第六日目


2000年1月28日(金)  27.7k

 7時25分出発 〜 第十九番 立江寺 〜 第二十番 鶴林寺 〜 第二一番 太龍寺 〜 民宿「龍山荘」 16時55分到着


                                             第二一番 太龍寺にて

 夜足が痛くて何度も目がさめた。ギブアップする夢を見て、目覚めは最悪。実際足のひれは引いていない。しかし、昨晩おじさんからテーピングをもらい試してみると、これは案外いける。今まで柔道や自転車で怪我をしても、テーピングは一切やらなかったが、今回はこれに頼っていこうと思う。

 歩いてみると多少の痛みがあるものの、実際歩ける。予定していた第二十番前の民宿「金子」から第二一番の近くの宿屋まで行くことにした。上りが6kもあるが、途中に宿がないので仕方がない。決めたら行動あるのみである。

 7時25分に宿を発つ。宿のお上さんは水などを用意してくれた上に、500円の接待を頂いた。第十九番まで足は順調。子供に声をかけられたりと良い感じ。第二〇番に向けて、県道で狭い道がだが、トラックが多く、埃くさかった。多少足が痛いが、登山道にたどり着く。この途中に缶ジュースとコロッケ2つの接待をおばあさんから頂く。

 ここで泊まる予定の宿屋に謝り、登山道に入る。地図では4.3kであったが、実際は3k前後ではないだろうか。苦しいものの,歩ける楽しさを感じた。本当に笑顔が出るほど楽しく歩けた。足は痛いものの、なぜか楽しい。

 この時「自己主張」と「人に対する感謝」について考える。昨日はおじさんに、自分の足の痛さばかり強調し,「自分が自分が」という気持ちが強すぎた。今まで僕の周囲にはいつも助けてくれる人がおり、これに調子に乗って自己主張が強すぎた。なぜか歩いていたら、今までのことを素直に反省できる気持ちになれるものである。

 楽しく、なおかつ謙虚な気持ちで第二〇番に着くと、夫婦2人組みに会う。彼らとほぼ同時に第二十番をスタートするが,彼らより早く第二一番に着いた。ここで昨日の青森のおじさんと会い,最後の別れをする。ここの住職に「龍山荘」を薦められ、宿の予約を取る。第二十番の下りは足が痛く、2.3kに1時間かかったが、第二一番の下りがもっと大変であった。1kを1時間半かかって下る。仕方はないが、歩ける。感謝感謝。

 夕食は80歳のおじいさんと同席する。そのおじいさんは21日に出発して、1人で初めて巡礼しているそうである。柳水庵で話題になったおじいさんであった。元気な方で、体も大丈夫だということです。少し遅れて、お母さんと20歳ぐらいの息子が車で巡礼する人たちも現れた。そのお母さんは10年前に一度歩きで回ったことがあり、色々なアドバイスを頂いた。足の痛みのとり方、一番辛いのはやはり高知だったなど,食事は4人で大いに盛り上がった。

 その後明日の予定を考えると、第二三番まで宿がないようである。そうなると、80歳のおじいさんが心配で,実際おじいさんも不安だったらしく、明日は一緒に行動することに決めた。「同行二人」ではなく「同行三人」になる。話合い終了後,私の足の痛みを心配してくれたおじいさんから、持ち歩いている「ウマブドウの焼酎漬」をわざわざ頂いた。せっかくなので塗ってみることにした。明日は必ずおじいさんと第二三番にたどり着くぞ。  20時55分記


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