シネマ大全 た行・テ

 デイジー   2006年 韓国

個人展示会を準備しながら広場で肖像画を描く画家・へヨン。                                
不慣れな都市・アムステルダムで彼女を支えてくれるのは初恋の思い出だけだ。
顔も見られなかった。でも最も美しいときめきをくれた彼に、ヘヨンはデイジーの花の絵をプレゼントし、まるでその返事であるかのようにデイジーの鉢が毎日配達されて来る。
そんな中いつも同じ時間に肖像画を描きに来る男がいる。
奇妙な印象を受けるヘヨン。
彼は国際警察ジョンウ。任務遂行の中でヘヨンに近付いただけだ。
しかし、会う内にジョンウはやはり清らかで純粋なヘヨンに魅せられてしまう…。


もしも、アムステルダムの街角で、猟奇的な彼女=チョン・ジヒョンと出逢ったなら、映画の登場人物でなくても、まともな男なら恋に落ちてしまうに違いない。
でも、ちょっと太り過ぎだゾ。

ヘヨンが待っていた男であり、ヘヨンとジョンウの愛を苦しみ見守るしかない男・パグィを演じるのは、「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソン。
なかなか魅力的だが、この謎の男の謎具合が、昔の田中健みたいで、映画全体を薄くしてしまった。

せめて、横須賀の海くらいには、もっとドス暗いだろうによ。
随所に、ハッとするくらい面白い展開があるだけに、登場人物の力不足が惜しまれる。
よ〜く考えよう、役者は大事だよ〜♪

でも、一番、ラストで、ちょっと“持って行かれた”。
未来は、いくらでも変えられる。
そうか!!

(2006.4.7)