カミーユ・クローデル展をみました 鯉渕史子
連休明けの8日、軽井沢のメルシャン美術館にてカミーユ・クローデル展をみました。 フランスの女性彫刻家であり、師ロダンとの愛と確執をはじめ、詩人ポール・クローデルの姉としても知られるカミーユの烈しい人生については映画化などもあり有名ですが、カミーユの作品を生で見たのは今回が初めてでした。…凄かったです。 カミーユの手がかたちづくった土のかたまりに、今なおありありとみなぎっている感情や感応、彼女が生きて形作ったその生の実感に撃たれました。〈女〉をつくった彫刻家だったのだと感じました。作品をまえに感じたその見応えとは、彫刻という一つの形によって惹きだされるようにも、わたしの内部からこみ上げてくるものがそこに合流するようなリアルな弾力でした。 また、カミーユが形作った〈女〉のすがたは、たとえ悲壮なテーマや悲しみをモチーフとした作品であったとしても、暗がりにポッと灯るちいさな種火のように心やすまる温かさを感じさせてくれるものでもありました。 中でも『オーギュスト・ロダンの胸像』と『心からの信頼』の二作品に惹かれました。いつか言葉にできればと思います。 デッサンや晩年の手紙なども含め、小ぶりな作品を中心にした60点ほどの展示ではありますが、カミーユの生きたコトバを感じるに十分な見応えがありました。軽井沢での展示は終了しましたが、福島を巡回して、東京では7月23日から8月20日まで府中市美術館にて展示されるとのこと。必見です! 2006.06.02 |
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展覧会カタログ 『運命の凝縮されたかたち カミーユ・クローデル』より |
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