シネマ大全 さ行・シ

 白いカラス    2003年 アメリカ

コールマン・シルクはユダヤ人で初めての古典文学教授だった。しかし、講義中に発した一言が黒人差別だと批判され、辞職に追い込まれてしまう。怒りをぶつけるため、コールマンは作家のネイサン・ザッカーマンに、この事件を本にしてくれと依頼する。ネイサンは断るが、2人の間には不思議な友情が芽生えていった。しばらくして、コールマンにはフォーニアという若い恋人が出来る。幼少時代の虐待が誰にも言えない心の傷となっているフォーニア。しかし、コールマンこそ、決して知られてはいけない秘密があるのだった…。


アンソニー・ホプキンスとニコール・キッドマンの共演がうれしい、文学の香り高き一本。ネタバレするので、詳しくは書けないが、久々に“人間の業とは…”とか“人種差別とは…”という事を考えさせられた。

難しい問題だが、私は、“人種”という概念は、所詮ただの虚構でしかないと思っている。我々人類は全て、数万年前にアフリカ大陸に現れた“グレート・マザー”の子孫に過ぎないのだから。

監督は、映画「クレーマー、クレーマー」(’79)でアカデミー賞を受賞したロバート・ベントン。
このHPに、彼へのインタビューが掲載されています。

2004.5.21)