シネマ大全 か行・コ

 ゴシカ   2004年 アメリカ

ウッドワース女子刑務所の精神科病棟で働く医師ミランダは、女囚クロエの治療を担当している。自分は悪魔に陵辱され、その意思で父親を殺したというクロエの言葉は、ミランダの理解を超えていた。そんなある晩、帰宅途中のミランダの車の前に見知らぬ少女が立ちふさがる…。


全く期待していなかったが、なかなか見せてくれる一本。
ホラーというよりは、田舎の女子刑務所の精神病棟を中心にした連続殺人事件ミステリーだ。ハル・ベリーが、ノーメイクに近く、どの様な場面でも実に魅力的かつ的確な演技をしている。
“ああ、アメリカ映画というはスターが引っ張って行っているんだなぁ”と実感した。ペネロペ・クルスとロバート・ダウニーJRは好演だが、彼らが輝き出すシーンがないのが残念。 ラストの路上のシーンは、ひどい目に遭った弱者たち全ての悲鳴にも思える。人は、不器用でも憎くても何でも、他人に非道な事を絶対にしては行けない。


また改めてそう思ってしまったのは、この頃、本当にひどい事件が多過ぎるせいかもしれない。

(2004.3.11)