岡村通信 No.17 「早春スケッチブック」

2002年3月14日

朝夕、まだ冷え込むものの、少しずつ少しずつ春の気配を感じる今日この頃ですが
いかがお過ごしでしょうか?

最近の私です。

【2月8日 金曜日 晴れ 高円寺・妙法寺】

映画『組葬』(香月秀之監督)の撮影 
この作品のクライマックス、暴力団組長のお葬式のシーンだ。
私は昨年の映画『日本の黒い夏〜冤罪』(熊井啓監督)以来の テレビ・レポーターの役。
日本テレビの番組「ザ・ワイド」が取材に来ており、番組レポーターの駒井さんも 急遽、レポーター役で出演する事になり、本物と偽物が共演するという 面白い場面となった。
それにしても、ゲスト出演の親分衆役の皆さん…
梅宮辰夫さん、(安岡)力也さん、コロムビア・トップさん、志賀勝さんらが 一堂に会すると誰も何も言えない、それはもう圧倒的なムードがある。
この映画は今年の秋頃に公開になります。

【2月16日 土曜日 曇り 東品川・フジテレビ別館】

ドラマ『TOYDO(トイド)』(出演・内藤剛志、桜井淳子ほか)の撮影
シーン131 西大井警察署・証拠保管室

玩具のロボットであるTOYDO(トイド)が次々と殺人を犯して行くという ちょっと地上波では放送しにくい内容のサスペンス・ドラマ。
私はドラマの最後の最後、ラストのオチのシーンに現れる証拠保管室の係員の役。 細かいストーリーは書けないが、まるで、ヒッチコックかデ・パルマの作品に 出演しているみたいで、もう最高に楽しかった。
演出の森淳一監督は長編デビュー作の映画『ランドリー』(出演・窪塚洋介、小雪ほか)が現在好評上映中。これは本当に心が綺麗になる作品です。

ドラマ『TOYDO(トイド)』は3月24日(日)午後10時10分から WOWOWで放送されます。

【3月2日 土曜日 曇り 渋谷・シネアミューズ】

いよいよ映画『竜二Forever』の公開初日がやって来た。
前夜、1時間しか眠れなかった。緑茶の飲みすぎか?それとも…

細野辰興監督、かっちゃん(高橋克典さん)と共に舞台挨拶。 
私はこの映画で、キレて現場放棄する照明マンの役を演じているが この日はもちろん、司会者だ。
映画を観終わった直後のお客さんの前にまず私がマイクを持って出て行く。
が、第一声が、3秒くらい出て来ない。
熱風の様なものにフワッと包まれたからだった。 この仕事を始めて21年になるがこんな事は初めてだ。

生涯にただ一本、自分で脚本を書き、主演をした映画『竜二』('83年)を残して 33歳の若さで亡くなった伝説の俳優・金子正次の激しい生き方を描くこの映画は 映画の映画であると同時に青春群像劇でもあり、また役者についての映画でもある。

「自分はこの映画に関してはやれる事は全てやった。後はマナ板の上の鯉。
 どんな評価も受け入れます」 と、かっちゃん。
「気持ちがいい。まるで風呂上りのような、最高の気分です」と監督。

終わって楽屋でスタッフと共に、原作者の生江有二さんが持って来て下さった シャンパンで、乾杯する。
「ああ、うまい!」と監督。 全員が同じ気持ちだったに違いない。
こんな飛び切りの味のするシャンパンをまたこのメンバーで飲みたい。
いや、必ず飲むゾ!

映画『竜二Forever』は大阪でも公開中。この後4月以降、神戸、博多 名古屋、札幌でも順次、封切られます。

そして、3月26日(火)の18時45分からの回の上映後、トーク・ショーを やります。ゲストは、木下ほうか、高杉亘、細野辰興監督、かっちゃん(予定) 司会は私です。是非、いらして下さい。

詳しくは 細野辰興監督のHPhttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/1493/
をご覧下さい。

【3月4日 月曜日 曇り 川崎市武蔵小杉・かわさきFM】

私の番組「岡村洋一のシネマストリート」のゲストは2年ぶりの鶴見辰吾さん。 彼の最新作・映画『オン・エアー』(牛山真一監督・杉田かおる、石原良純ほか)は 視聴率が悪くて、突然打ち切りが決まったドラマの最終回を一体どう終わらせるか 関係者全員で頭をひねり、アイディアを出し合い、大いにモメるという 実に楽しめる一本。

鶴見辰吾さんと初めて逢ったのは、'83年の1月、横浜・山下公園。
フジテレビのドラマ『早春スケッチブック』(脚本家・山田太一の最高傑作/出演・山崎努、岩下志麻ほか)http://www.tvdrama-db.com/select/sousyun/のロケだった。
このドラマに少しでも出られたのは、自分にとって誇りであり今、考えても奇跡としか言いようがない。

あの頃、鶴見さんはまだ受験生で、私は岐阜放送のDJだった。
金子正次も彼の親友・松田優作もまだ生きていた。
あれから、鶴見さんは2本の映画をプロデュースし、数多くのドラマ、映画で活躍 先月はベニサン・ピットで優作さん原作の舞台も上演した。
私は…
私は… 
おっと、イケねえ、まだ何にもやっていないゾ。ホントに。
まさか今があの頃の未来じゃないよなあ。
やっぱり、これからだよなあ。
やるべき事は、ある。

「待ってろよ。」 

(『竜二』の中の決めゼリフでキメてみました。)

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もしも時間がありましたら、あなたの近況などを教えて下さい。

本格的な春はもうすぐそこ。
花粉症と季節の変わり目の風邪に気をつけて…

ではまた!