「第1話 君に出会って」

「起っきろ〜クラウド!」
ここはニブルヘイム高校に通うクラウドの部屋、1人の女の子が幸せそうな顔で寝ている彼を起している
「…むにゃ・・むにゃ…ティファ… 」
「やだ…クラウドったら私の夢見てるのね…」

彼を起こしているのは幼馴染のティファ
彼女はクラウドの寝言に顔を赤くした。

「…むにゃ・・むにゃ…ジェシー…」
顔を赤くしたのもつかのま、ティファのこみかめがぴくぴく震えだした。
「ジェシーですって、なんの夢見てるのかしら!」
ジェシーは去年の夏に転校した女の子で、クラウドのことが好きだった女の子の事だ。
嫉妬したティファが必殺技のファイナルヘブンをかけようとしたとき!?

「夢か!あー夢でよかった。あれ?なんでティファがいるんだ。それに怖い顔してどうしたんだ?」
「夢の中でジェシーの事考えてたでしょう。」
彼女はものすごい形相でクラウドをにらんだ

「ジェシーに『お金返して!』って言われてたんだ…ところで今日何か約束してたっけ?」
なんでこんなに怒ってるんだ? 疑問を持ちながらもクラウドは苦笑いをした。
「今日は私の買い物につきあってね♪」
「買い物?おいおいそんな約束した覚えないぞ。」
「じゃ、今約束したわよ。さあいきましょ♪」
「ちょっと待てよ、ティファ…」

◆◇◆◇◆◇◆◇

「ふう〜誰もいなくて快適だね♪」
結局クラウドの抵抗する余地もなく、ティファはほぼ強引にクラウドを買い物に付き合わされていた。
そして買い物もひととおり終わって屋上で休憩しようということになった。

「おい、ここすごくあぶないぜ。落ちたら絶対死ぬな…」
「気にしない気にしない♪危ない方がスリルあって楽しいしvv」」

”人がいっぱいでうっとうしい!”このティファの一言で2人は誰もいない立ち入り禁止の場所にいる。
壁という壁がないので一歩間違えれば下に落ちてしまう。
・・・しょうがないか。ティファは昔からの自分のペースで能天気だもんなあ。逆らうと怒るし・・・
「なーに浮かない顔してるのよ♪ちょっと私トイレに行ってくるから。」

…さーて、いまのうちにこんな危険な場所から退散するかな。鬼の居ぬ間に洗濯だ♪
(ティファは怒るだろうけどこんな場所にいるよりはましだよな) 
クラウドは早くも逃げる決意を固めた。
逃げようとクラウドが立ち上がったその時…

…ガサ、ガサ…

なにやら奇妙な音が聞こえてきた

(誰かいるのか?まさかお化け…)
クラウドは怯えつつも、お化けを一目見たいという願望が恐怖に勝った

来ないで!

そこには遺書と書かれた紙と自分の靴を置いて、今にも飛び降りそうな女の子がいた。
・・・すごく可愛い女の子だ…あぁ、付き合いてぇ… 彼は女の子にひとめぼれした。
でもこんなとこで何してるんだ?なんか飛び降りそうなのはわかるけど

「ここで何してるんだ?まさかバンジージャンプ?だったら俺も一緒にやるよ♪」
彼のバカ丸出し発言は聞こえてないのか、自殺しようとしている女の子がお決まりのセリフを叫んだ。
「来ないで!きたら飛び降りてやるんだから!」

(自殺するとこだったのか、うーんこういう時どうすりゃいいんだっけなあ?)

彼は考えた結果

「おちつけ、早まるな、もう一回考え直せ!…」
と、ドラマで見たことがある、記憶に残っている台詞をありったけさけび
記憶を頼りにドラマのまねをしながら徐々に女の子の方に近寄っていった
「来ないで!それ以上近寄ったら飛び降りるわよ!」

…このセリフだけいつも変だと思うんだよな、矛盾してるもんな。よーし聞いてみるか!…
「ホントに自殺するんだったら、近寄らなくても飛び降りるはずだろ。」

「……………………」

女の子は沈黙した。それを見て彼は自分がとんでもない事を言ったことに、ようやく気がついた。
…よーく考えるとこの言葉は禁句だな。あー泣きそうだよ…えーと、あやまんなきゃ…
「…ゴメン変なこと言って、俺すごいひどい事言っちゃったよね…」
「…ううん、いいの、私ホントは自殺する勇気なんて無いし…」
女の子は急にしょんぼりしながら言った。
「それじゃ、なんで自殺なんかしようとしたの?」

「私、セフィロス病なんだ…」

・・そういえばニュースでみたことある、その病気。かわいそうだなあ。こんなに可愛いのに
確かセフィロス病はだんだん免疫力が失われて最後には死にいたる病気で治療法はまだ未完成…

「一週間まえに自分がセフィロス病にかかってること知ったんだ…。」
女の子は寂しそうに言った。
「でも、まだ死ぬって決まったわけじゃない!」
「ゆいいつ治療法を研究していた私のお母さんと、お父さんはもういないの!」
クラウドの言葉をさえぎるように女の子は言った。
「ごめんなさい怒鳴っちゃって、でも直すには白マテリアしかないの…。」
「白マテリア?」
「セフィロス病を直す薬なの。両親が死んだ今はもう私の助かる方法はないの。だから死ぬの…」
そう言い残し、女の子は悲しそうに去っていった・・・
・・・かわいそうだな、あの女の子俺が助けてあげられないかな。・・・ クラウドが悩んでいたそのとき!

「だれか助けて!」

屋上に叫び声がこだました…
さっきの女の子の声だ! クラウドは即座に声の聞こえる場所に急いだ。
女の子は足を踏み外して下に落ちそうになっている。もし落ちたら確実に即死だ。
クラウドはすぐさま女の子に手を差しだした。

「これにつかまれ!」

「そんなことしたら、あなたまで落ちちゃうかもしれないじゃない。私はいいから」

クラウドはなんとか女の子を引きずり上げようと一生懸命になりながら叫んだ。
「助けてって言ったじゃないか、それにあんたみたいに可愛い女の子に死なれたくないんだ!」
女の子はクラウドの言葉に頬を少し熱くしながら聞いた。
「なんでそれだけで赤の他人の私のことにそんなに一生懸命になってくれるの?」
「それはあんたを一目見たとき好きになったからだよ。」

…ほんとかな?… 
女の子はクラウドの言葉に今自分のおかれている状況を忘れて頬をさらに熱くした。

「ああほんとだ!こんな気持ち、俺、初めてなんだ。だから助けてやりたい。」

…もし私がここで助かったって、どうせセフィロス病で死ぬ運命だし
生きる希望なんてないし、いっそここで死んでしまったほうがいいかもしれない…
「あきらめるな、生きる希望を失ってなんてない!なんとかなる!
いや俺がなんとかする。だから希望をうしなわないで!」

…この人、さっきからなんで私の考えていることがわかるの?…
「自分が本当に好きな人の考えていることはわかるものさ。」
…この人こそが私のことを一番わかってくれて、ささえてくれる人かもしれない… 

「ちくしょう!なんで全然引きあがらないんだ!」
クラウドの体力に限界がきてクラウドまで落ちそうになったその時だった!

・・・ドゴーン!・・・ 

音とともに女の子とクラウドの体は宙を舞った。
そしていつの間に用意されていたマットの上に叩きつけられた。
「危なかったわね2人とも。」
そこには秘技サマーソルトをはなって、乱れた髪を整えているティファがいた。

「ティファ!助けてくれたんだ。」
「あんたたちが怪我しない程度にサマーソルトを撃ってマットの上に落とすのは大変だったわよ。」
「あのー助けてくれてありがとうございました。」
「まっ気にしないでよ、それよりクラウド!さっき女の子に言った言葉、情熱的だったわねえ。」

…そういえば俺、さっき勢いでとてつもなく恥ずかしいこと言ってたなあ。
あの女の子は俺のこと『何いってんのこのバカ』とか思っただろうな。
「別に恥ずかしいことじゃないと思うよ、それに私、バカみたいなんて思ってないよ。」
…あれ?なんでこの女の子俺の考えていることがわかるんだ?…
「『自分がほんとうに好きな人が考えていることはわかる』って言っていたのはあなたでしょ?」
「もしかして俺のことが?」
「そう私、エアリス・ゲインズブールはあなたのことが好きになったの。私と付き合ってくれる?」
「もちろん俺、クラウド・ストライフの返事はOKだよ。」
自分の気持ちを確認しあった2人は手をつないで去っていった。
「あのー私の立場は?」

そのあとティファが自殺を試みたことは言うまでもない…

第2話に続く

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あとがき

俺のFF7パロディ処女作はどうでしたでしょうか?
イタイところありまくりなのは愛嬌ということで(笑)
まさにクラウドには夢のような設定ですよね、両手に花だし(笑)

このシリーズ書いたのは2000年、高1の時ですわ