@ オリーヴオイル Olio d'oliva のこと

イタリアはスペインに続く、世界第2位のオリーヴ生産国です。北から南まで北部のロンバルディア州、ヴァッレ・ダオスタ州、ピエモンテ州を除く全ての地域でオリーヴは収穫されている。したがって、それぞれの産地の気候や土壌環境に適した、味・香り・大きさなど異なる個性のオリーヴが生産されています。


オリーヴオイルの品質グレード Gradi di qualita`d'olio
  • エクストラ・ヴァージンオイル(Olio extra vergine d'oliva) 一番絞りのオリーヴオイル、最上級品。
  • 極上ヴァージンオイル(Olio sopraffino vergine d'oliva)  
  • 高級ヴァージンオイル(Olio fine vergine d'oilva)
  • ヴァージンオイル(Olio vergine d'oliva) 二番絞り、または三番絞りだが上質。
  • ピュアオリーヴオイル(Olio d'oliva) 
  • 絞りかすのオリーヴオイル(Olio di sansa e d'oliva) ピュアオリーヴオイルに絞りかすを混ぜたオイル。
〜本当にオリーヴオイルは体に良いんです〜 ← 他の油を使うよりオリーヴオイルがいいですよ。
オリーヴオイルに含まれる不飽和脂肪酸オレイン酸の含有率は80パーセントで、オレイン酸の効果は血中コレステロールの悪玉物質だけを減少させる。 オレイン酸は酸化されにくく、細胞に発ガン性となる過酸化脂質を作りにくくさせる働きがある。 そんな中でもさらにイタリアではオリーヴオイルの脂肪酸価が(ゼロ以下が望ましいが)0.2〜0.5パーセント以下のものが最良とされている。
 

オリーヴオイルの産地別特徴 (主な産地別)
  • リグーリア産・・・軽やか、甘く繊細で香り豊か、青みを帯びた麦わらの色。 海に面した傾斜地が多く、起伏の激しい土地柄段々畑で栽培されています。 高所急斜面での収穫にトラクターなどの機械・車を使用は困難なので現在でも、ほとんどのところでは手摘みでの収穫にになります。木の下一面に広げた網の上に枝をゆすって熟したオリーヴを振り落とす。この手作業だとオリーヴを傷つけずに収穫するので傷や酸化を防げます。 ペスト・ジェノヴェーゼはやっぱりこれで作ります。 また帆立やお魚の刺身の上にもふんだんに使う。マイルドでお魚の繊細な味にマッチするようです。 
  • プーリア産・・・フルーティでアーモンドの香り、黄金色が特徴。 プーリアはイタリア全土で40%の、世界で15%というオリーヴオイルの高い生産をあげています。 イタリア産の中では最もリーズナブル。 石灰質の土壌と乾燥した気候がオリーヴ栽培に最も適しています。食用のみならず、現在もオイルランプなどの燃料としても使用されています。 プーリアの搾油場の特色は、カルスト地形の地下洞窟の岩場に掘られ、そのまま搾油所としているものも多く、年間を通して一定の気温を保て貯蔵にも適しています。
  • ウンブリア産・・・フレッシュ、強烈に印象的な香り、緑色。カルチョーフォ、青りんご、未熟トマトなどの野菜の香りと言われる。 フラントイオ、レッチーノ、モライオーロ、ラッジョーラ種などを数種をミックスして搾油します。 野菜・豆・肉類・きのこ類など、パスタを和えるのにも使います。
  • トスカーナ産・・・スパイシーでボディーがしっかり、透明なエメラルドグリーン。 トスカーナは海も山もあり、マレンマからキアンティまで全域にオリーヴ畑が広がっています。 同じトスカーナ産でもルッカやグロッセート産のものは温暖で安定した気候には育まれた繊細で丸やかでやや甘味を帯びた感じです。 それに対してキアンティなどの丘陵地帯では、温度が比較的低めで、さらに冬の寒冷などでダメージを受けやすい為、実もあまり大きく成長しません。 厳しい環境でたくましく育まれたオリーヴの味は苦味&スパイシーな強みを帯びて、しっかりしたこくがあります。 香りはりんごやカルチョーフォ(アーティチョーク)と似ていると表現されたりもします。  トスカナ産オリーヴオイルはフルーティな中に、後味に少々辛味・苦味が残るのが特徴のモライオーロ種が中心ですが、フラントイオ種やレッチーノ種とミックスして搾油される。 色が美しく味も濃いのでハーヴのみじん切りを混ぜてドレッシングにしたり、スパイシーさを活かして肉料理に使います。
  • ラツィオ産・・・滑らかで柔らかくフルーティな香り、くすんだ浅黄色。サビーナオリーヴは(Oliva Sabina)ローマの北東のサンタンジェロ・ロマーノあたりからさらにウンブリア州境周辺のリエティまで広がっている丘陵地帯で栽培されています。 あっさり系の料理をリッチにするような使い方で、サラダや魚貝料理などにお勧めらしいです。

         

うちはオリーヴオイルオンリー。
左からプーリア産、トスカナ産、トスカナ産、ウンブリア産、リグーリア産、シチリア産エクストラヴァージンオリーヴオイル。 色・味・香り、それぞれの個性や特徴をブルスケッタ (バゲットを薄切りしてにんにくをこすりつけて焼き塩だけをふったもの)などでテイスティングするのも楽しくて好き。 トマトのブルスケッタ にもたっぷり使って。

オリーヴの種類

  • モライオーロ種(Moraiolo) ・・・最高級品種と呼ばれるオリーヴ。 トスカナ原産で、ウンブリアなどイタリア中部地域で栽培されています。
  • フラントイオ種(Frantoio)・・・最もフルーティと言われるオリーヴ。 苦味・渋み・辛味などの主張があまりないタイプ。 とにかくエメラルドグリーンの美しさが特徴。 モライオーロやレッチーノなどの個性の強い種と合わせるとさらに価値が上がるとされています。
  • レッチーノ種(Leccino)・・・繊細な味と香り。 ほのかなアーモンドの香りと、美しい金色。 モライオーロ種と合わせるとよしとされる。 逆に言えば、モライオロ種のオイルはレッチーノをを加えてこそ甘味を増し、なおかつ本来の個性を引き立たせられます。
  • ペンドリーノ種(Pendolino)・・・フィレンツェ県周辺で特に栽培されています。 レッチーノ種にとても似ていますが、レッチーノよりやや味に強みがない。 他の種にこの種を少量加えることにより、そのオイルの仕上がりを個性を強調させたり、緩和させたりして調節することが出来ます。 オリーヴオイルをより味・香り・色、全ての要素でバランスよく仕上げるには、そのオイルの中心材料のオリーヴ本来の個性を活かしつつ調和がとれていることです。 

アッシジ(Assisi) のオリーヴ林
〜Nero e verde 黒と緑〜
黒オリーヴは熟した実をオリーヴオイル漬け・塩漬けにしたもので、辛味が少なくまろやか。緑オリーヴは未熟な実をオリーヴオイル漬け・塩漬けにしたもの、カリッとした食感があるのは緑、 これがにんにく・鷹のつめ・セロリなどとオリーヴオイル漬けで瓶詰にされているが、これは最高においすぃ〜です。イタリアにいた頃、パンとこれとワインで簡単なcena (夕飯)ってこともありました。私の大好物!重くても絶対にイタリアから背負って持って帰るもののひとつです。  

高価↑


手頃