Step10 |
明暗 〜互いを気遣う二人だけの時間〜 |
from (40) Color Blind |
とうとうやってまいりました「いとしのサマンサ」。これはタイトルにもなっているサマンサの話と並行して、傷心のルーと同行したジミーの出張時の話が描かれています。キッドとサマンサ&ルーとジミー、Sweetwaterでの賑やかさ&二人だけの静けさ、と対照的に描かれている演出がなかなかですが、ルーとジミーがここで大接近するのも見逃せません。
ジミーを疎んじ不機嫌だったルーが、ジミーの慰めや励ましで次第に自分を取り戻し、二人だけで楽しい時を過ごすことができます。仕事の成り行きでそうなったとはいえ、はたから見るとデートしているように楽しそう。これほど二人が一緒に過ごしたり、涙を見せたり、将来を語り合ったりと接近した話は初めてです。このまま二人がカップルになってしまえばいいのに、と思わず期待してしまうほどですが、最後に苦い運命が待ちうけていたのでした。
たとえ結果がどうなったにせよ、二人が過ごせた時間は何物にも代えがたい貴重なものですし、素晴らしい思い出になったと思います。そしてルーとジミーが互いを理解しあい、いたわりあうという形や、二人の絆が、このあたりでしっかり固まったと思うのです。
●薪割り
一人もくもくと薪割りをするジミーに、ルーが話しかけます。どうやら恋愛相談のよう。日本版ではカットされたシーンです。(日本語訳は私がしたため,正確ではないかもしれません。ご了承くださいませ)
Lou 「冬中もつくらいの薪を割ったんじゃないの?」
Jimmy 「そうかな?」
Lou 「そう、きっと次の冬までもつよ。
そのうち、木が全部なくなってしまうね」
Jimmy 「何か話したいことがあるんじゃないのか、ルー?」
Lou 「あんたの方が話したいんじゃないかと思って。その方が私も話しやすいから」
Jimmy 「そうだな、特に話すことはないが…」
Lou 「キッドはよく話していた。いつもあたしの心配をしてね。
それが移ってしまったみたい。
あんたは前にピースメーカーの女性に夢中になったわね。アリス…。
彼女は誰よりも特別だったでしょ。彼女を忘れられないんじゃない?」
Jimmy 「キッドについてもそう言いたいのか? 別だと思っていた」
Lou 「そのつもり」
Jimmy 「信じてるのか?」
Lou 「ときどきね。ときどき恋は人をおかしくするよね」
Jimmy 「恋に理由なんてないのさ」
Lou 「恋にこんなに真剣にならないですめばいいのにね」
(見詰め合って微笑む二人)
●キャンプの夜
ウィロースプリングスへ出張に行く途中、森の中で野宿する二人。ルーは出かける直前に、キッドがサマンサに心奪われているのを聞いてしまいます。人前で涙を見せたことがないルーが、ジミーの前では、ためていたものを吐き出して泣いてしまいます。そんなルーを慰めるジミーの表情のやさしさにご注目!
森の中の焚き火を挟み、かたわらには金色の馬が静かに立っているという、絵のように美しいシーンです。
Jimmy「おい、大丈夫か?」 Lou 「(泣きながら)うん」 Jimmy「キッドは口が軽い野郎なんだ。ありもしないことを吹聴しているだけで深い意味はないんだよ」 Lou 「結局のところお遊びだったのよ。あたしのことなんかとっくに忘れちゃってるんだ」 Jimmy「そうじゃねえよ」 Lou 「あたし…馬鹿みたい。別れようって言い出だしたのはキッドじゃなくて私の方なのに。彼、どうしようと自由だよね。なのに…ほかの女に取られるのが悔しくて。今もきっと彼女のこと考えてるんだ」 Jimmy「違う、そんなことねえよ」 (思わず手を伸ばしてルーの肩に触れるジミー。ルーはしゃくりあげる) Jimmy「あの馬鹿、何もかんがえてねえよ…もう寝ろ」 (ルー泣きやむ) |
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●ウィロースプリングスに到着して
荷物がまだ届いていないと知って憤慨するルー。逆にジミーは嬉しそう。だじゃれまで持ち出して、ルーを元気づけようとします。そこへカーニバルの宣伝がやってきて、ピエロがバケツの水を二人にかけようと…慌てて顔を隠すルーとジミーでしたが、中身は紙ふぶき。そうとわかって笑い転げる二人。やっとルーの機嫌が直ったようです。ここでジミーはルーの頭をイイコイイコしているんです。この二人の様子が微笑ましくて、日本でカットされたのが残念です。
(明日まで待たされることに憤慨して飛び出すルー) Lou 「何もかも…すべてが悪い方に行くみたい」 Jimmy 「なぁ、ルー。きっといい運も向いてくるさ。丸一日、自由なんだ。太陽は輝き、空は美しい。そして、ウィロースプリングスの春よ、だ」 (ジミーは自分のダジャレに一人で笑う) Lou 「ウィロースプリングスですることなんて何もないよ」 Jimmy 「 俺はそうは思わないよ」 (遠くからカーニバルの宣伝の行列がやってくる) Jimmy 「あれを見ろよ」 宣伝の声 「今夜だよ! 音楽,、手品、色々出し物があるよ!みなさん見に来てね!旅のサーカス、ブランブルベリー団! 今夜だけの出し物だよ!」 (バケツを持ったピエロがジミーとルーに近づいて、水を二人にかけようとする。思わず避ける二人。二人にかかったのは紙ふぶき。二人は笑う) Jimmy 「きっと、これでお前の運も変わったよ」 (笑うルー。ジミーが帽子ごとルーの頭をなでる) |
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●ホテルの受付にて
予定が延び町で一泊することになった二人。ホテルの部屋が一部屋しか開いていないことでルーは再び不機嫌に。ジミーは「俺は床で寝るから」と優しいことを言います。それより、自分の名前を書かずにチェックインしていいんでしょうか。
●ドレスを買いに
不機嫌なルーをジミーが店に連れていきます。店のウインドウに肩を並べて歩く二人が映っています。ジミーは中に入るとき、ルーの肩に手をかけているようなんです。なかなかジミーも頑張っていますよね。
Lou 「こんな町の一体どこが楽しいの?この町でできることは全部Sweetwaterでもできるよ」 Jimmy「そんなことないよ。楽しいことがあるって。そう怒るなよ」 ジミー、ルーの肩を抱いて店に入る |
●ご機嫌の二人
ジミーのすすめでドレスに着替えたルーが、ジミーと町を歩きます。 ルーは道行く男達の注目を浴びご機嫌。
もっとご機嫌なのが隣りのジミー。ルーは、ジミーの腕に手を回すのでした。微笑ましくてとても嬉しいシーンですが
、この二人が一緒に歩くシーンは、いつも町民がぞろぞろ映ってしまって、はっきり言って邪魔です。
(ドレスを着てジミーと町を歩くルー。男達はルーに会釈する) 通りがかりの男「やぁ、お嬢さん。」 Jimmy「町中の男が俺をうらやんでるみたいだな。」 (ルーはジミーの腕に手をかける) Jimmy「ハハハハ」 |
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●夕食の席
ルーはジミーを「大切な人」と言い、頬にキスします(二人のキスシーンは初めて!)。互いに恥ずかしがったりして、微笑ましい二人。しかし、ここでルーはジミーのことを「ヒコック」と呼んでしまうのでした。
(レストランで夕食を取るジミーとルー。ルーはワインで少し酔い、上機嫌) Lou 「とにかくこれは何なの?」 Jimmy 「ワインだってさ」 Lou 「気に入ったわ」 Jimmy 「そのようだな」 (二人笑う) Lou 「未来のことを考えたことある?どこにいるんだろう。5年後、10年後は?あたしたちみんな、どこにいるんだろう」 Jimmy 「いや。俺は知らないことは言えないな」 Lou 「あなたって…面白い人。優しいし。私にとって素敵で大事な友達、ジミー・ヒコック。おかげで別人になった気がする。レディにね」 (ルー、ジミーの方に体を傾けて、ジミーの頬にキスをする) Lou 「さぁ、行きましょう。カーニバルが待ってるわ」 |
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これが二人の初KISS! その後恥ずかしそうな二人 |
●二人だけのダンス
外に出た二人は、トランペット吹きにコインをやり、ワルツの曲にあわせてダンスをします。ちょうどSweetwaterでは賑やかなダンスパーティが開かれていましたが、それと対照的な二人だけのシーン。ジミーのダンスの腕前には言及しませんが、ルーを喜ばせたのは確かです。
●手品
色々な芸を見る二人。ルーはマジシャンに選ばれて「人が消える箱へ」。そして、本当に消えてしまいました。
人ごみの中で見つめあう二人 --- ジミーの手がルーの腕に触れてます
マジシャンに選ばれたルー --- 二人はこの後会えなくなるとも知らずに手を振り合います
●誘拐
ジミーを仇とする男に誘拐されてしまったルー。ジミーが翌朝、指定された場所に行くと(字が読めてよかった)、ルーは首吊りにされそうになっていました。一発だけで、ルーと自分を救うには…。ジミーは銃を捨てたように見せて相手を油断させ、最初の一発でルーを、次に自分を助けたのでした。会話からも、ジミーがルーを第一優先にしていたことがうかがえます。でも、これはかなりのカケだったはず。その瞬間、ルーは死を覚悟して目をつぶっていました。
男を倒した後のジミーは一目散にルーのもとへ走り、首の縄を外してやった後、ルーを折れんばかりに抱きしめたのでした。そしてその後がどうなったのか気になりますが、ここで二人のお話はおしまいです。
男 「早く来てくれて助かった。冷えると体に悪いからな」 Jimmy「ルー、大丈夫か?」 Lou 「えぇ」 男 「まだ大丈夫。しかしだからといって安心はできんぞ」 Jimmy「どうしてだ?」 男 「きさまに借りを返したい」 Jimmy「あの決闘はフェアだった」 男 「ガンファイトが稼業の俺をこんな体にして何がフェアだ」 Jimmy「彼女は関係ない。ロープを切れ」 男 「この女は決闘に必要だ。俺の不利な点を彼女は埋めあわせてくれる」 Jimmy「どういう意味だ?」 男 「女を救うか自分を救うか、どっちかを選べ。俺はきさまを撃つ。面と向かっちゃ俺には勝ち目はない。しかし、撃てば馬が走り出し、彼女は首の骨を折るだろう。だから先に馬を撃つか?その場合は、その隙にきさまを撃つ。どっちがいい?」 Jimmy「ロープを切れ!俺も銃を捨てる」 男 「それじゃスリルがねえよ」 (馬mを下りてガンベルトを地面に置くジミー) Jimmy「捨てるぞ」 男 「拾え!」 Jimmy「俺は撃たれてもいい。ルーを助けろ」 男 「ガンベルトを締めろ!締めろ、ヒコック!」 Jimmy「俺を撃ってルーを助けろ」 男 「わかった。二人とも死ね。銃声で馬が走り出すぞ」 (ジミーは腰にさしていた銃でロープが結んである鞍のホーン部を打ち砕く。地面に倒れるルー。さらにジミーは男を撃つ。ルーに走りよって、首の縄を外し、ルーを抱きしめるジミー) Jimmy「すまん…俺のせいで」 (ルーを抱きしめたまま、何度もルーの髪をなでるジミー) |
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覚悟を決めるルー ---- ルーを助けるジミー |
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こういう時は走るのも早い --- ルーの表情は? |
ルー&ジミーファンにとっては、嬉しくてたまらないエピソード。ジミーがルーを元気づけようとする様子や、ちょっとしたきっかけでコロッと機嫌がよくなるルーがたまらなく可愛いです。こんなに長く二人だけで行動する話も初めてなら、頬だったとはいえキスシーンも初めて、ダンスも初めてと、ジミーからルーを抱きしめるのも初めて、と初めてづくしの話です。ジミーがいかにルーを大切に思っているかも、この話がよく表していると思います。
あのまま何も起こらなければ二人は同じ部屋で寝たんだろうか(宿舎でも同じ部屋だけど)とか、帰り道はどういう会話を交わしたんだろうか、とか、気になることが沢山残りました。
、せっかく楽しい時を過ごせた二人なのに、最後がこれでは後味が悪くて、二人とも悩んでしまいそう。それで、この続きを勝手に妄想してしまいました。ご興味のある方は妄想Storyへどうぞ。
さらに、日本でカットされた二人の部分をより楽しみたい方は、がろとさんの「妄想写真館分室」をご覧くださいませ。カラー画像がご覧いただけます。
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