「第5話 君は大切な人」

中間テストは最悪な結果に終わったエアリスとクラウドだった…が
期末テストはザックスの指導の成果があって補習をまぬがれた。

”さあ楽しい夏休み”ということで2人は近くの遊園地に遊びに来ている

「さあて♪何から乗ろっか?」
「エアリスが乗りたいやつでいいよ。」
「ほんと?クラウド大好き〜!じゃあさジェットコースターから乗ろうよ♪」
…俺乗り物酔いするやつ苦手なんだよな、でもしょうがないか

・・・がやがや・・・
2人が乗り場についたとき、そこには人だかりができていた
「なにやってるんだろ?」
「なんかあそこにいる人が騒動をおこしてるみたいだな…」
クラウドは人だかりの中でひときわ目出っている人物
…いや怪物と言ったほうが良いだろうかを指差した

「乗せねえとはどういうことだ」

「ですから〜お客様のお嬢さんは規定身長をみたしてないんですよ。」

「そんなこと知るか!」

大声をはりあげた男に、遊園地の係員が理由を説明したが男は聞く耳もたず

「バレット先生〜もうあきらめましょうよ〜」
「ザックスはだまってろ!」
「もういいよ父ちゃん、他の乗ろうよ」
「マリンがそう言うならもういいが、次から気をつけろよ!」
「は、はい!わかりました…」
係員はようやくある意味怪物な人間"バレット"から開放された…

「世の中には怖い人もいるんだね、ああいう人とはつきあいたくないね」
「てっいうかクラウド、さっきのってバレット先生でしょ?なぜかザックスもいっしょだけど」
「ああ、俺、バレットは教師と思ってないから…あんなのヤクザと変わんないよ」
「クラウド…後ろ…」
(うん?エアリスは青ざめた顔してどうしたんだ?
それにさっきから後ろに殺気を感じるのはなぜだ?)

・・・ズギャーン!バババババババ・・・

クラウドの疑問はすぐ解けた
そして彼は10メートルほどふっとばされた…

「おーいクラウド大丈夫か?」
「お前なんでこんなとこにいるんだ?」
「いやあバレット先生にさそわれてさあ。ホント、ラッキーだったよ…」
(無理やり付き合わされたんだな)
それはザックスの顔がまさに物語っていた

「父ちゃん、早くちがうアトラクションにのろうよ〜」
「ちょっと待ってろ!今いいこと考えた…クラウドとエアリスも付き合えよ!もちろんいいよな?
”やだ”と言えるはずがない…エアリスとクラウドは静かにうなずいた。

バレット達は遊園地のアトラクションを存分に楽しんだ?…
そしてやっと日が暮れて…

「みんな今日はありがとな!」
やっと帰れるときがきたとき
ビュー・・・
「あっ!帽子が…」
バレットの娘”マリン”のかぶっていた帽子が急に吹いた強風で飛ばされ…

あわてて追いかけたマリンはすべって転んでしまった。

「マリン!大丈夫か!」
「大丈夫だよ父ちゃん、ちょっとひざをすりむいただけだよ…」
「なんということだ!誰か救急車!!!!!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

「まったくほんとバレット先生って親ばかだよな」
「ハハ、そうだな、でもさ…自分の大切な人のことになると人は過剰な心配、しちゃうもんだぜ」
「じゃあさ、クラウドはエアリスの病気のことを他の誰よりも心配しているって言える?」
「もちろんさ!エアリスは俺の大切な人だから」
(エアリスも俺のことをそう思ってくれている。それじゃティファも?)

「話は変わるけどさ、なんだかんだ言って、今日結構面白かったな」
「まぁな、バレットがメリーゴーランド乗ってる姿不気味だったけど…ところでエアリスはどうだった?」
クラウドが聞くがエアリスからの返答はない…
(なにかエアリスの様子がおかしい!!!) 

「エアリス!大丈夫?」
「なんか頭がくらくらするの…」
エアリスの顔は青ざめている

…バタ!!!

「エアリス!!!」
クラウドは急いで倒れたエアリスを抱きかかえた…そして
「ザックス、俺は病院まで連れて行くから先帰ってろ」
クラウドはエアリスをおぶって病院まで走っていった…
「なるほど、大切な人か…」

第6話に続く

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