明治維新初期。
新政府の命により北海道へ移住した淡路の稲田家は、新しい国を築くことを夢見て開墾に励むが、その夢は、廃藩置県により打ち砕かれた。定住を決意した家臣の小松原は、北の地で育つ稲を求め札幌へ旅立つが、半年を過ぎても戻って来ない。妻の志乃は、娘を連れて夫を捜しに出るが、吹雪の中で行き倒れてしまう。5年が過ぎ、志乃は牧場を経営していた。そこへ、待ち続けた夫がある使命を持って帰って来る…。
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人生や歴史に、“もしも”は、ないというけれど、時々そんな事を考えてしまう事がある。織田信長や、坂本龍馬、そして、ジョン・F・ケネディーetc...。彼らがもう少し長生き出来ていたら… と、ぼんやり考えている時がある。もしも、明治維新が、薩長主導でなかったら…とか。
大河ドラマ「新選組!」最終回の2年後くらいから、物語は始まる。
ずーーーっと“徳川家の為”“主君の為”で、生きて来た人々にとって、明治維新や廃藩置県は、もう“この世の終わり”の様なショックだったに違いない。
未開の地“蝦夷”で、苦労して土地を開墾するが、その後、廃藩置県を聞かされ、絶望しながらも、髷を切り落とし、再び、この地で生きて行こうとする人々の姿は感動的だ。まぁ、比べるのもナンだが、この時代の人々に比べたら、現代日本の我らの悩みなど小さい小さい。
従来の行定勲監督のタッチは味わえないが、それは大きな問題ではない。これは、大きな挑戦なのだ。吉永小百合さんにはいつか、同じ監督で、宇野千代を演じて頂きたい。
香川照之、奥貫薫、木下ほうか等、映画「竜二Forever」組が皆、頑張っているのが、羨ましく、嬉しい。試写室で私すぐ前の席は、偶然にも「竜二Forever」の原作者・生江有二さんだった。
(2004.12.17)
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