GM:では,転移門をくぐって遺跡へとやってきましたが……。
かおる:(聞いてない)だからさぁ,あの女王絶対おかしいって! 何で大人しく言うこと聞いてやってんだよ!?
ジョエル:……この王国には伝説があってな。
かおる:どういう?
ジョエル:……まぁ,知らない方がいいだろう。
一同:(爆笑)
ジーノ:話しちゃいけないこの伝説。
フレイ:「異世界の少女」が表伝説なら,これは裏伝説だから(笑)。
かおる:わかんないなぁ。だから,それってあの女王に脅されてるってことじゃないのか?
ジーノ:い,いや? 普段はま,マトモだよ? 普段はすごく,きっと,たぶん,ま,マトモ……(語尾がかすれて消える)。
かおる:全然そう見えないぞ。
フレイ:(首をかしげて)わいは王宮のことはようわからへんけど,王族なんてあんなもんやないんか?
ジーノ:う,うん。あんなもんあんなもん。
かおる:そうか? おまえ,絶対何か隠してるだろ。
ジーノ:う,ううん。何も。
フレイ:ひとりで溜めこむのはよくないで? 心配ごとがあるなら言うてみ? な?
ジーノ:心配ごと? ……後ろかな。
一同:(爆笑)
フレイ:じゃあお約束的に後ろを見てみるけど(笑)。
かおる:別に何もいないよ。なぁ?
ジョエル:ま,まぁこーゆー遺跡じゃ,背後を注意するのはセオリーだからな。なぁ?
ジーノ:そ,そうなの。そゆことそゆこと。
かおる:……本当に?
ジーノ:そう。……バックはすごく危険。
一同:(大爆笑)
えー,すみません。……続きますねこのネタ。
え,何のことかわからない? わからない方が幸せです。
ジョエル:マジでかわいそうになってきた(笑)。ジーノに友情1点。
かおる:私もわけわかんないなりにかわいそうなので,愛情1点。
ジーノ:ううっ,みんなありがとう。ごめんね,俺年上なのに。
ティーグル:……俺も無言で友情1点。
GM:ええっ?(笑)
ジーノ:……そっか。この人,事情を知ってるんだ(笑)。
ティーグル:そう。知ってるから何も言えない(笑)。
フレイ:ん? そういや,この人ってなんかの罰として虎になる呪いをかけられてたんだよね?
ティーグル:そうだが?
フレイ:……ある意味呪いで済んでるんだ。
ティーグル:そうだな。……呪いでよかった。
一同:(爆笑)
ティーグル:なんて内心は口に出さずに,殿は俺が務めよう,とジーノに頷いてみせたり。
GM:ああ,そうそう。虎さんが呪いで済んだのは,きっと彼女がいたからだな。
かおる:なんで?
GM:彼女や奥さんのいる男には極刑はないんだよきっと(笑)。
フレイ:何それ!
ジーノ:じゃあ俺ら慌てて彼女作らなきゃじゃん!
GM:そうそう。なので皆さんがんばってヒロインを口説くように。
かおる:そういうオチかよっ!? そういうオチで口説かれるのかよっ!?
GM:……冗談だよ。
かおる:はっ。いや,でも……横暴だけどある意味正しい?
GM:正しくねえよ。
かおる:正しいじゃないか! ボーイズラブラブってたら極刑! いいなみんな!
一同:よくねえ!(爆笑)
GM:だ,だからもうボーイズラブも極刑もおいといて! マジで話を進めよう。
かおる:そうだな。ティーグルもバックは俺に任せろって言ってることだし,
ジーノ:バックは任せたくなーーーーーい!?(号泣)
GM:違うー! だから話を進めさせろー!
ティーグル:……いや,俺もイヤだけど。それは。
かおる:(すごい形相で)ヤだ。そんなのヤだ。どっちもヤだ。絶対。
GM:だからガマ師匠ネタもいいつーねん! てゆーかもう遺跡に到着してるんだよ。わかってる!?(*1)
フレイ:あ,そうだったんか?
GM:そうなの! フレイさん,遺跡の構造メモ,ちゃんと持ってるね?
フレイ:これやろ? ……えーと,わいがもらった地図によると,この遺跡はちょうど五芒星のかたちをしとるんや。
かおる:へんなの。本当にそんな形なのか?
GM:ちなみにPCが6人だったら六芒星だった(笑)。で,5角のうちひとつが入り口だね。
ジーノ:この星型の順番で行くのかな?
GM:それは行けばわかるようになってます。
フレイ:(地図を見ながら)えーと,ともかく4つの部屋にかおると,俺らのうち誰か1人が入る。入るメンバーは毎回変えなくちゃならなくて,で,そこで何らかの試練を受けないと「門」へは行けないっちゅーことやな。どんな試練かは,わいにもわからへんのやけど……。
かおる:……ボールペン?
ティーグル:いいかげんそのネタから離れろ(笑)。
GM:(ぼそっと)これは金のボールペン,これは銀のボールペン,これは鉄のボールペン……。
ジーノ:どれもイヤああああああ(泣)。
ジョエル:あっ,嘘をついたな? 嘘をついた悪い子にはお仕置きだぞ?(笑)
ジーノ:俺嘘なんかついてないいいいいい(泣)。
フレイ:(強引に)ともかく! 4つの試練が終わったらもう一度入り口に戻る。そうすると……あれ? えーと?
GM:ああ,それ以上のことはアルジェントさんのメモには書いてないです。
フレイ:ふーん。ともかく,わいに言えるのはそのくらいやな。
ジョエル:待て。他に罠とか,モンスターとかは?
GM/ラキ:「あ,ジョエル様。結論から言っちゃいますとですね,その心配はありません」
ジョエル:そうなのか?
GM/ラキ:「何故かと言いますとね,この遺跡,どうせ『異世界の少女』でないと使い道がないんで,そんなもん仕掛ける必要はないんですよ」
かおる:はー,そっかー。ラキ,おまえ本当に何でも知ってるなー。
GM/ラキ:「任せてください! 何せチュートリアル一族ですから!」
ジョエル:……でもデータにないことを聞かれると,バグるけどな。
一同:(笑)
GM/ラキ:「ああっ,頭が割れるよーに痛いっ!? 種が,種が割れてしまうっ!」
ティーグル:はいはい,それはもういいから。
フレイ:さっさと先に進むでー。ところで,明かりとかはつけんでええんか?
GM:壁がぼんやり光ってますので,とりあえず必要はないようです。えー,ではまず最初の部屋ですが,すごく広い部屋ですね。王宮の大広間よりちょっと小さいくらいです。で,入って正面壁際に3メートルくらいの像があります。杯を捧げ持った美しい女性の彫像ですね。
ジョエル:その女性に何か見覚えは?
GM:ジョエルなら知っていていいでしょう。王宮に飾ってある初代女王の肖像にそっくりですね。近づいてみます?
ジョエル:罠はないって言ったもんな。みる。
GM:すると,台座に古代文字が刻まれているようです。読みたい場合は〈言語・古代語〉で判定してください。
ジョエル:(ころころ)C評価です。
GM:では普通の成功ですね。「我が最愛の女王を世界の護り手とせん。――メルクリオ」と書いてあります。
かおる:何それ。誰かの名前だよな?
ジョエル:初代女王の名前……じゃないか。
GM:女王についてもう少し知りたい場合は〈博学〉で判定。他の人も技能を持っていれば判定していいよ。
フレイ:C評価。
ジョエル:B評価ですね。
GM:じゃあフレイが知っているのは伝説の通りのことですかね。「この王国がいつまでも平和だといいなぁ」と思い,夫である魔術師に頼んでこの王国を世界から切り離させた人です。ちなみに名前はマリアですね。
ジョエル:じゃあメルクリオは……あ,それじゃ女王の夫は?
GM:うむ,メルクリオだな。
ジョエル:なるほど。
GM/ラキ:「はいはーい。またもや補足説明でーす。4つの試練を終えたあと,あの杯にかおる様の血を捧げます」
かおる:血っ!? 何それ,聞いてないぞ!?
GM/ラキ:「そりゃ,今初めて言いましたから……ちなみにかおる様,血って言ったって1滴か2滴でいいんですからね?」
かおる:えっ……でも,手とか切らなきゃいけないんじゃないか? ヤだなぁ,私切り傷とか苦手なんだ。
GM/ラキ:「得意な人はあまりいないと思いますが……」
ジーノ:(首をかしげて)鼻血を出すとか?
ジョエル:何故鼻血だ!(笑)
フレイ:素直に指先をちょこっと切るくらいにしといたらどや(笑)。
かおる:だから,それが苦手なんだよなぁ……(←プレイヤーが切り傷刺し傷に弱いらしい)。でも仕方ないか。世界のためだもんな。
GM/ラキ:「えー,チュートリアルを続けていいですかー? ……4つの試練を終えたあと,あの杯に血を捧げると,『世界の門』への道が開けるらしいですね」
フレイ:よっしゃ,ともかくその試練とやらにチャレンジしてみようや。
GM/ラキ:「話が早くて何よりです,フレイ様。えー皆様,こちらをご覧くださいませ」
かおる:おまえ,何だかツアコンみたいだぞ……。
台座の足元に光る地・水・火・風の紋章。手をかざすと,紋章は吸い込まれるように消え,手のひらに浮き出る。ラキによれば(というかチュートリアルによれば),この紋章が4つの部屋を開ける鍵となるらしい。
ジーノが火,フレイが水,ジョエルが風,ティーグルが地の紋章をそれぞれ手に入れる。その間,「友情・愛情ポイントを渡す間がない」とばかりにムダ話タイムが……。
かおる:なー,ラキって本当にかわいいよなぁ?
ジョエル:……おまえ,俺に「うん」と言わせたいのか(笑)。
かおる:(聞いてない)あれ,持って帰っちゃだめかなぁ。
ジーノ:いいよ。
ジョエル:おまえが「いいよ」言うなぁ!
ジーノ:(聞いてない)そのかわりこげぱんちょうだい?
かおる:うん,ラキならこげぱんと交換してもいいよ……。
GM/ラキ:「僕,こげぱんと等価交換ですか。ってか,僕の意思は無視ですか」
さらに,一応ムダではない話も……。
ジョエル:他の皆には聞こえないようにティーグルと話がしたいんですけど。
ティーグル:俺は皆から少し離れたところに立っている。……何か用か?
ジョエル:なぁ,あんた呪いを受けて虎の姿になってたって言ったよな?
ティーグル:ああ,まぁな。
ジョエル:何か大きな罪を犯したって話だったけど……。
ティーグル:…………。
ジョエル:あ,言いたくなかったらいいんだが。
ティーグル:……罪か。俺にとって大切なことが,彼らにとっては重罪だった。そういうことだ。
ジョエル:そうか。ずっと虎の姿でいたのか? どれくらい?
ティーグル:あまり昔のことすぎて,もう忘れたな。
ジョエル:あんたに聞きたいことがある。……俺はシリウスって男を探してるんだ。知らないか?
ティーグル:…………。さあな。
ジョエル:顔を探ってみますけど……。
GM:えーと,お互い〈嘘発見〉で判定。
ジョエル:(ころころ)B評価。
ティーグル:それはそっちが明らかに有利だな……(ころころ)ダメだ。D。
GM:うーん,すると「何か知っているな」ということがわかる。言いたくなさそうだけど。
ジョエル:わかった,じゃあそれ以上は訊かない。だけど,俺もどうしても確かめたいことがあるんだ。
ティーグル:…………。
で,その間,
ジーノ:いいなぁ。俺も虎の姿になりたい……。
かおる:きっとあいつ,何か知ってはいけないことを知ってしまったんだ。「実はナカジーマは受けだったんだ」とか。
ほんっとーにムダな会話をしている人たちが。
GM/ラキ:「はいはいかおる様,ムダ話は大概にしてくださいね。そろそろ試練を始めないと,日が暮れますよ」
かおる:で,ナカジーマって本当はどっちなんだ。
GM/ラキ:「(強引に無視)はい,それではみなさんこちらへ来てください」と,いうことで部屋を出て,次の部屋があるところに来ました。そこはただの壁ですが,風の紋章が光っていますね。「ジョエル様,この紋章に手をかざしていただけますか? ……そう,紋章が浮き出ている方の手です。紋章同士を合わせるみたいにしてください」
ジョエル:こうか?
GM:えー,すると双方の紋章がすうっと消え,同時に壁も溶けるように消えます。その奥には立派な扉が見えますね。
ジョエル:なるほど。まずは,俺とかおるが試練を受ければいいんだな。
GM/ラキ:「そうです。ではよろしくお願いします,お2人とも」
ジョエル:わかった。行くぞ,かおる。
かおる:うん……いいんだけど,いったい何をやらされるんだろう……。
ジョエル:それは入ってみなけりゃわからないだろう?
かおる:そうなんだけどさ。なんてゆーのか……朝遅刻する!と思って走ってたら道にいきなりどこでもドアが出現して(だんだん早口になる)それに吸い込まれて,出てきたところは知らない街で知らない子供に荷物あさられてこげぱんは投げられるし携帯は壊されるし,女王も騎士団長さんも人の話聞いてないし,ってか女王はすっげームカつくヤツだし,森の中に放りこまれて虎に襲われるし,かと思えば帰るためには「門」を
閉めなきゃならなくて,それはいいけどそのために4回も試練受けなくちゃならないとか,やっぱり不安になるんだよな。もう何なんだよ!
ジョエル:そ,そうか。
フレイ:え,えらい済まんかったなぁ,ウチの若いのが。
かおる:いいけどね,荷物は戻ってきたし。それによかったよ。みんなに会えてさ。
ジョエル:そうか。……優しいんだな,おまえは。
かおる:え? い,いや,そんなことはないけど……。
フレイ:(横から)前向きなんやな。ええな,そういうの。
かおる:え? え?
GM:あ,そう言えばフレイくん。君は彼女に以前会ったことがあるような気がする。しかし,そんなことあるわけないな? この人は異世界から来たんだから。
フレイ:……じゃあ彼女をじーっと見つめている。
かおる:何? さっきから何なんだよ。私の顔に何かついてるのか?
フレイ:え? ……いや,何でもないんや。気にせんといて。それより,ホントに気ぃつけえや。
ジョエル:俺がついてるんだ,心配はいらないさ。……と,かおるとフレイの間に割って入ります。
一同:(笑)
ジョエル:かおるの手をぐいっと引っ張って「早く行こうよ」とか言います。
ジーノ:ジョエルかわいい〜♪
GM:確かにかわいいが,しかし,今さら思い出したようにヒロイン争奪戦が始まってるなー。
ジーノ:ねえ。
かおる:おまえも参加するんだよ。わかってるか? あとそこも。
ティーグル:…………。と,言われてもな。
かおる:アンタそれじゃ鷹村の二の舞じゃないかよ! しゃべれよ! しゃべらないとおいてくぞ!
このへんも内輪ネタですみません。
ティーグルのプレイヤーはダブルクロスの鷹村「ツッコまない男」隆一のプレイヤーでもあります。
ティーグル:いや,今は言うことがないので,黙っているだけだが。
GM:後になってこれが口説き文句を言うのか? ホントか?(笑)
ティーグル:…………。さあ。
GM:……まぁいいや。そういうわけで,そろそろ先に進んでくれい。
ジョエル:ほらかおる,行くぞ。
フレイ:ジョエル,かおるを頼んだで。
ジョエル:任せておけ。と言ってかおるをフレイからかばうようにして前に立ちます。
フレイ:?
かおる:わっ,押すなよ! おまえさっきからヘンだぞ?
ジョエル:いいから,早く来いよ!
フレイ:……何やねんあいつ?
ティーグル:…………。
*1 ガマ師匠ネタ:『シャドウハーツ2』に登場する変態レスラー,グラン・ガマ師匠。彼に関するネタ,特に終盤の「漢祭り」を,我々は総称して「ガマ師匠ネタ」と呼んでいた。ちなみに「漢祭り」とは,最強のレスラーになるために通る地獄の試練である。
キミはまず,100階建てのリングの塔を制覇しなければならない。行く手に立ちふさがるは,ふんどし1丁・頭にはカレー皿・胸に「中辛」「魚介」「飯」などと書かれた跏里羅漢たち。見事最上階に辿りついても,本番はそれからだ。ガマ師匠,いや,「グラン・はてな?」との熱き戦いがキミを待っている。負けると勝者から身体に1本スジを通されてしまう……! まさに男の尊厳をかけた死闘! キミは純潔を守り抜けるか!
……いや,本当にそういうイベントなんですけどね。本筋には何も関係ないですね。はい。でも名優千葉繁さん(ガマ師匠役)の怪演技と,「ヤだ。そんなのヤだ。どっちもヤだ。絶対」とか「いらない。こんな愛いらない。こんな……」とか涙目になって呟く主人公のキュートさは必見です。みんな見てね。
廉価版ディレクターズカットも発売するぞ!
……えーどうも。長らくご清聴ありがとうございました。(つかあたしゃアルゼの回し者か) |