木島駅
長野電鉄木島駅。
河東鉄道の本線の終着駅として開業したこの駅も
今は木島線と呼ばれる末端線区
1時間半に一本ワンマン列車が来るだけの終着駅となっている。
そして来年3月、そのワンマン列車さえも来なくなる。
待合室で待つ人々。
その目線の先に線路は無い。
列車が来なくなっても何も変わらないのかもしれない。
列車はすでに人々に背をむけられているのだから。
やがて一台のバスが駅前に到着した。
人々はおもむろに立ち上がり、バスの中へと消えて行った。
バスが去り、駅には静寂が訪れた。
窓口はふさがれ、駅員の姿は無い。
平成11年7月31日限りで無人となった。
しかし振り返ると信州バスの窓口が開いている。
もうこの駅では列車は主役の座を奪われていた。
列車はそれでも乗客を待つ。
かつて自分が主役だった頃とかわらぬ駅で
ただ人だけが去ってしまった駅で
最後までその使命を果たすために。
突然降り出した雨
眩しい夏の太陽に輝き、光の粒が降りそそぐ。
雨がやむともわっとした空気があたりを包み込む。
駅名表は草に埋もれ。
木島線の最後の夏は過ぎてゆく。
長野電鉄 木島駅 | 訪問日 '01.8.9 |
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所在地 | 長野県飯山市木島字海田 |
種別 | 駅員無配置駅(無人駅) |
開業日 | 1925(大正14)年7月12日 |
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