ゴールデンウィークに入ったというのに、まったくゴールデンじゃない。スズ亜鉛合金かということをして過ごした一日の話。
静岡県は伊東にある個人宅を宿にして研究室の仲間でバカ合宿をしてきたわけです。その家というのが、八十過ぎのじーさんが一人で住んでるとこで、まあ簡単にいうと非常にダストネス。汚いのです。しょうがないっすけどね。男手一人だし高齢だし。男やもめにウジがわくとはよく言ったものですが、夏などはウジどころではなく、でっけークモが靴の中に入ってたり、流し横のジメジメしてるとこにはミニ地球が出来ていたり、布団は一年間干さないんで不思議な重さがあったりとまことにファンタスティックなレジデンス。ここに備蓄されてる食料品が特にデンジャラスで、ぼくが生れる前に賞味期限ががっつり切れてる醤油が現役バリバリ伝説で使用されようとしたこともある、と申せば少しは伝わるでしょうか。
足裏は館に踏み入れた時から外を歩くのと変わんないような感じで黒ずんでゆく。それでもなぜか行ってしまう。この二年ほど、東京からほど近い観光スポットである伊東がぼくらの遊び場となってるわけです。夏なんかは悔しいことにここが最高の花火大会のビューポイント。
そう、毎年夏に行ってたのですが、今年は何故かゴールデンウィークもここで過ごすことにしたという先輩からのお達しで一泊だけしていくことになりました。毎年くるたんびに「これでここに来るのも生涯で最後」と思いながらも行ってしまう。単純にここが面白いからでしょうな。つーか非日常体験なんですよ。海が近いのに、なぜかその家は山の上。海の町に来た意味が無ぇ。風呂はいりに行っても、上がってくる頃には汗びっしょり。という素敵な環境。
ぼくの所属していたうんこサークルの合宿がその家で毎年三月に行われていて、問答無用でこの状況に慣れさせられる。もう六年目かここに来るのも。やたらとこのじーさんが合宿以外の日にも遊びにこいこいとうるさい。いや、実はこのじーさんは民俗学中ではめちゃくちゃすげー人なんです。一方でそれを感じさせない強烈なキャラクター。少々何やったところで何をやっても大丈夫だろう的なノリ。一時は頭を蜂に刺されたかなんかしてお日様ヘッドにツノ生えてたみたいになったしな。よくショック症状起こさないもんです。強すぎ。だからぼくらは悪乗りして、ファミレスに連れてって、ドリンクバーの全種類を制覇させてみようとしてわんこ状態で持ってゆき、キレさせてみたり、先輩は足が汚れるのがいやで部屋の中にもかかわらずビーサンをはこうとしようとする、とかできるわけです。ほんと舐めてる。
まったく勉強しないバカ合宿。なので、今回も先輩と待ち合わせた川崎駅の地下にて昼飯にまずビール中ジョッキ。乗った東海道線でワンカップ。んで伊東駅着いて、じーさんの家行く前に「天気いいなあ。海見ながら一杯のまねぇ?」の一言で岸壁に腰を下ろして発泡酒。さんざんいい心持となり、着くなり、じーさんから勧められる謎の徳利に入った日本酒。本当にこの日本酒、飲むと変なにおいがする。徳利の中でヌシが発生してて、その体液を飲まされてるんじゃなかろうかなどという正常な思考はとうに飛んでいる。でも女豪傑な後輩は臆することなく飲む。つかそんなこと考えてたらここにいられない。晩飯食うときだけお茶を飲み、温泉行った後、そく焼酎、サワー、日本酒・・・うーわーひさびさに飲んだ飲んだ。痛飲です。ほんとやばい。痛い。頭もお腹も。気づいたら麻雀の牌を握っていた。んで夜明けまで麻雀麻雀。酒酒。これで本当に修論かけるのだろうかというくらい遊んでるし、発表準備なんもできていない。やべーよこれ。
オ負ケ画像:最近の携帯のカメラまじですげーっす。

伊東の海がめちゃくちゃ綺麗で、雲ひとつ無い。唯一よどんでるのは先輩とぼくの心の中のみ。

宿舎からの景色。山の上にあるから伊東の市内から海まで全部見渡せる。ほんと景色だけは最高。景色だけは。

日の出が早い。やはり夏が近づいてるなあ・・・ボロボロなココロが洗われる光景。泣きたくなった。自分の駄目さに。あ、それロンで。