シリーズ 今、定時制高校では @

わが子を受け入れてくれた定時制

県立A定時制高校保護者


  私の子どもTは、 5歳くらいまで言葉を話せない自閉症的傾向の子でした。5歳を過ぎた頃から少しずつ言葉が出てきて、幼稚園へ1年間だけ行き、小学校は特殊学級へ通い、普通級へ交流に行かせてもらいました。特殊学級では、基本的訓練をきめこまかに指導してくれました。そのおかげで、中学校は普通級へ行きました。この選択は生まれて初めて本人の意思で決めたことでした。

  そして、高校受検。これも本人の意思で、私立高校、公立全日制高校の両方を受検させたのですが、だめでした。本人はどうしても高校へ行きたかったようで、定時制高校を受検すると言いだし、最後のトライをしました。発表の時、Tの受検番号67がありました。私は、あのときのTの顔が忘れられません。とてもいい顔でした。晴れて高校生です。Tにも高校生活がおくれる。それを考えると、とても幸せで胸がいっぱいになっていました。

  でも、いざ入学となると、いろいろ心配になりました。高校は義務教育ではないので、中学とは違うことが多いのではないか。Tは新しい友達とやっていけるのだろうか。迷惑をかけるのではないか。先生は、Tのことを理解してくれるだろうか。考えると、きりがありませんでした。

  今年、3年生になりましたけれど、今のところ大きな問題もなくやってこれました。定時制の先生方はTのことを理解してくれて、友達も受け入れてくれたようです。勉強はできないものとあきらめていたのですが、中学のように進むのが速くてわからないということもなく、わかりやすく丁寧に教えてくださるようで、Tにはとてもよかったようです。入学しなければわからないことが多かったのですが、私たち親子は、定時制高校に入学できてとてもよかったと思っています。

「今、定時制では」
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