2005年11月4日

 10月29日、横浜市いせやま会館において、「06年度の入試は大丈夫 10.29かながわの高校教育を考える緊急集会」が開かれました。横浜市立定時制高校の生徒をはじめ、保護者、定時制・全日制の教職員など約30名が参加して、高校の入学定員、定時制の教育などについて話し合いました。また、アピール文を県教委、市教委に提出することを確認しました
 その集会で、県立定時制高校の保護者が、公立高校の入学定員について切実な思いを報告しました。それを、以下に資料として紹介します。  

 
 現在、県立の定時制高校1年生の娘がいる母親です。娘は中学の時は不登校だったため、中3の時の担任には公立高校は無理だと言われていました。担任にうちの子のような状況の生徒は今まで高校はどうしていたのか?とたずねるとサポート校か私立に行ったと言われ、現にある私立高校をすすめられました。

 しかし自宅から遠い事、経済的な事などで、親子共々乗り気ではありませんでした。不登校でも公立高校に入る事ができることを「不登校の親の会」の方々から伺って当時、昼夜逆転していた娘も午後から始まる学校なら行かれるかもしれないと言って、前期・後期とも横浜総合高校の午後部を受験しました。

 でも、特に前期は高倍率で全く歯がたらませんでした。後期もダメでした。娘は今まで家に引きこもっていた自分と決別して、高校という新しい道を踏み出せたら自分も変わるのではないかという希望があったようですが、出鼻をくじかれ、私も今まで以上に悪い状態が続くのではないかと恐れていました。

 その後、追浜高校の定時制の2次募集があり、「どうせ不合格だからもう受験しない!」と言う娘を説得して受験させました。おかげさまで合格して、1学期は一日も休まず通学し、成績もクラスで上位にいると担任の先生から言われ、軽音楽部にも入り、先日の文化祭ではステージに上がって発表していました。

 またファストフードでアルバイトもはじめて高校生活を楽しんでいるようです。娘には定時制の家庭的でゆったりとした学校生活が合っていたようです。娘のように高校で新しい道を踏み出せるお子さんが一人でも多くなるよう教育委員会の方々も努力していただ<事を節に望みます。


 私は港南区で8年前から不登校の親の会に参加しています。私の子どもが進学した県立の定時制では、ここ数年の入学定員に関する混乱の結果、適正規模を大幅に上回るこどもを受け入れざるを得なかったため、大変な事態に陥っています。アンケートによると50%以上の子が全日制を希望しながらできなかった不本意入学であり、外国籍の言葉のわからない子どもたちと日本人の対立があったり、また40人を超えるクラス編成の中では、学習意欲のある子の学習権を守るため、教室の内外で騒ぐ学習の遅れがちな子に、「家に帰りなさい」という苦渋の指導をせざるを得なくなっています。

 また、うちの小さな会の中でさえ、進学が保障されない不安から、リストカットを繰り返したり、摂食障害に陥る子、また家出を繰り返し補導されるなどの苦しみを抱える子どもが常にいますし、数年前には学校に対する不安から自殺してしまった子が出てしまいました。

 不登校の子たちの多くは、昼間、普通の子と同じように学校に通い、生き直しをすることを望んでいます。またどうしても行き場所がなくなった場合や、定時制のもつ暖かさを求める子のために、最後の砦としての定時制で、学びの場が必ず保障されることを望んでいます。ぜひ、子どもたちの実情を知っていただき、これ以上苦しみが続くことのないように、入学定員の大幅な拡大をお願い致します。

 中学2年の娘の進路問題が現実的になってきました。学校では具体的な話はしてもらえないのですが、塾の面談のことです。旧南部学区は県立高校再編により本当に高校の数が減り、また1校統廃合されますから、今の子どもの学力では行くことのできる高校がだいぶ少なくなってしまうということです。

 塾で勧められたのは隣の旧中部学区の学校のいくつかでした。名前すらほとんど知らず、近いからと言われても最低でも二つの交通機関を乗り継いで1時間はかけて通学しなければなりません。徒歩か、せめてバス一本で通える距離を、と望むことは実に難しくなりました。とにかく塾も必死でデータを集めていますし、教材も工夫しています。否が応でも塾を頼りにせざるを得ないのが現実です。

 一年後、公立高校がどのように改革されているのか分かりませんが、少なくとも改悪だけはして欲しくありません。

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