壬生:さあ、どうかな(←どうかなって、アナタ……)。とりあえず僕は今日転校してきたばかりだから。
GM/女生徒:「転校生? そんな知らせは受けていないわよ」
壬生:ああ、じゃあまだ届いていないんだな。
一同:……それだけ?(笑)
GM:しまった、そうきたか(笑)。じゃあ……「そう。初めまして、私は生徒会長の朝倉です。よろしく」
京一:(ふと)あれ? ひーちゃん、俺らが探してるのって誰だったっけ。
龍麻:誰だっけ?
GM:誰だったっけねえ……てめーら、覚えておけよそれぐらい!
龍麻&京一:(笑)

 
答え:朝倉ゆりほちゃんです。
 なお、ここで暴露話をひとつ。
 ここで壬生のプレイヤーから、痛いとゆーか、至極ごもっともな指摘がありました。何故壬生は龍麻たちが起こしている騒ぎに気づかなかったのだろーという……その時は「時間帯がズレてるから」とかごまかしましたが、大嘘です(笑)。何故なら、この後、応接室で壬生は美里とはちあわせるのだから。時間がズレてるはずがない。
 何故こーゆーことになったかとゆーと、壬生は裏門から入るだろうとゆー勝手なビジョンがあったからに他ならない。その証拠に……校門から真っ直ぐ校舎に向かって行って、旧学生寮は目につかないよね、普通(大笑い)。
 えー、こーゆーズサンきわまりないマスタリングをしちゃなんねーとゆー見本でした。……続く(笑)。


GM:校舎に案内されて、何故か応接室に通されます。朝倉さんはノックして、「榊くん、入るわよ」と壬生を中に導き入れます。で……中にはどっかで見たような2人が(笑)。「葵さん! 何故ウィと言ってくれないんです!」
美里:(かわいく)えーっ、そんなぁ(笑)。
壬生:……何やってんだって顔で見てあげよう(一同笑)。
GM/超美少年=榊:「おや、そこのなかなか美しい彼は誰だね?」
壬生:今日から転校してきた壬生という。
GM/榊:「下の名前は?」
壬生:下は……うーん? どうしようかなあ。じゃ「もみじ」とでも。
一同:(爆笑)
雨紋:もみじってアンタ(笑)。
GM/榊:「変わった名前だね」(笑)
壬生: 名前のことは言わないでくれ(笑)。
GM/榊:「そうか。僕は榊春洋という。そちらは生徒会長の朝倉さんだ」
壬生:よろしく。
美里:(壬生に)こんにちはっ。
マリィ:こんにちはー(笑)。
壬生:……何故ここにいるんだっという目!(一同笑) ひょっとしてすごく邪魔かもしれない。
雨紋:いやひょっとしなくても邪魔(笑)。
美里:えー。じゃ例のスマイル。うふふっ。
壬生:…………。
GM/榊:(美里に)「おや、お知り合いですか」
美里:ええ、まあ。
GM/榊:「まさかフィアンセではないでしょうね!」
壬生:……気のせいだね。
美里:じゃあ美里はそこで『例の困ったような顔』。(かわいく)あらっ、そんなー。
一同:(爆笑)
マリィ:(しらじら)あれっ、アオイおねえちゃんそうだったのー?
龍麻:(しらじら)それは知らなかったなー。
京一:おー、怖えカップル(笑)。
壬生:……君たちねえ。
GM:えー、そーしてると、朝倉さんが美里をちらっと見て、榊くんに言います。「ホント、あなたってこういうタイプが好きねえ」
マリィ:……アオイおねえちゃんみたいなタイプが?(一同爆笑)
GM/朝倉:「まあいいわ。とにかく部外者をいつまでもこんなところに引き止めないでちょうだい。(美里に)あなた、ここへは何をしに?」
美里:えー、ちょっと友達を捜して。
GM/朝倉:「友達を捜していて、どうしてここにいるの?」
美里:それは、こちらの方が校内放送をしてくださるというので。
マリィ:ここにつれてこられたのー。
GM/朝倉:では、またかい、という目で榊くんを見ながら、「そう? わかりました、では放送しますので、ついてきてください」
美里&マリィ:はーい。
GM:すると、榊くんが「あ、葵さん」と、少し惜しそうな顔をしながら、植木鉢の薔薇を1輪切って美里に差し出します。えーと、ここで直感、知力、魔力いずれかでチェック。
美里:じゃあ魔力で(ころころ)成功です。
GM:では、美里は薔薇の茎から赤いものがしたたりおちたような気がした。
美里:赤い……?(笑)
マリィ:(ぼそっと)さっきは切っちゃいけないって言ってたくせにー。
GM/榊:「葵さんのためなら、血を流すような思いで切るさ。ふっ」と言って美里の胸に。
美里:えー、でも……。
GM:ちなみに高そうな薔薇。
美里:もらっておきます。
一同:高そうだったらもらうんかい!
美里:いや、だってくれたもんはねえ。ほら、返すのも失礼だから(しらじら)。
GM/榊:「では、僕はこれで。仕事があるから」と榊は刺繍ばりばりのマントをばっと翻して立ちあがる。
マリィ:お兄さん、派手派手?
GM:そりゃ派手さ。薔薇と十字団の中で一番派手だもん。もうばりラインハル○様ってカンジ。
美里:(ふっと笑って)内心「ふ、金髪の孺子めが」と思っていよう。
一同:(笑)

 
なつかしいなあ、銀英○ネタって……もうやりません。すみません。すみません(柊化)。

GM/朝倉:「じゃあ行きましょう。(壬生に)あなたはどうする? まだ榊くんと話していくつもりなら……」
壬生:そんなつもりは毛頭ございません!(一同笑)
GM:え? そんなこと言わないで。入団希望書類もあげよう。銀の薔薇の箔押しがあったりするぞ。君も薔薇と十字団で僕と握手。
壬生:……少し考えさせてくれないか(←考えるんかい)、と言ってさっさとしまって出る。
GM/榊:「あ、かならず写真は添付のこと。3ヶ月以内に撮影したもの。ハンコも必要だよ」
マリィ:ひょっとして写真の裏には名前書かなきゃだめとか。
壬生:写真は3×4センチ。
GM:とーぜんじゃん。

★菩薩様とおねーさまと僕ら

 今のご時世、笑ってられない就職活動ネタはおいておいて、そそくさと部屋を出る美里、マリィ、壬生である。

GM/朝倉:「だめよ、あんな男にとっつかまっちゃ。タチが悪いんだから」
美里:はあ、そうなんですか?
GM/朝倉:「そうなんですかって、あの子が薔薇と十字団のトップよ。だいたいあなたたち、この学校見て変だと思わないの? 運動部は汚いだの汗臭いだのでいっせいに廃部に追い込まれるし、生徒会も関わるなって言われて、やることなくなっちゃたしね」
美里:朝倉さんは生徒会の方なんですか?
壬生:生徒会長だって。
GM/朝倉:「あら、そういうあなたは真神の生徒会長さんじゃなかった?」
美里:あ。そういえばそうだった。
マリィ:忘れちゃだめだよ、おねーちゃん。
GM/朝倉:「確か一部で菩薩眼サマとか有名な……」
一同:(大爆笑)
龍麻:とうとうここまで知れ渡っていたかー!
GM:(自分も笑いながら)いや、今のは嘘。いくらなんでも嘘。
美里:みんなひどいわ。うふふっ。
GM:えー、それはともかくですね(笑)、みんなで放送室に向かっていると、例の派手な制服を来たお兄ちゃんが、廊下を走っていって、朝倉さんに怒られます。彼は「すみません、今校門の方で変な連中が暴れてるそうなんです」と言ってますね。
美里:……変な連中というのは……。
壬生:……どうせ知ってる連中なんだろうと思いつつ。
マリィ:なんでわかるんだろーねー(しらじら)。
GM/薔薇十字団の団員:「1人は普通の学生なんですが、1人は身長2メートル近い大男で、1人は金髪逆立てて槍持ってて、1人は木刀を……」
美里:(最後まで聞かず)あー、はいはい、もういいです。
壬生:僕はまだここにいるよね。
GM:そう簡単には逃げられないさぁ(笑)。
美里:じゃあ壬生に助けを求めるような視線を送るよ?
壬生:……じゃあ知らん顔するよ?
美里:……うふふっ。
壬生:…………。
一同:(こ、怖い……)
美里:……では菩薩眼に「どうせ戦うのはあなたよ」という想いをこめて。
一同:(爆笑)
壬生:か、関係ない関係ない。
マリィ:(しれっと)ねー、アオイおねえちゃん、それってタツマおにいちゃんたちかなあ。
美里&壬生:……あ。
GM/朝倉:(意地悪く)「あら? ひょっとしてお知り合い? そう言えば美里さん、捜してるご友人はなんて名前だったかしら?」
美里:え? え、あ、あの緋勇龍麻って名前なんですけどー。
GM/朝倉:「はいはい、それじゃ校内放送で呼び出してみるわね」と言って去って行きます。
壬生:うーん。情報源としては彼女が一番マトモそうだなあ。
GM:まあねえ。(いきなり)ぴんぽんぱんぽーん♪ 「えー、真神学園高校からお越しの緋勇龍麻さま……」
龍麻&京一:のおおおおおおおっ!(一同爆笑)
GM:「正面昇降口前で美里葵さんがお待ちです。すぐにお越し下さい。なお、この学校内ではあまり騒ぎを起こさないように。以上」 ぷつっ。ぴんぽんぱんぽーん♪
壬生:……あーあ。
GM:えー、ではそーゆーことで場面を切り替えまして、騒ぎの起きている校門あたりですが。周りの団員たちが「何だ、おまえたちあの魔人学園から来たのかっ」とか言ってますが。ひそひそひそ。
京一:いや、俺たちは別に、ねえ、ひーちゃん。
龍麻:別にこの4人の中で誰が『緋勇龍麻』だとか言ってないわけだし、ねえ。
GM:そーゆー逃げ方していいと思ってんの?
龍麻&京一:だって、ねえ、美里が待ってるってゆーし。
美里:うふふっ。
一同:…………。
美里:さ、私たちも校門の方に行ってみましょう。
マリィ:はーい。
GM:んじゃ3人は校門の方に行くと。校門では、あの4人と、薔薇と十字団の兵隊(補充されたのだ)とにらみ合ってますね。美里さん、どうします?
美里:そうですねえ……ではとりあえず黙って龍麻の後ろに廻り込んでおきます(一同笑)。
GM:では朝倉生徒会長を出すか。しゃあねえ。
壬生:あ、朝倉さんが出てくるなら、その前にちょっと話しかけておきたいかな。
GM/朝倉:「あら、あなたどうしたの?」
壬生:うん、結局校長は?
GM/朝倉:「校長? ここ1週間あたり病欠よ」
壬生:病欠ねえ。
GM/朝倉:「まあこの学校の秩序なんて今あって無きが如しよ。見ればわかるでしょ? だいたいあなた、どうしてこんな時期に転校してきたの?」
壬生:(少し考えて)幼なじみがこの学校にいるものでね。相原っていうんだけど。
GM/朝倉:「相原って、相原一実? あれと幼なじみには見えないわね、あなた真面目そうだし。あれはウチでも札付きの不良よ」
壬生:うん。
GM:いや、うん、てなんか違くない?(笑)
壬生:とりあえず彼に会いたいんだけどね。
GM/朝倉:「相原ねえ。最近見ないわね」
壬生:停学中だから?
GM/朝倉:「うーん、何か行方不明になっちゃってるみたい」
一同:……行方不明?(笑)
壬生:それ、誰も調べないのかい?
GM:んーと、朝倉さんは少し黙って考えた後、「今ちょっと忙しいから、6時ごろ近くの喫茶店に来てもらっていいかしら」と小さい紙を渡す。
壬生:(黙って受け取るポーズ)
GM/朝倉:「じゃあそういうことで」と校門の方へ行って……そこは何をやってるのかしらという目で見る。
壬生:じゃあ彼女の隣で、龍麻何をやってるんだいという目で。
一同:(笑)
壬生:ついでに紫暮さんにも。
紫暮:冷や汗かいてます(←何を今さら)。
GM/朝倉:「えーと、この中に緋勇龍麻くんて人はいる?」
龍麻&京一:…………。
GM/朝倉:「あら? いないの? もう帰っちゃったのかしら?」
4人&美里&壬生:…………。
マリィ:あれー、おにいちゃんここにいたのー?
龍麻:あ。
GM/朝倉:「お兄ちゃん? あなたのお兄さんには見えないけど?」
マリィ:タツマおにいちゃんはマリィのおにいちゃんじゃないけどおにいちゃんなのー。
龍麻:…………。
GM/朝倉:(しらじらしい大声で)「ああ、あなたが真神学園高校から来た緋勇龍麻くんね? 結構有名よあなた。それじゃ、隣の赤っぽい髪の彼があの!(超強調)蓬莱寺京一くんね?」
龍麻&京一:はぁーい……。
GM/朝倉:「で? あなたたちは何しに来たの?」
龍麻&京一:え?
GM/朝倉:「まさか何の理由も無しにこんなとこまで来たとか言わないわよね?」
龍麻&京一:…………。
GM/朝倉:「薔薇が欲しいとか? いいわよ、いくらでも持っていって」
龍麻&京一:…………(いや、いらない)。
GM/朝倉:「……何しに来たか、言いなさいとっとと」
マリィ:駄目だ、負けてる(笑)。
龍麻:うー、何だか美里が2人(笑)。
壬生:で、後ろを見ると本物が。
龍麻&京一:……え?
美里:うふふっ。
一同:(爆笑)
GM/朝倉:(しばらく笑った後、紫暮に)「で? あなたは何やってるの、空手着なんて着て。ウチの空手部は廃部になったわよ」
紫暮:(どきっぱり)これが俺の正装だ。

 
思わず一同拍手(笑)。かっこいー。

紫暮:(低い声で)榊とかいう奴に会いにきた。
GM/朝倉:「榊くん? 彼に何の用?」
紫暮:空手部の廃部を取り消してもらう。
雨紋:(ぼそっと)考えてみるとさ、ダンナって単に喧嘩売りに来てるんだよな。
紫暮:押忍。
一同:(爆笑)
紫暮:というわけだから榊を出してもらおうか。
GM/朝倉:「榊くんはまだ応接室かしらね」
紫暮:呼び出してもらえないか。
GM/朝倉:「いいけど、ちょっと待ってね。(雨紋に)ところであなたは?」
雨紋:俺かい? 俺はある人に頼まれて、植木鉢を探しに来たんだけどよ(一同笑)。
GM/朝倉:(笑いながら)「植木鉢? 植木鉢なんて、この学校には死ぬほどいっぱいあるんだけど」
雨紋:うん、こう周りに紋様みたいなものがあって、白い薔薇が植えてあったんだそーだが、アンタ知らないか?
GM/朝倉:「話しにならないわね」

 
もう少し訊き方というものを考えてくれい。いきなり見ず知らずの人に植木鉢知らないかとか訊くなよー(笑)。で、実は輪をかけて情けなかったのが……。

GM/朝倉:「ところで、緋勇くんと蓬莱寺くんは?」
京一:……(しばし考えて)ひーちゃん、何だったっけ、ほら。
龍麻:んー、俺も記憶力がとんと。
GM:とりあえず知力チェックをしなさい。
龍麻&京一:(ころころ)あはは。
GM:失敗したのね。……あのさ。プレイヤーも忘れたの? 本当に?
龍麻&京一:はっはっは。
GM:おめーら、それぐらい覚えておけええええい!

 
GM、思わず絶叫(笑)。何しに来たんだよホントに!

GM:朝倉ゆりほちゃんを捜しに来たんでしょうが。
龍麻:そうそう。その朝倉ゆりほちゃん。おや?(笑)
京一:おや?(笑)
龍麻:で、ご本人なの?
GM:さーあ? 訊いてみます?
龍麻:いや、でも俺らこの人が「朝倉」さんだって知らないでしょ。
GM:そういや名乗ってないなあ。
龍麻:じゃあ正直に。朝倉ゆりほさんて人を捜しているんですが。
GM/朝倉:「ふうん、そう」と言ったきり。
龍麻:言ったきりぃ?
京一:うーん……。
GM/朝倉:(龍麻たちが何も言わないので、紫暮に)「じゃあちょっとあなた、応接室に来てくれる?(雨紋に)それとあなたも。植木鉢の件は榊くんに話をつけてくれる?」
紫暮&雨紋:はあ。
GM:で、応接室に来てみると、何だその汗臭い男は! 臭いゴツいデカいムサい四角い以下略。
一同:(笑)
雨紋:なんなんだよ、コイツわ。
GM/榊:「僕は榊という。この部屋に入らないでくれたまえ君たち。臭いがうつる」(笑)
紫暮:ずかずかずかずか。
一同:おーい。
GM:(慌てて)そーゆーことをすると、薔薇と十字団のお兄さんたちが2人ばかり組み付くよ。
紫暮:振り払います。
GM:じゃあ強さの威力対抗だな。こっちは2人がやってるということで、3D6くらいかな。紫暮は4D6なんだよな(笑)。えーと(ころころ)14。
紫暮:(ころころ……ころころ……)
GM:またすかあ?(悲鳴)
紫暮:24ですね。
GM:じゃあ弾きとばされて壁に激突だな。朝倉さんが慌てて「乱暴はやめてちょうだい」と。
紫暮:(大真面目な顔で)俺は何もしていない。
一同:してるやんけーっ!(爆笑)
GM:ターミネーターかあんたは!
壬生:ってゆーかタチの悪いケンシロウみたい。
マリィ:話し合いに来たんじゃなかったの?
紫暮:男は拳で語るもんだ。
GM:じゃあ榊くんもさっと銀のレイピアを抜き放ったりしてみる。
紫暮:卑怯な奴だな。
GM:フェンシングやってる人間に拳で語れってのも充分卑怯でわと。
紫暮:むう。どうやら貴様とは相容れないものがあるようだ。

 
そりゃそうだろうよ(笑)。

紫暮:ところで遠藤を倒したそうだな。
GM/榊:「ああ、あいつか。あんなのは僕にとって雑魚にすぎないよ」
龍麻:いやそのセリフは壬生っち(笑)。
壬生:「話にならないな」って感じ(笑)。
紫暮:どうだ、ここは一つ勝負をしよう。俺が勝ったら空手部を復活させてくれ。負けた場合は何もなし(一同ずっこける)。
GM:話にならんわ(笑)。
紫暮:でもすでにファイティングポーズとってますが。
GM:本当にやるの? ここ、他所様の学校よ?
紫暮:……むう、仕方ないか。では帰り道で待ち伏せしましょう。
一同:えげつねー!(爆笑)
紫暮:(かまわず)邪魔したな。すたすた。
GM:と、待ち伏せしに行くわけなのね……。

★そんでもって怪しすぎる薔薇と俺様

GM:じゃあ雨紋です。薔薇と十字団のお兄さん……名前は田中くんにしよう。彼を案内役にあてがわれました。
雨紋:おう。とりあえず紋様のある植木鉢だ。
GM/田中:「うーん、仕方ないなあ。とりあえずグラウンドから見て廻ろうか」とわりと親切に案内されます。「植木鉢かあ。ここの薔薇は榊様が植えたものだけど、苗木は確かに植木鉢に入っていたよ。それだけでもかなりの量だったな」
雨紋:その時の植木鉢はどうしたんだ?
GM/田中:「まあ学校中いろんな所に散ったけど、基本的には旧学生寮の温室にまとめてあったかな」
雨紋:じゃあそこに案内してくれねえか?
GM/田中:「うん、いいけど……あそこ色々ヤバい噂があるんだよな。何でも、人が消えたとか……あっ、こんなこと言ってたなんて榊様には内緒だぜ」
雨紋:(力強く)おう、心配すんな。俺様は口は固いぜ。
GM:そうだったっけねえ(笑)。んで、温室につくと、割れたガラスと骨組みに覆い被さるように、大量の茨が。はっきりいって、向こう側が見えないくらい。ここまでくると不気味だね。花の色は濃いピンクから、真紅まで。とりあえず白は見当たらないな。
雨紋:おい、これどうやって中に入るんだ?
GM/田中:「おい、そこの薔薇にあんまり近づかないほうがいいぞ」
雨紋:何びびってんだよ?
GM/田中:(声をひそめて)「いや、本当にここだけの話だぞ。この薔薇、何でも夜な夜な動き出しては人の血を吸ってまわるとか……」
雨紋:マジかよ? 気味悪いな。
GM:んーと、ここで直感、魔力、知力のどれかでチェック。
雨紋:どれも低いんだけどな……(ころころ)お、成功だ。
GM:では群生してる薔薇の中に、ひときわ真っ赤な薔薇の群がまるで筋のように通っています。それを見ると、何だかものすごく嫌な感じがする。触ってみます?
雨紋:(苦笑)うん、まあ一応。
GM:すると……薔薇がちょっと動いたような気がした。
雨紋:……これ以上はやめとこう(笑)。
GM/田中:「入るなら榊様に許可もらってくれよ」
雨紋:どっちかってーと、あんまり入りたくないんだけどな。ところで、ここって昔からこんなに薔薇だらけだったの?
GM/田中:「いや? 2週間前くらいから、榊様が持ってきて植えたんだ。そしたらいつの間にかこんなになって」
雨紋:……少しは疑問に思えよ(笑)。
GM/田中:「うーん、世の中には不思議なことってあるんだなあと思って」
雨紋:……駄目だこりゃ。他に植木鉢のあるところってどこだ?
GM/田中:「後は……(口ごもって)応接室に10個くらいあるけどね」
雨紋:しゃあねえな。行くか。
GM/田中:「いいけど、ケンカ売らないでくれよ?」
雨紋:まかせとけって。俺はアイツとは違うぜ。
GM:アイツ?
紫暮:……へーくしょん(←くしゃみ)。
一同:(笑)
GM:では、応接室に行くと、また、何だね、という顔で見られるけど。
雨紋:手短に言うけどよ。白い薔薇が植わってて、こう紋様のついた植木鉢って見たことねえか?
GM:知力もしくは直感チェック。
雨紋:またかよー……あ、やった。
GM:成功したの? それじゃ、何となく榊くんの顔がひきつったような気が。
雨紋:何かビンゴそーだなあ……ここの植木鉢はどんなの? 如月サンの言ったようなのはあるかな?
GM:白い薔薇が植わっているのはない。植木鉢自体は……現物を見たわけじゃないからねえ。高そうで紋様みたいのが書いてあるのもあるけどね。
雨紋:ところでよ大将。ここの植木鉢、どこで買った?
GM/榊:「大将とはなんだ。僕のことは榊様もしくはムッシュー榊と呼んでくれたまえ」
雨紋:おう、ところでよムッシュー(←素直)、ここの植木鉢、どこで買った? いや、もしかしたら知り合いの店かもしれないんだけどよ。
GM/榊:「園芸品店かい? 名前は?」
雨紋:園芸品店っちゅうか、まあ何でもおいてあるんだけどよ。ピザとか、たいやきとか、手作り弁当とかよ。
美里:……売ったわね龍麻。
龍麻:……え?
一同:(爆笑)
GM/榊:(笑いをこらえている)「何なんだ、その店は。僕はそんな怪しい店では買わないぞ」
雨紋:そんなに怪しくねーって。如月骨董品店って店なんだけどよ。店主が招き猫抱えてるかもしんねーけどよ(一同再度爆笑)。
壬生:それで壁がくるっと回って出て来たりするんだろう(笑)。
龍麻:「やあ、いらっしゃい。今日は何の用だい?」(笑)
京一:ぜんっぜんフォローになってねーって!(笑)

 
結局雨紋くんは何も得るところがなく、退場。
ただ、榊くんが「白い薔薇の植わっていた植木鉢を探しているわけかい」とわざとらしい(笑)失言。もちろん雨紋はそんなことを一言も言っていないわけで、コイツが怪しいだろう(いやそうでなくても怪しいけど)と目星はついた。しかし決め手は無し……。
 ところで龍麻、京一、美里、マリィはというと……。


京一:このお姉ちゃん(←朝倉さん)に素直に名前訊くしかねえよな。ってわけで、おねーちゃん、名前は?
GM/朝倉:「それが人に名前を訊く時の態度?」
京一:……うっ。
マリィ:このおねえちゃんもなんか怖い……(笑)。

 
なんか色々と一歩を踏み出せずにいた(笑)。

龍麻:あのお、朝倉ゆりほちゃんは?
GM/朝倉:「しばらく学校に来てないわ」
龍麻:来てないって、休んでるとか?
GM/朝倉:「このところ少し行方不明者がいるのよ」
京一:何でそんなに平然と言うわけ……?
龍麻:行方不明者ってそんなに多いんですか?
GM/朝倉:「私が知る限りでは、うちの妹と、3年の相原と中本と深見……他にもいるかも知れないけどね」
龍麻&京一:(今妹って言ったよな……)
GM:…………。
龍麻&京一:…………。

 
膠着状態、続く。
 この辺はGMの誘導が下手なんだよなやっぱ……。
 龍麻&京一コンビの慎重さは、プレイヤーとしては誉められていいんだけど、松井どーもせっかちだから……。
 プレイヤーのせっかちはいいんですが、GMはせっかちじゃ駄目ですよね。反省。
 それはともかく、捜索はも少し続きます……。