1999年9月12日

7.10教育シンポジウム

「不登校・登校拒否をどうみるか」

                         ― 生徒、保護者、教職員が熱心に討論  ―



  7月10日(土)、希望ヶ丘高校会議室において、「不登校・登校拒否をどうみるか」と題して、パネラーに「横浜登校拒否を考える会」世話役の村田由夫氏を迎えてのシンポジウムが開かれました。当日は、30度を超す猛暑のなか、2時間も前から待っているお母さんもおられ、総勢26名の参加のもと大変熱気に包まれた雰囲気の中で開会しました。また、その日は、希望ヶ丘高校定時制の佐々木健雄君もパネラーとして出席し、不登校にいたった気持ちを素直に語ってくれました。

 ☆わが子が学校に行かなくなると、親はどうなるか

  はじめに、村田氏よりご自分の体験を通して、登校拒否に直面すると、親はどういう心情にとらわれるか、つらい思いを具体的に語ってもらいました。子どもが学校に行くことを拒否し、子どもの部屋がひどく荒れ果てた状況になったとき、この子の将来はないなと思ったそうです。

  無理やり学校に通わそうと試みたこともありましたが、学校という仕組みが子どもを抑圧しているのではないかと感じたと述べておられました。子どもたちにも、学校へ行かない自由が認められて良いのではないかと、現在の心境を語っておられました。

 ☆定時制高校と不登校生徒との関わりは

  次に、横浜翠嵐高校定時制の教員である松藤氏より、夜間定時制の学校現場において、不登校の生徒がどのくらい勉学に励んでいるか、具体的な数字をもとに話してもらいました。中学で不登校の子どもが、定時制に通うようになってから、勉強に行事に生き生きと活動する姿を、かなり高い率で見ることができるとのことでした。

 ☆不登校から定時制へ ―僕の場合はこうだった―

  最後に、佐々木君が自分のたどった不登校の軌跡を冷静に分析してくれました。彼は小学生の時、身体が弱く学校に通わなくなりましたが、高学年になると、勉強についていけなくなって、友達も学校もすべて嫌になったそうです。毎日、ファミコンをやっていましたが、今考えると、それが精神を安定させる役割をしてくれたようです。

  「何もしないまま、人生を終わりにしたくないと思い、定時制高校に入学しようと決心しました。そうした思いが、あれだけ嫌いであった学校に対する気持ちを上回ったんだと思いました。そして、学校へ行こうと行動を起こしはじめた頃から、不思議なことに頭の中にかかっていた霧というかもやのようなものが、晴れていくのが分かりました」と佐々木君は明るく話してくれました(佐々木君の報告全文は、こちらをクリックして下さい。「県立高校生の報告」)。

  その後、7名以上のお母さんが、母親の立場から、ご自分の家庭のなかではどうだったのか、不登校に対する無理解への苦しくてやりきれない思いを語ってくれました。  不登校に対するさまざまな考え、特に生徒自身の声や保護者の意見を聞くことができて、有意義なシンポジウムであったと思います。

トップに戻る