2026年5月15日
「主任(主務)教諭」を設置している東京都は、他県より一般教諭の基本給が低い職場に格差と分断を持ちこみ、教職員間の協力・共同が壊される
主務教諭設置に反対する運動を強めよう
昨年の通常国会において、「公立学校等における給与等に関する特別措置法」(以下、給特法)をはじめ、学校教育法、教育公務員特例法等の一部改定の法案が成立しました。
それによって、教諭の上に「主務教諭」という新たな職を設置することができるようになりました。神奈川県において、総括教諭が導入された時、組合は教諭すべての賃金アップにつながると宣伝しました。しかし、実際は総括教諭のみのアップでした。
主務教諭の役割と具体的職務内容
給特法」の改定とともに、すべての校種に新たな職として「主務教諭を置くことができる」という学校教育法の一部改定が行われました。
法案の要綱には、「主務教諭の職務について、児童の教育等をつかさどり、及び命を受けて学校の教育活動に関し教諭その他の職員間における総合的な調整を行うこととする・・・」と記されています。
具体的な職務内容としては、若手教員のサポート、 そして学校内外(教職員および保護者や地域)の関係者との調整、また、教職員間の連携を強化し教育活動に関する調整、さらには教員の業務量の適切な調整などが考えられています。
主務教諭の設置によって業務は効率的になるのか
昨年の法案審議の際、当時の文科大臣は「主務教諭の配置により、学校全体の業務をより効率的に行うことが可能となる」と述べました。
しかし、昨年実施された全日本教職員組合による時間外労働アンケート調査によって、主務教諭と同様の職である主任教諭を設置している東京都が、勤務終了時間後の残業、そして持ち帰り仕事も他の道府県より多く、時間外労働が深刻であることが明らかになりました(本紙『ニュース173号』参照)。
主務教諭設置は一般教諭の賃金アップになるのか
今回の改定では、総括教諭の下、教諭の上に主務教諭を設置し、主務教諭と教諭の間に、月6000円の賃金格差を設けようとしています。
東京都では、主務教諭と同様の職である主任教諭をすでに独自に設けています。しかし、一般教諭の給料基本給は他県より低く、主任教諭になると他県の教諭並みになります。主務教諭設置により、一般教諭の基本給の据え置きや実質的引き下げが行われる恐れがあります。
抑制する制度とされている残業代支給を導入すべきです。さらに、根本的に解決するためには、教員の基礎定数増によって正規教員を大幅に増やすことが必要です。
人事委員会による主務教諭設置に関わる勧告
昨年10月、神奈川県人事委員会は職員の給与等について勧告を行いました。そこで、主務教諭に関しては、次のように述べています。
「主務教諭を設置する場合又は給料表の号給増設の見直しを行う場合は、本委員会と協議の上・・・・改定後の給料表を改定すること」
大阪府は、2027年4月から主務教諭を設置するということを提示しました。神奈川県においても、今後こうした提示がなされることが危惧されます。
主務教諭設置は、職場に格差と分断を持ち込み、教職員間の協力・共同を壊します。主務教諭の設置に反対する運動を強めていくことが重要です。
・「主任(主務)教諭」を設置している東京都が、他県より残業が多い 時間外労働解消、主務教諭設置反対の運動構築を
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