2004年9月21日
「かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会」は、9月17日、横浜市議会大学教育委員会(横浜市議会の常任委員会で義務教育、高校教育、大学教育を扱う委員会)の委員長に次のような内容の要請書を提出しました。
以下に、その要請書を資料として紹介します。
横浜市市議会大学教育委員会
委員長 川辺 芳男 様
要 請 書
2004年9月17日
かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会
(かながわ定通懇談会)
私たちは神奈川県内で後期中等教育、とりわけ定時制・通信制高校の問題を考える組織が集まって結成した「かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会」と申します。以下に、私たちの基本的な考え方と要望事項をお示しいたします。ご理解をいただきご配慮たまわりますよう、貴常任委員会との懇談をお願いいたしたく文書にて要請いたします。
基本的な考え方
現在、中学校の卒業生の進路希望として、私学への進学希望はけっして少なくありません。しかし、経済的な困難さと私学助成や奨学金等、制度の不十分さにより、最終的な進路希望を公立高校とせざるを得ない現状はだれもが認めるところであろうと思います。こうした現状を背景に、神奈川県ではここ数年来、高校入試の混乱が続いております。いくつか原因は考えられますが、主因は中学卒業生の強い公立志向と向き合わずに、公立と私立の入学定員が策定されていること、および1500人もの生徒が学んでいた横浜市立の定時制高校を募集停止にしたところにあると考えます。現実の問題として、昨年度も私学では2047人の定員制れをおこしていますし、定時制の入試では異例ともいえる三次募集が行われました。最初から定時制を希望する生徒が増えている現状と、多くが公立高校への進学を希望していることを考えあわせる時、公立高校の定員を増やす必要性を強く感じるとともに、定時制の募集定員も増やして、定時制教育を充実させることも必要不可欠であると考えます。この問題を放置するなら、また来年も同様な混乱が繰り返されるであろうことを、私たちは強く危惧します。
要請事項
・私学への入学を希望する生徒が、経済的な困窮を理由に進路変更することがないように、私学助成の増額と奨学金制度のより一層の拡充を、県および市に要望して下さい。
・公立の全日制高校への進学を希望する生徒が多くいる(進路希望調査から)という現状を考え、公立高校の募集枠の拡大を求めます。横浜市教委は、「平成17年度神奈川県立高等学校入学者の募集定員等に関する要望」を県教委に提出しましたが、県教委にはこの要望を聞き入れて早急に対応するよう求めるとともに、市教委にはさらに県教委にはたらきかけるよう要望して下さい。
・定時制高校への進学を希望する生徒が増えている(進路希望調査から)という実態、および不登校を経験した生徒や日本語を母語としない生徒、経済的に困窮する生徒、過年度卒業生(高校中退者を含む)等の全日制への進学をあきらめざるを得ない生徒の存在を考え、定時制の募集定員増と定時制教育の充実を県教委と市教委が協議するよう要望して下さい。併せて、募集停止になった市立定時制4校での募集再開と戸塚高校定時制の存続(募集の継続)を市教委に求めて下さい。
・今年度、定時制のクラス定員が40人になりましたが、これはあくまでも緊急避難的な措置であったと理解し、次年度以降はクラス定員を35名に戻すよう県教委と市教委に要望して下さい。
・横浜総合高校の施設・設備は、県下最大のマンモス校にして県下最低のものでしかありません。新校舎の建設を市に強く要望して下さい。