シネマ大全 た行・タ

 ダイヤモンド・イン・パラダイス 2004年 アメリカ

狙うのは、歴代の大泥棒たちが狙 い続けた難攻不落の財宝“ナポレオン・ダイヤモンド”。
ハイテクな小道具と天才的な頭脳を駆使していかなる財宝をも盗みだし、また、完璧なアリバイも成立させることから“アリバイの王様”とも呼ばれているマックス。恋人でありパートナーのローラと共に、ナポレオンが所有したといわれる世界最大の3つの財宝“ナポレオン・ダイヤモンド”を狙う。
緻密な計画と大胆な犯行で周りのものを欺き、見事2つのダイヤを手に入れることに成功した。
それから6ヶ月後、行方をくらましたマックスとローラは、スリリングな生活から離れてバハマにある情熱の島、パラダイス・アイランドで最高に贅沢な時間をすごしていた。限りなく広がる真っ青な海に囲まれ、彼らは名実共に楽園であるこの地で新しい生活をスタートしていたのだが…。 


映画を観ていて、まず間違いなく面白い素材は、脱走&追跡もの、そして、銀行or宝石強盗ものだ。
思えば、私の大好きなジーン・ハックマンも登場する「俺たちに明日はない」(オリジナル邦題の傑作だ)は、この両方を備えているのだから、強い。

この「ダイヤモンド・イン・パラダイス」という邦題も、この映画のムードを表していて、なかなか良い。
つまり、このバハマ=パラダイスに、3つ目のダイヤモンドが現れるのだ。
そう、そのまんま、です。

そして、主演がピアース・ブロスナン。
初めて見た時は、洋服屋の看板かと思ったが、007シリーズを経て、段々と“カタギじゃないけど、品がある、いい奴”というキャラクターを獲得して来た。
頑張ったネ、Pちゃん!
彼の存在が、この映画全体を決定している。

私の大好きな「レッド・ドラゴン」のブレット・ラトナー監督(弱冠36歳)も、FBI捜査官役のウディ・ハレルソン(こっちの方がよっぽど悪党顔だ)も、キチンとプロの仕事をしている。はみ出した楽しさはないが、少なくとも観ている間は、結構、幸せでいられる一本だ。


(2005.10.22)