先日、某新聞社のO部長から呼び出された。『丹下君、寿司でも食いに行こう』と言われO部長の行きつけの寿司屋での会話。
『丹下君はお酒飲めない体質なの?』いつも乾杯だけはするが一口も口に付けない僕に対して常に疑問に思ってたらしいが、初めて聞かれた。
『いや、前は飲んでましたよ。止めたんですよ3年ほど前に』
O部長は大の酒好きである。年は僕の一回り上で51才だ。最近、酒量が落ちてきたとしきりに言うが、ボトル半分ぐらいは口にする。
ちなみに、僕が以前飲んでいた時はボトル一本は軽く開けていた事を話すと。
『じゃ、少しは飲むんでしょ?』と酒飲み特有の勧め方をする。
『いや、一滴も飲みません。止めましたから』ときっぱりと僕。
『偉い!よく止めれたねー』本人も自分の体が気になるのか、いたく誉められた。
僕はなぜか酒を飲まないのを知っている人に酒席に呼ばれる事が多い。O部長もその一人なのだが、月に一度ぐらいは終電までお付き合いする。
2件目にこれも必ず行くO部長の行きつけのクラブではいつも女の子が酔って迎えてくれる。
はっきり言って、どっちが接客しているのか解らない状態である。
この間も恋愛相談などされ、適切なアドバイスをしたつもりだが、あの様子だと多分翌日は忘れているだろう。
そして、昼間はOLをやっているというその女の子の痴漢体験の話が始まった。酔っているせいもあり、かなり生々しい話になったが、O部長はかなり乗ってあれこれ聞いていた。
『それで、それでどうなったの?』明らかに官能小説のページをめくるように聞くO部長。女の子もサービスのつもりか(何もそこまで)と言うところまで話す。
他の乗客も気付くような、大胆な痴漢だったらしい。しかし、みんな見て見ぬ振りをするとのこと。
『どうおもいまぁーす、たんげさーん?』とこっちに話を振ってきた。
『見て見ぬ振りをするのを【止める】のも大事じゃないの』
これは我ながら決まったと思ったのだがどうでしょう?
|