Research Phase//Skhemerz' Runnin'//


SCENE 9 (イヌ)

RL:えーと、勇基のシーンね。
藤田:先ほどから私のシーンが回ってきませんのですが。
RL:何でもかんでも首つっこみまくってるからでしょ(笑)。どーせ登場してくるくせに。
藤田:では、ご期待にお応えしまして、ショートケーキでも持ってお邪魔しましょうかな。勇基へのコネで成功です。勇基さんがブロッカーに電話してる時に、ずかずかとあがりこみます(笑)。
勇基:期待しとらんつーに。
藤田:(無視)ここのショートケーキはおいしいんですぞ、デヴィちゃん。
RL/デヴィ:「わーい! 藤田のおじちゃん、ありがとう!」
勇基:おい。おまえ何しに来た?
藤田:(無視)さて、お父ちゃまは大事なお話をされているようですから、あちらで遊んでいましょうか。
RL/デヴィ:「えーと、じゃあおままごとね。はい、あなた、お帰りなさい♪」
藤田:ただいまです。
RL/デヴィ:「あなた、ご飯にする? おフロにする? それともあたし?」(一同爆笑)
勇基:(たまりかねて)こら! そんな言葉どこで覚えた! 藤田、てめーか!
藤田:いやはや、こんな台詞は言われ慣れておいででしょうに。
勇基:てめー、用件がないなら帰れ! 情報集めるからとか言って、何か進展はないのか?!
藤田:そうですな。そう言えば、こないだのデータをまだ見ていなかったのですな(一同笑)。
勇基:うちのDAK使っていいから、検索してみ。
藤田:そうさせていただきます。まず、“プシィ・キャット”から。
RL:それはすぐにわかります。これからG.C.I.が売り出す予定の人格プログラム。反抗期の娘さんにお悩みのあなたに! あなたを「パパ」として、4歳から15歳までの「娘」を設定できます。いわゆる、かわゆくて、ちょっぴりわがままに「パパ」を振りまわします♪なデータですな。
一同:…………(思わず黙る)。
RL:いや、売れると思うんだけどね(←マジ)。
勇基:売れるかそんなもん。
藤田:(気を取り直して)次に“デヴァナガライ”を。
RL:ふーん。やってみる?〈トロン〉で判定。目標値はクローズ。
藤田:……やめておきましょう。千早のお抱えニューロに回します。無理なような気もしますが、一応“PFU”とやらは?
RL:そうすると、「ファイル“PFU”の閲覧を希望しますか?」というメッセージがでる。
藤田:イエス。
RL:「当ファイルは“デヴァナガライ”が一括管理しています。“デヴァナガライ”へのアクセス権がない場合、閲覧することはできません。アクセス権をお持ちの方は、パスコードを入力してください。なお、当ファイルを閲覧した場合、“デヴァナガライ”は自動的に初期化されますが、よろしいですか?」
一同:…………。
藤田:あまりにデンジャラスです。キャンセルします。
勇基:俺はトロンのことはさっぱりわからん。専門家に任せようぜ。
藤田:ですな。さて、お探しのケネスさんですが、今はガブリエル・リデルというカブトのところに匿われているようですぞ。彼女はナイトワーデンにも所属してるカブトですから……。
勇基:俺がブロッカーにアドレス訊けばいいわけだ。ってゆーか、最初から話せよ(笑)。
藤田:敵を騙すには、まず味方からです。
RL:それ、明らかに誤用だと思うぞ。
アンジェラ:……はい。そろそろ合流したいんですが、ここで藤田に連絡入れていいでしょうか?
RL:そうしていただけると助かります(笑)。
アンジェラ:では、17で登場です。もしもし、藤田?
藤田:(愛想よく)はい、藤田でございます。
アンジェラ:アンジェラ・ロッソです。
藤田:おや、あなたからとは珍しい。何かご用でしょうかな。
アンジェラ:(うなずく)
勇基:(ぼそっと)電話の向こうでうなずくな。わからん(笑)。
アンジェラ:そのへんは頓着してません。(藤田に)取引がしたいんだけど?
藤田:お断りします。
勇基&RL:……おまえなあ!(爆笑)
アンジェラ:理由は?
藤田:(しれっと)何故かというとですね。あなたのクライアントとうちの社の利益は相反するものなので、まずその点で具合が悪い。さらに、あなたが握ってる情報は、すでにほとんど私が手に入れているので、あなたには有利なカードが何もないんですよ。
勇基&RL:何てやなヤツ(笑)。
アンジェラ:わかった。じゃあいい。
藤田:まぁお待ちなさい。今新条さん家にいるんですけど、とりあえずご飯食べにきません?
アンジェラ:どうして?
藤田:腹が減っては戦はできません。あしたのためにそのいち、というヤツです。
RL:それも違うと思うぞ。
アンジェラ:いいです。新条さんのとこにいきます。
勇基:……おい。どーでもいいが、家主の意図を全く無視して話が進んでいるような気がするぞ。
藤田:ここは味方が多い方がいいでしょう?
勇基:だったら何であんな言い方する? あんな子供をいじめるなんざ、趣味悪いぞ。
藤田:(すまして)実際情報交換するメリットは何もありませんからね。下手にこちらのカードを見せず、戦力としてのみ扱えればそれに越したことはありません。
勇基:(しみじみと)おまえってホントにやなヤツだなぁ……。
藤田:しみじみ言わんでください。
アンジェラ:ところで、そんな会話が交わされているとは露知らずに(笑)登場したいんですけど。
藤田/セバス:「いらっしゃいませ。本日のメニューは中華でございます」
アンジェラ:……こんにちは。
RL/デヴィ:「ねーセバスちゃん、今日のご飯何?」
藤田/セバス:「エビチリに北京ダックにチンジャオロースーですな」
アンジェラ:激しくバラバラですね。
藤田/セバス:「マスターのお好きなものばかり集めるとこうなります」
勇基:チンジャオロースーはいつもの通りピーマン抜きだぞ。
アンジェラ:それはただの細切り肉の炒め物のような気がしますが。
勇基:筍も入ってるだろ!(笑)
藤田:まぁまぁアンジェラ、なごやかに会話を進めるテクニックとして、出された料理にケチつけるのはよろしくない。
アンジェラ:だったら、何話せばいいの?
RL:明日の天気とか、お子様のお受験とか、確定申告のやり方とか(笑)。
アンジェラ:……明日の天気は晴れ、のち曇り。降水確率は20パーセント。最高気温は20度。最低気温は12度。
勇基:ええい! どこがなごやかなんだ!
藤田:……仕事の話をしませんかな。
勇基:最初から素直にそう言えばいいんだ。
藤田:そうですね……グローリー氏とお話できませんかな。
アンジェラ:いいけど。彼の時間があいているかどうかはわからないわ。
藤田:千早の名前出せば大丈夫ですよ。彼は話のわかる人だ。
アンジェラ:(不信の目つき)……では、電話します。
RL/マイケル:「アンジェラか? どうかしたのか?」
アンジェラ:「千早の方が、ケネス・サマーランドの件について、お話したいことがあるとかで」
RL/マイケル:「……なんだと?」
アンジェラ:いけなかったでしょうか?
RL/マイケル:「いや、いい。とりあえずつないでくれ」
藤田:もしもし? お電話替わりました。千早出向社員の藤田と申します。
RL/マイケル:「千早は千早でも、どこの千早だ?」
藤田:はい? ちゃんとした「地上」の千早ですよ?
RL/マイケル:「まぁいい。で? 用件を聞こうか?」
藤田:単刀直入に言いますとですね。この件から手を引いてくれませんか。
RL/マイケル:「……ホントに単刀直入なヤツだな」
藤田:そちらのメリットですが、まず、千早とケンカしないで済みます。さらに、セニットともケンカしないで済みます。
RL/マイケル:「千早とケンカ、だと? あの社長のセリフとは思えないんだがな?」
藤田:んー、社長に話通すならお急ぎくださいね。そちらのクライアントのダニングという男、どうもきな臭い感じがします。
RL/マイケル:「……おい、何であんたがダニング氏のことまで知ってる?」
藤田:おたくさんのお嬢さんは、まだお若いですからな(一同爆笑)。
アンジェラ:ルーラー、制御判定に失敗してカード回します(笑)。カシャーン、と音をたてて箸を落とします。
RL/マイケル:「(ため息)とにかく、話は私とメルトダウンとでつける。後でかけなおすから、それまで待機していてくれ。それと! アンジェラに食事のマナーはきちんとするように言ってくれ」
アンジェラ:…………。
勇基:まぁ、アレだ。いい父親だな(笑)。
藤田:あなたも見習うとよろしいでしょう。
勇基:てめーみたいな悪党に言われたかねーや!(笑)


SCENE 10 (カブキ)

RL:で……とりあえず勇基と藤田はチームだね?
勇基:俺の車でガブリエルの家に行くんだろうな。
RL:レッドエリアの安アパートだね。デヴィは?
勇基:もちろん、一緒に連れてってますよ。
RL:アンジェラはどうする?
アンジェラ:はっきり言って、藤田とは組みたくないです(笑)。
藤田:この仕事自体がなくなるかもですよ?
アンジェラ:彼から何も言われてない以上、私は仕事を続けるしかないわ。
RL:では、とりあえずアンジェラは登場しない、と。デヴィは寝てる。しばらくすると、彼女はうなされ始める。
勇基&藤田:……え?
RL/デヴィ:「……お父ちゃまぁ……怖いよ……真っ暗だよ……誰もいないの……デヴィ、またひとりぼっちなの……」
勇基:デヴィ、どうした?
RL/デヴィ:「……お父ちゃま、そこにいるの?」
勇基:……ああ。
RL/デヴィ:「よかった……」とまた安らかな寝息をたて始める。
勇基:ミラーグラスを取り出して、かける。
一同:照れてやがる(笑)。
勇基:その辺の演出はどーでもいいでしょうが。到着していいですか?
RL:その前に、藤田に連絡が入ります。(冷たい声で)「私です」
藤田:おや。どうも。
RL:「で、誰です?」とか言ったら後が怖いぞ(笑)。
藤田:いえいえ、とんでもない。どーも、千早さん。仕事は順調ですよ。
RL/千早雅之:「そうですか。グローリー氏とは話をつけました。あなたはアンジェラ・ロッソ嬢と協力して、ケネス・サマーランドを必ず無事に保護してください」
藤田:……ほう。了解しました。こちらは例のデータらしきものを入手しましたので、送信します。ただし、かなり特殊な処理が施されているようですので、解凍はケネスさんにお任せした方がよいかと。
RL/千早雅之:「そのようですね。あなたには言っておかねばと思っていましたが、上が動いています」
アンジェラ:上って、政府?
RL:(天井を指差す)
藤田:軌道千早ですか。私の上司に相談してよろしいことでしょうか?
RL/千早雅之:「相談とは?」
藤田:えーと、このデータのコピーを提出してよろしいかということですが。
RL/千早雅之:「凍結されたままで閲覧できないデータですが、それでよろしかったらどうぞ」
藤田:…………。
RL:……マイケルのみならず、メルちゃんとまでケンカしたいなら、私は止めんが(苦笑)。
藤田:いえ、引き際は弁えてます。こちらとしては、とりあえずサンプルが手に入ればよいわけですしね。つまり、軌道の脅威が現実にあるということをわからせられればよいわけで。
RL/千早雅之:「そうでしょうね」と電話を切ります。
藤田:と、いうわけで、セニットに“役人”の名で報告しときます。軌道がこっちを社会的に攻撃してくるとやばいです。
RL:それやられたら、君らじゃどうしようもないでしょうし。で、ちなみにガブリエル・リデルのうちにやって来ると、これが留守なんだわ。
勇基&藤田:はぁ?
RL/隣のおばちゃん:「ちょいと、リデルさんなら、留守だよ。何でも、男と旅行だってさ」
藤田:男というと、いかにも学者か技術者風な……。
RL/隣のおばちゃん:「いや? いい男だったけど、学者さんにゃ見えないねぇ」
藤田:どこへ行ったかはわかりますか?
RL/隣のおばちゃん:「そこまではねぇ」
勇基:……おい、藤田。
藤田:アンジェラに電話しましょう。
アンジェラ:今はガブリエル・リデルの家に向かってますが、彼らと出会うのでは?
RL:いえ、あなたが向かってるのは、イエローエリアの、ケネスん家に近い住宅街ですな。
アンジェラ:とにかく、電話に出ます。はい、アンジェラです。
藤田:突然ですが、上とは話がつきました。手組みましょう。
アンジェラ:協力するメリットはなかったんじゃないの?
藤田:(しれっと)事情が変わったんですよ。
アンジェラ:わかったわ。彼に確認してから連絡する。じゃあ。


SCENE 11(フェイト)

アンジェラ:というわけで、マイケルに連絡します。
RL/マイケル:「アンジェラか。まずいことになったな」
アンジェラ:……すみません。
RL/マイケル:「いや、仕方ないだろう。君が仕事に失敗したということにして、G.C.I.のビズから手を引かせてもらった。今は千早がクライアントになったようなもんだが、その繋がりがバレてはまずいんだ。わかるな?」
アンジェラ:多分わかってない(笑)。
RL:わかってくれよ(笑)。本来、マイケルはこーゆー真似するクロマクじゃないんだから。君のためよ、これ。
藤田:よいお父さんですな。
RL:その前に話をぶっこわしたのはてめーだっつーの!
藤田:まあまあ。
RL:何がまあまあだ(笑)。「とにかく、これも経験のうちだ。せいぜい千早に恩を売ってやれ」
アンジェラ:いずれにせよ、私は命令に従うだけです。
RL:「……そうか」と、いうわけで、今はアーメンガードさんから教えられた住所に向かってるわけですけど。
アンジェラ:仕方ないので、藤田に電話します。で、ガブリエルの正しいアドレスを転送します。
藤田:了解。ではそこで待機していただけますか?


SCENE 12 (エグゼグ)

RL:では、戻って勇基と藤田。アンジェラと合流したとこから。
アンジェラ:で? どうするの?
勇基:よし、踏みこもう。
藤田:踏みこんでどうするんです。向こうにはカブトとカブトワリがいるんですよ。それも十中八九G.C.I.の人間ですよ。
勇基:じゃあどうしろってんだ?
藤田:交渉のカードがないんですよねー。いや、正確にはないこともないんですが。
勇基:あん?
藤田:つまり、貴重なサンプルを破壊されたくなければ、我々の要求に従え、という……。
勇基:……おい!
藤田:そういう手もある、と言ってるだけですよ。
RL:あのさ。忘れてるかもしれないんだけどさ。ケネスの依頼は、3日後にロジオン・スタルツェフのところに連れていけ、なんだよ?
勇基:忘れてました(どきっぱり)。
RL:おう。そんなこったろうと思ったぜ(乾いた笑い)。
勇基:(急に明るく)なんだなんだ。じゃあこのままあの男にデヴィ渡せばおっけーじゃないか。
藤田:何言ってんです。どーしてそう考えなしなんですかな、あなたは。
勇基:何かマズイか?
藤田:このまま渡しちゃったら面白くもなんともないじゃありませんか!
勇基:おまえこそ小細工抜きに物事を考えられんのか!
アンジェラ:でも、その子の身柄を取引に使えるのは有利なことだわ。
勇基:…………。
藤田:(頭をかきつつ)あー。いや。さっきのはわりかし冗談に近かったんですが。
アンジェラ:そうなの? だって、作戦としては正しいでしょう?
藤田:そうなんですが、私としてはお父さんを敵にまわしたくないわけなので。
アンジェラ:彼はこの子の父親じゃないわ。
藤田:んー、それはほら、あなたとマイケルさんみたいなものですよ。
アンジェラ:父親? どうして? 彼は私のマスターよ。
勇基&藤田:…………。
RL:(ぼそっと)いつからグローリー、そういう趣味を持つようになった。
一同:(爆笑)
アンジェラ:(のプレイヤー)グローリーさんは父親のつもりでも、本人そう思ってないんですよね(笑)。
RL:何でもいいんだけどさ。どうすんの?
藤田:そうですな、まず……。
勇基:ベル押します(笑)。
藤田:あっ。せっかく人が……。
勇基:だから、おまえの小細工はもうたくさんだっつーの。
RL:では、「はーい、どちらさま?」とお気楽な男の声がする。
勇基:ちなみに、デヴィ連れてカメラに映らないような位置に立っています。
アンジェラ:同じく。
藤田:え? 結局交渉は私ですか?
RL/男:「で、どちらさま? 新聞なら間に合ってるし、押し売りはさらにお断りだよ」
藤田:あァ、夜分遅くすみません。私藤田と申しますが。
RL/男:「あー、あの時のね。何か用かい?」
藤田:とりあえず、入れていただけませんでしょうかね。私、この通り非武装ですんで。
RL/男:「……はいはい。今開けますよー」ということで、出てきたのは喫茶店でちょっかいだしてきたげな男である。
藤田:その節はどーもです、ロジオンさん。
RL/男:「できれば、ロージャと呼んで欲しいね。とにかくいらっしゃい。今ね、ちょうど鍋つついてるとこなの。食べる?」
藤田:鍋ですか。大変結構ですな。いくら常春だからとはいえ、やはり日本の冬は鍋です。
RL:で、中に入ると、おまちかねのケネス氏とガブリエルさんがぽかーんと
君を見てる(笑)。
藤田:いやぁ、どうもどうも。お目にかかれて光栄です。ケネス・サマーランド氏ですな。
RL/ガブリエル:「あんた、なんだい?」
藤田:なんだい、とおっしゃられましても。通りすがった一般人ですな。
RL/ガブリエル:「ザけてると、叩き出すよ」
藤田:これは失礼。単刀直入に申し上げますと私千早の出向社員でして、このたびはケネスさんをスカウトしに参りました。
RL:そこでガブリエルががたっと立ちあがろうとするんだけど(笑)、ケネスさんがそれを目で制して、「私は千早が欲しがるような人材ではないと思うのだけどね」
藤田:いえいえ、そんなことは。
アンジェラ:(割って入って)ケネス・サマーランドさんですね? マイケル・グローリーの代理として来ました。アンジェラ・ロッソです。
RL:えーとね。マイケルの名を聞いてぴくりと表情を動かすのは後ろの男女2人で、ケネスは怪訝そうな顔をしてる。
藤田:(慌てて)あー、私ども何もケンカ売ろうってわけじゃなくてですね。
アンジェラ:(無視)私たちにまかせていただければ、あなたと娘さんを必ず安全な場所に保護します。一緒に来ていただけませんか。
RL:それを聞いて、ガブリエルは険悪な顔になる。ロージャは面白そうにしてる。ケネスは2人と君の顔を見比べて、困惑してる感じ。
アンジェラ:静かに見返して、いかがですか、と言う。
RL/ケネス:「デヴィエラは、どうしている?」
藤田:ちゃんと保護しておりますよ。もちろん、あなたの出方次第によっては、私としても彼女を取引に使わざるを得ませんが……。
RL/ケネス:「そうかな。勇基は少なくとも、年端もいかない子供を手にかけるタイプじゃない」
藤田:確かに、彼の守備範囲は少なくとも18歳以上ですが。
勇基:そういう意味の「手にかける」じゃねーだろが!
一同:(笑)
RL:……で、出てきてもらっていいのかな?(笑)
勇基:仕方ない。藤田の後ろから中に入っていきます。
RL:するとケネスさんが、デヴィと勇基を見つけて立ちあがる。「勇基?! デヴィをここに連れて来たのか?!」
勇基:おーよ、わざわざ出向いてやったぜ。てめえの娘を人に押し付けやがって、だいたいてめえは……。
RL/デヴィ:(勇基の袖を引っ張って)「お父ちゃま、あの人誰」
勇基:なに?
RL/デヴィ:「デヴィ、ここやだ。お父ちゃまのお家に帰る……」
勇基:…………。(ケネスに)どういうことなんだ?
RL/ケネス:「……とりあえず中に入ってくれないか」で、いっぺんシーンを変えます。


SCENE 13 (タタラ)

RL:全員登場でいいですね? では、手のつけられない鍋を前に、7人が緊迫して睨み合ってるという。
藤田:やぁ、どうでもいいけど鍋がもったいないですな。
RL/ロージャ:ほんとにね。食べ物を粗末にすると、罰があたるよ。
勇基:ちっとも緊迫してねーじゃねーか(笑)。
RL:いや、すまん。ついね(笑)。ではケネスさんが暗い声で「……勇基」と声をかける。
勇基:なんだよ。
RL/ケネス:「……勇基、ここまでデヴィを護ってくれたことには礼を言う。だが、これ以上君に迷惑をかけるわけにはいかない。ここで手を引いてくれ」
勇基:…………。
RL:ちなみにデヴィは君の腕にすがりついて、顔を埋めている。
勇基:ケネス。ここまで巻きこんでくれたんだから、事情を話してもらう権利はあるはずだと思うが?
RL/ケネス:「聞かないほうが安全なんだ」
勇基:こいつら(←藤田とアンジェラ)が色々と話してくれたぜ。今さら安全も何もあるかよ。
RL/ケネス:「私は……(黙る)」
アンジェラ:ケネスさん、先ほども申し上げた通り、私どもにはあなたがたを安全な場所にお連れする用意があります。
RL/ケネス:「それは、千早へ行けということか?」
アンジェラ:ご不満ですか?
RL/ケネス:「千早が私を欲しいというなら喜んで行こう。私としても、G.C.Iにおびえっぱなしというのはまっぴらなのでね。だが……」
アンジェラ:だが?
RL/ケネス:「千早が欲しいのは、私かい? それとも“デヴァナガライ”かい?」
藤田:少なくとも千早は、あなたの研究者としての業績を高く評価していますよ。
RL/ケネス:「おためごかしはやめてくれ。私もそれなりに自分の技術について自負はあるが、千早とG.C.Iが取り合いをするほどでないのはわかっている」
藤田:いや、そんなことは……。
RL/ケネス:「“デヴァナガライ”が欲しいんだろう? だが、アレは渡せない。どこにもな」
藤田:ご自分の研究を世に出したいとは思われないので?
RL/ケネス:「勘違いだ。“デヴァナガライ”は私が作ったものではない。むしろ授かったものだ」
藤田:ほう。誰にです。
RL/ケネス:「言っても信じてはもらえまいし、君に言わねばならんこととも思わない。(勇基に向き直り)勇基、悪いことは言わない。このままデヴィを渡して手を引いてくれ」
勇基:正直、俺も気軽なシングル・ライフを取り戻したいところではあるんだがな。まだ肝心なことを聞いてないぞ。おまえとその“デヴァナガライ”とやらの問題はおくとして、デヴィは一体なんだ?
RL/ケネス:「それは……」
勇基:デヴィは……
RL:ケネスはそれをさえぎって、立ちあがる。「すまないが皆、席を外してくれないか。勇基に話しておきたいことがある」
藤田:……はぁ。それじゃ私はここで鍋でもつついていましょうかな。アンジェラもよろしいですかな?
アンジェラ:黙ってうなずく。
RL:ちなみに、「そんじゃ僕も」とばかりにロージャの方はついて行こうとするんだな。
藤田&アンジェラ:ええ?
RL:ケネスはそれを咎めない、けど。
藤田:だって私が1人で鍋奉行をしろと?!(RLずっこける)
アンジェラ:論点がずれてるずれてる。
RL/ガブリエル:「ほぉ。あたしじゃ不満だってのかい?」
藤田:彼の方が鍋のなんたるかを知ってるような気がするんですが。
RL/ガブリエル:「いい度胸だね、あんた」
アンジェラ:だから論点がずれてるずれてる。
勇基:ええい、やかましい! 話があるならとっとと聞こうじゃないか。
RL:というわけで。ころころ変えてすまないがまたシーンを変えます。