第二三日目


2000年2月14日(月) 50k

 5時出発 〜 第四十四番 大宝寺 〜 第四十五番 岩屋寺 〜 国民宿舎「古岩屋荘」 17時10分到着


 昨夜は、今日のこれからの大変さで興奮して何度も目が覚める。夢にまで苦しんで歩いていた。朝は4時に起床し、5時に出発。すぐに国道56号から国道379号に入る。しかし国道といっても完全な田舎道で、道路自体は広いが、店はおろか民家さえも少なく、電灯がない。このため、真っ暗なためすぐにマグライトを出す。この怖さは焼山寺の登り以来である。マグライトの明るさがちょうど、映画「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」のワンシーンに似ていたため,怖さが倍増する。

 とにかく前を見て歩く。車がほとんど通らず、ひたすら夜が明けるのを待つ。うっすら夜が明けてきて、一安心。この後ひたすら歩きつづけるが、突合分岐点手前の山田商店を、予定より30分早く通過し、嬉しくなる。ところがなかなか分岐点には着かず,おかしいと感じていたら、また山田商店がでてきた。どうやらこれが地図に載っている方みたいである。予定どうりのペースであった。

 分岐点を通過しても国道379号で、もしかしたらこのまま舗装路かなと期待していたとき,すぐに道が狭くなり県道に。いつダートになってもおかしくない道が続くが、よくトラックが通る。予定通り5時間歩いて休憩する。ここからが本番である。店の人に遍路道を聞くが、一番初めの峠は県道のままで歩いてしまって道に迷うが、いつの間にか遍路道に復帰する。

 そしてひわた峠に向かう。今回は間違いないように2人に道をしっかり聞いて向かう。上り2.3kであり、最初の1.3kは舗装路であり順調だが、雪が残って凍結しており、危なかった。そして残り1kがダートになる。雪がなくなり、久しぶりの山道で疲れるが、心地よい気分お疲れである。峠は太師様が「日和だ」と言ったのが、なっまてひわた峠になったらしい。

 下りになったが、これが上りより辛い。雪が多く残っており,斜度もありやっとの思いで、第四十四番に。中間点であったが、結構わびしかった。ここの納経所のおばさんが、「ここで中立ちではあるが、総距離の3分の2を走破し、ここから楽になるよ」と言われた。

 この辺りは、地図の作者でもある宮崎さんが遍路道を手入れしてくださっており歩きやすいと言うので、第四十五番に向けて、遍路道を使い車道にでる。本では4時間50分かかると書いてあるが、おばさんによると、2時間半で行けると言うことなので、気が楽になる。

 向かう途中、車が止まり若いお坊さんが出てきた。左手にはしっかり数珠を巻いており、少しお話をした。接待を頂いたが5,000円もである。なんだか気が引けてしまうし、悪い気がし、大変恐縮してしまった。自分の存在が恥ずかしくなる反面、しっかり頑張ろうと感じた。とにかくこの四国巡礼を満願することが今まで助けてきてくれた人達のお礼だ。第四十五番手前の国民宿舎に荷物を置かしてもらって、寺に向かう。標高が高いはずなのに、今まで下ってて疑問に思っていたが、0.8kを急勾配で上りあがった。

 着いたときには心が洗われたような感じだった。こんな大きな岩の中に寺があるなんて信じられない気分であった。今日自体集中して歩けたことが大変満足であり,最後にこの寺に出会えたことは感動であった。今日はこの四国巡礼のハイライトの1つであって,この気持ちはなんともいえない喜びであった。宿も温泉で気持ちよく、今日は熟睡が出来そうである。テレビを見てたためちょっと遅くに就寝。  21時55分記


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