最後の仕上げ、長い旅の終着駅。 |
先ほど、やっとできた100マイクロリットルのダイオキシン溶液。
それを分析機械に注入し、
どんな種類のダイオキシンが入っているか?
と
それらは、どのくらいの量があるのか?
ということを測定します。
ご存知の通り、ダイオキシンには200種類近くあます。
つまり、この作業を行うには、この200種類近い
ダイオキシンを一つ一つ分けなくてはいけないのです。
では、どやってわけるのか??
そこで、一億円の分析機械の登場です!
(これっす。無断リンク。)
この機械に、先ほどのダイオキシン溶液を注入してあげれば、
40分後くらいに、
どんな種類のダイオキシンが、どのくらい入っているか?
という情報を得ることができます。
その後、その情報から、どのくらいの量が入ってたのか??という
ことを、計算します。
***
この分析機械は、2つの方法を組み合わせて
ダイオキシンを測定してくれます。
一つ目は、ガスクロマトグラフィーという方法です。
二つ目は、質量分析という方法です。
ガスクロマトグラフィーで、約200種類もあるダイオキシンを
分けて、質量分析計でその量を測定します。
この1億円とかいうバカ高い値段は
この質量分析計のお値段です。
なぜ高いのか?といいますと、この質量分析計、
0.0001gと0.0002gは違う重さだ!!
と判断する力がある、
とっても敏感(高分解能)なやつだからです。
例えば
体重40.0001gの女の子Aが4人、
体重40.0002gの女の子Bが9人
いたとします。
高分解能質量分析計をつかえば、
女の子Aが4人、Bが9人だ!
と分るのですが、
普通の質量分析計だと、
女の子13人だなっ!
となってしまいます。
どうやってそんな重さを見分けるのか??
それは、ソフトボール投げと砲丸投げを使って説明できます。
ソフトボールと砲丸を同じ距離、例えば10mまで投げることを考えます。
軽いソフトボールは10という力が必要になるとします。
重い砲丸はどのくらいの力が必要でしょうか?1000は必要かもしれません。
10m投げるのに、どのくらいの力が必要か?ということがわかれば、投げた物の重さを特定できますよね。
この力の強さ具合を細かく測定できるのが、この質量分析計なのです。
ダイオキシンを測定するためには
約200種類一つ一つの体重がとても似ているので、
この位の能力がなくてはダメなのです。
一方、ガスクロマトグラフィーの原理を説明しますか。
ちょっとダルイ説明なので、辛かったら飛ばしてください。。
***
ビルの屋上から、同じ重さの鉄球と紙を
下に落とすことを考えてください。
どちらが速く地上に到達するでしょうか?
もちろん、鉄球ですよね。
なぜなら、紙は空気の抵抗をうけて
ヒラヒラ舞いながら落ちてくるからです。
では、同じ重さの紙とダンボール紙ではどでしょうか??
ダンボール紙の方が、早く落下するでしょう。
なぜなら、ダンボール紙は、紙よりもしっかりとした造り
になっていて、空気の抵抗を受けにくいからです。
こうしたことを利用して、
同じ紙でもその僅か性質の違いから分離できる
のです!!
つまり、このガスコロマトグラフィーでは
約200種類のダイオキシンそれぞれ性質の
微妙な違いを利用します。
ガスが流れている特殊な管の中を
それぞれのダイオキシン達が通り抜けるのにかかる時間の違い
によって分離するのです!
***
こうして分離された後、質量分析でさらに分析します。
こうして、やっとダイオキシンの量に関する情報を得ることができるのです。
さて、情報、と書いたのは理由があります。
今度はその情報から、ダイオキシンの量を読み取らなくてはならないのです。
そちらは、体験記の方で詳しく書きたいと思います。
おつかれさまでした!
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