岡村通信 No.44   「世界の中心で、愛をさがす」 2004年4月28日


お元気ですか? いよいよ、GWですね。

【 最近観た映画の感想 】

映画 『キルビル Vol.2』 http://movie.goo.ne.jp/special/killbill/

未見の方のために細かい事は書かないが、Vol.1では、小出しになっていた殺し屋ビル (デヴィッド・キャラダイン)は、もっと出番を減らして謎の人物でいて欲しかった気がする。
それから、乱暴な考えだが、やはりVol.1と合体して、一時間分を切り、タランティーノ 監督の思い入れ(最終的には観客には無縁で、鑑賞の妨げになる事も多い)とやや過剰な サービスを省略、3時間半ほどの一本の映画にした方が良かった気がする。
“余程の事がない限り、長ーい映画を世界中の誰も望んでいない”というのが、私の持論だ。
しかし、“ゴーゴー夕張”を始めとする数多くの魅力あふれるキャラクターとも、これで オサラバかと思うと淋しい。 それ程、素敵なキャラを創造してくれたタラちゃんに多謝、感謝!

映画 『チルソクの夏』 http://www.chirusoku.jp/

ノスタルジーではなく、昔なくした何かが、確かにここにはある。
映画の中で描かれている’77年頃より、日本と韓国は明らかに良い関係になったし、両国とも 豊かにはなった。しかし今、日本の国民そのものが、当時より幸せかどうかは大いに疑問だ。
大切なものの順番が逆転しているのではないか? 大切な何かをある時、完全に切り捨てて しまったのではないか? 皆、本当はもう、とっくに気付いているのではないか?
何とも切なく、様々な思いが交錯して、胸の奥がキュンとなってしまった。いい感じの映画だ。
しかし、とても良い気分のまま、物語を閉じさせるのは意外に難しい事なのだ。 戦争と同じく、恋=物語の終わらせ方もまた難しい。 始めるのは簡単だけどね。 映画の一番ラストの終わり方、過剰でなく実にセンスが良く、思わず唸ってしまった。

映画 『シルミド/SILMIDO』 http://www.toei.co.jp/movie/silmido/index.htm

’70年代の初め、韓国で、死刑囚や、重罪人たちを集めて、北朝鮮の金日成主席(当時)を 暗殺すべく超精鋭特殊工作員31人が養成された。
その訓練の激しい事…。俳優が本当に身体を張って、危険なシーンを演じている。 その厳しさが画面の隅々にまで表れている。エネルギーに溢れた激しい映画だ。  やがて生まれて来る隊員同士の連帯感。 そして、思いがけない結末…。 
救いのない話であり、やり切れない気持ちになるが、この映画は韓国で1200万人を動員する 大ヒットとなった。 この映画の時代から、30年以上が経ち、世界情勢は大きく変わったが 朝鮮半島の状況が当時より良くなったとは言い難い。 せめて、彼らの魂が安らかであります ように、と思ってしまう。今の北朝鮮やイラクの情勢などを、TVのニュースで見て新聞で読んで 一人で考えていても、ため息しか出て来ない。 自分に出来る事は少ない。
本当に空しくなって来るが、それでもあえて、私はこう言いたい。 
世界はときどき、美しい…。 6月5日公開予定。

【 4月12日 月曜日 午前9時 晴れ 八王子市 】

ある豪邸の広大な庭で、映画『欲望』(小池真理子原作)のガーデン・パーティーのシーンの撮影。  暑いが、そよ風が心地良い日。しかし、暑い。
津川雅彦、高岡早紀、村上淳、板谷由夏、利重剛、内田春菊の各氏。外国人を含む数十人の エキストラ…。 吉田日出子さんとは、実に23年ぶり。ラスト近いこのシーンは、主要なキャスト が全て揃い、物語の、ある結末を迎える。

作家役の筒井康隆さんと、出版社の編集者役の私。
それにこの日、世紀末の美術に関する豪華本を出版した精神科医(津川さん)とのやり取りを撮る。
“ここは、談笑してて下さい。音は生きていますから”という篠原哲雄監督の指示で 何回も何回も“フリートークの談笑”を撮影する。筒井さんは同じ事を二度やるのが 嫌いな人で、テイクを重ねる毎に、毎回違う話題を始める。
彼の専門であるハイデカー、サルトル、芋焼酎、伊丹十三、石原慎太郎と、その天敵・カラスと の対決、山田洋次にヒッチコック…。
それに津川さんの博識ぶりも加わって、私の負けず嫌いも輝きだした。

日没後も、何とか撮影を続け、長い一日が終わった。
帰りの電車で途中まで一緒だった内田春菊さんに、「岡村さんて、オーラが違うね、他の人と。
本当の編集者に見えたョ」と言われ、ちょっと嬉しかった。
でも、かなり日焼けしてしまった。 帰ってから鏡を見たら、顔がまっ赤っかだった!

【 私の最新の出演作品です 是非ご高覧下さい 】

WOWOW・ドラマ 『理由』 http://www.wowow.co.jp/stock/riyuu/  4月29日午後8時から放送。
(大林宣彦監督/岸部一徳、柄本明、古手川祐子、勝野洋、久本雅美、立川談志、永六輔ほか)
宮部みゆきの直木賞受賞作「理由」は、140万部という空前のベストセラーでありながら その斬新な手法ゆえに映像化は不可能といわれてきた作品。
台風の夜、荒川区の超高層マンションで起きた一家惨殺事件。しかし、ほどなく4人は全くの 赤の他人であることが判明し、やがて…。 出演者は、何と107人!
私は、殺された老婆のバッグを浜松駅前で発見する警察官を演じています。

NHKテレビ・月曜ドラマシリーズ 『菊亭・八百善の人びと』原作・宮尾登美子
(出演/夏川結衣、吹越満、 井川遥 、杉浦直樹、星由里子、橋爪功、美保純、三原じゅん子ほか)
江戸時代から八代も続く、ナンバーワンの江戸料理屋「菊亭・八百善」。戦後間もなくこの家 に嫁いだ汀子は九代目の妻として、老舗料理屋を再興させるべく奮闘する。
若い女将の“細腕繁盛記”と愛すべき人びと…。   http://www3.nhk.or.jp/mon9/index.html 
私は、某新聞社の政治部長になったばかりの常連・正木の役。
5月10日 月曜日・午後9時15分からの第6回の放送に登場します。

TBSテレビ・月曜ミステリー劇場 『捜し屋★諸星光介が走る!』
(山田大樹監督/船越英一郎、香坂みゆき、床嶋桂子、宅麻伸、五十嵐めぐみ他)
http://www.tbs.co.jp/bansen/moon/ 5月17日 月曜日 午後9時から放送予定。
私は、事件の重要なカギを握る、国土交通省の高級官僚を演じています。

映画 『世界の中心で、愛をさけぶ』 http://aiosakebu.yahoo.co.jp/
(行定勲監督/大沢たかお、柴咲コウ、長澤まさみ、森山未來、山崎 努、天海祐希ほか)
大ベストセラーとなった小説では、ほとんど語られることのなかった成長し大人になった 主人公・朔太郎のストーリーを大幅に追加。 「現在の愛との対峙」と原作小説にある 「過去のアキとの甘くせつない純愛」が織り成すアンサンブル・ストーリーとして再構築。
私は、冒頭に出て来る葬式の司会者を演じています。 
5月8日より、全国東宝系でロードショー。

映画 『きょうのできごと』http://www.kyodeki.jp/
(行定勲監督/田中麗奈、妻夫木聡、伊藤歩、柏原収史、三浦誠己、池脇千鶴、津田寛治ほか)
私は、ビルの壁に挟まれた男を救出するレスキュー隊の隊長を演じています。
テアトル新宿ほかで公開中。

映画 『おにぎり』  銀座シネパトスに続き、立川シネマシティー他で、ロードショー
http://arcadia2002.hoops.livedoor.com/
(斎藤耕一監督/吉永雄紀、大貫あんり、松原智恵子、鹿内孝、永島敏行、ガッツ石松、ほか)
バイクに乗って、東京から駆け落ちして来た若いカップル慎二と友美。訳ありな人達と共に「大日本生き残り隊」を結成して明るく暮らす農家の主人・篤郎と出会い 米作りを通じて、悩み、仲間、結婚、出産といった人生のポイントを経験していく。 ある時は厳しく、ある時は楽しく、大自然のメロディーにのせて贈る心の叙事詩。
私は、何やら訳ありで、山形県・南陽市に流れ着いた市会議員の元秘書・森山圭介を演じています。

ブロードバンドムービー 『KNOCK』(越坂康史監督/三坂知絵子、佐々木征史、川原京ほか)
WOWOWのハッピーショートショートの1本として配信中。
人生にはドアの前で過ごす夜もあったりします。ちょっとハッピーな気分になれる話。
私は、主人公と同じマンションに住む謎の中年男を演じています。
配信はコチラから http://www.wowow.jp/bb/index.html
作品紹介サイト http://www.openeyes.jp/knock.html

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昨日の嵐で、私はお気に入りの傘をオシャカ(笑)にしてしまいました。
朝夕はまだまだ寒いので、どうかお身体を大切に…。

もしも時間がありましたら、あなたのGWの予定や出来事等を教えて下さい。
待っています。