*        2日目のピピ です  

 

朝のピピは鳥のささやきさざなみの音がさわやかでとても心地よく、砂浜で海をながめながらの

朝食はとても美味しくいただけます。

K は果物系やペストリーが大好きなので おかわり のお皿の中といったら、

いつもこんなものです。(赤いとげとげのものはランプータン

朝食後私は荷物を置きにコテージに戻りました.大きなバッグには、もちろんパスポートや現金や、カメラやビデオ。

薬類やガイドブックやタオルがパンパン状態です。心配症の私は多くの重要品を肌身離さず持って歩くものですから、

Sからみっともない!と言われ続けてましたが、この旅行中私の変体携帯バッグは常にパンパンでした。

重〜い荷物を置きにへいこら戻って置いてほっとして!パタッとドアをしめた瞬間、・・・あ!

手元にキーが・ない・・ガラス越しに覗くと、ベッドの上にあります.また!今度は私です。

しょぼしょぼしながら、ビーチに戻ると、Kはまたやちゃったのくらいで、フロントに行ってくれました。

 

ところで、先ほどまでいた Sの姿が見えません。

Kに尋ねると、「向こう岸まで泳いでったよ。」の無責任な返事。私もそれを聞いた時はやっぱりね。位に

思ってましたが、行った時間からかれこれ1時間たっても,姿が見えません。

とお〜くにウゴメクかすかな人間らしき物体を必死に探しているのですが、いっこうにみつかりません。

私は 不安といらだちでどうしようもなくなってきました。あれほど、言ったのに!一人は怖いよって

いくら泳ぎが達者でも、波がなくても・・

無言で探す私の姿にKは,自分も不安になったのか、船を借りて探しに行こうかと切り出しました。

私はというと、人の心配を予測できずに勝手な行動にでたSに心配よりも怒りが先にたってきました。

いてもたっても居られずに探しに行こうと、 Long tail boatの停泊しているビーチに急いでいる時,岸にむかって

のんびり泳いでいる人の姿が目にはいりました。

あの ノンビリさかげんは ,泳ぎ方は、Sです。姿を確認した時は今までの怒りや心配がすぐ消え去っていました。

そして、この ノーテンキな子の親だけあって、やはりノーテンキなKと私です。

「ここまで来て,ビーチでぼんやりしてるこたーないでしょ」、というSの提案にのってしまったのです。

「そう!もう2度とない人生!私もこの年!これくらいの事!」

後で、後悔しました。2回も子供の言うことにまんまと従ってしまった事を。

今度は、カヌーを2台借りて、ポイントでシュノーケリングをしようというのです。

二人の強引さに負けて それぐらい平気かな。と思った私が甘かった。

カヌーは、Sが一人乗り.  私とKの二人乗り。 の2台でくりだしました。

2時間で行って帰ってくるコースです。大海原に2時間!ですよ!

若い海に慣れた男性ならともかく! 20分くらいは楽しく漕いでいたのですが、先にどんどん進んで

距離が離れていくSに私たち2人は序序に力が尽きてきました。

遠くで、Sは 「あの島の様子を見て,また戻ってくるから〜」と消え去っていきました。

もう,死にそうです。 呆然と2人して、誰もいない海に30分くらい、Sが戻ってくるのを

ひたすら,待って漂っていたのです。

 

kによると、海の真中あたりに居ると,沖に流されるし,岩場の近くだと,岸に行く様だと。

もうその頃になると、そんなKの言葉は耳にはいらず、今度は、親として適切な判断ができなかったK

怒りを感じました。でもこんな大海原でそんな事言ったところで、どうにもなりません。

少し雲があったことが幸いしましたが、南国の太陽はじりじりと肌を焼きます。全く とほほ です。

20〜30分後にやはりとお〜くにぽつんと何かが見えました。

カヌーを漕いでいるような姿に見えます。

ああ,ついさっきと同じ状況ではないですか!

  Sのボートはあっちにいっているようにも見えるし,止まっているようにも・・・

Kは力を振り絞って 叫んでますが全く聞こえてません。多分。

自然の中で私達の存在はこんなにもちっぽけなものか、と感じました。

少しすると、やつは こちらに向かっているようです。,今日2度目の「あ〜〜よかった〜」です。

やっと近くに帰ってきたSに怒ると、

にこにこして、俺もちょっと疲れて休んでた!

あっけらかんとして!

岸に帰る時の精神状態は 行き とは大分違います。まだまだ岸は 遠い のに、岸から離れるではなく

岸に向うという現実だけで 気持ちに余裕がでてきます。

これは,最近度々私が感じることです。

未経験の 行き と 帰り は帰りのほうがずっと簡単で速いのです。 

と言うことは、自分の気持ちの持ち方次第でどうにでも、楽しく生きられるということ!

こんな人生の機微を感じ取れることも旅の収穫のひとつでしょうか。

ピピは車がありません.リヤカーとか自転車くらいです。

今宵の夕食は トンサイビーチのオープンレストラン.

優しく裸電球が揺れている浜辺沿いには ゆったりと時間が流れていきます。

私は,あたりはずれが少ない Fried-noodle with prawn (野菜やえび入りのオイスター風味の炒めウドンのようなもの)

などを注文します。

垢抜けたリゾートとは言えないですが、素朴で気取らない屋台風景・美しい海と空・集うのは殆どが西洋人という

多種の要素が、おもしろい所です.

屋台で手際よく作られる,クレープの中身は,バナナやマンゴやパイナップル。

私は,あまり好きではないのですが、かなりの人気でした.チョコレートやお砂糖がたっぷりかかってます。

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