変量解析プログラム「まるば」 と 関連の図書  のための ホームページ   

http://home.catv.ne.jp/ff/mulva/index.html



==== プログラムMULVAについてのセミナー ====

プログラムMULVAに関するセミナーは年に3回行われています。4日間のセミナーで一週間二日で二週間にわたって開講されます。

照会先 : 高度職業能力開発促進センター  〒261-0014 千葉市美浜区若葉 3-1-2 電話 043-298-2580

備考 : 同所で発行している「能力開発セミナーガイド」というパンフを請求すると同機関の全てのセミナーの内容と開催スケジュールが分かります。ご興味のある方は同所にパンフをご請求ください。なお,同所は厚生労働省の管轄の技術者のための教育機関です。

 私の講義は 整理番号40  「実験計画法」 整理番号41 「実験計画と多変量解析」 の二種類です。 パンフの37頁にあります。

 上記機関は政府関連機関なので受講料も極めて安く,また宿泊施設もOVTAという政府関係団体の施設があります。



最近の改定 2005.8.15

====横浜マイコンクラブ 「当サイトと関連のあるクラブ」====

 この[まるばのサイト] にお立ち寄りの皆さんは、是非,実際の「横浜マイコンクラブ」にも是非お立ち寄りください。毎月二回、日曜日に午前10時から京浜急行南太田駅前の「男女共同参画センター横浜南」(もと横浜婦人会館)にて、勉強会を行っています。日本では一番歴史のある活動的なマイコンクラブです。

 クラブの名誉会長永安弘氏はは世界で始めてマイクロコンピューターの中心になる計算チップのアイディアに到達されました。永安氏は、その当時の日本国内の激烈な電卓競争(新型電卓を発売してもすぐに競争相手にその上を越す新型を出されてしまう)を勝ち抜くために4ビットの計算チップとしてIC−4004を考案して、インテルに発注した方です。これによって、プログラムで新らしい能力をつけて、新型競争に勝ちぬくことを狙ってのことです。この世界最初のチップ(集積回路)は 4004 といい、次に 8 ビットの 8008 、8080、・・・・・・・となりました。このチップをCPU,つまりは演算素子としてマイコンが誕生したのです。これらのことは、詳しくは、マイコンの歴史をご覧ください。永安名誉会長はマイコンチップの父と言われる方です。

[注] Intel と共同でマイコンチップ4004の開発をしたチームのリーダーが永安弘名誉会長だったのです。名誉会長は京都大学の電気工学科のご出身で、防衛庁にも居られ、もと空将です。

[注1]ICチップであれば、競争相手が新型電卓を発売しても、その性能を上回る電卓をプログラムを直すことにより、すぐ実現できる。発想は素晴らしかったのですが,残念なことに製品が完成する前に発注した会社ビジコン(日本)が経済的に苦境に陥ってしてしまい,ICチップの権利は結局チップ製造会社インテルに移つてしまったのです。

[注2]永安会長の貴重なアイデアは日本の会社のビジネスとしては完全には生きなかったのです。しかし,現在のパソコン時代のきつかけを作ったわけでから歴史としては永遠に残るでしょう。

 現在横浜マイコンクラブは会員は約100人、年会費一万円で運用されています。どなたでもパソコンに興味のある方は歓迎します。初心者でもどうぞ。一二回見学に来ていただいて、気に入られたらご参加ください。

「マイクロコンピューターの発明者、マイコンクラブの新時代を開いた方」は上記のように永安さんです。皆さん、永安先生の謦咳に接しましょう、マイコン時代の先駆者にお目にかかって下さい。

なお、横浜マイコンクラブのサイトも別にありますので、サーチエンジンなどで探索してアクセスしてください。また、クラブについてご質問がありましたら、当ホームページでもお受けしますので、このホームページの主宰者小林龍一にご連絡ください。  e-MAIL あて先は後述します。

平成17年7月からは、会長に川崎慎一さんが就任され、小林龍一は会長から副会長に戻りました。新らしい会長の川崎氏はNTTドコモの要職に居られた方で、長年横浜マイコンクラブに貢献された方です。



/////当サイトと関連あるセミナー機関/////

 高度ポリテクセンターという産業人に対する教育機関が千葉県の海浜幕張にあります。JR海浜幕張駅下車徒歩3分です。私「小林龍一」の講義が高度ポリテクセンター(APECと言う)で年3回行われます。詳しくは高度ポリテクセンターのホームページを参照してください。4日で実験計画法や多変量解析を教育するセミナーです。



////// さて、このホームページの本題のプログラム「まるば」の現況に戻ります。/////


 当プログラムは永くトラブルなく使用されてきたのですが、最近マイクロソフトがオペレーティング・システム(OS)を変更したらしく、OSウインドウズXPの最近のバージョンSP2でトラブルが発生しました。これらの頻発するトラブルに関してはマイクロソフト自身も認めているようで、ユーザーで起こったプログラムトラブルをOSを以前のバージョンに戻して回避する方法を提示しているようですが、ここでは、「まるば」の使い方で回避する方法を説明します。以下にその実態と回避方法を詳しく説明します。


==「本プログラムの最近起こったトラブル」==


 最近のパソコン、つまり、最近のマシンでは上述のように「まるば」をインストールすることができなくなって仕舞いました。困ったことです。私の経験では、ごく最近のOSで機種としてはIBMとDELLです。他のメーカーのものの最近版のOSについては情報不足です(他の機種についての情報がありましたら、当方にお知らせください)。

 最近パソコンを買って、そのマシンに「まるば」をロードしようとした皆さんの中から、ロードできないと言うご質問が相次いでおります。今まで十数年来起こっていないことです。(この現象はパソコンの製造会社に拠って違うようでもあります。)「まるば」のソフトでは「まるば」付属のロ−ダーが具合が悪くなりました。「まるば」本体には何も問題はありません。

 色々な調査をしてみましたら確かに上記の事実があるようです。これは初期のXPでは起こっていませんでした。もちろん、XP以前のOSつまり、95 98 2000 2000NT 2000Ne などではまったく起こっていなかったことです。

 また,ウインドウズXPのシステムの中には最近はトラブルが起こったら、過去のトラブルのなかったバージョンまで戻って使ってみてくれという機能がついている物もあります。つまり、彼らも現在は現在のシステムには十分の自信はないので、こんな対応をしているのでしょう。我々の「まるば」もこの機能を使えばよいのかも知れません。

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 最近のWINDOWS−XPはプログラムをコンパイル、ロードする際に不必要に過大なチェックを行いエラーでないものをエラーとしてリジェクトするのではないでしょうか。ご注意ください。このような不審な現象に遭遇した方は、その状況を著者にご連絡ください。メーカー名、機種名、OSのバージョン、など詳しくお教えください。

 XPも上記のように初期のものはよかったのですが、最近マイクロソフトがOSを改定してから具合が悪くなったようです。「まるば」プログラムの本体は異常なく使用できますが、プログラムをロードする部分のプログラム(ローダー,SETUP.EXE)が動かなくなりました。

 最近のXPはパソコンのハードの製造会社(例えば、DELLとかIBMとか)によってはシステムを少し前のバージョンに戻せば動くかもしれないと言う対応をしているところもあるようです。

 さて、どうしたらよいのでしょうか。現状ののままでも、「まるば」の本体を手動でロードして使えばよいので、この対応方法はありますから、この対処法は「現状での対処法」として以下に説明しますので、それを見て対応していただくとよいと思います。もしそれが分かりにくいときには著者にご連絡ください。しばらくは、ご質問のあった方だけにお教えします。そして、本当の原因がわかったら真の対策を立てたいと思っています。

 現在のところ私の推測では、現在のOSがロードするプログラムに対して必要以上のチェックをおこない、私のプログラムの中のセッティングプログラムの部分にどのドライブにもセット可能にしてあるところを検知してエラーと判断したように思われます。つまり、昔なら、ドライブA:, B:, C:, D:, E:, ....すべて使用可能のはずであったので、セッティング・プログラム setup.exe の中にそのどのドライブを使うかを、ユーザーに聞くところがあるのです。

 この setup .exe というプログラムがうまく実行できないのです。

 現在のOSはドライブ C: しかなく、ドライブ D: はCD用のドライブですからこれを一般の読み書き用ドライブとはできません。しかし、これは私のプログラムの中のルールの読み違いです。私のプログラムはD:ドライブを含んで、どのドライブを使用するかと聞いているので、D: ドライブを使わない選択もありえるので、D: ドライブを使いさえしなければ実行時には何も問題はないわけで、このことをマイクロソフトのシステム開発者は気づいていないのでは無いかと思います(D: ドライブを書き込みに使用する可能性のあるプログラムは全部リジェクトしているのではないかと思われます)。これは明らかに誤りです。つまり,USERはデイスクのPARTISIONを切りなおし,いくつものドライブを使うかも知れないからです。

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==現状での対処法==

 マイクロソフトの技術者が優秀であれば上記の必要性を説明して,プログラムを直して貰えばよいのですが,どうもそれは期待薄なので,OSを直してもらうのも、即座には多分無理でしょうから、以下に現状での対処法を解説して置きます。要点を言いますと、「まるば」本体のプログラム mulva.exe とそれが動作するときに必要な補助情報のデータファイルが沢山入っているホルダー ma2000 をドライブ C:¥ に入力してしまえばよいのです。その方法を以下に説明します(易しい方法)。

手順 1 私の作成したCDロムをD:¥ドライブ(CDロムドライブ)にセットします。
手順 2 そしてCDロムに ma2000 というホルダーがありますから、それをドラッグ・ドロップし、C:ドライブの中にコピーします。
手順 3 ロムの中にMulvapというホルダーがありますので、それをドラッグドロップしてC:¥にコピーします。そして、D:¥ドライブからCDロムを取り出します。

手順 4 そのコピーしたMulvapと言うホルダーをクリックすると中にmulva.exeと言う実行ファイルがあるので、それをクリックします。すると「まるば」のウインドウが開きます。

以上で「まるば」本体はちゃんと機能します。なお、二回目以後は上述の手順4で「まるば」を使用することができます。

[注]もし、お持ちのCDロムが古くて、手順3のMulvapというホルダーがないときには、ほかのホルダーを探していただくとどこかに必ずmulva.exeという実行ファイルがありますので、それをC:ドライブにドラッグ、ドロップして、それをクリック、使っていただけばよいのです。

 以上の対策でもうまくいかない方は、私の電子メールアドレスに(下記、「ホームページの概略の歴史」の中にメールアドレスがあります)にご連絡ください。

 なお、この現象に悩まされている方は私のほうにe−mailでご連絡ください。その際、e−mailアドレスを知らせてください。いずれ解決方法が分かるでしょうから、その時にお知らせします。

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[注2]上述よりもっときめ細かい対応法(少し難しい方法)も見つかっていますが、その方法はかなり複雑で紙面ではうまく説明し切れないかも知れませんが,大要は以下のとおりです。

(1) CDロムをロムドライブにセツト,setup.exe を実行すると最後に進行不能になります。ここでCtrl, Alt, Del キイを同時に押すと実行が停止します。そして電源が切れます(切れなかったらきります)。

(2) パソコンの電源を入れなおします。「STARTボタン」のクリックから始めて,「全てのプログラム(P)」をクリックし、全てのプログラムを探すシークエンスに入ります。この中を探すと ma2000 という項目が作られているので,其処へ画面上にある mulva.exe (それは,菱形というか、屏風の様なものと言うか,平行四辺形の上部が緑色の図形です)をDRUG-DROPします。

以上で完了です。

=========プログラム「まるば」の目的と能力=======


 本サイトの目的は、統計学の初歩から多変量解析・実験計画法・数量化理論までの勉強が出来るように皆さんにご助言することです。また、統計学のテキストに書いてあることから、初心者は公式や計算法を学ぶのが目的のように思われる方もあるかもしれませんが、実は統計学は難しい計算法に本質があるのではなく、層別つまり、環境や状況をその性質で分けることにあります。俗な言葉でいいますと、「分ければ分かる」ということです。このことを正しく理解できると統計を使って貴重な知識を獲得することができます。

 またさらに、工場の問題ですと、現場の情報を基にして、層別(製造現場で言うと、材料や製造方法や作業者別に何か傾向がないか調べる)を行い、役に立つ情報に結びつけることで、このような態度で活動すると、品質管理の手法の知識も得られます。ただし、計算の内容に立ち至り詳しく知りたいと思うと線形代数学の基本知識を必要とします。特に重回帰分析に関しては連立方程式と掃出し法、主成分分析や数量化理論に対しては固有値と固有ベクトルの知識が必須です。これらの勉強が不充分の方は理工系大学の線形代数のテキストを横において勉強してください。

 また、ホームページ管理者(私)の書いた関連の著書数冊が著者(すなわち私)によって印刷され、実費で配布されています(本の出版は意外に簡単)。これを読んでいただくのも一方法です。これについて、以下のホームページの中に説明があります。

なお、プログラムはサイトからのダウンロードは出来ません。

 実費(CDロムなら500円、マニュアルを含むと2000円)で入手できます。詳しい入手法は下記にあります。なお、マニュアルの情報はCDロムにも入っていますから、CDロムのみを買われて、ご自分で印刷する方法もありますが、これだと、出力が膨大で、取り扱いにも苦労されると思われます。実は紙に出力しなくてもマニュアルの必要な部分だけ画面で読むことができるようになっています。この機能は森林に入って山の中でパソコンを使われる方のために用意しました。

[まるばで出来ることと出来ないこと]

 まるばで出来ることは、重回帰分析、実験計画法の結果の分析(一元配置実験、二元配置実験、三元配置、多元配置実験などの分析)、主成分分析、数量化一類、数量化二類、数量化三類、数量化四類、重回帰分析です。特に重回帰分析の手法を使って実験計画法のデータを解析することかでき、これによって、膨大なデータの実験計画法の結果が間違いなく解析できます。

「まるば」で出来ないことは、因子分析です。

 また、「まるば」の勉強会が毎月2回横浜の京浜急行の南太田駅の近くの「男女共同参画センター横浜南」(もと横浜婦人会館)で開かれています(詳細は横浜マイコンクラブのホームページにあります。ホームページにアクセスする方法は下記にあります)。[ホームページ管理者:小林龍一]



<<はじめに>> ホームページの概略の歴史


[注1]このホームページは「まるば」という多変量解析プログラムの配布・普及・質疑応答のために作られましたが、実験計画法と多変量解析を学びたい/学んでいる方のためのページでもあります。全く初歩の方でも判るように解説しますし、もしわからなかったらどんどんご質問ください、何回でも丁寧に解説いたします[質問したい方はここをクリック]。クリックされると小林龍一宛の質問メールの発送ができます。

[注2]このページは理工系の学生や(文系でも心理学とか社会調査専攻の学生さんも)社会人で企業に勤めて実験とかデータ解析が必要になった方には役立つと思います。初歩から高度な水準まで繰り返し解説します。また、置いてある場所は、東急ケーブルテレビジョンのサーバーの中のほかに、ほぼ同じ物が立教大学の理学部数学科の小林龍一名誉教授のホーム頁 http://www.rkmath.rikkyo.ac.jp/math/kobayashi/ として公開されています。どちらも、どなたもアクセスできます。また、もし、このホームページのアドレスをお忘れの場合には「サーチエンジン」で、「小林龍一 立教大学」(間にスペース一つ)として探索して下さると多分出てきます。探索は「まるば」とか、「多変量」でも良いかもしれませんし、また、この組み合わせ(間にスペース一つ)が良いかもしれません。

[注3]「まるば」は現在WindowsまたはMS−DOSの下で動く版しかありません。Macで動く版はありません。もし、Mac版「まるば」を作ることにご協力下さる方がありましたら、ご連絡下さい。但し、あくまでもアマチュア精神でお願い出きる方に限ります(フリーソフトですので、営業的な行為は致しません)。

[注4]このホームページは競馬・競輪などギャンブルの助言を行うためのものではありません。ギャンブルは一般に主催者が賭け金のかなりの部分を差し引いた後の部分が賞金となりますので、ここから、投資額(籤の購入費用)以上の賞金を獲得するのは至難の技です。一般にギャンブルに有効に統計学が使えた(長期的にみて儲かった)例は私は知りません。私はこのようなことは不可能と思っております。ですから、これらのご質問はご遠慮下さい。


<<新版「まるば」のバグ情報>>  旧版「まるば」(MS−DOS版)は数十年の歴史がありますので、多分バグはゼロだと思います。

しかし、新版(WINDOWS版)のバク取りはまだ不充分も知れません。それで、ユーザーから寄せられる不具合の情報のうち、皆さんにフィードバックしたほうがよいと思われるものをここに掲示します。なお、未確認情報もありますから、その心算で読んでください。


<<旧版「まるば」をWINDOWS98または2000の上でインタープリーターを使って動かす>>

旧版「まるば」はN88BASIC(日本電気の開発したBASICコンパイラ)の上で作られました。2,30年使用されましたので、信頼性は高いのです。それで、これをWINDOWSの上で動くN88BASICのインタープリーターで動かすことは可能と思われます。しかし、これは、ユーザー御一人御一人がBASICインタープリーター(電脳社発売)を買われないといけません。それで、私としてはこの方法はとりませんでした。もしこの方法でもよいと思われる方がありましたら、著者にご連絡いただければ、その為のプログラムはあります。しかし、もし、すでにN88BASICのインタープリーターをお持ちの方、または、他の仕事にも利用すると言うことで、これから買う予定の方にはこの方法もお勧めできます。
もし、インタープリーター方式で「まるば」を使ってみたいという方がありましたら、ご協力しますのでお申し出ください。

また,DOS版まるばをDOS窓で動かすことも出来そうです。


<<ご質問の方法、その他>>

[注1]ご質問の場合、 メールアドレス のほかに電話番号も付記して下さると、万全です。また、一番確実なのは当方に電話(03-3791-3118)をするか、ファックス(03-3791-3119)で質問してください。そしたら、電話の場合、当方から、ご質問にお答えする時間(私の空いている時間)と電話番号(当方の書斎にある電話の番号)を指定します。再度その電話番号に電話してください。それで、複雑な用件でも、私はパソコンの画面を見ながら御答えできます。ファックスの場合にはファックスでご返事します。なお、ファックスの時に余りに大量のデータなどを送りつけるのはご遠慮ください。データが大量のときには著者と相談して、別途郵便で送付するか、または前もって予告の上で e−mail の添付書類を利用してください(別便のe−mailで「添付書類のついたe−mailを送ると予告してください、この予告が無いとビールス対策で消去します)。



[フリーソフトです]

多変量プログラム「まるば」は立教大学名誉教授(理学部数学科)小林龍一によって作成された数十年の歴史のあるフリーソフトです(コピーして知人に無料配布したり、ご自分の為に改造するのはかまいませんが、有料で配布したり、改造したものを著者の同意無しに一般に世の中に流布するのはお断りします)。プログラムとマニュアルは国会図書館に登録されており、著作権は小林龍一が留保しています。「まるば」は本来は日本の各産業での品質管理活動のために作成されました。

[ソフトウエア奨励賞]

「まるば」は日本オペレーションズリサーチ学会のソフトウェア奨励賞(1995年)を頂きました。

[普及活動]

また、発表以来の配布部数は正確なことは不明ですが、私の手元に残っている発送先名簿で考えて1500部を越すマニュアルが送られています。従って多分記録の残っていない昔を含めれば、2000以上の送付先が予想できます。また、最近は東京情報大学助教授内田治氏がその著書(すぐわかるEXCELによるアンケート調査・集計・解析など数冊、(株)東京図書刊行)で紹介してくださったのも本ソフトウェアの普及に大変役立ったのです。厚くお礼申し上げます。また、私が講師を勤めます多変量解析・実験計画法セミナー(高度ポリテクセンター、千葉海浜幕張、後出)ではこれを教材として講義を行っております。年間3回の講義があり、一回あたり約20人の方がこのセミナーで勉強されています。

[名前の由来]

「まるば」という名前は多変量解析の英語 Multivariate Analysis を MULtiVAriate analysis と略して、日本語の「丸い葉っぱ」に引っ掛けて愛称として命名したものです。「まるば」の最初の頃のプログラムはBASICでかかれ、そのソースの片鱗は私の著書「相関・回帰分析法入門」(日科技連出版社刊、後出)などに書かれていますが、それは時とともに改良され、また、現在はさらにビジュアル・ベーシック(VB)に書きかえられています。

[開発の動機と経緯]

昔、BMDPと言うカリホルニヤ工科大学の生物科学系の先生が数人で開発した大型コンピューター用のプログラムがありました(現在もBMDPという名で頒布されているようです、サーチエンジンで探していただくといくとアクセスできます)。それは当時ソースプログラムも公開されていましたので、私は勉強も兼ねて読んで見ました。プログラムの機能もやり方も面白かったのですが、もし、自分が書くならばもっと工夫できると言う点も幾つかありました。また、日本にも独自に開発された統計解析プログラムがあつても良いはずだとも思いました。しかし、当時私はプログラムを一緒に開発してくれる友達を持っていませんでした。膨大なプログラムを一人で作る決心もつきませんでした。ところが、ある日、中国に遊びに行った観光客の話を週刊誌で読みました。彼が道端で蜜柑の皮らしきものを干している老人をみて、それは何をしているのか、聞いたところ、100年あとのその人の子孫が食べるのだと言ったそうです。中国の人の遠大な目標には私も感心しました。そこで、数人で数年掛かる仕事なら、一人で十数年かければ出来るはずと考え、一人でプログラムに取り掛かったのです。

[BMDP] http://phase.etl.go.jp/mirrors/bibliography/Misc/bmdp.htm 当時のアドレス、現在のアクセス方法はインターネットのサーチエンジンに拠ればよいのです。

[注]

私の作成したプログラムの目的はBMDPと同じですが、論理/構造はこのBMDPとは全く違い、独自のものです。その大要は以下に解説してあります(数十項目の特徴を持っています、例えばミクロ命令とマクロ命令など)。このような方法に到達したのは私が一人で考えたからでありましょう、数人でやるとしたら、相当議論を戦わして合意を取り付けないとできません。これは、多分大変だったろうと思います。

そうして開発に取り掛かった頃は私は自宅に小さなミニコンを持っていました。当時まだ、パソコンは現れておらず、メモリー64Kバイトのミニコンが普通の個人が買えるコンピューターでありました。その価格は自動車と比較するとブルーバード(日産)、コロナ(トヨタ)の2台か3台分という,当時は相当高価なものでした。メモリーは磁気コアメモリーで入力出力装置はASR33と言うテレタイプで、当時は非常に普及していた端末でありましたが、印字する活字は小さい円筒の上につけられて、その円筒が適当な角度回転して、紙を叩いて印字するというものでした。その音は随分大きくて、自宅で使うと家中に響き渡ると言ったものでした(このマシンは今も自宅にあります、現在となると歴史的代物です)。家庭でこのミニコンを使用しますと、TVの画面に縞模様が入るという、今のパソコンに比べて凄い代物でした。CRT画面はなく、計算結果は全てテレタイプで印刷して出すというものです。

このミニコンでのプログラム開発は実は私のプログラムに大きな特徴をもたらすことになりました。それは、今のパソコンのようにメモリーが大きくないので、効率良く計算するためには計算を小さい区切りに分けて、一区切り計算するごとに計算結果を紙テープに打って外に出すか、または、必要最小限のものだけをメモリーに仕舞って次の計算に掛かるというように、メモリーを効果的に使用して、成るべく大きな問題を成るべく少ないメモリーで計算することを工夫しなくてはなりませんでした。これが、結果として贅肉のない引き締まったプログラムを書く修練となりました。これが、以下の「プログラムの特徴」の(4)に書いてあるミクロ命令とマクロ命令が生まれた原因です。

(注)プログラムはハッキリしたプログラミング技法を決めないで、漫然と書き始めますと、改良を重ねていくごとにロジックが入り乱れて、終いには他人はおろか本人でも、中を読むことが困難となります。これを我々は「温泉旅館の廊下だ」と言い、嫌います。「まるば」のプログラムはきわめて単純な構造を持っています。それは、線形代数学のテキストにある各種の演算、代表的なものをいくつか例にあげれば、行列の掛け算、正方行列の逆行列の計算、行列の固有値の計算、などの計算を行うもので、統計解析は一般に上記の演算を必要な順序で行うことですから、その計算の流れは決して複雑にはなりません。詳しくは「まるば」のソースプログラムをお読みください。

プログラム作成に当って参考になった本は書名は忘れましたが、鹿島出版会とか言う出版社があり、そこから出た多変量解析の計算ロジック集です(正確な名前は忘れました、原書は多分アメリカで刊行されていたと思います。私の蔵書の中にその本の要点はコピーして残っている筈なのですが、現在書庫の中に埋もれて所在不明です)。話の本題ではありませんが、鹿島建設の歴代の社長は皆勉強好きでそのために(趣味が嵩じて)出版会を子会社として作ったと聞いています。八重洲ブックセンター(これも鹿島系列の会社)と同類です。この本にはいろいろの多変量解析のロジックが解説してあります。

また、本書のプログラムに直接の関係はありませんが、統計解析の基礎の公式とか定理を殆どすべて解説してある本があります。それは、Advanced Theory of Statistics I II III と言うもので、ロンドンの出版社から出版されております。

また、学生時代に受けた講義の中で森口繁一先生が統計計算のプログラムはデータを読みこむとき、水際作戦(海から攻めてくる敵を迎え撃つには水際でこれを捕らえて叩くのが最もよい作戦である)でやらなくてはいけないと言われていた事が大変参考になりました。多変量解析では多数の変量のデータを多数組使うのですが、それを馬鹿正直にコンピューターに読みこむと、それだけで膨大なメモリーを使ってしまいます。ですが、統計処理の場合、これらの個々のデータは読み捨てとして、コンピューターの中にはそれらの変数の平均値や偏差平方和と偏差積和だけが残るようにして、個々のデータそのものはコンピューターのメモリー中に入れなければ、小さいメモリー容量で大きな問題を解くことが出来るのです。(注)現在ではEXCELで統計解析することが多いのですが、EXCELではデータは初めに全てコンピューターのメモリーに入れて、そのあと、計算に入る方式でこれは大きな無駄なのです(アメリカ人の発想)。現在はメモリーが大変大きいパソコンが多いので、これでもかなりの大きさのデータも解析できますが。

(注) 現在のEXCELでは65536行のマトリックス、つまり、65536組のデータまでしか計算できません。まるばの場合はデータの組数は無限大です。

以上ご説明した、「まるば」誕生の経緯は「まるば」の性格と特徴を決める決定的要因となつたことがお判りと思います。このようにして「まるば」はコンパクトで強力なプログラムを目指して開発されたのです。



<<概略の性能>>



「まるば」で出来ること

「まるば」によって出来る計算は現在のところ重回帰分析・主成分分析・数量化1類・数量化2類・数量化3類・数量化4類などです。余談ですが数量化3類はコレスポンデンスアナリシス(対応の理論と呼ばれ、、フランスでも独自に開発され、後に数量化理論3類/林知己夫先生の開発/と同じ物であることが分かったものです)と呼ばれ、欧米でも良く利用されています。

(注)数量化2類4類はすべて数量化3類として取りあつかえます。数量化1類はほぼ重回帰と同じです。

また、実験計画法によるデータを重回帰分析によって解くことが出来ます(注:実験計画法によって得られたデータはこれを重回帰分析のデータとしてみて、計算し分析することが出来ます)。このことは単なる理論上の興味だけでなく、実際に膨大なデータを解析するときには役立ちます。なぜなら人間は時には間違いを起こすので、膨大な量のデータの時には手計算では正しい結果には到達できないのです。

[実例]東海パルプ(株)=静岡県島田市=では新聞紙のロールを作っています。これがかって新聞社で印刷中によく切れ、それを直すのに忙しい時間の中で苦戦苦闘していました。この原因を探し,きれない紙を作るために、実験計画のデータを採取しましたが、何しろ膨大な量のデータであったので、いくら計算しても正しい結果に到達しなかったのです。そこで、計算はコンピュータに頼ることにしました。「まるば」に重回帰分析としてデータを読み込み、このとき、注意深く入力ミスを起こさないようにしました。そして、後はコンピューターの計算であるから、誤りはないので、正しい結果を得ることができたのです。

また、「まるば」を使うと、架空の工場で実験を行い、その結果を統計処理して分析する勉強が出来ます。これをQCゲームと称して(QCはQualityControl)、品質管理教育に有効に使われています。QCゲームを始めて考案された東京理科大学教授、故藤代侑広教授の著書がEBQC(リンク集、後出参照)に紹介されています。

なお、「まるば」は特殊のプログラム技法(私はこれを「玉葱型」と愛称をつけております、マニュアル参照)で作られていますので、これに多少の手を加えると他の多変量解析の機能(たとえば因子分析など)を追加することも出来ます(プログラムを自分で作れる方には)。

また、現在の「まるば」は日本語の表示により動きますが、これを任意の外国語の表示に直すことが容易です。そのわけは見出し語などの表示をするための言葉(文字)がプログラムとは別のファイルになっていて、これを日本語から他の言葉に直すだけで、プログラム本体は変更する必要がないからです。(注) INIT.DKS INIT.MRG INIT.MLV INIT.CAE が現在は日本語で書かれていますが、これを外国語に直すだけです。短い文章がそれぞれ100行程度入っているだけですから、それを字引を使って目的の外国語に直すのです。

社会調査の結果は単純集計の所見の一元的分析議論しか行われていない場合が多いようですが、「まるば」によって二元分類をしてその結果にχ二条検定を加え、それが有意である時には、数量化3類を適用すると貴重な所見がえられることが多いものです。やり方は二元分類の結果をカイ二乗検定して、有意なものに対して数量化3類を適用するのです。社会調査をした研究者がこのことを知らないで、あたら有効な情報を見落としているケースをよく見ます。もったいないことです。


<<参考>>

[QCゲームの由来]QCゲームの開発者は上記のように故藤代侑宏東京理科大学教授です。もと「東レ」(東洋レーヨン)に勤務時に重役に命じられて、社内の品質管理教育のためにQCゲームの開発をされたのだそうです。架空の実験のデータを作成しそれに測定誤差を付加してゲーム参加者に渡し、それを分析させるゲームでありましたが、当時はコンピューターの利用は出来なかったので、誤差を付け加えるのも、人(審判員、先生)が乱数表を引いて正しい値に加算すると言う方法でありました。これをコンピューターの中に入れ、誤差もコンピューターの中で発生して現在のQCゲームの形にしたのは私であり、初めて使用したのは日本科学技術連盟の品質管理ベーシックコースです。現在でもQCゲームは品質管理教育の中で活用されています。後出の高度ポリテクセンターでの私の実験計画法セミナーにおいても活用されております。なお、細かい点は藤代教授のQCゲームと私のQCゲームは違っております。藤代教授のゲームでは最適点は時間とともに移動していきますので、手際よく解に到達しませんと、成功しません。この点が藤代先生のものの方が難しいでしょう。藤代先生の「QCゲーム」という著書があります。EBQC(Electronic Books for Quality Control)というホームページに紹介があります。

[挿話1]藤代先生は学歴は小学校のみ、後は自学自習で統計学を研究された刻苦勉励の先生です。東京理科大学の教授になられると共に、品質管理では日本の中心となっている日本科学技術連盟の実験計画法セミナー多変量解析セミナーの講師を勤められました。

[挿話2]私は日本科学技術連盟の「品質管理ベーシックコース」(工場の技術者に統計的手法・品質管理を教えるコース、240時間の長期教育)の講師をつとめていましたが、あるとき森口繁一東大教授から品質管理技術者にはこれからはコンピューターの知識が必要になるだろう、これを講義せよとのご指示がありました。当時、コンピューターは黎明期で大型電子計算機しかなく、その大型と言うのは、大きさだけは大きいが、その性能は現在のパソコンよりもずっと低いものでした。しかし近い将来、工業生産でも重要な道具となることは明白でした。それで、品質管理活動の中のコンピューターの役割といった講義をはじめたのです。しかし、話しながら受講生の顔をみると、居眠りしている方が多く、講義は結局失敗に終わりました。そこで、私はコンピューターは理屈より、触らせるに限る、触らせるにはゲームをさせるのが一番よいと考えました。それで、藤代先生の実験計画ゲームはよさそうだと思い、電子ゲームをはじめてコンピューターに入れたのです(プログラムは自作)。地下室にあった大型コンピューターの端末を教室に持ち込んで、ゲームをおこないました。このゲームは幸い大好評で、受講生はQCゲームの時間となるとおお張りきりで実験計画に取り組むようになりました。これは、現在でも続いています。



<<プログラムの構造>>

「まるぱ」MS−DOS版は4つのプログラム、DKSYS、MRGDF、MLVDF、CAEPRという4つのプログラムから成り立っています。これらは主として、以下の機能を分担しています。

DKSYS  データの入力、基礎統計量の計算、変数変換
MRGDF  重回帰分析、主成分分析、数量化1類、数量化2類の計算
MLVDF  数量化3類の計算、数量化4類の計算
CAEPR  実験計画法の解説・計算とQCゲーム(あとで解説する)

[注]これらのプログラムには過去には改訂の順にバージョン番号がつけられていした。例えばDKSYS6というのはDKSYSのバージョン6という意味です。

現在「まるば」のWINDOWS版は上記の機能を5つの釦で表しています。

第一の釦  データの入力など                         DKSYS に対応
第二の釦  重回帰分析、主成分分析、数量化1類、数量化2類    MRGDF に対応
第三の釦  数量化3類の計算、数量化4類の計算            MLVDF に対応
第四の釦  実験計画法の解説・計算                    CAEPR の前半に対応
第五の釦  QCゲーム(あとで解説する)                  CAEPR の後半に対応

<<プログラムの特徴>>

プログラムの特徴は上記以外にも色々ありますが、その幾つかをあげますと以下のような点です。お使いになっていただくと実感されると思います。

(1)重回帰分析において、操作する人がCRT画面を見ながら自由に変数を選択できます。これは対話型変数選択と言って現在一番自由度の高い解析方法です。また、この方式によると、数量化1類(後出)の問題が、実に容易に解けますし、この時ユニーク解のみでなく、次善の解とか、次次善の解なども見つかり、幅広い解釈が出来ます。また、「多重共線性」という難問が特に国家経済の予測などに(相互に相関の強いデータを取り扱うので)付き纏い、経済学者の悩みの種なのですが、この「対話型変数選択」によれば、この悩みは完全に解消します。

(2)重回帰分析はもちろん、数量化理論1類や数量化3類には実社会での現実のデータがあり、これらで重回帰分析や数量化理論の有用性が確信できます。数量化1類は重回帰分析と同じように解くことが出来、ここでも多重共線性の問題は「まるば」の場合何も困難がありません。ちなみに重回帰分析と数量化1類の違いは前者には誤差に関して4つの仮定(不偏性・独立性・等分散性・正規性)があるのに対して、後者には何も仮定が無いことです。数値的解法は全く同じなのです。

(3)「まるば」では、プログラム本体と見出しや説明文の部分が分離して書かれているので、他国語に翻訳するのが容易です(上記)。これは以下の項目(4)(5)に述べられていることと密接に関連があります。他国語に翻訳されるときプログラミングの素養はなくて構いません。言語の翻訳だけで出来ます。

(4)プログラムを動作させるのにミクロ命令(微小命令)とマクロ命令(巨大命令)があり、マクロ命令はミクロ命令の適当な「つながり」で定義されています。それで、新しい統計解析をするときには適当にミクロ命令を追加作成して、その統計解析用のマクロを定義すれば、比較的簡単に機能拡張が出来ます。そして、プログラムの構造は常に単純で変わりません。従って、プログラムが改造を重ねて複雑になり、最後は内容を読むのも困難となることはありません。

(5)プログラム作成と平行してマニュアルが作成されます(この性質は上の項目、つまり、ミクロ命令とマクロ命令に関係あります。つまり、プログラムは一つ一つのミクロ命令に対応する部分が作られ、この部分が作られると、テスト・データを入力してテストしますと、その計算結果もえられますので、それらを編集するとそのミクロ命令に対するマニュアルが出来ます)。マクロ命令に対しても同じです。

(6)このプログラムは主として大学で統計解析の授業とその演習・宿題に使われる場合を意識して作られました。従ってグラフなどの出力が美麗であることは必要ではなく却って害があると考え、反対に学生諸君が自分で手でグラフを描いたりして、自ら考え勉強するように仕向けてあります。しかし、業務で使う時には報告書にまとめる為に美麗なグラフも必要でしょう。そのときには計算結果をエクセルに移してグラフ化すれば良いのです(以下にも解説あり)。

(7)マニュアルはプログラム動作中にCRT画面/液晶スクリーンから読めます。たとえばAという命令の意味を知りたければ?Aと入力すると命令Aの解説が表示画面から読めます。従って紙に印刷されたマニュアルはなくても構いません。また、この機能はプログラム作成中にも有効に活用されました。つまり、プログラムの作成された部分のマニュアルはすぐ作れるのです。作成された部分のテストを行うとそのときに使ったデータと出力がコンピューターの中に残りますので、これをワープロソフトで編集するとマニュアルのこの命令の説明の部分が自動的にできるのです。普通のソフト開発では、ソフト開発者がメモ書きを頼りにプログラムを作り、プログラムが完成すると、完成したプログラムとメモ書きをマニュアル執筆者(普通は別人)に渡し、マニュアルは別の人が作るのです。これでは分かりやすいマニュアルは作りにくいのです。マニュアル作者はプログラムを本当には知らないのですから。

(8)QCゲームと称して架空の工場で実験を行い、品質改善のやり方を学ぶことが出来ます。一般に実験には実際は何百万円何千万円の費用がかかり、もし失敗したら大変なことになるので、初心者は中々取り掛かる勇気が出ません。それを架空の工場の実験として体験して自信をつけさせるのがQCゲームの目的です。「まるば」のQCゲームは陰に隠れた有効因子が1個の場合、2個の場合、3個の場合の3つの場合に切り替えて使用できます。また、一度実験計画法による一連の実験を行って、解をもとめ、これをコンピューターに代入して採点してもらうと、次にはまた、全く別のQCゲームが始まるようになっています。

(9)色々の実験計画法は全て重回帰分析法として分析できます。両法の計算結果は完全に一致します。このことは、以前から判っていたことですが(H.Scheffe :Analysis of variance,John Wiley & Sonsがこの理論のテキストとして有名です)、実験計画法の理論の根幹としては有名でしたが、実用(計算)には供されていませんでした。「まるば」によれば、この分析が出来ます。特に大量のデータの実験計画を行ったときには手計算ではミスが多くて正しい結果に到達できないことが多いのです。この機能を持っているソフトは世の中に余りないのではないでしょうか。また、この機能によって、多元配置実験(例えば10元配置でも)の結果を計算できます。

(10)「まるば」の重回帰分析のアルゴリズム(論理、計算手順)には計算誤差を最小にして、しかも、使用するメモリーも最小にする論理が使われています。そこで、変数の数が非常に多い重回帰分析が行えます。旧版の時にはパソコンの容量が小さくて64Kバイト位しかありませんでしたが、その時代でも変数128個位の重回帰分析が出来ました。現在ではパソコンの容量は飛躍的に大きくなりましたので、何百何千変数まで出来るか実験も出来ませんが、実用上無限大と考えてよいと思われます。

(11)「まるぱ」の重回帰分析では対話型変数選択と言う手法(大分昔の話ですが、東京理科大学教授の芳賀敏郎先生とご一緒に勉強していた頃、どちらともなく思いついた手法で、コンピューターと人間が対話しながら変数選択をするのです。コンピューターはすばやく計算し、人間は良く考えて変数選択をするのです)が出来ます。この手法は使い慣れてみるととても便利な手法で、従来の手法の全てを含み、且つそれ以上の能力のある方法です。

重回帰分析の理論は最小二乗法で数学的には単純な理論ですが、実際これによって問題を解いてみるとその変数選択の経過は決して単純ではなく、数学的の真の最適解は一筋縄では行きません。もう少し詳しく解説すると、自動的な変数選択は(イ)変数増加法(ロ)変数減少法(ハ)変数増減法(ニ)変数減増法の4種の方法がありますが、このどの方法によつても真の最適解が必ず求まるという保証はないのです。

それでは、と言うことで「総当り法」(変数の全ての組み合わせを考えてそれを説明変数とする回帰式を作ること)と言うことも考えられていますが、これも、変数が多いと全ての回帰式を求めることは大変な手間となります。

一番良いのは人間が問題の本質を考え、学問または技術的予想を加味して真の最適条件らしいものをいくつか考案しながら計算してみることです。この人間が加える判断や予想計算の途中で人が工夫を凝らすことが出来ます。これを対話型変数選択といいます。つまり、人は杓子定規に最大のF値の変数を選択するばかりでなく、F−値は最大ではなく、例えば二番目三番目でも技術的に重要性が予想できる変数を選択するなど臨機応変の対応もできます。計算機はすばやく計算し、人間はその計算結果を見ながら、それだけでなく色々の経験を加味し、工夫を凝らして、変数を選択するのです。これが、現在では一番よい変数選択の方法であると思われます。また、この手法によると、よさそうな解が何種類も得られ、それは、同じ問題を違った見方から解釈したものになっていることが多く見うけられます。これによると、下記の如く多重共線性の問題も自動的に避けられます。

(12)特に理論経済学の分野では「多重共線性」という問題が大切です。国家統計、経済統計では多重共線性という問題が、経済学者・研究者を悩ませます。これは、比較的少数の基礎データから、多くの比率を作って議論をすすめるので、その比率間がお互いに独立ではなくなるためです。ところが、「まるば」の対話型変数選択によれば、この困難は自動的に避けられ、何も問題はありません。「まるば」の特徴の一つです。

(13)「まるば」の重回帰分析の変数選択と言う手法には、この多重共線性を自動的に避けられる性質があるので、数量化1類の問題(本質的には重回帰分析と考えて良いものです、誤差に対する4つの仮定、不偏性・独立性・正規性・等分散性、がない点で違いがありますが、計算法は全く同じです)を解くときにも特に工夫は要らないで、自然に解くことが出来ます。多重共線性というのは入力データの行列のランクが下がっていること、または言い方を変えれば、計算に使う相関行列のランクが下がっていることによって起こる困難なのですが、これは、対話型変数選択によると自動的に避けられます。

(14)エクセルなどのプログラムのデータを受け取って「まるば」で分析して、その結果をまたエクセルに返してグラフ化して検討することも出来ます。「まるば」自体は簡単なグラフは書きますが、美麗なグラフの出力はしないのです。グラフは自分で描いて、このとき解析する本人がグラフを描きながら考えることが勉強に大切と思うからです。「まるば」は統計学を学ぶ方を対象に作られましたので、鉛筆をなめなめ考えていただきたいのです。

(15)「まるば」には入力されたデータを変数変換して計算に使用する機能があります。これは、コンパイラーの機能をつけたものです(機能はコンパイラ、実際の動作はインタープリーターと言えば正確ですが、この知識はコンピューターの初心者には理解されないでしょうから、ここではコンパイラとインタープリーターは区別しないでおきましょう)。変換出来るのは初等関数の範囲内です。たとえば入力されたデータの指数関数や対数関数を作る(計算機の中で生成する)ことが出来ます(DKSYSというプログラムのコマンドI )。[注]ここでのコンパイラとは数式やプログラムを解釈して、その意味に従った数学計算を行うプログラムです。FORTRN、COBOL、BASIC、PASCAL、PL1、Visual Basic などは、みなコンパイラです。もっと正確に言うと、例えば、FORTRAN言語で書かれたプログラムはFORTRANコンパイラによって機械語に翻訳され、実行されのです。

(16)上記の関数の中に乱数発生の関数もあります。それを使って、シミュレーションが出来ます。

(17)私は大学で学生に統計学を講義する傍ら、企業の技術者の教育機関(企業が社員を教育してもらうために派遣してくる)である日本科学技術連盟で教鞭をとり、数万人もの技術者の教育を行いました。また、個別の企業の品質管理の助言も行ってきました。また、現在は厚生労働省の外郭団体の高度ポリテクセンター(千葉県海浜幕張にあり、下記にそのホームページのアドレスがあります)で「実験計画法セミナー」と「多変量解析と実験計画法セミナー」と言う二種類のセミナーを行っています。このセミナーでは、実験計画法でデータが実験の条件によって分割されていて、データのグループ分けができ、グループ分けはその実験条件とその組み合わせで行われ、この分割方式に従って各種の平方和が整然と計算されるのですが、初心者の方もこの平方和を正しく分解する方法を学べます。「データのブロック化」と「ブロック間の半順序」(まるばマニュアル(456-458頁)に説明)を使って正しく平方和の計算を行うことが出来ます(半順序については数学辞典を参照)。このことは普通の統計学のテキストには記載されておりません。私が工場で現場の技術者と討論し,お教えしている中で身につけたものです。そのような実社会での経験もこのプログラムに盛り込んであります。

(18)プログラムにはマニュアル(紙に印刷された)はあるほうが便利ですが、「まるば」の場合は基本的には不要です。プログラムを起動すると画面に使用可能な命令の主要なものがその機能説明とともに表示されます。そして、もっと詳しい説明はそのコマンドの名(英字一文字)の前に?を付けて入力するとそのコマンドの機能説明がCRT画面で読めて、もし必要なら、プリントも取れるのです。また、命令体系全体を知りたいときには??と入力しますと、その説明が画面で読めます。ここには全命令の解説もプログラムの全体の説明もあります。実はマニュアルはこの機能を使って出力した説明文を編集して、縮小印刷し製本したものなのです。ですから、さし当って試みにプログラムを動かしてみたい方はCDロム(送料、簡単な説明書こみで¥500)を要求されて、それで動かしてみるのもよろしいでしょう(入手法は下記)。

(19)プログラム本体とスクリーンに表示する文字とは別ファイルですので、スクリーン表示を別の言葉、別の外国語に直すのは容易です。たとえば日本語からスペイン語に直すなど。

(20)データ入力や計算などを行うときにはプリンターは不要です。プリンターが無くても、何時でも計算結果は画面上で読めます。従って野外でデータ収集したり、旅行中に計算したいときにはプリンター無しで使い、結果は帰宅してからプリンターにつないで印刷することが出来ます。

[御注意]

「まるば」はフリーソフトですが、自由(フリー)というのは使用とコピーと配布が自由という意味で、一部または全部を改造して(自作として、または、自作と紛らわしい形で)配布するなどの行為は慎んで頂きたいのです。著作権は小林龍一が所持しています(国立国会図書館に登録済みです)。他の言語への翻訳(言語の知識さえあれば可能、ソフトウェアの知識は不用)は、もしなさるなら、著者の同意の上で行ってください。この場合もフリーソフトとして公開してください(市販禁止)。以下にも重ねてご注意を喚起しております。


[注]旧版「まるば」についてコメントします。ウインドゥズが出る前の「まるば」はDOSのシステムの下で動きました。使用言語はN88Basicです。使用コンパイラはBASIC98Cと言うコンパイラで、これは現在は電脳組と言うソフトウエア会社から発売されていますが、WINDOWSの時代になってからは、このソフトはインタープリーターのみとなり、コンパイラーは発売されておりません。これでは、「まるば」のユーザーは高価なインタープリーターを電脳組から買わなくてはなりません。そこで、「まるば」はソースコードをビジュアルベーシックに書きなおしております。現在配布しているのはこのVBバージョンです。なお、旧版(N88Basic版)が、現在のWINDOWSの環境の下で動くかという点について以下にご説明します。結論は、印刷のルーチン以外は全て動きます。ただし、現在のDOSの環境(正確にはWINDOWSのWORDの場合など)では、識別子 .RST がこの文書をWORDで読むときに誤動作するなどの不都合があり、また、上述のようにDOSシステムのみでは日本語(2バイト文字)の印刷がうまく動かない(DOSシステムからは日本語処理の機能[FEP,フロントエンドプロセッサ]が取り外されてしまった)のです。これらのうち印刷については別に印刷ルーチンを作成し、 .RST は .TXT と言う識別子に書きなおし(作業は容易です)、印刷はWORDまたはPADなどで行うと、使用できます。これについて、ご興味があれば、著者にご質問ください。



<<プログラム入手法>>

プログラム入手法と使用条件

このプログラムとマニュアルは、CDロムの中に有りますから、其のままコピーし印刷して自由に使用して構いません。ただし、改変したプログラムまたはマニュアルはご自分が使われるのはご自由ですが、これを著者に無断で流布することはご遠慮ください。

プログラムとマニュアルに対するご質問や改造のご提案は著者にお送りください。また、インターネットでアクセスしていただくと立教大学理学部数学科の教員の欄に小林龍一名誉教授のページがあります。ここにも「まるば」に関する説明があります。入手されたい方は約10行下にある <<プログラム「まるば」と関係図書入手法>> をご覧ください。

立教大学の中のページ [ http://www.rkmath.rikkyo.ac.jp/math/kobayashi ] 、または、著者個人のホームページ http://home.catv.ne.jp/ff/mulva/index.html にアクセスしてください。



<<プログラム「まるば」と関係図書入手法>>


プログラム「まるば」に関連ある文献(著者は小林)の主なものは絶版になっていますが、現在著者によって次のものが再刊されて希望者に配布できるよう準備されています。相関・回帰分析法入門(日科技連出版社)、数量化理論入門(日科技連出版社)、その他(絶版になった著書は出版社の同意の下に著者が自分で出版し配布しております。すべて郵送料込みで一冊¥800でご希望に応じます。

著者へのご連絡は以下の住所・電話・ファックスまたは e メールでお願いいたします。著者が旅行中などの特別の状況でない限り、毎日e メールは読まれます。

住所:〒153-0061東京都目黒区中目黒5-9-16  電話:03-3791-3118 Fax:03-3791-3119 

「まるば」(改訂版)を入手されたい方は、代金を下記の要領で郵便振替でお送りください。郵便局で、払込取扱票に必要事項(下記にあるように、ご住所、お名前、お仕事、年齢など)を記入して送金してください。郵便為替には電信扱いもありますが、これはご送金があったという通知は早く来ますが、受取側には払込人のご住所ご氏名が分かりません、別途お名前と宛先ををお知らせくださる必要があります。当方に住所氏名のよく分かっている方でないと逆に不都合です。

また、私の著書(「まるば」と関係が深い)の解説は下記(数頁下)にありまして、その購入代金の送金方法はこの「プログラム」のものに準じます。

1.[振替口座番号] 00160−5− 728116 [加入者名] まるば研究会  2.マニュアルとプログラム(CDロム)を必要な方は¥2000、プログラムのみのかた(CDロムのみ)は¥500を送付してください。 3.使用者のお仕事の内容がわかる程度に職業を記入してください。この「まるば」をどんな分野でお使いになるかを知りたいのです。 4.使用法とインストール法は配布されるCDロムにも書きこんでありまますが、次のアドレスにもあります。 http://isweb16.infoseek.co.jp/cinema/akira002/install.htm 5.使用者の郵便番号、ご住所、電話番号、もしあればFax番号、e−メール宛先もお願いします。但し、当然ですが、e−メールは毎日開かれる方でないと駄目です。



<<まるば研究会活動>>


横浜マイコンクラブ

横浜マイコンクラブは恐らく日本では現存する最古最大のパソコン同好会ではないかと思います(名誉会長はマイコンチップを世界で始めて作ろうと考えた永安弘氏)。このマイコンクラブの中に「多変量解析」研究会、つまり、「まるば」勉強会を作りまして、勉強をしております。横浜近辺の方に参加して頂いています。中には遠く千葉市近辺からのご参加もあります。参加者は若い方も年寄りもおられます。職業も会社員も自営業の方もあり、楽しく勉強し時にはお酒も飲みます。どなたもご参加歓迎です。マイコンクラブのホームページ宛先は以下の通りです。 http://members.tripod.co.jp/hamacon/index.html 

普段は横浜マイコンクラブの原則はだいたい隔週の日曜日の午前10時から午後3時頃まで、「男女共同参画センター横浜南」もと横浜婦人会館と言ったものです。(京浜急行南太田駅前、駅から近いので、駅で聞いてください)で行われます。

年会費1万円ですが、年24回(毎月2回)の会合がありますので、一回当りは約400円です。

全くの初心者(パソコンに初めて触る方)のためのコースもありますし、クラブには10数台の携帯用パソコンがあり、これで練習が出来ます。先生は先輩で、手取り足取り教えてもらえます。

コンピューターの使い方をマスターしたい方むけには、コンピューター言語の勉強グループもあります。現在はJAVAの勉強が行われています。このほかにはホームページを作る勉強会があります。我々の「まるば」勉強会もその一つで、コンピューターを使って統計解析の勉強をします。統計解析の勉強の中では「まるば」の使い方もお教えします。

昼休みは近くの蕎麦屋で昼食を取り談笑し、勉強会が終われば盛り場に出てお酒を飲んで、四方山話をすることもあります。年齢的には大学を出て数年の若手サラリーマンから、定年で引退したお年寄りまで、各層の方が参加されています。

常時は約30人の会員が例会に現れます。この勉強会の他に、時にはコンピューター関連の会社の見学会も行われます。また、年一回の忘年会には昔からの会員も現れて、100人に近い会合となり、長年の顔見知りにお会いして談笑します。

ご承知のように、コンピューターは本や文献を見て独学するより、知っている人に聞いて回って手早く覚えるのが最も効率的な勉強法です。皆さん是非クラブに参加されて、楽しく勉強してください。月2回のクラブ会合の予定も横浜マイコンクラブのホームページ(上記)にあります。クラブに入会しようかと迷っておられる方は上記のマイコンクラブのホームページをご参照の上、まずは1,2回見学にいらっしゃってください。


[横浜マイコンクラブ日程] 横浜マイコンクラブはだいたい月二回日曜日に京浜急行南太田駅前にある「男女共同参画センター横浜南」(ホーラム南太田とも略します,旧称横浜婦人会館)で開かれます。なお、マイコンクラブは朝10時から、午後3時頃まで、開かれるのが習慣です。見学したい方は朝10時頃、またはこれ以後においで下さい。勿論午後3時までの間なら、何時と決められてはおりません。見学の上ご入会を申し込んでください。基本的には年会費一万円で、初年度だけ半額になっております。

  詳しい内容は横浜マイコンクラブのホームページ(上記)を参照してください。横浜マイコンクラブへのリンクは下記のリンク集にもあります。

「横浜マイコンクラブの会合日の予定」 以下のとおりになっています。

  9月 11日 25日  10月 16日 30日  11月 6日 27日

上記のような日にちに朝10時から始まります。初めての方歓迎します。




[この掲示板の意図するところ]

横浜に通えない遠隔地の方のためにはホームページの中に勉強会の記録を含めて、統計のお話を連載してホームページで勉強することもある程度可能ではないか、これから研究したいと思います。ご希望の方はご連絡ください。

また、全国の各大学に統計の講義があるわけですが、その受講する学生さんは大学の担当教授の講義を聴くだけでなく、担当教授のホームページがある場合にはそれも勉強の助けになります。また、どこの大学の学生さんでも「まるば」のホームページを読まれれば、場合によると授業では良くわからなかったことも判る場合もありましょう。これからは各大学の講義・ホームページが連携(リンクして)して教育に活用される時代になるのではないかと思います。私のこのページも立教大学ばかりでなく、全国の大学の学生さんが利用してくださることを歓迎します。他大学の学生さんのご質問にもお答えいたします。また、勿論、企業の中で勉強したい方の手助けになることも同じく喜びとするところです。ご遠慮なくご利用ください。

ただし、何か資格試験を受けるのでその問題の答えを教えろというような短絡的な質問にはお答えしません。また、前にも申しましたように、賭博・ギャンブルの勝ち方などもお答えで来ません。

また、ご自分が作られたプログラムがうまく動かないがどうしてか、とか、こう言う問題はどう言うロジックで解くのか、など何時間もご説明しないと分からない問題も,お答えが非常に長くなり,この掲示板でご返事するのは無理ですので、ご容赦下さい。



「まるば」を使ったセミナー

「まるば」を使った「実験計画法」セミナーと「多変量解析」セミナーが企業人(会社にお勤めの方)向けに

 厚生労働省の外郭団体「高度ポリテクセンター」千葉市美浜区若葉3−1−2、電話043−296−2584

で毎年開かれております。高度ポリテクセンターには地方からこられる方の為に受講者のための宿泊施設(ビジネスホテル並み)も用意されています。同所にお問い合わせください。現在は年に3回のセミナーが開かれており、講義と演習は全て小林が担当しています。

詳細は次の高度ポリテク背センターのホームページに掲載されています。 http://www.apc.ehdo.go.jp/ このセミナーには色々の企業から、中堅の技術者が派遣されてきて「実験計画法」や「多変量解析」の習得をされています。

このセミナーの特徴はまず、統計学を「分ければ分かる」と理解することからはじめます。例えば同じ作業をする作業班が数班あり、その中のある班に不良が多く出るとすれば、その理由はその班と他の班の作業を比較すれば明らかになります。また、ある時間帯に不良が多く出るならば、その時間帯に他の時間と違ったことが起こっているのです。例えば近くの国道をその時間は重い荷物を積んだトラックが走ってその振動が製品の精度を落とすのです。このような見方を統計学では「層別」といいます。うまい層別の仕方を発見することが、統計学をうまく使うことです。この基本的考えを理解した後で、統計学・実験計画法・重回帰分析を学びます。

そして、その知識を元にして、コンピューターモデルとして設定された架空の工場での実験を体験できることです。実験計画や重回帰の授業を受けても、実際工場に帰って実施しようとすると、巨額の費用を投入して実験するわけですから、本当にちゃんとした結果が得られるか自信がないと実施するのは躊躇いがあるものです。それが、QCゲームと言う架空の工場実験で経験をつむと自信を持って行うことが出来るようになります。

また、会社として企業内で品質管理教育をしたいときには、その会社向けに高度ポリテクセンターが特別コースを設けることもできます。同センターのエンジニアリング・マネージメント・グループにお問い合わせください。代表番号043-296-2580 Fax 043-296-2778 です。

(注)学生さんはこのセミナーには参加できません。講演の内容についてのご質問は講師|ここをクリック|にお聞きください。学生さんで勉強したい方はもし横浜近郊に住んで居られたら、横浜マイコンクラブ勉強会(月2回横浜の南太田で開催)に参加してください。

この研修機関の講師の定年はなく、私は健康な限り勤務するつもりですが、私も卒寿(80歳)に近づいているので、講師を務めるのもこの後は数年と思われます。



自費出版図書館

「まるば」マニュアルと関係ある文献(私の著作になる本、おもに統計関係の本、下記)は自費出版図書館 http://www.mmjp.or.jp/jst/index.html に寄贈してありますので、ここで読むことができます。また、入手されたいときには私に直接ご連絡ください。主なものは著者自ら印刷・製本して手元に準備してあります(下記)。

[注]「反省の科学」は同図書館の分類「ビジネス」部門に、「多変量解析プログラム’まるば’マニュアル」は分類「情報・パソコン」の部門にあります。



<<まるば普及活動>>


「まるば」入手法とインストール法

「まるば」の入手法かインストール法を知りたい方は右の括弧内の宛先をクリックしてください。→[http://isweb16.infoseek.co.jp/cinema/akira002/install.htm




[使用可能なWINDOWSバージョン/トラブルなど] バグ情報、ユーザーからの照会などを載せます。

△WINDOWS2000およびXPの初期のバージョンでも大丈夫のようですが、最近版は「まるば」をセットする際にトラブルが発生します。これは、回避する方法がありますので、このホームページの巻頭に説明してありますが、それでも困った方は著者にご連絡ください。

△時々マイクロソフトはOSを弄るので、その際にバグが発生することがあります。私のプログラムは数十年、何千人もの人が使用されているので、基本的にはバグは無いつもりです。

△何か不具合がありましたら、著者に直接ご連絡ください。



統計解析関係の図書

 (以下の図書は現在は出版元の了解の下で著者小林によって出版配布されています、必要な方は著者に直接ご連絡ください)



著者によって書かれた統計解析関係の著書(約20冊弱)の殆どは現在絶版となっていますが、そのうちの主要なものは著者自身によって印刷・製本・出版されております。もちろん元の出版社の了解のもとです。たとえば上記の相関・回帰分析法入門や数量化理論入門は出版元日科技連の了解の下で再版し、私自身で希望の方に配布しております。この例ですと、本はそれぞれ約500円で作れます。それに送料約400円が加わります。封筒など雑費を加算して一冊1000円程度でご希望の方には送付可能です。詳しくは下記([注]3)に計算方法を示してあります。このようにして、再刊したものは以下のとおりです。

相関・回帰分析法入門 日科技連出版   数量化理論入門 日科技連出版  需要予測の数学 至文堂  応用統計学 共立出版 

なお、将来刊行を計画中のものは以下のもの(OR概論)です。また、上記の中に入っていない著書も是非欲しいということであれば、元の出版元と相談のうえ私が再版することは可能です。ご遠慮なくお問い合わせください。なお、この場合には出版元からの許可がでても、出版までに日数(多分、1,2ヶ月)がかかることをご了承ください。

  OR概論  共立出版

(この本は現在出版元に在庫がありますが、それが切れたら、著者の手で自費出版予定です。上製の物をご希望の方は共立出版社刊の物をお求めください)

また、日本における品質管理活動の思想、考え方を私なりの考えで一冊の本にまとめ、

  「反省の科学」

として、自費出版しております。これは、著者の数十年に及ぶ品質管理活動の経験をまとめたものです。これも世の多くの方に読んでいただきたいものです。本の価格は¥500、これに送料が掛かります。入手法は著者に問い合わせてください。

[注1]上記の私の著書はOR概論と反省の科学を除き、全て電子図書システムEBQC(Electronic Books for Quality Control)により、公開される予定です。詳しくはEBQCを参照してください。リンク集(下記)にリンクが載っています。実際の公開はまだ時間が掛かるでしょう。

[注2]最近は地味な本が出版できない環境となりました。理工系の大学の教科書などは、なかなか学生諸君が教科書や参考書を買わないために、出版しても部数が出ず採算が合わないようです。私はこれではいけないと思い、自分で出版することにしました。自分で印刷製本しますと、一冊約4,5百円で出来ました。市販で普通2000円くらいで売られているものです。流通のコストが随分高いのでしょう。

[注3]上記の図書の実費は約4,5百円なのですが、細かくお示しするのも面倒なので、一律¥500とさせてください。下記の「反省の科学」も同じです。

[注4]上記の私の著書ならびに下記の「反省の科学」ご必要の方は著者に直接代金・送料をお送りくだされば、著者から直接お送りします。郵送の場合、各著書の重量は下記の通りですので、郵便の書籍の送料のルールにより、ご計算ください。なお、封筒代などの雑費として¥100を加算してください。

  書名                 重量       1冊の郵税   +100円(封筒その他の雑費)

  需要予測の数学         180 グラム    210円       310円
  反省の科学            210 グラム    240円       340円
  数量化理論入門         210 グラム    240円       340円
  応用統計学            250 グラム    310円       410円
  相関・回帰分析法入門       310 グラム    310円       410円

  OR概論          準備中

上記の送料(雑費を含む)に本の価格 (どれも¥500)を加算してお送りください。勿論、一冊のみの場合です。2冊以上の場合も上の表を基にして計算してください。

[注]上記の中で、OR概論は絶版と思われたので、著者の手で「再刊行」しようと準備中でしたが、念のため、出版元の共立出版に確認の問い合わせたところ、まだ在庫が2005年現在200部程度あり、販売可能との返事(編集部の小山氏)をもらいました。そこで、この在庫が無くなるまでは複製頒布することを延期します。必要な方は共立出版から直接ご購入ください。

[注2]上記の出版社とのやり取りで話したのですが、隣国の韓国と中国は出版に関しては極めて倫理観に乏しく、日本の本も目ぼしいものは著者に了解なしに翻訳出版しているようです。なかには無断翻訳でなく、内容も改竄して、勝手に訳者が著者として刊行しているものがあるようです。国際ルールにも、世間常識にも反する愚劣な行為です。

[発注方法]

二冊以上欲しい方は以下に重量と郵税の関係を示しますので、ご自分でご計算ください。この場合も諸雑費は何冊でも一括100円で結構です。郵送料の規定は時々改定されますので、ご自分で計算してそれを付加してくだされば、結構です。多少の計算間違いは問いません。

重量(グラム)  150   200   250  500    1K    2K    3K まで
郵送料(円)    180   210   240  310    340    450  590
 
なお、ゼミなどで大量に使用されるならば、宅配便でお送りします。目黒・渋谷など、著者宅の付近ならば、取りにきていただくか、私が配達することも場合によっては(量が多く、私が暇なときには)可能です。また、ご自分が私の自宅に(目黒、こられるときには電話で予告ください。その際、道案内をいたします)来られれば、配達料は勿論不要です。ご送金はプログラム「まるば」の場合のように郵便振替でお願いします。

[参考]上記図書5冊全部と「まるば」CDロムおよびマニュアルをご希望の方は¥5000といたします。



自分で出版する方法(正確には世の中の所謂自費出版ではない)

最近は性能の良い謄写版輪転機がありますので(これはかなりの学校に試験問題や答案用紙の印刷用に設置されています)、私の場合、それを自宅に購入し、印刷は自分で行います。製本は週刊誌のように腕の長い特殊のステープラー(俗称ホッチキス)を使用して仮綴とすれば、作業者の手間を不問とすると、安価にできます。美麗な製本であれば、製本業者に頼みますが、これは200頁の本として500部製本すると10万円程度で出来ます。そして、結局200頁位の本ですと、一冊当り¥500くらいで作れます(印刷費、紙代、製本代を含み、手間賃は入れません)。教科書などの出版で悩んでおられる方はいっそ思い切ってご自分で出版されると良いのではないでしょうか。日曜大工とおなじようなものです。このことでご関心があれば、私にご連絡ください。ご相談に応じ、経験をお話します。|ここをクリック|



反省の科学 (A5版、180頁、自分で出版)

[注]ここで自分で出版とは執筆・印刷・製本を全て自分でやること。時には製本は外注することもあります。自費出版とは違います。自費出版の場合、編集印刷製本は出版社にやらせて、費用を自分で払うことです。

1945年8月10日は日本の敗戦の日です。この日まで、日本各地では無差別の爆撃や、焼夷弾による都市の焼き払いがありました。殺されたのは殆どは罪もない老人や女子供でした。男たちは戦地に駆り出されていたのです。焼け野原には黒焦げの死体の散乱の無残な光景がありました。それは枯れ木が山火事で焼けて倒れたような眺めと、人間の焼けた臭い(するめの焼けたような臭)が漂う風景です。

また原爆により、一瞬にして殺される恐怖もありました。人々は希望も無く街をさまよっていたのです。しかし、この日は日本中の人々が死の恐怖からは開放された日でありましたが、人々は肉親友人を失った悲しみと、日々の生活の不安からはまだ本当には開放されてはいませんでした。

この日の東京は日本晴れの晴天で、建物は殆ど焼き払われていて、岡に上ると秩父の連山が手に取るように見える暖かい日でした。

少し人間離れした調子の昭和天皇の「戦争は終わるのだ」というお声が、音質の悪いラジオから流れて、戦争は負けたのだと言う考えもありましたが,それよりも、もうこれで死を考えなくても良いのだと言う僅かの安心と、これから来る世の中に対する不安が入り混じった思いが残ったのでした。

つまり、当時20歳で兵役寸前であった私にとって、生まれてきてまだ何も出来ないままで戦争で死んでしまうかもしれないと言う恐ろしい時代が今終わったという安心はありました。そしてまだ、何も具体的な希望はありませんでしたが、実はこれからの日々が、日本の工業生産の新世紀の始まりであったことはもっと後で(10年後、20年後に)明らかになります。

当時、敗戦の国土は疲弊し、工場は焼け落ち、人々は飢えて街をさまよい虚脱して空ろな目で疲れ果てて路傍に佇んでいましたが、戦争で無残に殺される恐れだけはなくなりました。その敗残の中から、新しい世の中を立ち上げる活動は逞しく始められていたのです。それは以下に述べる品質管理活動の胎動でした。


[注1]品質管理活動は第二次世界大戦に敗戦の後の混乱・貧困から日本を立ち直らせた原動力の一つです。「反省の科学」(拙著)はこの活動の歴史を記し、その思想を述べたものです。日本の品質管理活動の源流は以下の数人の先生」のグループでした。敗戦直後の昭和21年頃です。アメリカ軍の空爆により、日本の主要都市は全て焦土と化し、街には食料を乞う浮浪児があふれていた頃です。研究会は東京駅八重洲口側の大阪商船ビル--焼夷弾で壊滅した焼けたビル--の二階で開かれたと記憶しています。そのビルの壁は焼夷弾の火炎のあとの黒いしみが残って、ここで焼き殺された人々の魂の慟哭のように見えました。

その出発時の構成は、研究会の委員長は石川一郎、後の経団連初代会長でした。メンバーは学者(水野滋/東京工業大学)と役人(後藤正夫/行政管理庁、馬場重徳/文部省)と技術者(三浦新/三井化学、渡辺英造/三菱金属)でした。この石川一郎が委員長となって始めた小さな勉強会が発展して、日本の品質管理活動が動き出したのです。後に、このグループに石川馨/東京大学、朝香鉄一/東京大学が加わりました。石川馨は石川一郎の長男です。この勉強会を中心に発展した研究活動・教育普及活動の中心になったのが、日本科学技術連盟(小柳賢一/事務局長)でありました。上記の方のうち現在ご存命は朝香鉄一先生のみです。日本科学技術連盟は上記の焼けビルの中にあつたのです。

[注]この焼けビルで発足したもう一つの学会がありました。それは、日本OR学会でした。ここで、ORとはオペレーションズリサーチの意味で、端的に言えば戦争の科学、平和使用とすれば「うまく立ち回るための方法の学問研究」と言えるでしょうか。私は始めはこの学会に属していましたが、しばらくして、品質管理の研究会にも誘われて参加しました。

また、品質管理活動には日本規格協会の協力もありました。なお、上記の日本科学技術連盟のグループのほかにも同じような動きはほかにもありました。後に南極探検に行かれた京大の西堀栄三郎(登山家で、山男の歌の作者でもある)を中心とした研究グループ(田口玄一、唐津一など)があり、両グループは助け合いました。また、増山元三郎博士・河田龍夫博士、北川敏男博士など統計学者の協力がありました。

日本の工業生産の復興に関する限り,この活動に触発されて敗戦後の焼け野原の日本に再生の息吹が起こり、それが大きな流れとなったと言うことが出来るでしょう。

アメリカの統計学者デミング博士の好意と協力もありました(デミング博士が日本の品質管理活動に助力されたのには、森口繁一東大教授の仲立ちもありました)。これらの活動を若いときに目撃した著者がこれを紹介し、その活動の流れを「東洋の思想」と関連付けながら解説したものです。人は大きな目標をもって挑戦するとき、しばしば失敗をしますが、失敗にはめげず、その都度反省し、失敗の原因を調べ、前進しなくてはなりません(Plan Do Check Act)。著者はかってこの本を企業の中で行われた品質管理活動の教育の副読本として使用してきました。ある電力会社・某印刷会社・ある地方の電話会社などです。いまだかって市販されたことのない本です。

[注2]上記にあるように日本科学技術連盟に設けられた品質管理の勉強グループでは、品質管理の基本の研究が進むと共に、これを日本の工業界に普及する活動に取り掛かりました。委員長石川一郎は自ら日本の工業界のトップ企業の経営者に電話して、各社の技術者をデミング博士の講演会に参加するように勧奨したそうです。それで、デミング博士はその講演会に現れた聴講者の会社のリストを調べて東京の株式市場の一部上場の会社の過半数であった、如何に当時の日本が品質管理に努力したかということの表れとして話されました(デミング博士が来日して日本での初期のQCの講演会を回想されたときに博士が言われたことです)。

[注3]この活動とは別に一つの動きがありました。日本を占領したアメリカ軍は日本の電話システムの非効率に驚きました。たとえば東京から大阪に電話するとして、電話局に申し込むと、半日待たされてやつと繋がっても蚊の鳴くような声で通話に苦労するといった状態でありました。これを改善するためにアメリカ軍はアメリカからサラソンと言う若い統計技術者を呼んで、電話関係の会社(恐らく現在のNECとか日立とか)に品質管理の教育を行ったのでありました。このことは現在は忘れ去られているのです。このサラソンも数年前になくなり、その業績の概要がインターネット上に掲載されました。その詳細が掲載されたサイトがあります。(右方をクリック)→http://honoringhomer.net/bio.html

[注4]真の反省は挑戦している人に生まれるのです。とくに目標もなく毎日を成り行き任せで生活している人には挑戦の心も努力の意気込みも反省の心もないでしょう。大きな望みをもって高い目標に挑戦する人はしばしば失敗をしますが、反省して、それを克服するのです。したがって、挑戦の科学は反省の科学でもあります。

[注5]品質管理は日本ではその名前のとおり、工業製品の性能の向上や価格の低廉化のための活動と見られていますが、これはもつと広く考えることが出来ます。すなわち、品質とは製品がその顧客に与えるメリットで、顧客とはその製品が影響を及ぼすすべての人を言います。たとえばどんなに快適に走れる自動車も悪い排気ガスを大量に出せばよい自動車ではありません。排気ガスを吸わされる多くの人も大切なお客さんなのです。このお客さんの存在に気づかないメーカーはいつか没落する運命に有るでしょう。

[注6]品質管理はいつも高い目標をもってそれに対して努力する活動です。従って、これと同じ精神で家庭生活でも学業を修めるにも努力するのが望ましいことでしょう。このように品質管理活動を見る時、それはQWL(Quality of Working Life)といいます。事実品質管理活動の初期のものと見られる運動が、アメリカの航空会社の窓口や銀行の窓口で行われ、それは親切な応対にお客さんの喜ぶのを従業員の仕事の満足感にするという活動でありました。また、これを個人の日常生活に適用した場合、QL(Quality of Life)となりましょう。QOLと言われることも有ります。

[注7]戦前の欧米映画を見ますと、当時の日本に比べて豊かな生活が画面にあふれていました。白人達は黒人のメード・下男にかしづかれて豪華な食事を楽しんでいる画面がありました(今ではこのような記述も人権問題かもしれませんが)。そこでは、例えば粗末な玩具が壊れる場面があって、登場人物が「怪しむには当らない、これは日本製だからね」というセリフがあって、爆笑を誘い、日本製の粗末な玩具が揶揄される場面が良くありました。それほど、日本製の品質は悪かったのです。

[注8]日本人は新しいもの好きの傾向があり、一頃持て囃した物も古くなると、その良さを忘れて捨て去り、新しいものに飛びつく傾向があります。勿論、流行歌とかファッションなど、捨て去っても惜しくないものもあるでしょうが、真に役立つ思想や原理や技術を古いからと言って捨て去るのは明らかに損なことであります。品質管理の技術などは、時代にかかわり無い生産の技術の根幹でありますから、これを疎かにすることは技術立国のわが国には致命的な間違いではないでしょうか。

[注9]日本の品質管理活動の一つの主要な動機になっていた「デミング賞」の知名度はこの所低下して、国内企業ではデミング賞に挑戦するところが減少しています(ほとんどなくなりました)。そして、これと反対にいまはインドの企業がデミング賞を目指して品質管理の活動向上に注力しています。最近の毎年のデミング賞に応募するのはインドの企業がほとんどです。わが国内ではデミング賞の応募企業はほとんど無く、逆にアメリカで見たボルドリッチ賞は素晴らしいなどと言う人まで現れました。デミング賞を参考にしてアメリカ品質管理学会がつくったボルドリッチ賞を誉めているのです、微苦笑を誘う話です。このボルドリッチ賞はデミング賞を参考に作られたもので、授賞式には大統領も参列する国家行事に近い活動です。一方、デミング賞の式典には通産大臣代理といって通産省の若い課長が祝辞を代読するだけです。わが国の役人と政治家の無能振りはこのようなものです。

[注10]現在の世界規模での品質管理活動の状況を説明しますと、日本に始まった工業化と品質管理活動は

 日本→韓国→台湾→タイ・シンガポールなどの東南アジア→中国本土→インド→ブラジル

と進んでいます。本家本元の日本では現在は必ずしも品質管理活動が盛んとはいえない状況になったことは実に残念なことです。


<<探索、ネットサーフィン>>


統計関係図書や文献などの探索

 私の著書などの探索にはサーチエンジンを使ってください(ネットサーフィンとも言います)。その場合、直接、書名とか、プログラム名の「まるば」を入力されて探索するのもよろしいのですが、場合によっては私の名前を入力していただくとヒットする場合も多いようです。この場合、同姓同名の方が2,3名居られますが、専門が違うので区別はつきます。関係サイトの探索も同じで、サイトの名前で探索するほか、サイトのテーマや管理者の名前で探索するのも一案です。私の経験によると、著者名、書名、分野名を列記して(間にスペース一つ)検索するとヒット確率が高いようです。絶版の本も古書店の広告などで、サーチできることがあります。

[サーチ・エンジン] 文献探索(本や論文を探す)にはサーチエンジンを使います。以下に著名なサーチエンジンを示します。

  Yahoo!JAPAN   goo   Google   エキサイト   MSN   フレッシュアィ   LYCOS

なお、このサーチエンジンを探し出して使用するには、次ぎの赤字をクリックしてください。  http://www.zero.ad.jp/info/link/kensaku.html 
すると、サーチエンジンが並んでいます。好きなエンジンをクリックしてください。



<<「まるば」関連の情報>>


御知らせ

このホームページはしばしば改訂しますので、時々アクセスしてください。そのうちに統計学の教室も開きまして、ページ上で勉強も可能のようにしたいと思います。現在、横浜マイコンクラブで毎月2回勉強会をしていますが、その内容も掲載していくつもりです。ご期待ください。また、ご希望がありましたらお寄せください。

[注1]当ホーム頁を見られて、連携したいと思われた「他のホーム頁」の管理者の方が居られましたら、相互にリンクを張りたいと思います。ご連絡をお待ちしています。
[注2]立教大学理学部数学科の卒業生で私の講義聴いた方はご連絡ください。また、日本科学技術連盟品質管理ベーシックコース/高度ポリテクセンター/日本生産性本部などで私の講義を聞いた方もご連絡ください。その他、各種セミナー/社内セミナー/社内QC活動でお会いした方もご連絡ください。

エラーと思われる現象がありましたら、何でも著者にご連絡下さい。ここをクリック。



[参考になるホームページ(リンク集)]

「横浜マイコンクラブ例会の日程」 横浜マイコンクラブ http://members.tripod.co.jp/hamacon/index.html にジャンプし「○○月の予定」のページに行く
「電子図書システム」EBSA http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~ebsa/intro.html
「電子図書システム」EBQC http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~ebqc/intro.html
「統計解析のためのDLLWebページ」DLLSA http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~dllsa/jpage/index.htmll
「大脇正直氏のホームページ」 http://members.tripod.co.jp/owaki/index.html(横浜マイコンクラブ会員)
「二葉秀行氏のページ」 http://isweb22.infoseek.co.jp/business/shirope0/work1.html
「奥村先生のページ」 http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/
「奥村先生のチャット」 http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/chat.txt奥村先生のチャットについては、8月の7日の前後を見てください。
「文献探索」  http://www.zero.ad.jp/info/link/kensaku.html 左方のアドレス(赤字)をクリックして、ZEROのページにジャンプすると、そこにサーチエンジンが列挙されています。好みのエンジンをクリックしてください。



<<入会申し込み方法>>

「まるば」研究会に入会されたい方は多変量解析プログラム「まるば」を購入されれば自動的に「まるば」研究会の会員となります(上記「プログラム入手法と使用条件」参照)。会費は特別の行事のときに参加者に負担していただくことはありますが、普通は会費はありません。

横浜マイコンクラブに入会されたい方は、上記の横浜マイコンクラブのホームページにアクセスされますと、入会ホームがありますから、それに入力されればよろしいのです。また、入会しようか、すまいか、クラブの実情が分からず迷われる方はマイコンクラブの活動を見学されてから、ご入会ください。京浜急行南太田駅前の「男女共同参画センター横浜南」(もと婦人会館、駅で聞けば判ります)で催される例会を見学されて、実情を見てください。クラブに入会されますとき、入会金千円と年会費一万円をお納めください(年間24回の研究会の費用)。会費の納入は実際に入会されて、勉強会に参加されたときにお願いします。なお、ご疑問などは副会長の川崎(上記横浜マイコンクラブ・ホームページ)か小林(電話03-3791-3118、ファックス03-3791-3119両方可)に問い合わせてください。

[注]「まるば」研究会と横浜マイコンクラブは別の組織です。「まるば」研究会は小林がプログラム「まるば」を配布した方を対象に趣味の会として作ったもので、会員は1000人以上で全国に分布しています。「まるば」研究会のメンバーのうちで横浜または横浜近郊に住んでいる方で統計の勉強をしたい方が横浜マイコンクラブの活動の中でグループを作り勉強しているのが「まるば」勉強会です。



<<質疑応答および談話室>>

質疑応答のページを設けましょう。但し、統計学の全般の質疑に私一人で完全に対応するのは難しいので、統計学の基本と私の専門とする分野に限らせてください。それは、標準の統計学の基礎(離散分布では二項・ポアソン、超幾何分布、正規分布、χ二乗、t分布、F分布)、統計的仮説検定の理論、統計的品質管理(作業標準、QC工程表、管理図、抜き取り検査、実験計画法、直交配列表、重回帰分析、主成分分析、数量化理論/コレスポンデンス・アナリシス、ISO9000など)、市場調査(標本調査)などです。中には大変難しいご質問もあってお答えできないこともありましょう。そのときには難しくてお答え出来ないとお答えさせて頂きます。なお、私はOR(オペレーションズリサーチ)も教育を担当したことがありますので、この分野のご質問もお受けいたします。初心者の方も遠慮されずご質問ください。勿論無料相談ですが、卒業論文の手助けをしてくれとか、前にも述べましたが、各種の資格試験/検定試験に出そうな問題の答えを教えくれというような、質問者の目先の利益を目的とするご質問にはお答えしません

なお、ここでお受けした質問で、ほかの方にも参考になりそうなものはこのホームページに質疑を掲載させてください。掲載の際にはお名前はご希望により伏せます。このことをご了解の上ご質問をお寄せください。ご質問は成るべく e-mail で御寄せください(図やデータがあつてe−mailでは不可能の場合は普通の郵便でも構いません)。宛先はmailto:r-k@c05.itscom.net です。これがご不便の方は上記の著者住所あて郵便で、または、ファックス番号(同じく上記)によつてファックスで御寄せください。


[談話室]私は敗戦直後(といっても、昭和30年頃)卒業し働き始め、色々の大学、企業に顔を出しましたので、思いもかけないところで、声を掛けられることもあります。専任で勤めたところは立教大学と桃山学院大学ですが、非常勤で勤めたところは明治大学工学部、中央大学理工学部、早稲田大学理工学部、筑波大学、東京農工大学、日本大学生産工学部などです。なお、勤めたのではないのですが、教授に頼まれて、その教授のゼミに参加し手伝って上げた武蔵工業大学もあります。研究所としては、日本開発銀行(現政策投資銀行)の設備投資研究所の研究員(非常勤)として勤務(立教が本務です)したこともありました。なお,大学卒業後数年東京大学工学部航空学科に助手として数年勤務しました。

産業界の方の教育機関としては、日本生産性本部、日科技連、日本生産科学協会、海外技術者研修協会、早稲田大学エクステンションコース(産業人のための大学院)、富士通専門学校(現在廃止、蒲田にあった)、日本開発銀行の付属設備投資研究所(非常勤研究員)、高度ポリテクセンター(産業人に対する教育機関、厚生労働省の外郭団体、現在もセミナーを開催中)などです。まだありますが、正確な名前を思い出しません。

また、個別の企業のご依頼で品質管理の社内教育に携わりました。八幡製鉄(現新日本製鉄)、日本鋼管、トヨタ自動車、小松製作所、富士通テン、本田技研、NEC、東京電力、北海道NTT、凸版印刷などです。まだ、あると思いますが、今,急には思い出しません。

これらで、お目に掛かって、私のことを覚えておられる方はメールをください。



<<教室と質疑応答室>>

このページのほかに、教室1、教室2、......と別ページをつくり、話題別に議論をしたいと思います。以下にそれぞれの教室に分岐するリンクが張ってあります。下にある「教室?にジャンプ」をクリックしてください。

教室1にジャンプ 教室2にジャンプ 質問室にジャンプ


[注]ジャンプ先からこのページにもどるにはマウスを右クリックしてメニューを出し、「前に戻る(B)」をクリックしてください。