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調査という名目のバックレ
宿のまわりは何も無い。というか高知県とのまさに境界上に位置する。建物が県境にまたがっているわけです。標高1300メートルの高原。うわー涼せぃ。こんないい陽気なのにもかかわらず。下山する形で近くの集落まで片道10キロ超。徒歩で二時間超。移動ツールが足しかなくてもありとあらゆる交通網の中でぬくぬくしくやってきたぼくにとってアップダウン往復20キロをこれから四日間やれつーのは正直びっくり。本当にびっくりする。いいの?ぼくの足怒らない?いやもうすでに怒っている。

一番近くの集落。遠っ!なんだこの小ささは。まあ直線距離でこれだ。山を降りて、またその集落は山肌にあるわけだから、グネグネと道をゆかねばならない。はっはっは。笑えてくる。やたらと独り言の多くなるスイッチが入ります。だって完全に一人だからな。

こんな林道もゆくわけです。マムシーな話が頭から離れない。イノシシも出会ったら最悪だ。草陰がガサガサというたびにどきっとさせられる。一番驚いたのは草むらの中からカラスがバサァっと飛び立った時でした。本当に口から心臓どころか胃袋や直腸まで出てくるかと思った。しかし歩けども歩けども、まったくつかない。しかも周りも見渡せない山中なので、集落までどのくらい近づいてるかもよくわかりません。

おやくそく。がけ崩れ。もはや道ではなくなっています。

斜面を見上げてみました。耳をようくすませてみよう。コロコロ、ゴロリ。落ちてきてますねぇ。ストーンズじゃねぇよ。ロックだよ。つかやばいって!雨降ったら絶対この道歩けません。早々に退散。

怒りん坊と化した足をなんとかなだめつつ、ようやく集落到着。ふと振り返ってみて今まで来た道を見る。

これがさっき通ってきた道なのです。どこ?道どこ?

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