シネマ大全 た行・テ

 THIS IS ELVIS    1981年 アメリカ

1955年のデビュー以降、時代や国境を越えて愛され続けている伝説のスーパースター、エルビス・プレスリーのライブ&ドキュメンタリー。
“没後30周年メモリアル・エディション”としてリリースされたDVDには、特典映像として、テネシー州メンフィスにあるプレスリーの聖地“グレイスランドを訪ねて”、予告編集などを収録。また約45分の映像を加えた“ビデオ版”拡大バージョンもあわせて収録。


エルビス・プレスリーは、金髪だった。
また、カトリーヌ・ドヌーヴの髪は、本当はブロンドではなく、くすんだ茶色らしい。
どうせ、ウソをつくなら、ずっと。一度ついてしまったら、一生つくべし。
それがスターの使命であり、スターにとってはイメージが全てなのだ。

“ベトナム戦争には反対ですか?”

“私はただのエンタテイナーなので、その質問には答えない事にします”

エルビスは、スマートだ。
デビューから、伝説の「エド・サリバンショー」出演、徴兵で行ったドイツでの映像、帰国後のF・シナトラとのテレビ共演、結婚、離婚、晩年のラスベガスでのショー…。

そして、最後は、42歳で死ぬ6週間前のステージの映像。
異常に太ったその姿は痛々しいが、天性のヴォーカルとステージングは絶好調で、満員の観客を前にしたエルビスは幸せそうだった。

冒頭の“そっくりさん俳優”による再現シーンは不要だったが、“キング・オブ・ロックンロール”の魅力と孤独、喜びと苦悩を知る事が出来る一本だ。

(2007.8.21)