2021年12月30日

  教員免許更新制は即廃止・更新講習凍結を

行政研修の強制ではなく、主体的・自主的研修の尊重を

 
 中央教育審議会は11月15日、現在の教員免許更新制を「発展的に解消」したうえで、研修履歴を管理し行政研修を強化する「審議まとめ」を文科大臣に報告しました。文科省は来年の通常国会で法改正を目指すとしているものの、改正法が施行される前に免許の期限を迎える人には更新の手続きが必要になります。


教員免許更新制の弊害・誤りを認めず、
「新たな教師の学びの姿」を実現できないから「発展的に解消する」というごまかし

 「審議まとめ」は「令和の日本型学校教育」を担う教師には、「質の高い学習コンテンツ」やデジタル技術の活用などが求められており、「新たな教師の学びの姿」を実現する研修の重要性を強調しています。

 そのうえで、こうした『学びの姿』を実現するために、「教師の学びと免許状の効力を紐付けた教員免許更新制は、その疎外要因になると考えざるを得ない」と記されています。

 さらに、教員免許更新制が「一定の改善策を講じたとしても、教師の資質能力の確保、教師や管理職等の負担の軽減、教師の確保を妨げないこと、これらが並立するものとすることは直ちに困難である」としています。

 「審議まとめ」は、更新講習に係る教員の負担が大きく多忙化を増大させていること、そして未更新者が増えることにより教員配置が困難になっていること、こうした教員免許更新制の弊害や誤りを率直に認めていません。強調しているのは、教員免許更新制では「新たな教師の学びの姿」を実現することができないということです。

研修履歴を管理し、行政研修を強制 従わなければ懲戒処分も

 「審議まとめ」は、「研修受講履歴の記録管理、履歴を活用した受講の奨励の義務付けは、中核的な仕組みとして機能するものとなる」として、研修を管理、義務付け、強制しようとしています。

 そのために、「一人一人の教師に研修受講履歴管理システムを利用するためのID(識別番号)を適切に付与することが必要になる」と記しています。これを利用して「特定の教師が・・・・期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合は、・・・職務命令に基づき研修を受講させること」、「職務命令に従わないような事例が生じた場合は、・・・・懲戒処分の要件、・・・・に当たり得る」としています。

行政研修強制・懲戒処分は教員の国家統制につながる
研修は、本来主体的・自主的研修であるべき

 教育公務員特例法は、次のように一般公務員とは異なる教員の研修権を保障しています。

 ・教員は、授業に支障がない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる(22条2項)

 ☆本属長の承認を受けてという条件は一種の形式的手続きにすぎず、校長に代表される学校教師集団の確認を受けてという意味に条理解釈されるから、校外自主研修が校長の一存に委ねられることはありえない(『国民教育小事典』

 研修は、教育公務員特例法が規定しているように、校長に代表される学校教師集団の確認を受けたうえで、本来教員一人ひとりが生徒や学校、地域の状況を踏まえ主体的・自主的に行うべきものです。

 県教委などの任命権者が研修履歴を管理、教員本人が必要と思わず望んでいない研修であってもそれを強制し、従わなければ懲戒処分もあり得るという「審議まとめ」は、教育への国の介入や教員の国家統制につながる恐れがあります。

 教員免許更新制は即廃止し、早急に法改正を実施すべきです。それまでの間に免許期限を迎える教員には更新講習を凍結したうえで免許失効を停止するよう働きかけていく必要があります。
 それと同時に、行政研修強制反対と主体的・自主的研修尊重の声を大きく挙げていきましょう。
 

                ・これまでの弊害がコロナ禍で臨界に達した教員免許更新制は小手先の手直しではなく、早急に廃止を!

                トップ(ホーム)ページにもどる