シネマ大全 か行・コ

 ゴッドファーザー  デジタルマスター・ニュープリント版  1972年 アメリカ

言わずと知れたコッポラの代表作であると同時に、70年代屈指の娯楽映画の傑作。

夏の陽射しが眩しいコルレオーネの屋敷。そこで行われている彼の娘コニーの結婚式からこの物語の幕は上がる。華やかな音楽も届かない書斎では、ブラインドが降ろされ、その中でドン・ビトー・コルレオーネが友人たちの頼みごとを聞いていた。彼は相手が貧しく微力であっても助けを求めてくれば、親身になってどんな問題でも解決してやっていた。
彼への報酬と言えば、ささやかな友情の証と、“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という尊称だけ。そして、いつなりとも彼の呼び出しに応じ、恩を返せばよかった。これが彼らの世界であり、その掟であった。
そんなある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォが仕事の話を持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくコルレオーネのコネを必要とした判断からだった。しかしドンはその話を丁重に断る。彼はドンさえ殺せばこの取り引きは成功すると鋭く見てとり、その日以来機会を狙っていた。そして早い冬の夕暮れ、一族の経営しているオリーブ・オイル社から出てきたドンは、街頭でソロッツォの手下に襲われた。銃弾を何発もうけたが、強靱な彼は一命をとりとめる。これは、ドンが築いてきた強大なコルレオーネ帝国とその支配力に対する初めての挑戦だった。ソロッツォの背後にはタッタリア・ファミリーがあり、すでにニューヨークの他のファミリーも動きだした。こうして、1947年の戦いは始まって行く…。


私の生涯のベスト・ワン作品である本作について、詳しくは、このHPの中の、岡村通信 NO.16 「コッポラの来た道」 2002年2月16日号 を観てネ!

初めて観たのは、1972年の名古屋のWデート(笑)だった。
当時は、よく理解できなかった人間関係や、キャラクターも今はかなり良くわかる(もう何十回も観ているしー)。

わずか62日で撮影されたこの映画、俳優業を営んでいる今のわが身から見れば、かなりの部分が“俳優の力量”で支えられている作品であるなぁ、と初めて思った。
それにしても、この映画の撮影時、主演のドン・コルレオーネ役、マーロン・ブランドが、現在の私と同い年とは、どうしても信じられない。 
み、未熟だなぁ…。

(2004.5.11)