勃 発 篇  Where there is smoke, there is fire.


★まずはおなじみ真神学園から……

ゲームマスター(以下GM):えー、ではそろそろ始めたいと思います。まずは真神学園高校、龍麻と京一からまいりましょう。放課後ですね。龍麻は帰宅部でしたよね。美里は生徒会で、小蒔と醍醐は部活です。で、京一なんですけど、部活に行こうかなー、と思ったところで、すごく面倒くさくなったと。
京一:(笑)
GM:2人でじゃあこれからラーメンでも食いに行くか、と思っていると、後ろから「緋勇先輩、蓬莱寺先輩!」という女の子の声が。
龍麻:女の子?
GM:そう女の子。
京一:じゃあ振り向かねばなるまい(笑)。
GM:立っているのは2人が知らない下級生の女の子です。「あのーすみません、厄介ごとだったらおふたりに頼むのが一番いいって美里先輩に聞いたんですけど」
京一:いきなりソレ。
龍麻:しかも聞いた先が悪すぎ(笑)。
GM/女の子:「違うんですか?」
龍麻:いやあ情報の発生源が……。くそお美里め、と内心思いながら聞いてあげよう。
GM/女の子:「実は私の幼馴染の女の子が行方不明になっちゃったんです」
美里:(いきなり)また女の子?
GM:そう、ここも女の子。チェックしとかなきゃだ。
美里:うふふっ(←怖い)。

 龍麻たちの言動からもわかるが、今回の美里は「菩薩眼サマ」バージョン(意味不明)である。何せ「菩薩眼ビーム」なんて技まで持ってるんだから本物だ。

GM/女の子:……「その娘百合が原高校ってとこに通ってるんですけど、その学校が最近変なんです」 えーと、ここで知力チェック。
京一:(のプレイヤー、ダイスを振りながら)京一知力低い……。
GM:知力の高い京一なんて京一じゃないじゃん(きっぱり)。2人とも失敗ですか? それじゃ下級生……杉本さつきちゃんが教えてくれます。えっと最初から説明しましょう。彼女の幼馴染は朝倉ゆりほちゃんと言います。その子が通っているのが百合が原高校なんですが、そこが2週間くらい前から、『薔薇と十字団』と名乗る怪しい連中に牛耳られて……。
一同:怪しい……。
GM:いや確かに怪しいですね。「そういう連中が闊歩するようになってから、ゆりほから全然連絡がないんです。私心配で……そういう厄介事なら緋勇先輩と蓬莱寺先輩に頼めば絶対OKだって美里先輩言ってましたし!」
龍麻&京一:(笑)
GM/女の子:「桜井先輩に聞いてもいやもー全然おっけーだよッって言ってましたし!」
龍麻:いや……その。
京一:ひーちゃん、断れないんですけど。
龍麻:まあ女の子だし?
GM:じゃ、そーゆーことで。あ、ちなみに百合が原高校はいわゆる標準服を採用しているところで、一応制服はあるけど着ていってもいかなくてもいい。で、2人は今真神の制服ですよね。その格好のままで行くかどうかは自分たちで決めてください。では、次。

GM:雨紋くんはその日なんとなくヒマだったので、如月さんの所に遊びに行きました。いつも通り扉を開くと、「やあ、よく来たな、中に入ってくれよ」と珍しく笑顔の如月さんが出迎えてくれます。
雨紋:じゃあドキドキしながら中に入ります(笑)。
壬生:疑問には思わないの?(笑)
GM/如月:「京都から取り寄せたいいお茶があるんだよ」と言って、お菓子まで出てきます。にこにこ笑いながら。
龍麻:何か企んでる……(笑)。
雨紋:いや、でもここは尊敬する如月サンのことですから。素直にいただきます。
GM/如月:(すかさず)「ところで頼みがあるんだが、きいてくれるよな。茶まで飲んだんだもんな」
一同:(笑)
GM/如月:「きいてくれるよな。当然きいてくれるよな。うん」
雨紋:まあ、如月サンの頼みなら(←従順な雨紋くん)。
GM/如月:「あ、ちなみに今金がないんでギャラはでないけど。まァいいよな。このお茶は高いんだ。味わって飲んでくれよ」
マリィ:ただ働き……。
壬生:報酬に小蒔のガムでももらっとけば?(笑)
GM/如月:「実は植木鉢を探して欲しいんだが」
一同:(笑)
壬生:買ってこいってカンジだな……。
雨紋:あのー、売ってるんですか?
GM/如月:いや、売ってない。これ特殊な植木鉢だから。如月家に代々伝わる植木鉢(笑)。
雨紋:はあ……(笑)。
GM/如月:「実は僕の知り合いの鹿嵐という生物学者に白い薔薇を預けられたんで、とりあえず植えておいたんだが、それを間違って売ってしまってね。周りに紋様が彫ってある、高そうな植木鉢だ。買ったのは……うーん、悪いんだが、百合が原高校の制服を着てたということぐらいしか覚えていないんだが、君ならなんとかなるだろうと。じゃ、また来てくれよな」(笑)
一同:(笑)
マリィ:追い払われてるしー!
京一:ヒドイ……。

GM:次は紫暮さんです。
紫暮:(低い声で)押忍。
GM:紫暮はですね、今度の日曜に百合が原高校の空手部と練習試合をすることになっていました。
紫暮:押忍。
GM:ところが放課後、部室に後輩が飛び込んできました。「主将、大変です!」
紫暮:押忍。
一同:(笑)
GM:あのー、怖いですよ主将?
紫暮:押忍。
GM:……大丈夫ですか?
紫暮:大丈夫です。いや、今この辺にドッペルゲンガーが……。
GM:それ、実は鼻が赤かったりしません?(笑)

 
なお、紫暮のプレイヤーは、前日3時まで飲んでいたそーです(笑)。お疲れさま。

GM/空手部員:(気をとりなおして)「主将、実は百合が原の空手部が廃部になったそうなんです」
紫暮:何ぃ?
GM/空手部員:「何でも学校側からいきなり廃部を言い渡されたそうです。汗臭いからやめろって……」(笑)
壬生:それは……紫暮に対する明らかな挑戦では……。
紫暮:全く、信じられん。
GM/空手部員:「あ、百合が原の主将の遠藤さんが、何だか怪我して入院してるみたいなんで、俺これからお見舞いに行ってくるっす。主将はどうなさいます?」
紫暮:うむ、事情も聞きたいし、行かねばなるまい。
GM:えー、では病院です。
紫暮:病院でも空手着ですか?
GM:そりゃそうですよ。防具の欄に「道着と黒帯」って書いてあるじゃないですか。
紫暮:これで街中歩くんですか。
GM:そうですよ。だって紫暮、ゲームでもその格好で歩いてるじゃないですか。
紫暮:漢だな……。
GM:漢ですねえ。では看護婦さんたちに白い目で見られながら(笑)、病室に来ると、ベッドに巨体の……まあ紫暮よかちっちゃいけど、がっしりしたゴツい男子生徒が、包帯だらけで横たわっています。で、こう手を差し伸べて、「し、紫暮……」
紫暮:どうした遠藤。何があった。
GM/遠藤:「ウチの学校が何か変になったんだ。『薔薇と十字団』とかいう変な奴らが、『こんな汗臭い美しくないものは認めん!』とか言って、空手部を廃部にしてしまったんだ!」
紫暮:うむ。じゃ。
一同:行くなー!(笑)
GM:(気をとりなおして)……遠藤くんが言うには、榊くんというひょろひょろっとした男の子がいまして、その子に一撃でやられてこうなってしまったと。
紫暮:そいつはどこにいるんだ?
GM:そりゃもう百合が原高校ですよ。
紫暮:そりゃもう乗り込むしかないっすね。
GM:はあ……。

GM:じゃあ壬生くんいきます。例によって鳴瀧館長に呼ばれます。(しゅたっと手を上げて、明るく)「や!」
壬生:…………え?
一同:(笑)
京一:館長?
龍麻:館長? 俺も目ぇ疑っちゃうよ(笑)。
GM/鳴瀧:「そんなん気にせんでええがなあ! ところで例によって仕事なんだが」
壬生:……はあ……館長も人が変わられた……。
GM/鳴瀧:「ちょっと仕事を頼まれて欲しい」
壬生:はい。
GM:従順だね。
壬生:だって拳武館の掟ってこうでしょうが。断っていいんですか?
GM:断ると今月の電気代とガス代が払えないよ。
壬生:……ええっ? 入院費でしょ?
龍麻:いや、それはそれとして、電気代とガス代と水道代がね(笑)。
京一:そっちが優先?
美里:そうそう(←勝手に決められている)。
GM:ギャラ安いしね。有給でないしね。大変だね拳武館(←勝手に決められている)。それはそうと写真を見せられます。髪の毛茶髪。耳にはピアス。顔はメンチきってるとゆーいかにもなヤンキー顔ですね。こいつを殺せ! ……というわけではなくて。
壬生:はあ。
GM:この男の子を探して欲しいんですね。名前は相原一実。あまり詳しいことは言えないんですが、拳武館に援助をしてくれてる人の息子ということです。「まあ正直あまり感心しない子なんだが、そうも言っていられなくてね。彼は百合が原高校の3年だ。目立たないように学内に侵入して、情報を集めてきてくれ。あ、くれぐれも拳武館の制服でいかないように」
壬生:館長、それじゃ殴りこみです(笑)。じゃあ寒いでしょうからコートにマフラーして、私服で行きます。
龍麻:あ、ところでマスター。
GM:はい?
龍麻:制服を着替えて行った場合、防護点はどうなるんですか?
GM:……あ。あー……いいです、冬服ですから、防護点そのまんまで……。

 
普通のRPGで鎧で攻撃を防ぐように、各キャラの制服(紫暮は道着)に防護点が与えてあったんですが……シナリオ上、制服着替えなきゃならんのをころっと忘れてた……。

GM:お待たせしました。美里です。生徒会の仕事が終わりました。
美里:はい。今1人ですか。
GM:小蒔と醍醐はまだ部活です。一緒に帰ろうと思って、龍麻と京一を探してるところですね。知力もしくは直感チェックで。
美里:(ころころ)あら、龍麻と京一くん、どこかしら。
GM:失敗? ではあの2人、いませんねえ。
龍麻:(ぼそっと)よかった、さっさと出かけて……。
美里:(ドスのきいた声で)……ったく何してんのあの2人はァ!
一同:こ、怖ぇ……(笑)。
GM:そ、そうするとですね、後ろから生徒会の後輩に声をかけられます。「あれ、美里先輩、誰か探してるんですか?」
美里:(いきなりトーンが跳ね上がる)あら、何でもないのよ。ちょっと龍麻と京一くんを探してるの。うふふっ。
紫暮:(ぼそっと)絶対この人、生徒会室に灰皿隠してるよ……。
龍麻:(手をあげて)はい、くしゃみ2回します(笑)。
京一:悪寒つきです(笑)。
GM:そうですか? じゃあ2人とも精神力チェックね。
龍麻:……あ(笑)。(ころころ)一応成功。
京一:(ころころ)こっち失敗です……。
GM:じゃあMP1点減少ね。精神ダメージで。
マリィ:余計なこと言うから……。
美里:うふふ。ねえ、龍麻と京一くん知らない?
GM/後輩:「緋勇先輩と蓬莱寺先輩なら、杉本さんと一緒にどこかに行きましたよ。えーと……あ、百合が原高校に行くって言ってました」
美里:杉本さん? 女の子?
GM/後輩:「そうですよ。まさかデートってことはないと思いますけどねー」(笑)
美里:……うふふっ。それじゃ、私も百合が原高校に行かないとね。世話がやけるんだから、2人とも。
京一:……ひーちゃあん。
龍麻:俺知らね。
GM:じゃあ美里は2人を追って百合が原に行くと。では校門のところで、知っている声に呼びとめられます。お待たせしました。マリィちゃん登場してください。
マリィ:はあい。(かわいい声で)アオイおねえちゃん、どこ行くの?
美里:(かわいい声)あらマリィ、こんにちは。うふふっ。
紫暮:(またもやぼそっと)こいつ、実はアミバだったりしねえか?

 
……言い忘れていました。美里のプレイヤー、男性です。誰のせいとは言わんがね。女性陣がさっさとひーと京一キープしたとか……。

美里:龍麻と京一くんが、百合が原高校に向かったって言うから、行ってみるの。よかったらマリィも一緒に来る?
マリィ:ウン、マリィも行く。
美里:じゃ、気をつけて行きましょう(←何にだ)

 

★その学校は薔薇園だった

GM:では、京一と龍麻に戻ります。駅から高校の方に歩いて行きますと、薔薇の香りが漂ってきます。
龍麻:薔薇……?
GM:高校に着いてみると、これがすごい。敷地を囲むフェンスに、一面に薔薇がからまっています。色も赤やら白やらピンクやら黄色やらオレンジやら紫やら、すごいです。
マリィ:黒は?
GM:黒はないな。青もないかな。
京一:不自然な色はないんですね?
GM:こうまで大量にあると、存在そのものが不自然ですけどね。『眠りの森の美女』ばりに茨が縦横無尽にからみついてますね。
龍麻:茨かきわけてお姫様助けにいくわけ?
GM:たとえ〜すーすむーみちーがいーばらでーもー♪(←歌うな)ってカンジですかね。さて、校門から入って行きますと、さらに凄い光景が目に映ります。まず、全身黒ずくめの揃いの衣装! 腰にはレイピアを下げ、赤い薔薇を胸ポケットに飾った美青年!の一団が、整然と行進しております。こう、ざっざっざっ……と。
龍麻:…………。
京一:……ひーちゃん、見なかったことにしちゃ駄目?
壬生:……ホントにいたら即、邪妖滅殺!って感じ……(←それは如月だ)。
龍麻:だってざっざっざ、だよ? 軍隊だよ?
GM:(無視して)その先頭には、黒服の胸に銀糸で刺繍を施し、マントを羽織った偉そうな人がいます。
壬生:ひょっとして帝国軍の軍服みたいな感じ……?
GM:そうそう。
龍麻:ら、ライン○ルト様……?
GM:そうそう、あんな感じ。一般生徒もいますけど、肩身狭そうですね。で、その一団が君たちを見て、行進をやめます。
龍麻&京一:……ずざざざざっ(←後ずさった擬音)。
GM/隊長:「何だね君たちは。見ない顔だな」 で……美形なのはどっちかなー。どっちがいいかなあ(にやにや)。
龍麻&京一:え……。
GM:うん、面白いから京一にしよう。その美形のあんちゃんがだね。京一の顎にこう(と、プレイヤーの顎に手をあてて持ち上げる)。
京一:…………ひ、ひぇー?(笑)。
龍麻:(慌てている)な、何? 何なんだ?
GM/隊長:「君、せっかく素材がいいのに、こんな馬鹿面をしていては台無しだよ」
一同:(爆笑)
龍麻:おい、言われてるよ(笑)。
京一:俺、すごいショック……。でも言い返せない……(笑)。
GM/隊長:「こっちの方がよくないかね」と木刀を取り上げてレイピアを……。
京一:い、いやっ! 俺こっちでいいからっ! ……とずりずりとひーちゃんの傍によって逃げますっ。

 
えー、どーでもいいですが。ライ○ハルト様な格好して、胸に薔薇飾って、レイピア下げた京一って……えー……まあ素材の良さと似合う似合わないはまた別ってことなんですかねえ……。

GM:とりあえずそうやってからまれててください。では、話を変えます。紫暮さんと雨紋は同じ頃百合が原に着きました。そこで……。
紫暮:マスター、すみません。空手着でしょうか。
一同:(笑)
GM:空手着のままでしょうね(笑)。えー……着くと同じく、薔薇の香りが漂い、フェンスに薔薇が絡みついていますね。
紫暮:目を丸くしています。
GM:で、グラウンドとかはですねえ、何故か芝生になっておりまして。白いテーブルが並べられ、優雅に弦楽器が奏でられ、黒服の一団がティータイムなんぞを楽しんでおります。
紫暮:ついでに顎もはずしておきます。
GM:じゃ2人は、校門のところでばったり出会います。
雨紋:よぉ、アンタ何してるんだよ。
紫暮:…………。
壬生:顎をはずして……(一同笑)。
紫暮:かるちゃーしょーっく……。
雨紋:あん?
紫暮:(いきなり)いや。薔薇十字団の本部はどこだ。
雨紋:え? そんなの俺が知るかよ。俺は……(ちょっと口ごもって)植木鉢を探しに来たんだよ(笑)。
壬生:……どういう会話だー!
龍麻:噛み合ってないぞー!
紫暮:何故植木鉢を探しているんだ。
雨紋:いや、ちょっと頼まれてよぉ。普通の植木鉢の横に、紋様が描いてあるみたいなんだが、あんた知らねェか?
紫暮:よし、じゃ俺が描いてやろう。
雨紋:……駄目だコイツ。
GM:……そうこうしているとですねえ。「そこの2人、そこで何をしている! 特にその! 汗臭い空手着の男!」
紫暮:空手の素晴らしさがわからない奴とは、これはもう勝負でしょう。
雨紋:ちょっと待てって!(笑)
紫暮:まあ男は拳で語らないと。
GM/薔薇十字団の幹部:「むっ! そんなムサい! 汗臭い! ゴツい! 四角い!男が、この薔薇十字団に歯向かう気か!」
雨紋:おーい、ちょっと……。
GM/幹部:「そっちの男も何だ! その逆立った金髪は! 何かこー、刺さりそうじゃないか!」
雨紋:刺さりそうって……。
GM/幹部:「それに何だ、その長い物騒な物は! こっちによこせ!」と、雨紋の槍に手を……。
雨紋:何だよ、俺様にケンカ売ってんのか!(←売ってる売ってる)
GM:幹部らしき男がぴーっと笛を吹くと兵隊4人がざざっと並びます。
マリィ:かっこいー!(笑)
GM/幹部:「この汗臭い男どもを排除しろー!」
美里:排除ですか、排除。
紫暮:褒め言葉と受け取ったから、全く動じませんね。
美里:褒め言葉なの?
紫暮:汗臭い。ムサい。ゴツい。四角い。褒め言葉でしょう。
壬生:四角いは違うと思う。


★戦闘レクチャー編

 シナリオのはじめに練習用戦闘をもってくるというのは王道。今回、美里・雨紋・紫暮のプレイヤーがメガテン初心者だったので、GMとしては願ったりな展開。
 ただ、その、この喧嘩の売り方、買い方はかなりすごいんではなかろーか……。


GM:じゃあ2人とも前列だよね。こっちも全員前列ということにしましょう。幹部が真中で、ザコが両側に2人ずつ。
紫暮:(雨紋に)雑魚は任せた。
雨紋:何でおいしいとこを持ってくんだよダンナー!(笑)
GM:移動力の高い順に行動だから、24の雨紋からだよ。
雨紋:しょうがねえなあ。じゃあザコAを攻撃。(ころころ)当たった。
GM:(ころころ)うん、よけらんない。
雨紋: (ころころ)17……の9足して、ダメージ26。ざく。「派手にいくぜ!」
GM/ザコA:「……ぐはあ! 貴様ァ、学校にそんな武器を持ちこんで! 銃刀法違反だぞ!」
一同:おまえらもだよ!
雨紋:惚けたこと言ってんじゃねえ!
GM:ぐふう。えーと、じゃ次は……幹部だな。紫暮さん移動力低かったよね?
紫暮:遅いっすね……15だから。
龍麻:この中で一番敏捷性高いのって誰?
GM:多分ダントツで壬生っち。
壬生:35ですね。
龍麻:何、それ……。
GM:そうなっちゃうんだよ。蹴りの基準値が敏捷性だから。

『真・女神転生TRPG 覚醒編』ではそーなっている。他の格闘技だと蹴りは「強さ」で判定しているので、考えてみるとおかしな話。
ただ今回はパワーよりスピードな壬生っちのスタイルを出したかったので、あえて敏捷性基準にしてみました。


GM/幹部:「そんな美しくないものは許さん!」と紫暮を攻撃。
紫暮:筋肉美というものを知らんのか。
GM/幹部:知らん知らん。(ころころ)しまった。スカった。
紫暮:ふ、哀れなやつよ。幹部を攻撃。当たり。
壬生:あの、それクリティカルなんだけど。ダメージ2倍ね。
GM:紫暮って、ダメージ4D6だったよね……。
壬生:そのかわり武器の修正ないけどね。
紫暮:(計算して)28です。
GM:くうう。じゃあ兵隊たちはひたすら紫暮さんを攻撃だ! 「美しくないものには制裁を!」 ザコAが当たった。避けて。
紫暮:あのー、避けって敏捷性ですか?
GM:そうそう。
紫暮:15しかないんだけどなあ。
GM:その代わりHPが高いでしょ?
龍麻:ほら、紫暮壁だから(笑)。
紫暮:マジ○ガーZだったのかコイツ……(ころころ)避けた。
一同:(どよどよ)おー、すげぇ……。
GM:こっちも当たった。
紫暮:今度は無理だ。
GM:11点っ。
紫暮:1点通った。
GM:1点だけ? くうう、この筋肉があ(笑)。

 
残るザコC、Dの攻撃は外れて次のターン。

GM:と、じゃあその前にだね。龍麻と京一。京一……まだ怯えてるの?
京一:こくこく。
GM/隊長:「惜しいなあ。もう少し磨けばいい男になるのになあ」
京一:(怯えている)ひ、ひーちゃん。ひーちゃん。
GM:ひーちゃん反応は?
龍麻:んー……【悩】(笑)。
GM/隊長:「うーん、こっちの彼もいい男だなあ」(と、龍麻のプレイヤーに手を伸ばす)
龍麻:うわああああ。こっち来るなー!
GM:んで、そうしてるとね。校門の方が騒がしい。2人とも知力もしくは直感チェック。(京一に)君直感でやんなさい。
京一:はあい(笑)。(ころころ)成功。
GM:2人とも成功した? そーすると、どっかで見たような逆立った金髪と、頭一つ分飛び出た空手着の男が、黒服たちと乱闘を始めてますね。
京一:ひーちゃん、あれってやっぱあれだよな。
龍麻:……あいつら、何やってるんだあ(笑)。

 
その間に2ターン目。
 結論からゆーと、雨紋がしょっぱなから兵隊を1人撃墜(GM「薔薇は薔薇は美しく散る〜♪」 雨紋「……踏んでやる)。
 幹部はまたも紫暮を攻撃するも、外れ。
 紫暮は幹部をぶん殴って、さらに大ダメージ。幹部はふらふら(GM「胸の薔薇がはらっと散りましたね」 マリィ「それはすでに死んでるんじゃ?」)。
 残りの兵隊連中は紫暮に集中攻撃するも、恐るべきダイス目の良さに阻まれ、1点も通らず。
 3ターン目。その前に……。


GM:……で、おい、そこの2人! そこの笑ってる2人!
龍麻&京一:はい?
GM:笑ってないで。結局どーすんの?
龍麻:え? あー、いや、登場セリフ考えてました(笑)。
GM:こいつらわよー。何? つまり、加勢しに行くの?
龍麻:行っていいわけ?
GM:別にいいよ。君たちどこに行くんだ、とか言われるけど。この集団が後ろからざっざっざとついてきたら怖いよなあ。
龍麻&京一:やめれー!(笑)
GM:んじゃまー、3ターン目から入ってもらおうか。援軍ですかね、これって。
京一:じゃ、「蓬莱寺京一、見参!」ですかね。
GM:ひーは?
龍麻:(あっさり)ないから(笑)。
壬生:じゃあ【喜】とか。
龍麻:【友】とか。しかもプラカードで(笑)。
GM:じゃあ移動力高いので京一からになりました。何か言ってかかってってください。これじゃただの乱暴な人だ(笑)。
京一:えー? じゃあ「かかってきな!」と。
GM:かかってきな、と言いながらかかっていくわけ?(笑)
京一:そうそう(笑)。当たってまーす。
GM:(ころころ)ザコ避けられなーい。

 
とゆーわけでさらに端折ります。
 京一は当たったもののダメージは振るわず。
 続く雨紋がさらに大ダメージ。大暴れである(GM「最初の目的忘れてたりしない?」 雨紋「植木鉢? どっかあの辺(笑)」)。
 龍麻の攻撃(GM「ひーちゃん、何か一言」 龍麻「……【怒】」)は幹部に避けられる。
 幹部はまたまた紫暮に一矢報いられず。次の紫暮の攻撃は何とか避ける。
 ザコは再び紫暮を集中攻撃するが、全くダメージなし。


紫暮:これでどちらが美しいか決まったな。
GM:納得できーん!(笑)

 
4ターン目。
 京一はザコを撃墜。
 続く雨紋の攻撃は……。

雨紋:(ころころ)88。えーと、これは……。
壬生:……ファンブルです。
GM:それはねえ、振りなおすことも出来るんだけど、面白いから味方を攻撃しちゃったことにしよう(笑)。ランダムで決めようか。
雨紋:(いっころ)えーと……龍麻だ(笑)。
GM:じゃ、ひー避けて。
龍麻:(ころころ)何とか避けた。
GM:じゃあひーの後ろからいきなり雨紋の槍が突き出されてきたのを、慌てて避けたと。
雨紋:龍麻サン、いい動きするねえ(笑)。
龍麻:振り返って、プラカード。【怒】。
京一:後が怖いなー。
GM:次ひーちゃんの番ね。あ、雨紋に攻撃しちゃ駄目だよ(笑)。

 
続く龍麻の攻撃は外れ。どうやら今ので態勢が崩れたらしい。
 幹部は結局一回も攻撃を当てることが出来ず、続く紫暮の攻撃で撃墜された。


GM/幹部:「榊様、申し訳ございません……この山田太郎(←名前)、お役にたてなくて……ぐふっ!」で、薔薇がばっと散って、ぽて。
紫暮:また顎はずしてましょうか?

 
なお、兵士は2名残っていたものの、ほとんど有効打を与えることができず、続く京一の攻撃でさらにふらふらとなる。
 雨紋の攻撃は外れ。


龍麻:じゃあ京一がふらふらにした方を狙います。(ころころ)当たり。
壬生:で? 「経験値は俺が貰う」って?(笑)
京一:あーっ(笑)。
GM:京一とひーの関係なんてそんなもんでしょ。あ、でも避けた。
紫暮:じゃ、雨紋がぼろぼろにした方を後片付けしてやるか。(ころころ)当たってる。
GM:避けられませーん。
紫暮:ダメージが……(ころころ……ころころ……)。
GM:おーい、いつまで振ってんだあ(笑)。もういいよ、死んでるよ! 次、兵士が龍麻に攻撃! (ころころ)当たった。やっぱひー、マスターのダイス目に嫌われてるなあ。
龍麻:(ころころ)避けてるよ。
京一:ひーちゃん、華麗に避けました。
マリィ:ビーフカレー? ポークカレー?
龍麻:いやもう、華麗は壬生の専売特許だから。
GM:え? 壬生ってカレー好きなの?(←注、これは真面目に訊いている)
龍麻:ちがーう!
美里:「ボクの華麗な技を見せてあげましょう」ってやつでしょ?
壬生:ボクの華麗な技を見せてあげましょう、とか言ってカレーをかっかっかと食べてたりしたら……。
龍麻:やめーい!(笑)

 
たいていは端折りましたが、TRPGってこーゆー下らん会話が多いんだ。で、それが一番笑えたりするんだ。
 結局京一に止めをさされて薔薇十字団は全滅しました。

 
紫暮:それみろ、やっぱり美しい方が勝つじゃないか。
雨紋:ダンナ、それを言うなら正義は勝つだろ?

 
正義か、おまいら?