岡村通信 No.47   「新幹線はオレにまかせろ」 2004年7月30日


暑中お見舞い申し上げます。
記録的な猛暑の夏の真ん中、いかがお過ごしですか? 

【 最近観た映画の感想 】

映画 『キング・アーサー』 http://www.movies.co.jp/kingarthur/

“これまでに流した血となくした時間の決算が、この瞬間なのだ”
これは、映画の終盤、死地へ赴くアーサーが、反対する友人に言う台詞。
“男”という言葉が、もしも戦士を指すのなら、こういう心境に到達出来る機会を得られるのは、むしろ幸せといえるだろう。現代のニッポンにおいては、形を変えた“ここ一番の戦い”と出逢えるかどうかが“男の幸せ”の分かれ目かもしれない。夏のひと時、兵(ツワモノ)ども達、見応えは充分だった。

映画 『スパイダーマン・2』 http://www.spider-man.jp/

他人に対する想像力についての映画だ。
ピーターのバイト先のピザ屋のおっさんはともかく、彼に惚れているはずのMJまでもがピーターが何故いつも遅刻するのか、考えようともしない。他人に対する理解不足が、個人レベルの内はまだ良いけれど、サイズが大きくなって来て頭の悪いリーダーが大きな力を持ってしまったら、大衆は本当に迷惑する。
何処か’50年代テイストのニューヨークの街のムードは、心に傷を負った貴婦人みたいだ。街の人々も、何となく自信なさげだ。そう、このシリーズは明らかに、9・11以降のアメリカという国の気分を引きずっている。あの新聞社の社長がいつも怒鳴っているのは、何かが怖いからに違いない。
もう、かつての『スーパーマン』の頃のようなノーテンキさには戻れないのか。 ヒラリーッ!

映画 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 http://harrypotter.jp.warnerbros.com/main/homepage/intro.html

何だか『スター・ウォーズ』シリーズに似て来た。
主人公の成長ぶりと特殊な能力の獲得、闇の力の謎、出生や生い立ちの秘密…。ダンブルドア校長の役は、前作までの故・リチャード・ハリスから変わったが、貫禄、品格がイマイチ。やはり、ピーター・オトゥールか、いっその事、ショーン・コネリーにやって欲しかったなぁ。一番初めの『スター・ウォーズ』3作を支えていたのは、オビワン・ケノビを演じたサー・アレック・ギネスの重石の様な存在感だった。
そういう点では、ちょっと弱くなったが、“アズカバンの囚人”役のゲーリー・オールドマンは素晴らしい。瓶底メガネのエマ・トンプソンも実に役を楽しんでいて、なかなか。
映画が終わる頃には、早く次回作が観たくなっていた。

【 7月7日 水曜日 午前9時 快晴 茨城県・伊那町・とある川辺 】

テレビ東京・開局40周年記念ドラマ・スペシャル『新幹線をつくった男たち』
(高橋一郎監督/松本幸四郎、三國連太郎、林隆三、加藤治子、高橋恵子ほか)撮影初日だ。
茨城県・伊那町の役場をお借りして、着替えさせて頂く。

昭和34年、東海道新幹線の用地買収のため、東京から大阪までを何と歩いて(!)
その実感を掴もうとする大石室長(林隆三)とその部下・橋本(金田拓三)と山川(私)。
信じられない絶景の橋(必見!)を渡り、道なき道を行く我ら…。

私      「室長、あのー… や、宿屋までは、あと…どれ位ですか?」

室長    「近いぞ。あと三時間くらいだ」

私・橋田  「ええっ! …」

それから、また移動して、“とある農家”のシーンの撮影。
最後は、地元への説明会のシーンの撮影をした。実際は、反対派住民の総決起集会となってしまったこの象徴的なシーンは、地元在住の多くのボランティアの方々の協力で、成立した。撮影は思ったより早いテンポで進んだが、拭いても拭いても、汗が吹き出て来た。
私は、あまり、リキまない様に注意した。 リキんだって、ロクな事はない。

それにしても、松本幸四郎さんの立ち姿が美しいのには、感動した。
そこには、鍛え抜かれた存在と、キャリアそのものが輝いていた。
それに、この超真夏日の炎天下に、少なくとも顔には全く汗をかいていなかった。
思わず、“あ、あなたは、木下ほうかでっか?”
と訊こうかと思ったが、もちろん止めときましたがな。

放送は、10月初めの予定だ。

【 私の最新の出演作品です 是非ご高覧下さい 】

映画 『世界の中心で、愛をさけぶ』 http://aiosakebu.yahoo.co.jp/
(行定勲監督/大沢たかお、柴咲コウ、長澤まさみ、森山未來、山崎 努、天海祐希ほか)
大ベストセラーとなった小説では、ほとんど語られることのなかった成長し大人になった主人公・朔太郎のストーリーを大幅に追加。 「現在の愛との対峙」と原作小説にある「過去のアキとの甘くせつない純愛」が織りなすアンサンブル・ストーリーとして再構築。
私は、冒頭に出て来る葬式の司会者を演じています。 全国東宝系で大ヒット公開中。

映画 『スパイ・ゾルゲ』 http://www.spy-sorge.com/ 8月21日19時30分〜 BSー2
(出演/ イアン・グレン、本木雅弘、岩下志麻、葉月里緒奈、ミア・ユー他)
日本とドイツの最高機密情報を盗み出し、モスクワに送り続けたスパイ、R・ゾルゲ。ハンサムにして強烈な個性。誰をも惹きつけるその人間的魅力。スパイであると同時に、透徹した目を持つジャーナリスト。そして、プレイボーイ…。巨匠・篠田正浩監督、渾身のラスト・フィルム。’03年・劇場公開。
私は、2・26事件の際の朝日新聞主筆・緒方竹虎を演じています。

映画 『薄れゆく記憶のなかで』 http://info.hmv.co.jp/p/t/1865/097.html
(篠田和幸監督/堀真樹、菊池麻衣子、田中洋子、日比野暢ほか) ’92年・劇場公開
美しく、豊かな長良川の流れる町を舞台に、自分が将来、何をしたいのか悩む男子高校生と目標は決まっているが、人に言えない秘密を持つ少女が、ぎこちなくも愛を育んでゆく。しかし、その少女の秘密を思いがけず発見してしまった彼。やがて二人は…。
私は、主人公・和彦がバイトするタコ焼き屋の店長を演じています。DVD 発売中

『川、いつか海へ〜6つの愛の物語』 http://www.nhk-sw.co.jp/view/10823.html 
( 脚本/倉本聰、野沢尚、三谷幸喜、出演/深津絵里、浅丘ルリ子、西田敏行、渡辺謙ほか)
テレビ放送50年を記念して、ドラマの原点とも言える愛や勇気を真正面から見つめ直したNHK渾身のオムニバス・ドラマ。一本の川を舞台に、かけがえのない何かを取り戻そうとする人たちを連続リレー形式で描く。 ’03年12月放送。 DVD‐BOX 発売中
私は、第3話で、帰郷した悦子(小泉今日子)と引っ越しの片付けをする村の職員を演じています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先日、初めて、作務衣なるものを着て、雪駄を履いて街をブラブラ歩いてみました。
いやぁ、快適快適!
麻と綿の混合素材が良い汗の吸い方をして、フトコロに風も入って来て涼しく、最高でした。
まだの方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
女性にもお薦めです。

まだ本格的な夏はこれからが本番、どうかご自愛下さい。

もしも時間がありましたら、あなたの近況等を教えて下さい。
待っています。

では、また!