岡村通信 No.56  「ヤマヒサ・サンバ」 2005年3月30日

お元気ですか? 
 
私は、4月1日のホームページ・全面リニューアルのため、連日の徹夜。
ちょっと疲れ気味ですが、あともう少しなので、頑張ろうと思っている所です。
 
【 最近観た映画の感想 】
 
映画 『アビエイター』  http://www.aviator-movie.jp/   公開中

約3時間の大作だが、遂に最後まで一度もハワード・ヒューズ自身が私の座っている客席まで降りて来てくれなかったのは、何故だろう?
エロール・フリン役のジュード・ロウの出番が少ないのは残念だが、スタッフもキャストも実に良い仕事をしている。しかし、遂にヒューズが感じたであろう“本当の痛み”みたいなものが伝わって来ないまま、映画は終わってしまった。
“アカデミー監督賞が欲しい”と明言する無冠の帝王=マーチン・スコセッシ監督だがかつて『レイジング・ブル』で見せてくれた様な“人間の心の闇の果てしなさ”は、何処へ?

何と次回作でも三たび、レオちゃんと組むと言うから、今度は間違いないだろう。
枯れないで!マーチン。 葉巻でも吸ってもっとザラザラになってくれ!レオちゃん。
それにしても、キャサリン・ヘップバーン役のケイト・ブランシェットはコワい女優だ。
さすが映画『エリザベス』で、血で血を洗う戦いを生き抜いて来ただけの事はある。
 
映画 『ハサミ男』  http://www.media-b.co.jp/hasami/   公開中

非常に面白かった。 
この作品は、予備知識なしで観た方がいい。
優れた邦画を観た後は、“ああ、この映画に出たかったなぁ・・・”等と思ってしまうのだが、この映画に関しては、出ていなくて良かった。 原作も読んでいなくて良かった。
出演していれば、当然、先に脚本を読んでいないといけないからだ。
何も言いたくない。何も知らずに、この映画を観て欲しい。                           


何よりも、映画全体のムードの創作に成功していると思う。
麻生久美子もトヨエツも、阿部寛さんも、素晴らしい。                              
この独特のムードの端っこは、“人間の心の闇の果てしなさ”に繋がっている。               
所詮、割り切れず、理不尽なのが人生なのだ。                                 
それでも、この一生と言うのは生きるに値する。 何故なら・・・。 
ああ、やっぱりこれ以上、何も言いたくない。 観るべし! (ハサマレ男より)                
                                                       
【3月14日 月曜日 午後2時 神奈川県・川崎市 かわさきFM 】

「岡村洋一のシネマストリート」第704回。 この日のゲストは・・・
映画『石井のお父さん、ありがとう』 (出演/松平健、永作博美、竹下景子、小倉一郎ほか)
http://www.gendaipro.com/juji/ (公開中)の山田火砂子監督。
茶髪、ヒカリ物の派手なブラウス、花柄の杖…。実写映画は、これがデビュー作の72歳。
初対面だったが、本当に素敵な方だった。

ご主人(故・山田典吾監督)との、30年に及ぶ映画制作は、夫婦喧嘩の連続でもあったらしい。
『はだしのゲン』 『裸の大将放浪記』 『春男の翔んだ空』・・・。
より良い映画が作りたくて、更に予算を使おうとする監督の夫と“そんなお金が一体、何処にあるの!”と金切り声を上げるプロデューサーの妻…。
“ああ、大林宣彦監督ご夫妻もこんな風なのかもしれないな”等と思いつつ、番組は続く。

これは、まだ“福祉”という概念すらない明治時代に、今、自分が着ている着物を脱いで金を作り本当に身を削って、恵まれない子供たちに尽くした石井十次の生涯を、感動的に描く映画だ。
写真で見る実際の石井十次と松平健は、同一人物と見間違えるくらいソックリで、驚いた。
最近の「マツケン・ブーム」で、ホール上映が中心だったこの映画の拡大公開が決まったという。
人間、一体何が幸いするか、わからない。

波乱万丈の生涯を歩んだ石井のおとうさんだが、映画全体は、淡々としている。
一つ一つ小さな石を積み上げて行って、いつの間にか巨大な塔を築いて行く様な作風だ。
子供たちの幸せの為に、何処までも何処までも尽くす石井十次の存在は、もう既に神に近い気がする。
“現代ニッポンの若者が、この作品を末期の寅さんの如く、SF映画の様に捉えなければ良いが・・・”等と、汚れた心配をしてしまった。 心が綺麗になる映画だ。
 
番組の一番最後・・・
「“無償の愛”が描きたかった」という、監督の言葉は、心にズシリと響いた。
 
【 私の最新の出演作品です 是非ご高覧下さい 】
 
関西テレビ ドラマダス 『ぬるぬる燗燗劇場』  4月22日 DVD発売予定
(西山洋一監督/藤田敏八、大和屋竺、徳尾明美、木下ほうか、黒沢清ほか)
’92年に放送された関西テレビの深夜の異色ドラマシリーズDORAMADAS。
数ある作品の中で、“日本一のぬる燗=処女の体で温めた酒”という奇想天外なアイデアが大ウケし、後に映画化もされた「ぬるぬる燗燗」オリジナル版をDVD化。第1弾「ぬるぬる燗燗」と、続編「ぬるぬる燗燗の逆襲」を収録。
私は、両作品で、居酒屋唯一の常連客・常田を演じています。                 
 
映画 『CHARON』   テアトル池袋にて、公開中 http://www.movie-charon.com/
(高橋玄監督/川本淳市、水上竜士、森崎めぐみ、木下順介、山下真広ほか)                   作家・勝木大は、結婚相談所で、“一切の性生活の不在”等、奇妙な条件を提示した秀子と結婚した。だが、秀子は書店の店員・川杉由都、ギャングの恋人と暮らす娼婦・カロンという、3つの顔を持つ多重生活者だった・・・。                                                     
私は、二人が出逢うキーマンとなる結婚相談所の所長を演じています。
 
かわさきFM 『岡村洋一のシネマストリート』 http://www.kawasakifm.co.jp
4月からは、月曜・火曜午後2〜3時の放送に加えて、同日夜10時から再放送をする事に
なりました。 (^o^)/周波数は、79・1MHZです。
 かわさきFMは、電話でも聴けます。
Teledome 0180−994ー791 (通常の通話料のみ)を是非ご利用下さい。
 
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さて、冒頭に書きましたホームページのリニューアルですが・・・
新コンテンツに、「映画の部屋」「写真日記」「出演作品」等を追加しその他のページも全面リニューアル。4月1日、オープンします。
乞う、ご期待です!!
 
長かった冬ですが、ようやく少しずつ春めいて来ましたネ。
季節の変わり目、どうかご自愛下さい。
 
もしも時間がありましたら、あなたの近況等を教えて下さい。
待っています。
            
では、また!