鳩山邸〜羽田空港
本日最初の目的地は文京区音羽にある旧鳩山邸。
大正に建てられた洋館で、バラの咲き誇る庭園が自慢の大邸宅。
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有楽町線江戸川橋駅を降りて外に出るとぷぅ〜んと川の匂いが鼻をつく。
大きな通りに車がびゅんびゅん走り、一見普通の通りだけれども、
ちょっと裏に行くと「鷺坂」や「鼠坂」があり、そこが由緒ある土地
だということが伝わってくる。
じりじりと陽が照りつけるなか、大通りからはずれた住宅街をすすむ。
ひとつ目の坂を登り、住宅街を抜けしばらく歩いていると鳩山邸らしき
一角がうっそうとした茂みの中にみえてくる。
まず目に飛び込んできたのは鳩の彫刻!真っ白い鳩が建物のはじっこに
「ちょん」ととまっている。鳩山だけにハト・・・?
そのあまりの安直さに驚かされるが、邸内はもっと鳩だらけだった。
ステンドグラスや庭の池の側、つがいの鳩に一匹のハトハトハトハトトトト。
なんだか、大政治家の住んでいた家だというのに、女子校の香りがぷんぷん。
少女趣味のサンルーム、花柄チェアーにティーセットが陳列する棚、
緑とバラの美しいラブリーな庭園。イギリス風西洋館を目指していたのだから
ムリもないかもしれない。
一階部分は、暖炉の置かれた深い木の色合いがきれいな第1応接室と
ふかりと腰掛けられるソファーが置かれた第2応接室とティーセットが用意され、
食事が出来そうなイスとテーブルのある第3応接室と英国風サンルームの4つの
部屋で構成されている。
緩やかな曲線を描く手すりの階段を登って2階に上がっていくと
五重塔の描かれたステンドグラスがまず目にとびこんでくる。
ステンドグラスと五重塔。和と洋の奇妙な融合。こんなステンドグラスは
見たことがない。
2階には、約20畳ほどのとてもひろびろとした大広間があり、そこの柱には
すべて鏡がついている。舞踏会でも開かれそうな部屋である。
残りの部屋は3つの記念室となっており、
鳩山一郎のノートや国会手帳、丸眼鏡などが展示されている。
特に妻薫の記念室は唯一の和室で畳の香りと外国かと思うような外の風景とが
時間と国を忘れさせる不思議な気持ちにさせてくれる。
更に2階には舞踏会を抜け出した逢い引きシーンが似合いのバルコニーまである。
再び1階に戻り庭園へ。
背丈のそろった絨毯のような
みどりの芝生にバラの花。池にはめずらしい黄色の鯉が泳いでいる。
庭から眺める鳩山邸の外観は特に洋風感たっぷり。
丸いアーチのかたちをした窓に小窓、左右対称のつくりなどもうまさに外国だ。
あまりにかわいらしすぎて、なんだかおもちゃみたいと思った。
鳩山邸を楽しんだあと、飯田橋にある甘味処「紀の善」へ。
お目当ての抹茶ババロアを頼んでしばし休憩。
そうー、この抹茶の味がしっかりとついたババロアに
上質の餡と生クリーム。感動が口のなかを包む。
餡と生クリームとババロアのバランスを考えながら食べ進めていく。
甘さはすっかり疲れを癒してくれた。
「東京大神宮」でお参りをすませ、今日の最終目的地羽田を目指す。
バードアイからの夜景と飛行機を鑑賞するのだ。
モノレールに乗って、外を眺めているとそれだけでも満足できてしまうほどの
美しい夜景が!
東京タワーに大井競馬場のトゥインクルレース。キラキラキラと街の明かりに
自動車のテールランプ。
ほぉ〜。なんて、ス・・テ・・・キ・・・。
そして更にステキな出来事が。
じぃっと外を眺めていると遠くで観覧車のような丸いものが。
しかし、消える。そしてまたボワッと。
まさか!
そう、今日は横浜花火大会。その花火が街の明かりと共に見えるではないの!
モノレールを降りて、羽田空港についてからも花火はしっかりと見えた。
じっとり蒸し暑い風の吹く展望台につくと、飛行機の
ごう音と飛行場のブルーや緑の明かりが出迎えてくれる。
遠くに見えるのは都会の明かりと花火。
キラキラチカチカ。ゴウゴォォォォーーーーー。
ひっきりなしに飛行機はとびたち、ひっきりなしに飛行機が帰ってくる。
つぶつぶの窓には明かりがついていて、つぶつぶ黒い影が見える。
沖縄かしら。北海道かしら。いろんな土地へ行った人でつまってる。
予想以上に心奪われたのは、なんといっても飛行機くん。
なんてかっこよいのだろう!
特にANAの機体は素晴らしい。真っ白に水色と青色の線がデザインされ、
それが、夜の飛行場の緑と青の光にすごく栄えている。
いかにもスポーツできそうなシュッとしたかんじ。
闇の中に浮かび上がる機体。
横を向いても前を向いても
イカシテル。
すっかり飛行機マニアになってしまった。
昼間の飛行機も、早朝の飛行機も見てみたい。
羽田と成田に通おう。
2001.7.20
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