「第2話 君は同居人」

「今日は、ありがとう楽しかった。」
クラウドは、あの後エアリスと2人で、屋上のミニ遊園地で、楽しんだのである。
「いつか二人でゴールドソーサーで遊ぼうね♪」
ゴールドソーサーは、ニブルヘイムから少し離れたとこにある巨大アミューズメントパーク。
「もちろんさ♪チョコボレースで俺がチョコボと混じって走ってやるよ。
髪型がチョコボに似てるから多分ばれないと思うからさあ♪」
「その時はがんばってねクラウド♪」
…クラウドっておもしろい冗談を言うひとなのね… 
エアリスはクラウドが本気で言っていることにまだ気が付いていない
「そうだ!また会えるように私のPHSの番号教えとくね♪」
「あっ、俺の番号も教えるよ。」
ふたりはなかよくPHSの番号を交換した。
「さあて、そろそろお別れだね。でも、また今度あえるよね?」
「もちろん会えるさ、だって俺たち付きあってるんだもんな♪」
…さっきクラウドが私の告白を受け入れてくれたこと間違いじゃなかったんだ… 
「それじゃ、またな」
「クラウド!電話待ってるからね。」
エアリスは、クラウドが見えなくなるまで手を振りながら去っていった。

…寂しい…なんで俺こんなに寂しいんだろう…
エアリスと遊んでいたときはあんなに楽しかったのに…
 クラウドは、今まで経験したことがない感情に戸惑っていた。
「そうか、これが恋ってやつか」
今まで生きてきたなかで初めて感じた感情を実感するクラウドだった。

…すごく寂しい・・さっきまであんなに楽しかったのに…
「やっぱり、私、恋をしている。」
エアリスも今まで経験したことがない感情を感じ、自分の気持ちに確信をもった。

「ただいま」
「おかえりクラウド♪」
「あれっティファ?なんでウチにいんの?」
「あのねえクラウド、ティファちゃん今日ウチに泊まる事になってるの。」
クラウドの母親のローザが、かわりに答えた。
「ふーんなんで?」
「いやあ今日エッジとリディアが徹夜勤務なんだよ。」
今度はクラウドの父親のセシルが、かわりに答えた。
ちなみにエッジはティファのお父さんでリディアはティファのお母さん。
2人の勤めているバロン株式会社の社長はクラウドの父セシル
ティファの両親とクラウドの両親は、古くからの友人。

「そういうことだから、クラウド覚悟してね♪」
「…覚悟するって何のことを…なんかティファ怒らすことしたか?」
「エアリスっていう女の子とあの後何があったのか話すのよ!!!」
…怖い…なにをそんなに怒ってるんだティファは…とりあえずありきたり話すか… 
「えーとあの後屋上のミニ遊園地で遊んで、PHSの番号を交換したんだよ。」
「えっ!それだけ?キスとかしなかったの?」
「してないけど別に驚くことないじゃん、立派なデートだと思うけどなあ。」
「まっそうかもしれないわね、じゃ、おやすみクラウド」

…ふふ、まだ私にもチャンスがあるわね。
エアリスさん、あなたにクラウドは渡さないわ… 
ティファは不気味な笑いを浮かべながら去っていった。
…結局なんだったんだ?それにしても怖い。あの不気味な笑顔、夢に出てきそうだ… 

案の定クラウドは一晩中恐怖に悩まされるのであった。

次の日

「おっはよークラウド♪」
「…おはよ…てぃふぁ… 」
クラウドは死にそうな顔で言った。昨日はぜんぜん眠れなかったようだ。
「元気ないわねえ、早く学校に行くわよ!」
…まったく誰のせいだと思ってるんだ… 
そんなクラウドの疲れを吹き飛ばすような、ローザの元気な声が聞こえてきた。
「2人とも、いってらっしゃーい♪ハイ、これお弁当」
「いってきまーす♪おばさま」
「いってきます…フゥ」
2人は学校に向かうのだった…

…がやがや…
「うっすクラウド」
「…おはよ…ザックス…」
「なんか元気ないなあ、さてはティファちゃんになんかされたな!」
…いちおう図星である…クラウドはそれには答えずに
「今日はなんで、こんなに騒がしいんだ?」
「お前知らなかったのか?転校生がくるんだぜ」
「興味ないね。」
「すごく可愛い女の子が来るらしいぞ」
・・・かわいい女の子かあ、今ごろエアリスなにしてるのかなあ… 
クラウドは、思わずエアリスを想像していた。

…キーン…コーン…カーン…コーン…

始業のベルがなると同時に先生が入ってきた。
「よっしゃーみんな今日は転校生を紹介するぜ!かなり可愛いねえちゃんだ!」
熱血バカ教師のシドが叫んでいる。それにしてもこの男の言葉使い、なんとかならないものか
「よーし入ってこーい!」

…ガラガラガラ…

可愛い1人の女の子が入ってきた。
…おお超可愛い!!!…
男子の絶叫が聞こえるなかクラウドは女の子の方を見た。
「エアリス!!!」
思わずクラウドが叫んでいた。
「クラウド、昨日はありがとう、楽しかったよ♪」
「ニブルヘイム高校に転校してくるって言ってくれればよかったのに、それより視線を感じない?」
「びっくりさせようと思って♪うーん確かに誰かがにらんでいるような…」
クラウドは、男子からの嫉妬からの冷たい視線を受け
エアリスも、女子からの嫉妬の冷たい視線を受けている。

…しかし、それ以上の恐ろしい視線を感じる…ふたりはそう思った

「ティファ(さん)」
二人の声は見事にユニゾンした。
「まさか、噂の転校生がエアリスさんだったとはねえ。」
ティファがエンマ大王も逃げ出すような顔でこっちを睨んだ。
「ティファ、なんで怒ってるの?」
クラウドはティファがなんで怒っているのかわからなかったが、エアリスはすぐに悟った
…ティファさんってクラウドのことが好きなんだわ、どうしよう… エアリスはうろたえた
「別に怒ってなんかないわよ!」
…絶対うそだ… クラウドは、そう思いながらティファの静まる方法を考えていた
「授業はじまんぞ!何やってるんだ早く着替えて外に出やがれ!」
以外にもティファが起こした騒動を止めたのは、熱血バカ体育教師バレットだった。

「エアリス、何で体育出ないの?」
「私セフィロス病だから…」
「そっかー変なこと聞いてごめんね…」
「いいよティファさん、気にしてないから。」
…ティファさんは根は優しい、でもクラウドのことになると人が変わる
私もクラウドのためにそこまで一生懸命になれるかな?… 

「おいクラウド、お前もすみに置けないなあ。」
「ザックス、なんのこと?」
「とぼけるなよ、ティファだけじゃなくて、転校生にまで手を出すとはな。」
そうだそうだ…他の男子からのヤジがとんだ
「ティファと俺はただの幼馴染だよ。」
「じゃ、転校生とは関係あるんだな?」
「エアリスとは、付き合ってる!」
…なんだって!どういうことだボコボコにしてやるクラウド!…
他の男子が怒鳴り始めた、その時!

…ズギャーン、ババババババババ…

「おまえら、いい加減にしろ!マシンガンで撃ち殺すぞ!」
熱血バカ体育教師のバレットが発砲し始めた。
「先生、ビッグス君が気絶してます!」
「蘇生マテリアでも使っとけ!」
「でも、僕マテリア買うお金持ってないんですけど。」
「盗んできてもいいから早くしろ!撃ち殺すぞ!」
その後もバレットは教師とは思えない発言と行動を連発していた。
「あんなのが教師なんて…」
「ザックス、あきらめろ…」
体育館中に生徒のため息がこだました。
…ほっ、とりあえずボコボコにされる危険は回避したか… 
またもやクラウドの危機を救ったのはバレット?だった。 

放課後

「クラウド一緒に帰ろう♪」
「うん」
「あれ、ティファさんは?」
「部活だよ。テニス部のエースなんだ、あいつ。」
「クラウドはどこに入ってるの?」
「俺は入ってないな、興味ないしな」
「そう、それじゃあ帰ろっか♪」
「変なこと聞くけど、エアリスはどこ住んでるの?」
「私、両親いないでしょ、今日から親戚の家に預かってもらうんだ。」
「そうなんだ、道分かるの?」
「ううん、ここの公園で待ちあわせているの。」
「ふーん、じゃあ俺も付き合うよ。1人じゃ迎えがくるまで退屈だろ。」
「ありがとう♪実は1人じゃ不安だったんだ。」
「気にするなよ、それに俺、エアリスのそばにもっといたいし…」
エアリスとクラウドは互いに顔を赤くしながら公園に入っていった。

「ところでさあ、迎えっていつ来るの?」
「あとちょっとしたらくるはずなんだけど、実は会った事ないんだよね。」
「え、なにそれ?」
「お母さんとお父さんの親戚なんだけど、私、あったことないんだ。」
「そうか、ところで昨日はどこに止まったんだ?」
「友達の家、でもずっとクラウドのこと考えてて眠れなかった。」
「俺も寝られなかったなあ、昨日ティファに、『キスはしたの?』って聞かれたんだ。」
「で、どう答えたの」
「ありのまま答えたよ、そうしたらティファは『たったそれだけ。』とか言ってたなあ。」
…じゃあ私がクラウドとキスすればティファさんはあきらめてくれるのかな?… 
「ねえクラウド、キスしよっか。」
「エアリス、いいの?」
「クラウドとだったらなんでもできる。」

「エアリス…」
「クラウド…」

2人の顔と顔の距離が近くなって唇と唇が重なりあった、その瞬間。

「あなたが、エアリスちゃんね、迎えに来たわよ。」
ふたりは、顔を真っ赤にさせてお互いに体を離した。
「あら、お取り込み中だったの、ごめんなさいね。」
…なんか、聴きなれた声だなあ・・と、クラウドは思っていた。
顔を上げてその人の顔を見た時、クラウドは驚いた。

「母さん!」

「あら、クラウド、もうエアリスちゃんに手を出してたの?」
そこにいたのは、クラウドの母、ローザの姿だった。
「なんで母さんが、迎えに来てるの?」
「だって、エアリスちゃんはウチに住むのよ。」
「そういうことなんだって、よろしくね♪」
…エアリスと一緒に住めるのは嬉しいけど、学校でなにを言われるかが怖いなあ…
「これからは、ずっと一緒だね♪」
「うん、そうだね♪」
・・・でも、俺はこんな可愛い子と住めるんだ!・・・

その事を聞いたティファが怒り狂った事は、言うまでもない

第3話に続く

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あとがき

第二話です。管理人は三角関係大好きです(ぇ
所々イタイ所がありますが気にせずに…これからもっとすごくなるから(笑)
あとがき2話にして終了!3話からは本文だけです(それがいい)