「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ監督 の“語り口”の上手さの成長ぶりが嬉しい。しかし、エイダとインマンの再会のシーンは、ここ一番“映画のウソ”を付いてもらって、もっと劇的にして欲しかった。何だか、ミョーに悪い意味で地味な監督なんだな、ミンゲラは。
ゼルヴィガーは好きな女優だが、ロールの大きさも含めてオスカーには値せず、キッドマンも「ドッグヴィル」ほど美しくない。いつも言うが、主演女優は常に美しくなければならないのだ。(長澤まさみはいいョ)イラクでの米兵の虐待行為のニュースなどを合わせて見ていると、戦争というものが、いかに人の心を狂わせるかが、痛いほど伝わって来る佳作でもある。ナタリー・ポートマンは儲け役だった。
(2004.5.8)
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