「第3話 君の嫉妬」

ラウドと、エアリスが一緒に住んでいるという事実は高校中に広まった
これはパニック状態になった高校にちょうどいい休日となったゴールデンウイークのお話

ほとんどの人が旅行へ行き、心ウキウキするこの日に浮かない顔をしている女の子がいた
その女の子の名前はティファ。今日5月3日はティファの17回目の誕生日
「今年の誕生日はひとりぼっちだろうなあ…そういえば去年は…」

◆◇◆◇◆◇◆◇

…せっかくの誕生日なのに、パパもママもいないなんて
ティファへのプレゼントを置いて、両親はそろって出張に行ってしまった。
…プレゼントなんかいらないから、誰かに祝ってもらいたい、寂しくて涙が出ちゃう・・

…ピーンポーン…

そのままティファはリビングのソファーにもたれて泣いてしまい
玄関のチャイムが鳴っているのに気が付かなかった。

…ガチャ…

「誰も出ないからさ、勝手に入っちゃったよ〜♪…ってなんで泣いてるんだ!?」
クラウドはどかどかと家の中に入っていった。
「クラウド…」
「どうしたんだ!?それにおじさんとおばさんは?」
「パパとママは出張、一人ぼっちの誕生日なんかさびしくて」
「1人ぼっちなんかじゃないよ。俺といっしょに誕生日を祝おうよ♪」
「ありがとう…」

◆◇◆◇◆◇◆◇

…そういえば私がクラウドのことを好きになったのは、あの日だったかな
…でもクラウドはエアリスが好きになったのよねえ…いまごろ2人でデートでもしてるんだろうナ・

「はあ…今年の誕生日はパパもママもクラウドもいない…1人ぼっちか」

そのころクラウドの家では

「ねえクラウド、なんで今日はどこも連れてってくれなかったの?いまからでも散歩にでも行こうよ!」
少し怒っているのか、エアリスは頬を膨らませて言った。
「悪いエアリス、今日はこれから大事な用事があるんだよ。」
「えー!つまんないの。」
エアリスはさらに頬を膨らませた。
「明日ゴールドソーサーに連れてってあげるからあんま怒るなよ」
「ホント?クラウド大好き♪」
エアリスに天使の笑顔が戻った。
「母さん、ちょっと出かけてくるね。それと俺、今日夕飯いらないから」
「そう、できるだけ早く帰ってくるのよ。」
クラウドは支度するやいなやいそいそと出かけていった。

…あんなにあわてて何処にいくのかしら?
まさか他の女の子とデートの約束なんかしてたりして
「安心してエアリスちゃん、クラウドには他の女の子と遊ぶ甲斐性なんかないから。」
「そうですよね♪」
エアリスは思わず微笑んだ
「そう!そのエアリスちゃんの笑顔がクラウドは好きなのよ。」
まるでクラウド本人から言われたかのようにエアリスは少しほほを赤らめた。

…10分後…

…クラウドはケーキともうひとつなにか包みをもっているわね
誰かの誕生日パーティーにでも呼ばれてるのかしら…
エアリスは結局クラウドの後をつけていた
…あれ?民家に入っていくわね。誰の家かしら?
何気なく家の中に入って表札を見ると、そこには”ロックハート”の文字が…

ロックハートって…ティファの名字!!!!!!!!!!…
エアリスは凍りついた

場面かわってティファの家
…ピーンポーン…
「こんな時間にだれかしら?」
…ガチャ
「ティファ!誕生日おめでとう♪」
「えっ!嘘でしょ!クラウド…」
「嘘なんかじゃないさ、ティファと約束したからね、それに1年に1度の記念日だろ。」
「約束って?」
「忘れたのか、あれは去年の誕生日…

◆◇◆◇◆◇◆◇

「あのさあティファ、すごく言いにくいんだけどさぁ」
「なぁに?」
「プレゼント忘れちゃった。」
…クラウドが来てくれただけでも立派なプレゼントだよ、でも贅沢をいうなら
「それじゃ、来年の誕生日も私の家に来るって約束してよね。」
「わかった。約束するよ。」

◆◇◆◇◆◇◆◇

…そういえばそんな約束してたっけ、クラウドは約束覚えていてくれたんだ

「ちょっとしかない脳みそに叩き付けとくの大変だったんだぞ」
「ご苦労様vvすっごく嬉しいよ」

その後クラウドとティファは2人でパーティを楽しんだ。そして

2時間後

「そうだティファ!これプレゼントだよ。」
クラウドは、ティファに1つの包みを手渡した。
「ありがとうクラウド。あけていい?」
「もちろん♪」
ティファはていねいに包みのラッピングをはがして…そして目をまるくした
「これ私の欲しかった帽子!なんで私のほしい物がわかったの?」
中に入っていたのはティファが欲しがっていたカウボーイ風の帽子だった。
「ティファとこの前デパートに行ったとき欲しがってたから。喜んでもらえて嬉しいよ♪」
…クラウドは私のことを1番わかっている人、私の大切な人…今なら素直になれそう

「私、クラウドを愛してる、クラウドは私の1番大切な人、幼馴染だけの関係なんていや!」
ティファは初めて気持ちよりと言葉を一致させた
…ティファが俺のことをそんなに思ってくれていたなんて…まぜ俺は気付いてあげられなかったんだ!

「ごめん…迷惑だよね。クラウドはエアリスがいるもんね。変なこといってごめん…」
「迷惑なんかじゃない、ティファは俺にとって大切な人だよ」
…なんでこんなにクラウドは優しいの?これじゃ私…私忘れられないよ、あきらめられないよ
「俺はティファに忘れられたくない!」
…なんで私の考えていることがわかるの?クラウドは
『自分のほんとうに好きな人の考えていることはわかるもんだ』って言ってた。
もしかして私のこと…そんなわけ…

「そうだよ、ティファの事好きだよ」

…えっ、今…

「『ティファが好きだよ』って言ったんだ。」

…ほんとかな?…

「ホントだよ!」

…逆にクラウドから言われると気持ちの整理が…
「じゃ散歩でも行くか?」
2人は近くの公園まで歩いていった。

公園のベンチに座り、2人とも沈黙を続けていたが、ティファが口を開いた
「ねえクラウド、キスしよっか?」
…調子に乗ってこんな事言う私を軽蔑しただろうな…
私を気づかって『好き』と言ってくれただけかもしれないのに…
「軽蔑なんかしてないよティファ」
「クラ…」
…ティファの言葉はクラウドの唇によって塞がれた

その様子を一部始終見ている人物がいるとも知らずに

…なんで?なんでクラウドとティファがキスしてるの!?そんなの…そんなの…

イヤ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

◆◇◆◇◆◇◆◇

…さーてすっかり遅くなっちゃったなあ、もし今日のことエアリスが知ったら怒るだろうな…
あれ?明かりがついてるぞ。なんでだろ?…
ちなみに今は夜の12時、みんな寝ている時間のはず。

…ガチャ…

クラウドがドアを開けると、エアリスが仁王立ちで立っていた
「クラウド!見てたわよ!」
…最悪だ…ああ神様…

「明日、ゴールドソーサーで私とも同じことするっていう約束したら許してあげる。」
「わかった。約束するよ。」
…神様サンキュー…

次の日ゴールドソーサーのラウンドスクウェアで熱い抱擁をするクラウドとエアリスがいた…

第4話に続く

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