濃縮におけるプロ技。失敗は死を意味するのだ。 |
さて、あとは分析に向けて最後の仕上げです。
お掃除が完了したら、次はトルエンをドンドン蒸発させて
濃縮しなくてはなりません。
なぜ濃縮が必要なのか??
それは、たとえ環境中で悪さをするくらいたくさんの量がある、
とされている土の中のダイオキシン量でさえも
物凄く微量だからです!
詳しくはだいおきしんってなぁに?を見てくださいね!
とにかく、トルエンをドンドン蒸発させて、
濃〜〜いダイオキシン溶液を作らなくては
薄すぎて分析できません。
薄味を煮詰めて濃い味にする――そんな作業です。
***
蒸発させるには暖めてあげることが基本です。
しかし!
どこまでトルエンを蒸発させるのかというと、
薄っすらと湿っているかな??位まで!
なのです。
完全に干上がってしまうと、ダイオキシンも一部、蒸発してしまうからです。
暖める方法だと、細かな調整がきかないので、
すぐに干上がってしまいます。
そこで、ある程度暖めてトルエンを蒸発させたら、
風を吹き付けて、トルエンを蒸発させます。
この濃縮作業、トルエンを干上がらせてしまったら失敗なので
めちゃくちゃ神経を使います。(運の良さが高いと、大丈夫といううわさ・・・)
そう、干上がる一歩手前に
寸止めをする度胸と経験が必要
なのです。
こうして得られた干上がる一歩手前のダイオキシン溶液。
今度は、そこにデカンという溶媒を加えて、
その溶液を
100マイクロリットル(1mlの十分の一)
という、ある決まった量にします。
なぜ、決まった量にするかというと、
そうしなくては、その溶液の中のダイオキシンの量を
しっかり把握することができないからです。
水泳が好きな人が10人いたとしても、
全体が50人中10人なのか、
全体が300人中10人なのか、
で、全然10人の意味が違いますよね!
全体の人数(全体の量)をしっかり把握するのが大切なのです!
これで、やっと分析に取り掛かることができます。
ここまでの所要時間、約4日。
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