2005年3月21日

 3月18日、県内教育関係5団体が「定時制二次入試における大量の「不合格」に関する緊急措置に関する要請書を県知事と県教育委員会委員長に提出するとともに、県教育委員会事務局と交渉をもちました。「かながわ定時制教育を考える会」会員もその交渉に参加しました。
 以下に、その「要請書」を資料として紹介します。

2005年3月18日

神奈川県知事 松沢成文 様
教育委員会委員長 平出彦仁 様

05年度定時制高校二次試験の大量「不合格」に関する緊急措置に関する要請書


新日本新婦人の会神奈川県本部

会長 柳下靖子

子どもと教育・くらしを守る神奈川県教職員連絡協議会

議長 福田 やよい

横浜市立定時制高校の灯を消さない会

代表 高坂 賢一

不登校の親の会(こだまの会)

代表 馬場 千鶴

神奈川県教育運動連絡センター

事務局長 加藤.誠


 貴職におかれましては、神奈川の教育の充実と発展のために、日ごろからご努カされていることに敬意を表します。

 今回、私たちが強く要望してまいりました募集定員の拡大につきまして、定時制二次募集定員を100人増員していただき、感謝申し上げます。

 しかし、志願変更後の各校の定員オーバー状況をみますと、130人(要請書提出後144人に訂正)の不合格者が出る計算になります。特に、横浜地区の普通科で53人、川崎地区の普通科で26人、湘南地区の普通科で43人、合計122人の定員オーバーがあり、絶対数でも定員が50人不足しております。定時制でのこうした事態は、高校再編以前にはなかったことです。

 その原因は、中学卒業生の減少にともない、公立高校の定員をより多く削減してきたところに、リストラ・賃下げ、不況倒産、家計高負担、貧富の拡大などの経済状況が厳しく迫り、私学助成の貧しい本県にあっては、私学に経済的に進学のできない子どもが増えているためと考えられます。さらに、私立中学が増えて、公立中学から私立高校に進学する割合が下がっていることも無視できないと考えられます。
 
 今回も志願変更で調整できる範囲を超え、川崎、湘南地区の高倍率もその多くは横浜地区の定員不足に原因があり、夜間通学の安全性、交通費の高負担などを考えると横浜地区に定員を新たに確保しなければなりません。
 また、工業関係の欠員は、志願変更でもうまらなかったように、専門性が高く、誰でも選べる学科ではありません。その不本意入学が、中退者を増やす原因ともなります。
 
 この他にも、前期、後期、あるいは全日制の二次の選抜試験で不合格となって、投げ出してしまっている子どもたちも大勢いることも考えなければなりません。二度三度と「不合格」になっても、進学をあきらめずに受験してがんばっているこの子たちの希望をかなえて、育てて社会に送り出していくのが行政の責任です。
 
 02年度、04年度、05年度と毎年のようにこうした事態をまねいている行政の責任は重大です。その原因の一つは、横浜市の定時制再編・統廃合による関内地区定時制の縮小にあります。三部制の横浜総合高校がその代替をはたしているとはいえないのは現状をみれば明らかです。

 子どもたちにとっては、一生に一度の高校受験です。学習の場が保障されますように、以下のような緊急措置等をとっていただくよう要請いたします。

1.地域や学科の偏りを配慮しつつ、県教委の「定時制の倍率は1.1倍以内におさえる」との方針が守られるよう、施設・設備の許す限りの合格枠の拡大をはかること

2.定員拡大、合格枠拡大を実施した学校には、少人数学級の展開ができるだけの教職員定数の配置をはかり、施設・設備面の整備の予算を加配すること。

3.定時制の3次募集を実施すること。

4.横浜地区の定員不足を解決するために、横浜市立総合高校、または横浜商業高校に戸塚高校定時制の普通科の分教室を検討すること。

5.毎年繰り返される混乱を解決し、定時制の良さ、“小規模”、“少人数”を守れるように、抜本的対策をすること。
 そのためには、当面、横浜市立みなと総合高校または横浜商業高校に普通科の定時制を併設するなどの具体的検討を進めること。

以上

04年度入試の二次募集を前にして、県内教育団体の入学定員に関する緊急措置の要請書

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