2005年11月1日

 10月29日、横浜市いせやま会館において、「06年度の入試は大丈夫 10.29かながわの高校教育を考える緊急集会」が開かれました。横浜市立定時制高校の生徒をはじめ、保護者、定時制・全日制の教職員など約30名が参加して、高校の入学定員、定時制の教育などについて話し合いました。
 その集会で、参加者によってt確認された集会アピールを、以下に資料として紹介します。



10.29集会アピール

 本日、私たちは「06年度の高校入試は大丈夫?」と問う『かながわの高校教育を考える緊急集会』を開催しました。

 今日、教育改革の名の下に全国的に学校の統廃合や縮小が行われ、とりわけ首都圏では東京を始めとして凄まじいものがあります。ここ神奈川県でも県立、市立を問わず、2002年度以降、高校進学がきびしい兢争率の下におかれ、通信制を除く進学率は全国第46位(全日制では第40位)で下から2番目という状況です。この実態が示す通り、公教育の機会保障という点からしても問題有り、と言わざるを得ません。

 少子化が進めば受験競争は緩和され、受験教育の歪みが正されて当然ですが、本県の教育政策は全く逆の方向に進んでいます。県立高校25校削減の根拠が崩れても、「改革推進計画」の名のもとに削減を強行し、横浜市では三部制総合学科高校を開校して、定時制高校全5校のうち4校を廃校(1校は生徒があふれ、存続中)にしてしまいました。また、川崎でも市立の定時制高校の統廃合が進められようとしています。

 さらに、不況による私学志望の減少が公立高校の競争率を引き上げ、公立の全日制高校への進学を断念しなければならない生徒が増加しています。このような、教育の機会を子どもたちから奪う「改革」の失敗が、定時制高校へ志願者が殺到する事態を生み、定時制にも進学できない子どもたちを多数出す、という状況はとても容認できるものではありません。

 にもかかわらず、知事が参加する「公私立高校設置者会議」(設置者会議)で決定した来年度の公立高校募集定員は、県教委提案よりも約l000人少ない38000人でした。それが10月28日の発表では、38178人(この他に県外からの受検者など440人)とされ、必要数を約800人も下回っています。これでは、ここ数年来続いている入試の「混乱」が、来年度の入試でも起こるのは必至ではないでしょうか。

 本日の集会では、こうした事態を回避し、行政のいう「教育改革」を是正し、生徒や父母の立場に立った改革をめざすことの重要性が確認されました。具体的には、「公私立高校協議会」・「設置者会議」で確認された「公私が協調することにより (1)生徒の視点に立った定員計画を策定すること (2)全日制高校への進学実績を向上させるよう努めること (3)生徒一人ひとりの希望と適性に応じた進路を確保することを目標とした定員計画とすること」を、名実ともに備わったものにするよう県内の各教育行政に求めます。教育基本法第三条には「教育の機会均等」が謳われていますが、これを実体あるものにすることは私たちの責務ではないでしょうか。

 私たちは本集会を一つの起点として、以上の実現を目指して不退転の決意をもって運動を進めることを宣言するとともに、この集会の名において以下の四点を要請します。

    ○「神奈川県立高校改革推進計画」の見直しを求めます。
    ○横浜市関内地区に市立定時制高校の再開校を求めます。
    ○川崎市立定時制高校の統廃合計画を中止するよう求めます。
    ○私学助成や学費補助、奨学金制度をじゅうじつして、学費の公私格差是正を求めます。

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