Research Phase//The klub of Queer Tradz//
SCENE 9
(カタナ)
RL:では恵作のシーンかな。2人はどうする?
ナギ:こっちは自宅で調べもの。いっぺん退場します。
政臣:あ、じゃあこっちは登場していいでしょうか。
恵作:と、いうことはウチに来るんだな?(笑)
政臣:死体もって墨田川は越えらんないしな。ところで、オッサンとこ防火設備ある?
恵作:は?
政臣:あ、それとスプリンクラーのスイッチどこ?
恵作:ちょっと待て(笑)。
政臣:(構わず)庭は?
恵作:そこまでいいとこには住めん。
RL:イエローに住みたいならコフィンですな。
政臣:オッサン、実は給料低いの?
恵作:俺のような立場の人間はすぐ引き払えることが大切なんだよ。
政臣:んじゃ少し焦げてもいいわけ?
恵作:いや待て、それはだな(笑)。
RL:(苦笑)素直に屋上行けば?
政臣:じゃ、屋上へすたすたと。
恵作:だから待てと言うのに(笑)。おまえの気持ちもわからんではないが、本社に持っていけばきちんとした分析ができる。もしかしたら他の中毒者の治療法もわかるかも知れないんだぞ。
政臣:(さえぎって)だから千早にもってくの嫌なんだって。
恵作:他にも手をだしてる友達がいたらどうする? 彼らを救えるチャンスをみすみす棒にふる気か?
政臣:だからそのために華玲さんに……。
恵作:千早とあの女性ひとり、比べ物になると思うのか?
政臣:それは……。
恵作:手遅れになるかもしれんぞ。
政臣:…………。
恵作:もし、俺が情報を握っていたら? おまえ、俺と取引する気はまったくないっていうのか?
政臣:…………。
RL:恵作、〈交渉〉だして。政臣は〈アイデンティティ〉で対決。
恵作:え? カードない。鬼引いて……えー……。
RL:……何でそこでファンブルかなー。
ナギ:せっかくうまいこと言ってたというのに(笑)。
政臣:で、悪いんだけどこっちは成功ね(笑)。(恵作に)俺はオッサン個人は嫌いじゃねえし、取引する気がないわけじゃない。だけどオッサンのバックにいる奴らと取引はしない。ダチの死体が取引材料となっちゃ、特にな。
恵作:うーん……駄目だ。他に止められる手はないな。腕ずく……はまずいな。この場合(笑)。
ナギ:(苦笑)気持ちはわからんではないが、こっちとしては千早の手借りてくれると調査が楽だったなあ。
政臣:(のプレイヤー)すいませんね、まだガキなもんで(笑)。じゃ、そういうわけで屋上行って、死体を横たえる。(RLに)判定いる?
RL:一応。
政臣:じゃあ〈元力:炎〉で16。
RL:では、亮太の身体は何の前触れもなく炎に包まれ、あっという間に燃え尽きる。残ったわずかな灰も、風があっという間に運び去っていく。
恵作:ええ? 灰掻き集めますよ。
RL:おい。
恵作:だってDNA鑑定とか可能でしょ?
RL:〈元力〉使ってやってるんで、そのへん却下ということで(笑)。
恵作:……ああ、どうしてこうガキなんだ、おまえは!
ナギ:(ぼそっと)さすがの政臣もアンタにゃ言われたくないだろうが。
政臣:ね。
SCENE 10
(カゼ)
RL:ナギは調査ということですけど、具体的にどうします?
ナギ:“フェザー”について、だいたいでいいから流通元。まずウェブ上で情報を集める。
RL:じゃあ〈社会:ウェブ〉でどうぞ。13? んーと、どうやらM○●Nから流れてきたらしいということくらいかな。後は今知ってる情報と同じで、効果がとにかく激烈。副作用もそれに見合って激烈。ただ効果のわりに安価で、最近は学生の間でも出まわっているらしい。
ナギ:麻薬の流通関係ならヤクザ屋さんだろうな、とか見当つくよね。
RL:つくでしょう。M○●Nのヤクザ屋さんと言えば秋川会で、麻薬をシノギにしてるんで有名です。
ナギ:音羽の姐さんに連絡。コネで15。
RL/南海子:「なんだ、久しぶりだね」
ナギ:ご無沙汰してます。姐さん、いきなりなんですが、“フェザー”って麻薬について何かご存知ないですか?
RL/南海子:「……おや、また“フェザー”?」
ナギ:また?
RL/南海子:「最近、そんなことを訊いてきたヤツがいてさ」
ナギ:俺に同じこと教えちゃマズイですか。
RL/南海子:「いや、別にかまわないでしょ。あたしもまだ大したことは掴めてないしね。とりあえずかなりエグいクスリだからね、多分M○●N発、製造元は秋川会。さばいてんのは一色組ってとこかな」
ナギ:そのクスリが学生に流れてるってことはご存知ですか。
RL/南海子:「小耳にははさんだ。そうか……そりゃ放ってもおけないね。こっちでも売人については調べてみるよ」
ナギ:お願いします、と言って電話は切ります。さて、次。
RL:次?
ナギ:依頼人と、その飛騨アキラとかいう子。
RL:まず依頼人を疑え、というのはかなーりパラノイアティックなんだそうですが。
ナギ:だってあからさまにアヤシイじゃん(笑)。
RL:それを言わんでくれよ。えーとまず飛騨ね。〈社会:企業〉か、ダメなら〈社会:N◎VA〉で。
ナギ:〈社会:企業〉で……17。
RL:けっこ高いですね。うーんと、まあいわゆる偽善者タイプで、紳士的な教育者の仮面の向こうで、いいカンジに私腹は肥やしてる。横領による隠し財産もあるみたいで、千早にバレたらまずいでしょうと。
恵作:(何やら思いついたらしい)……おお。
ナギ:それは恵作にとっては重要かもだけど、今回の件に関してはどうなの?
RL:ぶっちゃけたことを言うと、いい稼ぎ場所である学校を麻薬みたいなスキャンダルで潰すってのは、どうだろう。
ナギ:自分で麻薬蒔いてるとは思わないよ。だったらわざわざN.I.Kに話持ってこないもんな。でも、横領とかやってんならなおさら外部調査なんて入れたくないだろうに。
RL:ですねえ(にやにや)。ところで飛騨アキラについては、〈社会:学校〉の話になりますが。
ナギ:政臣が持ってたっけ?
政臣:そう。こんなシナリオでもなきゃ、役にたちそうもない技能だが。
ナギ:今回、おまえはそのためにいるんだ。電話します。政臣、おまえ今どこだ?
政臣:(考えて)どこって……さっきまでオッサンのとこにいて、今から家に帰るとこだけど。
ナギ:学校は?
政臣:え? あ、忘れてたや。
恵作:まったく、仕様のないやつめ。
ナギ:あんたもだ! とにかく政臣、飛騨アキラって子を知ってるか?
政臣:〈社会:学校〉で13。わかる?
RL:君のクラスメイトなんですって(笑)。
政臣:……あんまりクラスの連中の名前覚えてないからなあ。
一同:(笑)
RL:いや、有名人だから知ってるっしょ。校長の息子だし。学業的には優等生でスポーツもできる。でも気さくで友人が多い。君にも特に敵対的ではなかったはずだが。
政臣:(イヤそうに)んー。ってゆーよーなヤツなんだけどー。
ナギ:なんだ、その言い方は。
政臣:んー。俺は何となく、こう……。
恵作:単に優等生が苦手なだけではないのか。
政臣:ほっとけ。
RL:優等生は優等生だが、ほどほどに悪い遊びもしてるよ。つまり、年頃の子供がやりそうなことは話のタネに試してみてるって感じかな。それほどヤバイとこじゃないけど、クラブ通いしてみたりとかさ。
一同:…………(疑惑の目)。
RL:な、なんですか。
恵作:クラブ通いぃ?
ナギ:つまり盛り場歩いてるわけでしょ?
RL:盛り場歩いてる人がイコール麻薬やってるわけじゃないですがな。政臣くん、どうですか?
政臣:(あっさり)俺盛り場なんて行かないよ。金ないもん。
RL:…………。
政臣:俺はただその辺走ってるだけの、極めて健康的な不良であってだね(笑)。
ナギ:こいつのタワゴトはさておいて、だって親じゃなけりゃ息子がアヤシイじゃん。
RL:……ええ、まあ、そうなんですけどぉ。
政臣:仕方ないなあ。もう授業も終わってるころだろうから、学校に戻ろう。
一同:(笑)
RL/級友:「おい、おまえ今ごろ何しに来たんだ?」「いや、コイツの場合来るだけマシだよ」(笑)
政臣:(構わず)飛騨見なかった?
RL/級友:「……え? 飛騨? おまえが飛騨に何の用なんだ?」(←あからさまに警戒)
政臣:別にケンカ売るたぁ言っとりゃせんわい。〈社会:学校〉で16ですが。〈交渉〉の方がいい?
RL:いえ、おっけーです。すると通りがかった人が、「飛騨ならもう帰っただろ?」と。
政臣:そういや、最近よくクラブとかに行ってるんだって?
RL/級友:「ああ、本人もそう言ってたな。校長の息子なんかやってると、息抜きしたくなるんじゃん?」
政臣:……そのクラブの名前ってわかる?
RL/級友:「そこまではなぁ。ま、墨田川渡らない程度だろ? アサクサかどっかかな」
政臣:あ、そう。じゃな。
RL/級友:「おまえ、明日はガッコ来んのかよ?」(笑)
政臣:(無視)ナギに電話。「かくかくしかじか」です、と。
ナギ:(考えて)うーん。アサクサのクラブってのがアレなんだが、本人に話してみないと何とも。あれ、そう言えば飛騨校長からアドレスは?
RL:聞いてますよ。「連絡とってみてください」って言われた時点で(笑)。
ナギ:じゃあ連絡とってみよう。
RL:あ、すいません。その前にシーン変えていいですか?
SCENE 11(
カゲ)
RL:えーと、登場回数は……。
恵作:俺が多分一番少ないです。
RL:では恵作のシーン。社長から電話がある。「何かわかったことはありますか?」
恵作:とりあえず、わかったことは全て話す。それと、細胞のサンプルを華玲という女医が持ってることとか。
ナギ:おーまーえはー!
政臣:チクリやがったコイツ!
恵作:だって、どうせ他の死体のどれかを千早が回収してるでしょ?
政臣:華玲さんから俺や亮太まで話が飛び火するのがヤダって言ってんのに!
ナギ:それもあるが、華玲さんが下手に巻きこまれでもしたら、おまえ(政臣)が何言われるかとゆー……。
政臣:考えたくない。
RL/雅之:(淡々と)「そうですか……彼女の分析結果にも興味はありますね。その交渉に関してはこちらからネゴシエーターを派遣しましょう」
恵作:はい。
RL/雅之:「それともうひとつ。3日前、アサクサで一色組の構成員と、蛍星高校の学生が接触していたという情報が入りました」
ナギ:(いきなり叫ぶ)やっぱりー!
政臣:それはさあ、みんなわかってて口に出さないんだから、突っ込まないようにしようよ(笑)。
RL/雅之:(無視して)「どうやら外見が優等生めいていたので、今までマークされなかったようですね」
ナギ:(頭を抱えている)
政臣:だからね、それはみんなそう思っててね以下略(笑)。
RL/雅之:(やはり無視して)「問題の麻薬取引が行われている可能性が高い。その現場を抑え、さらに構成員を排除してください」
恵作:了解しました。では、続いて政臣に電話かけます。
政臣:はい登場しまーす。もしもしー?
恵作:おー久しぶりー……ってさっき会ったばっかりだけどな。
政臣:そーね。
恵作:面白いことがわかったんだがな。
政臣:あら、もう死体は燃やしてしまっていてよ。何が欲しいのかしら?
恵作:いやいや。善意の情報提供だよ。
政臣:激しく信用ならん。素直に何が欲しいのか言えよ。
恵作:まぁそう言うなよ。おまえの学校の生徒がだな、一色組と関っていたらしいのだが。
政臣:うん。俺じゃないよ、それ。
恵作:それはわかってる。何せ一見優等生らしいからな。おまえではあるまい(笑)。
政臣:ふーん。1人心当たりがないこともないけどな。
恵作:そうなのか? 誰だ?
政臣:いや、ナギの調査待ちだから……なぁオッサン、俺明日は学校行くんだけどさ。
恵作:おう。俺も明日は教えに行くぞ。
ナギ:(ぼそっと)おまえら、明日「は」で許されるのか? 特に教師の方。
恵作:代用教員だからいいのだ。
ナギ:んなわけあるかい。
恵作:(無視)それでは政臣、明日学校で会おう。
RL:ん? じゃ、シーン変えていいのかな?
SCENE 12
(レッガー)
RL:じゃ、ナギのシーンね。
ナギ:教えてもらったアドレスで、飛騨アキラに連絡を入れてみます。
RL/アキラ:「ナギさんですね。父から聞いています。僕にできることなら、なんなりとおっしゃってください」
ナギ:……うん、ありがとう。まず、生徒たちがクスリをどこから手に入れているか、聞いてはいませんか?
RL/アキラ:え……それはさすがに……。
ナギ:そこで〈心理〉。12じゃ低いか?
RL:いや、こっちのカードが腐ってるのぉ。「知らないです」と口では言いつつ、明らかに何か知ってるぞコイツ、みたいな。「よくわからないけど、行き付けのクラブとかじゃないですか?」
ナギ:君たちみたいな良家の子でも、そういうとこに出入りするの。
RL/アキラ:「子供のやることに、階級とか関係ありませんよ。そうでしょう?」
ナギ:そらまぁ、俺の知りあいにもやたら無軌道な蛍星高校の生徒がおるが。
政臣:(小声で)俺、クスリに手出したりしないもん。
ナギ:例えば、被害者がクラブに出入りしそうな子だったとか、そういうのってないわけ。
RL/アキラ:「そうですね。僕なんかも、ウェブで良さそうなクラブ見つけてふらふら出かける、なんてことしょっちゅうですし」
ナギ:ふーむ……それじゃ、君はそのクスリについて何か聞いたことは?
RL/アキラ:「級友に“天使の翼”というクスリを勧められたことがあります。僕はやめろと言ったんですが、とにかくすごいクスリだからって」
ナギ:“天使の翼”……なるほど、“フェザー”ね。
RL/アキラ:「何かわかりそうですか?」
ナギ:悪いけど、これだけじゃなんともね。ただクラブっていっても、そんなクスリを扱う売人がそうそういるわけもなし……暴力団でもかんでるかな?
RL/アキラ:「……そういうもんですか?」
ナギ:こういうエグい麻薬はオーサカから来てる可能性もあるよな。秋川会……一色組とか。
RL/アキラ:「僕にはよくわかりませんが」
ナギ:もっかい〈心理〉。今度は16。
RL:たはー、それは防ぐ。21。「ヤクザなんてどれも同じでしょ?」
ナギ:企業の坊ちゃんらしい言い分だな。
RL/アキラ:「(呟くように)バカですよ。クスリを売る連中も、買う連中もね」
ナギ:……このクソガキ。
RL/アキラ:「は?」
ナギ:いや。とりあえず、心当たりのクラブとかあるかな。
RL/アキラ:「友人の話に出てきたクラブで、少しヤバそうなのがありましたね。僕も行ってみたいとは思ったんですが、冗談ごとではなく治安が悪そうなので」
ナギ:ふーん。俺はさ、直接乗りこむのは専門じゃないの。代理人つーか、"目"でも用意しとくかな。
RL/アキラ:「僕も行っていいいですか」
ナギ:(少し考えて)行きたいの?
RL/アキラ:「一応友だちでしたから。その、“フェザー”で死んだヤツが……」
ナギ:わかった。それと、君自身は“フェザー”を……。
RL/アキラ:「(強い口調で)やってません」
ナギ:……いや、やってないのはわかってるよ。その実物を見たことはあるのかい、と訊きたかったんだけどさ。
RL/アキラ:「青い錠剤ですよ。突っ返してやりましたけど」
ナギ:〈シャーロック・ホームズ〉で18。
RL:青い錠剤なのと、本人がやってないのも嘘じゃないだろう。他に知りたいことは?
ナギ:クスリってクラブで売ったりするもんなの? マジで?
RL:いくらなんでも、蛍星の生徒が出入りできちゃうようなクラブでぽんぽん売ったらヤバいですよ。やっぱ仲介人はさんで学校でさばかせた方が楽でしょ?
ナギ:それがコイツ?
RL:仲介人を知ってるか、それとも本人か。無関係ではないな、とあなたの灰色の脳細胞が告げている(笑)。それでは、こんなところでいいでしょうか?
ナギ:おっけーです。シーン変えてください。
恵作:あ、その前に舞台裏を! クリティカルを!
RL:何やんの? 別に飛行機買ったっていいっすよ(笑)。
恵作:いや、音羽南海子に連絡だ。
RL/南海子:「はい? 今度は何の用?」
恵作:うむ、一色組の見取り図は手に入らんか。
RL/南海子:「は? ひょっとして事務所のかい?」
恵作:いや、そーではなく……は! しまった! この時点では例のクラブのことなど何も知らんではないか!
一同:(爆笑)
ナギ:いや、こればかりは……。
政臣:どうにもならんわ(笑)。
RL/南海子:「例の“フェザー”がらみの話よね?」
恵作:そ、そうなんだ。
RL/南海子:「事務所は無理だけど、ヤツらがよく取引につかうクラブなら入手できるよ」
恵作:(大声で)それだ!
RL/南海子:「わかった。じゃあ転送してあげる。それと、売人についての情報もいるの?」
恵作:できれば。ああ、クリティカルって便利だなぁ。
RL/南海子:「いわゆる武闘派だね。コイツ、こないだ一色のボウヤにホされたらしくてさ。とりあえず稼ごうってんで、ずいぶん悪どい真似してるみたいよ」
恵作:例えば、学生相手に闇取引するような?
RL/南海子:「さあ、そこまでは何とも」
恵作:潰しておいた方が、アンタらにも好都合だよな。
RL/南海子:「もちろん」
恵作:よし、楽しみにしておいてくれ、と言って電話を切ります。
RL:では、シーン変えますね。
SCENE 13
(カブト)
RL:政臣のシーン。
ナギ:〈ヴィジョナリー〉で登場。あ、それとその前に、飛騨アキラがどうやらクロだというのを政臣に流しておきます。
政臣:それ、松田のオッサンにも知らせていい?
ナギ:んー、まあ、いいでしょう。どうせメルがすぐに手伸ばしそうだしな。
恵作:では、私も登場していいんですよね。校門のとこで政臣待ってますが。
政臣:今日は定時に登校したし!(笑)
RL:「明日は雨だ」「いや、槍が降るぞ」「いや、明日N◎VAが滅びるぞ!」とかひそひそ声が。
政臣:……そこまでいっつも遅刻してるわけじゃ……いや、遅刻してるかもしんないけど……(一同笑)。
ナギ:とっとと放校処分にしろよ、こんなの……。
恵作:おはよう、政臣くん。さっそくだが、今日は1時限目の授業は自習だ(笑)。
政臣:ちょうどいいな。それじゃ俺、今から騒ぎ起こしに行こうかな。
ナギ:……こいつら……。
恵作:まぁ待て。飛騨アキラに天誅を下すなら、取引の現場を押さえてからがいい。
政臣:(不満そうに)ええー。
恵作:ええー、じゃない。ここで飛騨アキラを殴ったところで、おまえが処罰されるだけだ。少しはアタマを使って行動せんか。
政臣:そんなこと言ってオッサン、学校で騒ぎ起こしたくないだけじゃない?
恵作:当然だろう。
ナギ:はーい、ここで政臣に電話かけます。
政臣:あれ。また聴いてたの、アンタ。
ナギ:目つけてないと何やらかすかわからんだろが、おまえは。とにかく、飛騨アキラが某クラブへ乗りこむことになってる。
恵作:そのクラブって、音羽の姐さんに聞いたのと同じ?
RL:同じです。
ナギ:で。こっちが代理を用意するって言ってあんだ。
政臣:それ、俺? いいけど、俺この学校では悪名高いよ。
ナギ:だからいいんだよ(笑)。
政臣:わかった。ちょっと電話していい?
ナギ:どこに?
政臣:すっごく嫌だけど、姐さんにね……。
RL/ラッキー:「はぁい、ラッキー・ホラーショウ?」
政臣:ねーさーん。これからいい画が録れるかもしれないけど、どう?
RL/ラッキー:「いいよ。どこ?」
政臣:えーと……RL、いいかげんクラブの名前決めてくれません?(笑)
RL:え……クラブ“ゾディアック”じゃあんまり?
政臣:“ヤロール”……はダメだな。“スプロール”……もあんまりだな。
RL:んじゃ“スプーキー”。
政臣:いいけどさ(笑)。姐さん、クラブ“スプーキー”って知ってる?
RL/ラッキー:「おっけー。んじゃ、あとは時間になったら連絡ちょうだい」
政臣:あのさ、姐さん。俺とダチの名前出すなって約束、ちゃんと覚えてる?
RL/ラッキー:「…………んん?」
政臣:ねーさぁん!
RL/ラッキー:「えー、いや、ダチの名は隠しといてあげていいけどさ。あんた派手に暴れるだろうから、アレンジ面倒じゃん。ああ、そう言えばあんた死体燃やしたんだって? 立派な死体遺棄だね♪」
政臣:……姐さん、イタイケな高校生いぢめてそんなに楽しい?
ナギ&恵作:イタイケぇ?
政臣:外野、うるさい!
RL/ラッキー:「あんたがイタイケかどうかはおいといて、楽しいかと訊かれれば、そらもぉ、とぉーっても楽しい」
政臣:……せめてダチの名は出さないでください。
RL/ラッキー:「あんたの名前も出さないよ。何? そんなに死体遺棄で捕まりたい? それなら無理にはとめないけど……」
政臣:(かわゆく)捕まりたくないですぅ。ねぇさぁん。
ナギ:こいつわ……。
恵作:おい、あと19分だ。
政臣:わかった。んじゃ姐さん、いい画よろしく。それだけは信用してるから。
ナギ:さて。今さらだが、一応訊いておきたい。この件に関する千早の見解は?
恵作:は?
ナギ:だから、千早がこのクスリをどうしたいかってことだけど。
RL:研究はしたいけど、商品になるかどうかは見合わせ。学校という市場からは一刻も早く回収したい。
恵作:それを言ってしまっていいんだろうか。
RL:政臣もナギも学校から“フェザー”を撤廃するのが目的だからな。いいんじゃないか。
政臣:個人的にはそんなもん使って商売して欲しくないんですがねえ。
恵作:麻薬として商売はせんのじゃないか。もう少し研究すれば、万能薬になるかもしれない、ってことでしょ。
政臣:副作用が怖そう(笑)。
ナギ:副作用のない薬はないって。ま、いいよ。当面の目的は一緒だからな、手は組もう。
恵作:では、見取り図をナギに渡しておきます。セキュリティ面は頼む、ということで。
RL:シーン変えます。
SCENE 14
(タタラ)
ナギ:乗りこむ前に、飛騨校長に連絡入れたい。あと、政臣とアキラを引き合わせておかなきゃ。
RL:わかりました。では、ナギのシーンを入れます。
ナギ:まず飛騨校長。「もしもし? NIKのナギですが」
RL/飛騨:「これは探偵さん。どうしました?」
ナギ:例の流通経路がある程度わかりました。
RL/飛騨:「おお、これは素晴らしい」
ナギ:〈心理〉……はカードがないから(笑)、えーと、飛騨さん。今回の調査でどのような結果が出たとしても、契約は遵守していただけますね。
RL/飛騨:「当然です。何故そんなことを?」
恵作:……こいつはマジでシロ?
政臣:麻薬に関してはねえ……ただ本当に何も知らないかどうかは……。
ナギ:〈心理〉が出せないのがイタイなあ。……ところでアキラは、自分が乗り込むってこと、親には内緒にしてんの?
RL:本人はそう言ってる。心配かけたくないってさ。
ナギ:じゃあこれ以上何も言えない。電話切ります。で、アキラと政臣なんだけど。
RL/アキラ:「代理人って、彼なんですか?」
ナギ:そう。知り合いだったよな。
政臣:(ぼそっと)一応、級友です。
RL/アキラ:「彼がカブトをやってたって話は聞かないですけど」
政臣:(ぼそっと)一身上の都合により、秘密だったのです。
RL/アキラ:「あの……」
ナギ:(遮って)問題ない、問題ない。俺が保証……するよ。
RL/アキラ:「今、妙な間がありませんでしたか」
ナギ:ないない(笑)。
政臣:…………。後で覚えとれよ。
RL:では、改めてシーンを変えましょう(笑)。
SCENE 15
(カゲムシャ)
RL:全員登場してください。“スプーキー”です。怪しげな二流クラブですな。
恵作:〈隠密〉で18。見取り図で修正ついたりしない?
RL:有利になったことにしていいよ。〈隠密〉のレベル足して。
恵作:じゃあ20。
RL:人間じゃ見つからんな。
ナギ:自宅待機。で随時2人には連絡入れると言っておく。政臣って頭にマイク入ってる?
政臣:はいな。いつでも受信可能です。ところで飛騨。……おまえは何しに来たって?
RL/アキラ:「仇をとりたいのさ」
政臣:は?
RL/アキラ:「死んだヤツらのね」
政臣:それは、俺も同じなんだがなぁ。
RL/アキラ:「だから、僕がまず売人と話をつける。君はとりあえず他人のフリをしておいてくれないか」
政臣:一緒に入っちゃまずいわけ?
RL/アキラ:「俺と君が一緒にいると下手に目立つだろ。その、何と言うか……こういう場所にいそうなのといなさそうなのというか……」(一同笑)
政臣:下手に言葉飾らんでもええわい。言いたいことはよーくわかった。
RL/アキラ:「すまない、別に君を侮辱する気はないんだ」と言ってにこりと笑う。意外に嫌味がない、友達に対するような笑いだ。
政臣:……こいつの精神構造はよくわからん。
ナギ:政臣、ここは言う通りにしておこう。
RL:んーと、ではアキラは中に入ってゆく。んで、寄ってきたスキンヘッドの男と何やら話をしている。(恵作に)音羽の姐さんが教えてくれたヤツだ。何しゃべってるかは音楽がうるさくて聞き取れないが……。
政臣:中に入って客のフリ。
ナギ:〈ヴィジョナリー〉ですな。
RL:政臣とナギ、〈知覚〉で13以上。
政臣&ナギ:成功。
RL:背後から、不自然に服の内側に手突っ込んだ男どもが近づいてくるが。
政臣:俺の背後?
ナギ:一応、政臣のIANUSに連絡。後ろから物騒なモン持った兄ちゃんたちが近づいてくるぞ。
政臣:知ってる。……どうすっかなー。出方を待つ。
恵作:俺は今のうちに奥へ行って証拠書類を……。
一同:やめんか!(笑)
恵作:えー。ザコは彼に任しておきたいんですが。
政臣:ザコは任してくれていいけど、ザコじゃないのを頼みたいの。
RL:さて、そうこうしているうちに、背中に固いものがあてられる。
政臣:振り返って殴りつける。〈メレー〉のみで15。
RL:〈回避〉失敗。ダメージは? “ウォー・デューク”も使ってない?
政臣:使ってない。単に弾き飛ばしたかっただけで。
RL:では吹っ飛ばされたことにしよう。すると、周りのにーちゃんたちが一斉に立ちあがって銃口を向ける。
政臣:ほほう。いい大人が寄ってたかって高校生いじめしようってか? で、アキラは?
RL:すまなさそうな顔をしてる。
政臣:すまないと思うなら最初からやるなよなぁ。
RL/アキラ:「そう言うなよ。どこの企業でもやってることだしね」
政臣:ああ、そうかい。ひとつ訊いておきたいんだが、ダチの仇はおまえで間違いないんだな。
RL/アキラ:「僕はナンセンスだと思うが、君の立場からはそうだろうな」
ナギ:スピーカーから割って入る。政臣の友人だけでなく、あの学校で死んだ学生全員の仇だ。君が“フェザー”の仲買人だな? そこに突っ立ってる一色組のボーヤから“フェザー”を仕入れて、学校でバラまいてたんだな?
RL:説明的な質問ありがとう(笑)。《真実》ですね。
ナギ:ですね。ラッキーがカメラ回してんでしょ? ここで使います。
RL/アキラ:「だとしたらどうします?」
ナギ:実力行使しかないんじゃないか。俺は手出さないけど(笑)。政臣、どうする?
政臣:そうですな、まずは周りのにーちゃんたちを黙らしておきましょう。ってなわけで《天変地異》。
RL:やっぱ炎の嵐?
政臣:そう。どっからともなく。でも内装も焦げないし、ゲストは無事。これでゲストとトループの判別可能(笑)。
RL:そう来たか。生き残ってるのはアキラとスキンヘッド。
恵作:すかさずスキンヘッドに〈メレー〉〈完全奇襲〉〈ダーティ・インファイト〉〈ファインド・ウィークネス〉〈イカサマ〉。
RL:〈メレー〉2レベルだろ? 2コ外して。
恵作:じゃあ〈メレー〉〈完全奇襲〉〈ファインド・ウィークネス〉で18。
RL:さっきの〈隠密〉が20だったよね? わかるわけねーや。制御値引いて差分値6で、ダメージは?
恵作:“シャドウブレード”で斬りの10、差分値で16、カード足して26の、アーマー値無効。
政臣:……この組み合わせって、“シャドウブレード”の「アーマー値2倍」も無効ですか?
RL:無効。受けは2倍になるんだけど、この場合は受けてないから問題なし。
政臣&ナギ:……鬼だ。
RL:しかも差分値ダメージあり(笑)。即死だな。《黄泉還り》と言っておきましょう。では、いっぺんシーン変えて、ここからクライマックスフェイズに入ります。