シネマ大全 た行・チ

 チャーリーズ・エンジェル〜フルスロットル   2003年 アメリカ

モンゴルの荒れたバーから、米国警察の要人カーターを助け出したナタリー、ディラン、アレックス。しかしカーターは、重要証人プログラムへアクセスするための指輪を盗まれていた。早速、捜査を開始したエンジェルたちは、ディランが、昔の恋人・シーマスの犯罪を証言した重要証人だった事を知る。シーマスはディランへの復讐に燃えていた。やがてエンジェルたちは、シーマスの影にいた黒幕の正体を知る…。


オープニングの、北モンゴルから司法省長官を派手に救い出すところまでで、邦画なら2、3本は作れる程のお金がかかっているのではないか。
「フラッシュダンス」「明日に向かって撃て!」等の名曲も流れ、ダンスと力強いアクションと
“お約束”の様な明るいストーリー展開で、観客を“チャーリーズ・エンジェル”という名のアミューズメント・パークへ連れて行ってくれる。

途中、キャメロン・ディアスが男性トイレで用を足すシーンがあるが、こういう場面で下ネタをやっても絶対に下品にならない所が彼女の魅力だろう。
映画全体に何処か、そういう“やりすぎて嫌われない様にネ”というコントロールが効いている感じがある。 その上で、結構遊んでくれている。                                                   
                                                                      一見、散漫に見えても、観客の心をガッチリとつかんで離さない秘密は、そこなのかもしれない。
楽しさ一杯で、恋も爆破もアリだけど、作品全体の骨格は、今回が悪役初挑戦の(?)デミ・ムーアの首のように、かなり太い。

(2003.7.3)