オオミユビトビネズミJaculus orientalis
[齧歯目ネズミ型亜目トビネズミ科]
続いて、趾行性はかかとを地面につかずに、あしゆびだけで立つ動物である。イヌ・ネコ・ネズミなど、多くの哺乳類が当てはまる移動様式である。ここでは、我が家のイエネコFelis catus[食肉目ネコ上科ネコ科]を観てみよう。指趾だけで移動し、跳び上がったり着地したりするので、肉球というものが出来ている。これが、着地の衝撃を和らげたり足音を消したりするのだ。(参照、スマトラトラPanthera tigris sumatorae[食肉目ネコ上科ネコ科ヒョウ亜科]の前肢肉球。かかとの部分が興味深い)爪は出し入れが出来るので、歩くときには出していない。尾はバランスを取る。体幹部は眠りから覚めた後の伸びなどのときや、驚いたとき、大きく弓形にしなる。獲物を追うときはじりじりと、目標を定めるようにあしぶみしてから一気に跳びかかる。観ていて気付くのは、その体幹部が移動の際よく動くということだ。オオミユビトビネズミがいる。このネズミの特徴はなんと言っても大きな後肢である。尾も著しく、太く長くい。対照的に前肢は小さく縮こまっている。後肢だけで立つときは、尾が地面を支える。まるで第三の後肢。垂直にその体からは考えられないほど高く跳ぶ。バネのようになっている部分がかかとであるが、地面にはつかない。前進するときはちょこちょこと後肢で跳ぶ。