岡村通信 No.31   「父なき国の栄光と挫折」 2003年4月27日


心地良い季節になりましたが、GWをいかがお過ごしでしょうか?

【 最近観た映画の感想 】

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 http://www.uipjapan.com/catchthem/jump002.html

レトロな感じのタイトル・バックから、しみじみとしたエンディングまで、期待を裏切らない一本。 コン・ゲーム(詐欺師もの)の映画でありながら“お約束”のセオリーにはまっていないのは、さすがS・スピルバーグ監督。
これまでのどの作品よりも、L・ディカプリオの寂しそうな背中や肩を撮っている。
そこに、父なき国の国民である孤独もほの見えて、60年代を描きながら現代のアメリカが沁みてくる。

『シカゴ』 http://www.chicago-jp.com/main.html

豪華絢爛、サービス精神たっぷりの、楽しめるアカデミー賞受賞作品。
同時に、アメリカという国が正義の国などではなく、実力の国である事を示す映画で もある。
冒頭で殺された家具のセールスマンの5人の遺児達が路頭に迷っていない事を祈る。
O.J.シンプソンや、ロス疑惑の三浦某氏もこの映画、好きだろうなあ。
“まぁ、細かい事は、いいじゃないですか。人生なんて所詮、キャバレーなんだからさぁ”という、ボブ・フォッシーの地下からの声を聞く思いもする。

『アバウト・シュミット』 http://www.about-s.jp/  (5月24日公開予定)

一流保険会社で計理士として働いて来たウォーレン・シュミット、66歳。
定年退職、妻との永遠の別れ、一人娘の結婚…一気に人生の三大転機を迎え、自分が今まで築いて来た人とのつながりは、一体何だったのか?を問う旅に出る。
ジャック・ニコルソンとキャシー・ベイツの2ショットは、凄い。濃イー。
日本に置き換えると、江守徹と樹木希林か。もう、それだけで圧倒的だ。
人間なんて年取ったら、何処でも皆同じなんだなぁ、って思える佳作。

【 ゴールデン・ウィークは、ビデオと映画で、ゆったりと… 】

映画 『3on3』 (佐々木浩久監督/ラッパ我リヤ、真木蔵人、黒沢清、三輪ひとみ他)
http://www.kss-movie.com/3on3/index.html
テアトル池袋で、4月26日より公開中。
20××年、かつては誰もが3on3を楽しんでいたコートは荒れ果て、スラム化していた。
日本経済は破綻し、暴動、テロが頻発。政府はそんな状況を打開すべく、テレビ局を買収、ネオ・ナショナリズムを推進すべく立ち上がる。暗黒国家への幕開けであった…。
私は、途中でブッ飛ばされるテレビ局の事件レポーター役です。中東ロケ(?)敢行。

OV『荒ぶる獅子・前編』 (辻裕之監督/小沢仁志、力也、白竜、ガッツ石松ほか)
山口組の組長だった竹中正久の生涯を描くアクション大作の前編。
私は、若き日の正久を意地悪く取り調べる、博多署の検事を演じています。
ビデオを好評レンタル中。

私はこの連休に、TVドラマと映画を一本づつやります。
もしも時間がありましたら、あなたの近況などをお知らせ下さい。

暖かくなりましたが、朝夕はまだ結構寒い日もあるので、どうかご自愛下さい。
私はまだコタツをしまっていません。

ではまた!