JISE環境フォーラム「みどりと情報」−緑の情報をどう読み解くか−(2002.2.3)

JISE環境フォーラム「みどりと情報」−緑の情報をどう読み解くか−

日時 2002年2月3日(日)10:00〜16:30
場所 パシフィコ横浜 会議センター5階(小ホール)
主催 財団法人国際生態学センター(JISE)

講演

「植生とは何か」−リモートセンシングから得られた情報−
  本多嘉明 千葉大学環境リモートセンシング研究センター助教授

「生物多様性の持続性」−絶滅危惧種が発するメッセージ−
 岩槻邦男 放送大学教授

「緑の効用」−災害時に緑はどれだけ有効か−
 佐々木寧 埼玉大学工学部教授

「見えないものを見る感性を」−失われた緑の復権にかける−
 宮脇昭 国際生態学センター研究所長

パネル討論

「みどりの情報をどう読み解くか」−キーワードとしての感受性−
  座長   宮脇昭
 パネラー 本多嘉明、岩槻邦男、佐々木寧

□「植生とは何か」〜リモートセンシングから得られた情報〜
  本多嘉明 千葉大学環境リモートセンシング研究センター助教授


・目的は、全球での植生モニタリングのシステム開発とその応用。

・1981年〜。
  全球の日々。1日のデータを作るのに15日かかる。
       →並列処理で、1日を1時間になった。

・1987年 大興の森林火災

・植生の分光情報 波長毎の反射率
・クスノキ、深い緑のところで 枯れた葉は光合成がなく、反射率が上がる。
 630nmぐらい。クロロフィルが高いところを見つける。

・森林火災があったところ、回復したところが判別できる。

・モンゴル草原検証サイト 半砂漠状態
  人工衛星のデータと、地上の草の量、バイオマス観測、植物データを比べる。
  広大、平坦、均質。3km×3kmが7ケ所。

・VCRとバイオマスの関係。地域の拡大へ(モンゴル全域)。

・精度 概ね良い精度。
    草丈が異なると精度が異なる。二次曲線近似で補正。

    二方向性反射特性の利用。見る角度で見えかたが変わる。
    入射光の反射光で、地表の構造が分かる。
    土壌反射、太陽光等は分かる。草丈、株数を求める。
    草丈の推定。→9〜15cm、20〜50株。

・樹木があったらどうなるか?
 RCヘリによる観測。二方向性反射特性で解析。
・知りたい樹木の状況、植生が分かる。

・真上、東方向、西方向、、のデータから解析。
 砂漠、草地、灌木、森林の実際のデータと比較。大体分かる。

・房総半島でやってみた。
 ・地形の影響は出る。→地形の影響を除去する。
 ・NDVIでは、森林と水田は同じ。
 ・BSIは異なる。

・全世界で見てみると、
 ・NDVI 夏なので朝鮮全半島で高い
  BSI、山地/樹木部は高い。38度以北は、、?どうなの?

□「生物多様性の持続性」−絶滅危惧種が発するメッセージ−
 岩槻邦男 放送大学教授

・今、全地球で150万種が認知されている。1秒1種点呼で2週間かかる。
・実際は、1億5000万種? 1%、名前を付けた程度。
・ゲノムで、やっとヒトを全解読できるようになった。
 ゲノムを読み取ったことで、やっと人を科学出来るようになったと言える。
・それほど、知らない状態で生物とは何かを議論している段階。

・「生物の多様性に関する条約」(平成5年12月12日発効)
・絶滅危惧種。リストアップして、レッドリスト。

・キキョウ。フジバカマ。秋の七草、日本人の心に生きてきた植物。
・フジバカマ、香草、ドライフラワーだった。中国種とは別物。
・ムラサキ。万葉集の時代から伝わる植物。紫根。
・サギソウ。
・フクジュソウ。(旧暦)正月草とも言われる。
         花屋さんで買ってきて、愛でて、ほっとおいて枯らす。
         1万家庭だと、1万株枯らす。売る方は山から採取。
         どんどん、深い山に探しにいく。開発もあるが。
・サクラソウ。今は咲いているが、他と隔離されて、自然の状態で生きていない。
・アツモリソウ。ランの仲間は特に危ない。可愛がることで絶滅へ。
・タチバナ。
・イチョウ。実は絶滅している種。自然界では生きていない。
      日本のものは移入されて栽培されたもの。
      街路樹では3番目で個体数は多いが。中国からの3〜4系統。
・栽培状態でも残っていないのを、完全絶滅種。
 自然界で残っていないで、施設内保存。
・1970年代、公害、自然保護の思想が広まった。
・外国から来た人は、日本の緑は豊かと感じる。
・日本で調査開始した時、思いの他、絶滅危惧種が多かったことに驚き。
・ヒスイカズラ。フィリッピン、温室内でのみ栽培。鳥媒介。
・ムニンツツジ。小笠原。
・ムニンノボタン。小笠原父島でも一株だけになった。回復の試み中。
・ハハジマボタン。小笠原母島。

□なぜ,絶滅危惧種を話題にするのか?
・外から見て緑色だが、緑色の内容に問題。
・植物の1種や2種が無くなったって、経済活動に支障がないなら、
 問題ないのでは? という考え。
・実利的。遺伝子資源として重要。
 日本では資源は無限にあると思いがちだが、地球的には人口増加、
 資源不足で、21世紀には飢えの危険性。
・日本の人口が減っていることは、喜ぶべきこととも言える。
・生産量を増やすか、人口を減らすしかない。
・100億人口を支えることは、科学的には可能だが、人間が生きて
 いける環境を維持できるかは分からない、不可能だろう。
・イネとムギとトウモロコシ。400種で99%をカバー。
・植物全体では35万種。
・100億人を維持するには、それだけでは不足。
 将来役に立つ遺伝子が何であるかは分かっていない。
・10数%が絶滅するのは問題。

・絶滅種が増えて、生態系を維持できない臨界点がある。

□フジバカマ、アツモリソウがなくなるのは、どういうことか。
・みんな、命を持っている。「もっている命は何歳ですか?」
 両親から命を引き継いだ。両親も祖父母から命を引き継いだ。
・そう考えると、自分の命は、地球に生命が発生した時から。30数億歳。
・自分の体の中の、酸素、炭素、窒素は、いつから付けているか?
 新陳代謝。1年以内で交換されている。細胞が基礎単位。60兆。
・クローン。細胞から培養する。細胞として生き続けることは出来る。
・食べる、イネ、ムギ、タマゴ、全て30数億歳の命を持っている。
 ある一つの生命の資源体から分化してきた。
・食べ物、酸素、あらゆる生き物の恩恵を受けて生きている。
 体の中に大腸菌を持って共生している。
・1個の卵細胞から、ホホの細胞、足の細胞が出来て、みんな必要。
・個体として生存するには、、生命系の要素として生きている。
 生命系として個体を維持するには、絶滅危惧種が出ることは危険。
・生命系としてのトータルな生の維持が重要なこと。

□「緑の効用」−災害時に緑はどれだけ有効か−
 佐々木寧 埼玉大学工学部教授(建設工学科都市環境工学研究室)

・日本列島災害。台風、地震、噴火等々。
・地震が一番怖い。東海地震、関東地区、明日来てもおかしくない。
・東海地震6−5、神奈川県西部地震6−4。
・被災想定。冬の午後5時くらい。市街地がかなり燃える。
・埼玉県、東京に近い南部は危ない。

・原因の一つが活断層。渋沢断層。どこにでも活断層はある。

・皆さんのお住まいは?
  木造モルタル? 鉄筋コンクリート?

・阪神淡路大地震の教訓。火災の発生が大きな問題。
  木造モルタル塗り住宅はよく燃焼する。
  火どまり線を検証する。道路?緑?建物? 緑地の割合は30%を超える。
  クスノキで止まった。1ヶ月後、葉っぱも出てきた。 
・広島原爆。樹木はすぐ芽吹く。
・有珠山の火口付近でミズナラが生存。
・液状化現象。ほとんど埋め立て地で起こったが、講演緑地は発生せず。
・立体構造物の倒壊。家屋の倒壊、人命の喪失。
 並木で住宅の倒壊が途中で止まり、人命が救われた。寄り掛かり効果。
・道路陥没。並木があるところは陥没しない。
・高速道路の崩壊。電信柱は倒れるが、街路樹は倒れていない。

・樹木の耐火性。表面200度/4000で発火。生木は12000。
 ラジエータ効果。葉陰→気化熱→熱分解により発火。葉は離れている。
・樹種で遮断効果が異なる。イチョウは燃えやすい。ケヤキは燃えにくい。
 常緑樹は差がない。
・公園の個々の樹木毎に評価できる。
・埼玉大学通りのケヤキ並木、出火点から500m、風速8m。
 並木がないと受熱点356度、あると261.1度。止まらない。
 街の構造に問題。木造モルタルの建屋が多い。
 不燃領域率が低く(14.8%)、大火事になる。90%が燃える。

・緑の質が問題。熱の透過率が問題となる。
・緑地の構造。高さ、厚さ、多層。ちどり構造、多層植栽。

・油を燃やす(R=25m)、露出人体危険180m。80mまで家が燃える。
・樹木の種類特性。冬季と夏季の差。

・日本の並木は、景観に重点がおかれている。
 防火、防災機能が軽視されている。
 飾り程度。アメリカハナミズキ。冬も丸裸になる。

・火止まり線となる広幅員道路が必要。15m、火が対岸に移らない。
 コンクリート建物にすれば良い。でも、殺風景。
 道路を広げるには区画整理が必要。実現は大変。
・中国、南京市、並木が豊か。プラタナス。
・日本の道路の緑化率。10%未満。

・避難所が大丈夫か。たどり着けるか。
・避難路が倒壊家屋で塞がれ、火災が発生すると、避難路がなくなる。
・道路事情で避難所への距離は異なる。 その時、緑地は?
・公園、避難所は安心か。
 関東大震災、公園に避難しても数千人単位で死んだ。
 狭い面積は危険。1ha以下。緑の有無も影響。
・浦和市でも、危険なところを広域避難所に指定している。合格点は1ケ所のみ。

・避難所の耐震化、未だ1/6。神奈川県はトップで39.1%。
 学校、体育館、役所、、、
・周囲を樹木に植える。避難路にも緑が必要。

・植栽間隔と樹冠の関係 重なり係数>1
            重なり係数<1
 中国の並木は、隣り合う街路樹の樹冠が重なる。日本は離れている。
・歩道幅員と樹冠の関係。
 中国は、歩道幅員以上の広がりを持つ樹冠が多い。

・日本は、6〜8m間隔。中国は4〜6m。
 中国、歩行者、車が、樹木の日陰になっている。プラタナス街路樹。
・緑地の日陰効果。最高気温時に9〜4度の気温差があり、気温上昇抑制
 効果が認められる。曇りの日でも効果がある。
・熱帯地域でも日陰を作ることに重点をおいている。

・東京市(戦前)の都市計画。緑地の配置とネットワーク化。
 が、車の急増で実現しなかった。

・都市のアメニティも求められている。
 ヒートアイランド防止と大気の浄化。
・緑の帯、線、島で、街の構造を変えることなく、防災効果を得られる。

□「見えないものを見る感性を」−失われた緑の復権にかける−
 宮脇昭 国際生態学センター研究所長

・情報が多い。ガセネタ的。しかし、一人一人が、感性を磨くことが大切。
・今大事な緑はなんであるか。土地に合う木が大切。
・杉。切ることも、売ることもできない。弱まって、生存のために花粉症の元。
・都市では、美化運動でしかない。悪いことではないが。
・あふれる情報の中で見分けが必要。

・マツ。岡山県では1500年前、最近のこと。自然のものではない。
・森林火災、マツクイムシ。なぜ、松を植えたたがるか?
・松が枯れた後、シイノキ等が生えている。
・スギ。都知事、ボランティアが下草刈りをしても根付かない。
・土地に最適な木を植えるべき。ボランティアが植樹。
 潜在自然植生。岡山、シラカシ、アラカシ、ウラジオガシ。管理がいらない。
・新日鉄。全製鉄所にどんぐりから植える。タブノキ、シイノキ、カシ。
 10年たつと立派な森。
・太平洋の人工の島。多層群落。タブノキ、シイノキ、カシノキ、ウバメガシ。
 混植、密植で、森となる。土地本来の主役を植えること。

・1992年、アラブ。油が売れなくなっても、緑、水が残るように。
 都市は、土木、建設の技術で作った。でも砂漠となった。
・地中海も本来は緑があったが裸地化。羊の放牧が原因。
・下草、下の森で上の森を支えている。家畜が食べるとヒースとなる。
・欧州の公園景観は、家畜の過放牧による芝生的都市公園。
・日本の亜熱帯での公園は別なもの。
・日本、ふるさとの木、森、鎮守の森を作ってきた。
 人間は緑の寄生虫でしか生きていけない。
・海岸沿いなど、バチがあたるということで弱い自然を残してきた。
・0.06%、土地本来の森。防災機能を果たすのに。
・ミズナラ林も減ってきた。
・限られた自然で、立体的な集落、立体的な森で、生き延びてきた。
・湘南。死んだ材料で出来た、川、建物、、で、生きていけるか。
・鉄とセメントと、廃棄物の中で、どれだけ人間が生き残れるか。
 都市砂漠、産業砂漠。
・埋め立て地、扇島、東京電力。タブノキ、シイノキ、カシノキ、
 土地本来の木を、混植、密植して、森を作ってきた。土地本来の多層群落。
・最低限の生態学にもとづいたシナリオが必要。競争と我慢と共生。
 関東3600万人が住んでいる、現状植生図。海岸沿いは植物砂漠。
 現場に通うこと。かすかに、木が残っている。厳しい自然で残った木が本物。
 関東の里山の雑木林、炭のためのエセ森。
・素顔の植生図。新しい緑をつくるための科学的な脚本。
 海岸沿いはタブノキ。
・ヤブツバキ。

・植えかた。ポットに根が充満していないといけない。
 一握り1万匹、地中生物がいる。

・幅1mでも出来る。45度の斜面でも出来る。横浜大学、ゴルフ場跡。
 竹、廃木で土留めを作り。ヤブツバキ、サザンカ、、、
・市民が主役。3000千人、3,000本植樹。
 3年たつと3m、10年たつと8m。

・横須賀市、U字溝。土地本来の木と牧草はなじまない。
 岩盤に根は2m入る、4mは入る。集中豪雨でも大丈夫。

・アラガシ、ウラジオガシ。エコロジカルな植えかた。防災環境保全林。
 管理費はいらない。トップダウンじゃないと出来ない。

・エコロジカルな生態環境保全林。

・阪神淡路大震災、私が植えた木は、残っていた。鎮守の森も残っていた。
 死んだ材料で出来た都市は、危機管理ができない。
・木がある公園は避難所として機能している。
・酒田大火、タブノキでは火が止まった。タブノキ1本、消防車1台。
 北限だが、残る。頭は切らないことが肝心。
・「出雲ふるさとの森」。本当の自然教育、命の教育だ。
 小学校の頃、植えた木が、母親になった時、大きく育った。

・里山。手入れする責任をはっきりさせることが必要。
 そうじゃないとアズマネザサ。

・環境保全林。地盤安定、防災。命を護るはふるさとの森。
・ホルネオ。森の再生の調査。熱帯林は砂上の楼閣。
・植物洗剤、ヤシアブラで悲惨な状態。
 フタバガキ、なかなか芽が出ない。91種類。ボランティアで植える。
・CO2吸収、年間16.5/1ha。
・ブラジル。老大木から若い木まで。少し我慢しながら共生すること。
・中国でも。雲禅林、タブノキのふるさと。宮脇方式生態林。
・大島、新空港に伴う植林。
・ニューヨーク、セントラルパーク。寒い、アメリカハナミズキ。
・潜在植生、鎮守の森。


□パネル討論「みどりの情報をどう読み解くか」−キーワードとしての感受性−
   座長   宮脇昭
  パネラー 本多嘉明、岩槻邦男、佐々木寧

本多
・リモートセンシング。市民は参加しにくいが、京都議定書の問題でも
 まだまだデータが足りない。日本は日本としてデータを持つ必要がある。
 地球環境に理解のある政治家を支援しよう。

岩槻
・多くはガセネタ。科学は相当なことを知っている、その後は分からない。
 マスコミは無責任に流す、、判断する人にまかされているが、問題。
・環境問題は、みんな一人一人が対応することだが、政治家まかせ、
 科学者まかせ。行動をすることを通して知ることことから始まる。
 日々の生活か基本。
・アメリカ、生物多様性条約、批准していない。科学信奉、思い上がり。
 まだ日本はましかもしれないが、知ることを通じて、行動に結びつかない。

佐々木
・今の役所の防災対策は、地震が起こった後の対策。
 いかに被害を最小限にするかが大切。
・大多数は木造モルタル作り。鉄筋コンクリートにするには100年かかる。
 現実の選択としては、緑で防災することではないか。

本多
Q:家畜による砂漠化を防げるか。
A:過去に逆上って調べることが出来る。過放牧が原因かも分かる。
  モンゴルで問題になっていること。現金経済の必要性から、ヤギを
  飼う。カシミヤ。道路沿いに集まるようになる。

Q:BSI、海中の植生を知ることができるか?
A:新しいセンサーを用いることで可能になるだろう。

Q:森林の中の高層、中層、低層は分かるか?
A:研究中

岩槻
Q:海の生物のレッドリストは?
A:専門はシダ。どこまでが日本の範囲かは難しい。地域別なので。
  無視しているわけではないが、海草、菌類は、どこに何があるかの
  情報は少ない。リストは作られているが完成度が低い。
  生物多様性国家戦略、改訂作業中、まもなく第一次草稿が公開される。

Q:遺伝子組み換え生物の生態系に与えるのは?
A:環境省で、条約批准検討中。今年前半にまとめが出る見込み。
  移入種、外来種が与える影響と根本的に同じようなもの。
  芭蕉の時代、クローバはなかった。コロンブス以前はジャガイモを
  知らなかった。今はヒマラヤの山の中で作っている。
  人為的な組み換えの生物が、どういう影響を与えるかのチェックは
  化学的に行う必要がある。その後は、移入種と同列。
  チェックが出来るかは課題。
  食品的意味と、生態系意味は違う。

佐々木
A:遺伝子組み換え。燃えない木を作りたいとは言わないで。

Q:インドネシア、防火樹林が役立ったか?
A:回りが燃えやすいものに変わっていて、大火になる。
  大火にしないで、火災規模を大きくしないこと。

Q:ある西洋のまちづくり条例で、一人何本の木を植えなさい。どこ?
A:ある開発したら、ある以上の緑を作らないといけないという条約もある。

Q:金沢市の川は、自然は戻ってくるか?
A:きちんと環境の場を作ってあげれば、自然は早く戻ってくる。

宮脇
Q:地域の植生をどのくらいの精度で調査したら良いのか
A:いろんなタイプを押さえることが大切。

Q:ポット苗の土壌は?
A:宮脇。基本的には、土地本来の樹類でなれば、日本の土壌は大体6ぐらいなので
  本命の木をきちんと調べることが大切。
  シイノキ、カシノキ。
  コナラ、クヌギ、ヤマザクラは、二次林。
  ミズキは陽樹であり、すぐ消える。

Q:防虫は?
A:宮脇。いろんな種類を植えておけば、大きな被害は出ない。
  マツクイムシも昔からいたのだろう。ただ、マツは少なかった。

Q:低木、どうする? 
A:宮脇。60種類ぐらい植えている。センターに問い合わせておくれ。

O:建設業界も緑対策をしている。

Q:森林破壊、
A:宮脇。森を管理しないといけないか。ふるさとの森なら、3年たったら管理不要。
  二次林、雑木林、土地に合わない木は、管理が必要。
  目的に応じて、加速方法をとる。

Q:ヨコハマナガゴミムシ。どうてことない河川敷にいるが、特殊なのか?
A:岩槻。不思議な例ではない。そこにしかいない種もいる。
  そこで形成されてきたか、そこでだけ生き残っているか。
  トキにだけつくダニ、一緒に絶滅した。

Q:審議会等では、基本的理念等のコンセンスがない? 景観重視?
A:岩槻。問題は、東京大学で落ち葉のリサイクルできていないこと。
  公園の落ち葉処理の経費がないので、木を切ることもあることに愕然。
  本来、落ち葉を残すことが生態系。近所の人がクレームをつけることに。
  大切なのは、住民、国民サイドの責任でもある。
  子どもが滑って転ぶことも教育。

  宮脇。ドイツ学生、落ち葉、剪定の枝、焼いてしまう。ドイツでは財産。
  我が家庭でも、妻を説得できない。子どもの時からの教育が必要。

Q:潜在的林業、学ぶべき窓口は?
A:宮脇。ドイツトウヒ、30年たって、金にならなかった。
  長期的な観点が必要。相談に応じる。

Q:EM菌、、、、どういう位置づけ。
A:佐々木。共生関係がある。土地にあった菌がそれぞれある。
  宮脇。市販している菌は万能薬ではない。
  岩槻。ムニンツツジ。自生地の土壌を混ぜて、育てた。

Q:金沢。埼玉、新潟の苗を作っているが。
A:岩槻。同じ種でも危険性がある。広範的なものは問題少ない。
  絶滅危惧種は、土地固有のものであるので問題あり。

Q:C.W.ニコル、カナダ、切り株税が出来た。日本への輸出を減らすため。

Q:生物の多様性。昆虫の観点では? 二次林も残すべきだと思うが。
  たくさんの昆虫もいる。昆虫は害虫? モンゴルの羊は?
A:岩槻。動物を無視しては語れない。共生は全て。
  きれいな花を作っていくのは、昆虫との共生から。
  二次林。自然とはなんぞや? 人為的な自然。
  今ある生物多様性は、原始的自然、人為的自然の双方を対象。
  生産性、スギ林も必要。バランスをどうとっていくか。

  宮脇。管理も考える必要あり。

Q:遺伝子組み換え。進化の素晴らしさ、生命の素晴らしさ。違和感。
A:岩槻。実験指針。外に出しても良くなった植物。そこからは移入植物は同じ。
  個人的には指針を経たものについては問題ないと考える。
  全般的には危惧を持っている。情報開示されていないことが問題。
  こんなに安全で安くなる、消費者が選択。

Q:森づくりを職業とするには、大学生として気になる点は?
A:良く選ぶこと。研究室がちゃんとやっていることか、名前だけか?を
  良く調べること。

以上 (文責:竹井)


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