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2005-08-23
あ。

解凍するために冷蔵庫から出しておいたサイトが、気づいてみりゃ一ヶ月近く出しっぱになってて、夏の日差しを浴びに浴びまくった結果紫通り越した黒になってやがる的に腐ってら。もう捨てようとも思ったけども焼いてみりゃ案外いけるんじゃね?いや、だめだ。やっぱダメだった。雑菌は死んでても味自体が致死。捨て、捨て。ザバー。そんなわけでイベント。「モーターレス・サイクル・ダイアリーズ」。近々公開。あくまで予定。開催されるかどうかもわからない。とりあえず次回からは適当に空白の一ヶ月間を思い出しながらダイジェストを書く。書きます。書くようです。すいませんでした。



2005-08-24
サイトリハビリということで、何があったのか、項目羅列的に書いてみます。

光速で忘れ去った、先月後半の「建設予定地」とかぬかすものに関しては後回し後回し。もう思い出したくても思い出せない。

七月三〇日〜三一日:静岡県伊東市。山道を車で走らされる。花火だの、イノシシのレースだのイノシシの水泳だのを見たような気がする。

八月三日:ここ周辺のことを思い出そうとすると、頭の中でキリキリと音がする。どうもこの記憶の扉を開けるにはそうとう熟達したサムターン回しのスキルが必要のようなので勘弁。どうやら鍵となる言葉は「学会発表要旨ドやっつけ」

八月六日〜七日:寿司祭り。そしてフローかましまくり祭り。

八月九日〜一〇日:脳汁を垂れ流しトーク全開で、夜中湾岸線を走る。千葉の蘇我から横浜は青葉区までダンボールや布団を後部座席と積荷スペースに押し込み、まるでナイト・ラナウェイ屋本舗。激しく過積載な一日。これもいずれ別枠で書きたいけれども、いかんせん、脳みそのインジケーターの触れ幅がマックスいきまくりだったので、終わってみると光速で忘れ去っている。

八月一二日〜一三日:胃袋がものをしゃべっている先輩Dと就職試験のために金沢へ。ここは数行では書ききれないようなので後日なんらかの形でアップ予定。たぶん。おそらく。

八月一六日:東京都美術館でエジプト展を鑑賞。ナニ村作治なのかわからぬあやしいエジプトうんちくをダダ漏れさせる。おそらくそのとき口から出た80%が嘘。残りの20%が夢と希望。夜、小学校のころからのダチと飲む。

八月一七〜二二日:研究会の合宿調査。今年は高知県。夜行バスで移動するわけだが、その前に東京駅で腹ごしらえ。店内に流れてる宇多田ヒカルをずっと聴いていたい衝動に駆られる。十二時間近くかけて高知着。すぐさま風呂に行こうということになり、スーパー銭湯へ。何故か気づけば朝から飲んでいる夜行バス組。そんなこんなで全体の集合時間までにはすでに出来上がっている。そんなこんなな四泊五日。大量に飯食って大量にウンコを製造するだけのマシンと化した四泊五日。

とまあざっとですが、こういう感じですか。えぇ。こういう感じですか。うわ、自分でもヒくくらい内容のない夏。あっという間ですな一ヶ月なんて。こわいこわい。



2005-08-25
台風が久々に関東に来るというので、用もないのに大学へ足を運びます。足裏がつるつるてんになったサンダルと骨がイッてしまってるビニール傘という災害どんとこいないでたちで颯爽とザンザン降りの東京を闊歩。面白いくらいにハーパンがずぶ濡れになってぴったぴったの皮パンのようになる。どこぞのパンクロッカーですか。

大学は今オープンキャンパスの真っ最中。ぼくと同様にずぶ濡れになった女子高生をぼんやりと眺める。それがぼくのクオリティ・オブ・ライフ。

ドロドロなハーパン、サンダルなる格好で、湿気たタバコをスピスピやってるところを指導教授にバッタリ目撃され、これから大学を目指そうとする受験生のやる気を削ぐな馬鹿、という意が込められた眼差しを頂くことも忘れぬのがぼくのクオリティ・オブ・ライフ。



2005-08-26
『まんが道』を買う、くらいしか記すことがないので、手抜き。五月中旬に手当たり次第知り合いに送りつけた駄メール。そのメールは国会図書館にいた時打ったという記憶がある。一人でいるとろくなことをしない。そして暇な時はろくな更新をしない。いつでもろくでもない。

【件名】
サラリーマン川柳 お題:休日の過ごし方

【本文】

とんがらし
アナルにぶっさし
マキシマム
(食品メーカー:43歳)

載せてみよう
レンゲの上に
玉袋
(旅行代理店:32歳)

悪妻に
そっと嗅がせる
へそのゴマ
(小売業:51歳)

アリの巣に
リゲイン流して
インフェルノ
(商社:38歳)

休日に
バッセン行くのは
何か違う
(人材派遣:24歳)

口の中が荒れに荒れて痛い。物を食う気がしない。けれど食わないとへばるので、無理やりラーメンを食ってみる。そのチョイス自体もいかがなものかであるけれど、『まんが道』読んでて食いたくなったのがそれであった。ラーメンを食ってるときになぜか軽く貧血に似た感覚に襲われる。強い身体が欲しい。



2005-08-27
血迷ってエントリーしてみた新聞社の筆記試験が終わった後、どうにもこうにも『まんが道』の続きが気になったので、渋谷の本屋へ。つかブックファースト。ブックファーストは五階のフロアに児童関係の本とマンガのスペースが併設してある。さっそく『まんが道』五冊を鷲づかみ。文字通り鷲づかみ。気分は、一流のNBAプレイヤーがバスケットボールを片手で鷲づかんでる、よろしくだ。そんな駄ジック・ジョンソンことぼくがレジに並んでおると、その後ろへお袋さんと手をつないだお子さんが。お子さんがのたまう。「ねえねえ、このご本読むからマンガも何か買ってよ」別にその子の手元を見たわけではないが、ためになる類の児童書が握られているのだろう。お袋さんはジェスチャーか何かで制したのか、声は聞こえてこなかった。「ねえねえ、マンガ、マンガもいいでしょ?」懇願する子ども。結構熱っぽくおねだりするので、それまで黙っていたお袋さんが「マンガなんか・・・!」と静かに一括。したらもうマシンガンはとまらない。「マンガ買ったら、あんたマンガばっか読むでしょ?マンガばっか読んだらダメになっちゃうの。わかる?全然宿題とかもやらないじゃない。いつになったらドリルは終わるのよ。読書感想文だってあるのに。塾のテストだってもうスグでしょ?ナニやってるのよ。どんどんみんなから置いてかれちゃうんだから、夏休みの間に。新しいマンガ買ってあげたら、ずーっと、マンガ、マンガ、マンガ・・・」おわ。すげーな。すげー。ちょっとやそっとじゃとまらない。マンガをわんさと手にしているぼくは一体なんだろう。そんでお袋さんがさっきのセンテンスを一気にまくし立てた後。「マンガなんて読むとねえ馬鹿になるのよ」「馬鹿になるのよ」「馬鹿になるのよ」「馬鹿になる・・・」「馬鹿に・・・」「馬鹿・・・」うぅ、ごめん。イクオくん、いや名前を知らないから勝手にそう呼ばせていただくけども、君の目の前にぼくみたいなクズがいてごめん。お兄さんもマンガばっか読んでいないで、きちんと字がいっぱい書いてある本を読まなきゃいけなかったんだよ。君くらいの年に。そうじゃなきゃ、こんなモッサモッサと五冊もマンガを手にして、持ってきた荷物よりも重量あんじゃね?しかもてめー、翌日も就職試験あんじゃねーかよ?ダイジョーブですかー?みてーなウンコ・ライフを送らずともすむんだ。ぼくの顔には、藤子A先生のキャラよろしく、びっしょり汗に真っ黒な影。めがねはかけてないけど、びっしりとヒビ。無論背景のコマには渦巻状のモヤモヤした効果線。あぁ。それでも帰りの電車で読んだ『まんが道』は最高に面白い。結局マンガしか読まなかった一日。


2005-08-28
日曜だというのに就職の筆記試験とかいうアス・ホール野郎なイベントが代ゼミの校舎で行われました。久々に代々木で降りてみましたら、駅北口の近くにあった一杯290円のラーメン屋が見当たらなかった。半露店みたいな店構えで、立ち食うスペースがアウトドアという、オープンカフェぷりを、スタイリッシュなカルチャーに何かとうるさいぼくは大変気に入っておりました。何せ食うスペースであるところのカウンターが斜めっている。凶器に等しいアツアツの出汁も当然斜めるので、ダービーとギャンブル対決してるジョセフことぼくも真っ青です。カウンターに肘でもついて小粋に食おうとすると間違いなく崩落。たまらない。せっかく代々木まできたのだから食っていこうと思ったのですが残念。と、いうか財布の中に800円しか入っていないという大富豪っぷりだったのでそこで食いたかっただけなのですが。仕方がないので缶コーヒーのみで飢えをしのぐ一日。当然、帰りは定期の使える渋谷まで徒歩。明治神宮内を通るルートでトボトボ歩いていると、すごい人だかり。「スーパーYOSAKOI」が開催されているのだと気づきました。でも何かに熱中していたり、がんばって溌剌と踊っている人たちを見るといたたまれなくなりますので、まったくスルーして帰ろうとすると、後輩にばったり出くわす。驚く。就職試験のショックで全裸で糞漏らしながら帰ろうとか考えてなくて本当によかった。自分の冷静さを褒めたくなります。後輩はバイト中なようで、すごくバリバリ忙しそうでした。自分の知っている奴のがんばってる姿を見てよりいたたまれなくなったぼくは、帰りにやはり『まんが道』を買って帰るのでした。更新三回連続にわたり『まんが道』という単語を出すというのはいかがなものか。本当に特筆すべきことが満賀や才野をはじめとしたトキワ荘の人々のがんばりの中にしか存在しないのです。しょうがない。財布の中には五十円玉と一円玉しか残りませんでした。


2005-08-29
イルディタ、アレイディダ、カミーロ
セリア、エルネストへ
この手紙を読まねばならないとき、
お父さんはそばにはいられないでしょう。
とりわけ世界のどこかで誰かが
不正な目にあっているとき、
いたみを感じることができるようになりなさい。
これが革命家において、最も美しい性質です。
いつまでも、子どもたちよ、
みんなに会いたいと思っている。
大きなキスを送り、抱きしめよう。

お父さんより

 ―エルネスト・チェ・ゲバラ 「子どもたちへの最後の手紙」(1965年)

背伸びして甘えた君の肩を
その向こうに見えていた雲の形
雲にだって名前があるんだよ
そう教えてくれたのは
夏が始まる前の
季節に置き去りにされた月
思わせぶりな神様が
別れる恋人たちのために創った
ちょっとブルーな時間
今年もその月が巡り
うんと背伸びをして
一番遠い雲に焦点をあわせても
まぶしいくらいに白かった
君の肩はもうどこにもない
きみが教えてくれた
なつかしい雲の名前も
もうとっくに忘れてしまった

 ―『熱写ボ〜イ』(平成六年七月号)

ゲバラの言葉だけでもよかったんですが、ひょっこり出てきた、すんげー昔買ったエロ本のグラビアについた邪魔以外何者でもないポエムも捨てがたかったのです。あー無意味無意味。



2005-08-30
いや、麻雀とかそこらへんのことで。だって麻雀ですもの。麻雀。学会発表とかそっちのけても麻雀。徹夜で麻雀。とりあえず玄関あけたら麻雀。麻雀を肴にジンロ。ジンロこぼしたら、それは楽しくないお酒になりつつ麻雀。麻雀をしつつ、畳を拭きつつ。家主さん、ごめん麻雀なさい。気づけばしらじらあけてきて麻雀の朝が始まる。そういう麻雀デイズ。丁度ラッシュの時間に帰り麻雀。これだけ一文の中に「麻雀」という単語を入れておけば、飽きますか。しばらく麻雀したくなくなりますかね。麻雀、麻雀。


2005-08-31
八月読んだ小説は五本。

@恩田陸『ネバーランド』(集英社文庫 2003)
A阿部和重『インディビジュアル・プロジェクション』(新潮文庫 2000)
B加納朋子『ななつのこ』(創元推理文庫 1999)
C湯本香樹実『夏の庭』(新潮文庫 1992)
D中村文則『土の中の子供』(新潮社 2005)※

※『文藝春秋』九月号の全文掲載を読んだ。

んでそれぞれに感想をぶちかましていく。

@男子校の寮が舞台。冬休みに帰省せず、寮へ残った四人の少年たちの七日間を書いた作品。過去をカミングしていく中で、一人一人が「秘密」として心にロックしていたことをほぐしていく。昔も今も変わらぬ男子校ライフを送るものとして、浸れる作品。とにかく男子校。この話し、クリスマスイブから始まる。男子四人、額をつき合わせて飲んだくれイブ。ぐっとくる。ナイス。
A『グランドフィナーレ』で芥川賞とった阿部和重が渋谷を舞台にした長編。センター街の居酒屋、三瓶酒寮のシーンには思わずニヤリ。それはそうと。この文庫版は表紙がエロい。タンクトップにホットパンツ。それだけでいい。内容?そんなことはどうでもいい。著者近影の写真ですら、ホットパンツにしていただきたかった。作品として減点するとすればそこである。
B殺しがあるわけでも、犯罪が起きるわけでもない、日常のちょっとしたことだけが綴られた小編群。じゃあどうして「推理文庫」というレーベルなのか?それは是非あなたの目で確かめてみてほしい。読み進めて行くとこれが上質なミステリーであることに気づくから。ということを書いているぼくの顔は痴豚ヅラ。でもこの本はさわやかな気分になる。
Cじーさんと、ガキんちょどもの交流という児童文学系の定石に立っているストーリー。でもなんだろう。世界はうんこに満ち満ちているとか思っている、ビッチな性根しか持ち合わせていないぼくとかは読めばいいじゃないんでしょうか。肥柄杓で、相手の顔にザップリやったとしても、ティッシュをそっと差し出してあげたくなる――そんなやさしい気持ちにさせてくれる作品です。
D芥川賞受賞作。ただそれだけ。つか書くの飽きた。