>>>ふと気がつくとリーチになっていた

         
この3月7日でめでたく39才になった。そういえば子供の頃21世紀になったら、いいおじさんだなあー、などと漠然に思ってた記憶があるが、なぜか想像していた自分と実際の自分はかなりギャップがある。子供の時の39才とは、今思う銀河系の果てはどうなってるんだろう、と同じニュアンスで想像を絶するものであったが、「完璧な大人」になってると思いこんでいた。しかし、現実はというと、基本的には二十歳の頃のそれと変わらんなー。ちょっと前まではトランス系のクラブによく顔を出してたし、髪もロンゲ(ちなみに今は茶髪)だし娘達の手前、大人を装っているが、気がつくと同じ次元で遊んでる。新しいスポットが出来ると行かなければという脅迫概念にかられるし、バカにしながらもヒットチャートは把握してるし、HEROは欠かさず見てたし、まぁ周りもなぜか精神年齢の若い(低い?)40代50代の親父が多いせいか、こんなものかなぁなどと思ってしまう自分が怖い。しかし、男の性であろう。よく女性誌や『あるある大辞典』などで5才若返るなどというものには興味がなく、5才年上に見られたいのも大人の男の願望なのだ。こうした複雑な気持ちを抱えながら、リーチを迎える私であった。  
 
 
 
         
                           

>>>時代が、僕に追いついてきた!

         
         

『快適』『仕事』『空間』これが、何年前にSOHO向けに依頼されて作ったコピーだ。フリーハンドぽいイラストには、イタリア製と思われるフィニチャー。その上にはパソコン。おまけに部屋は亜熱帯の植物で覆われている。これを編集者は大いに気に入った。確か98年頃の話だが。しかし、ここで編集内容に関して編集者と私の意見は、かみ合うことがなかった。私はSOHOイコール『ライフスタイルの提案』説を、強く主張したが、彼らはスポンサーを意識したのかTAターミナルがどうの、プリンタがどうのと、あくまでもビジネスの延長にしてくれとのこと。結局超無難な雑誌になったらしい。(と言うのも私はその段階で降りてしまい、うちの会社のデザイナーに一任して、できあがった雑誌を見ていないのだ)
実はなぜそのようなライフスタイルにこだわったかというと、SOHOは住・職一体のスペースであり、そこには生活を中心とした、ファション・アート・音楽・インテリアから雑貨そしてペットや植物にいたるまで、自身の快適なスペースだからこそが生活もうまくいくし、ビジネスもうまくいく。と言うポリシーがあったからだ。
その前年には、【エスクァイア日本語版】というクラスマガジンの M部長に何度か『SOHO特集やりましょうよ』と話したのだが、『所詮、インフラのことぐらいでしょ』と言う認識しかなかった。私もしつこく言い過ぎたか『丹下さん、いい加減にしてよね』という顔をされた。ところが、去年の11月号で『憧れの、SOHOスタイル』と銘打った、ほとんど雑誌一冊分の特集をやってた。
 しかし、私はなぜか怒りが湧いてこなかった。というより私の仕事ではないにせよ、私の考えは間違ってなかったのだ、という考えが先に立った。
『時代を先取りするものは、時に損をする』と、おもいっきりの自慢を込めて私は言いたい。

 

 
 
 
 
         
         
         
       

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