sakura & ichiro

同窓生のお宅、お店、縁の地、お勧めのスポットetc
どこかで見たような「さくら」と「一郎」が皆さんをご案内します

第二話

=匡秀先生に会いたい!=

登場人物(注意:さくらと一郎は実在の人物ではありません)
さくら----目黒区緑が丘出身。11中を卒業後、何をしていたかはよく判らないが、 ステキなだんな様と巡り合い、カワイイ二人の子供達に囲まれて幸せな日々をおくる。

一郎----目黒区自由が丘出身。11中を卒業後、自分を磨くため職を転々とし、22歳からは遠洋マグロ漁船の乗組員として世界の海でマグロを追う。生活のほとんどを船の上で過ごすこと15年。その後、手にした資金を元手に事業を起こし、今は目黒に住む。

物語(注意:さくらと一郎はフィクションですが、同窓生との話はノンフィクションです)

「海が見たい」と思い立ち、休日に足を運んだ横須賀で一郎はさくらと再会を果たす。
さくらの案内で横須賀周辺の名勝地を散策して楽しい時を過ごした二人は海辺のレストランで、懐かしい母校目黒11中の同窓生に想いを馳せる。
「そうだ、今度は二人で同窓生のいる所へ行ってみましょうよ」
さくらと一郎は次回、同窓生を訪ねる日を胸に家路に就いた。


1999年1月4日。一郎が社長を務める建設会社のオフィス。新年恒例の社長訓話で若き日のマグロ漁体験を熱っぽく語る一郎。若い社員達は皆、神妙な顔で聞いている。
プルルル・・・一郎の携帯が鳴る。
「もしもし」一郎はいつもの渋い声で応対した。
「一郎さん、あけましておめでとう、さくらです!」
さくらの明るい声に慌てる一郎。そんな一郎におかまいなく話すさくら。
「一郎さん、今年は41歳よね。数えの42歳は男の人は厄年よ。今年一年はなにかと気を付けた方がいいかも。それで、同窓生に占いのお仕事をしている人がいるから今年の運勢を見てもらわない?その人と今日、待ち合わせをしているの」
一郎「いいですね。今日の何時にですか?」
さくら「3時30分に自由が丘北口の改札口です」
一郎「どなたとお会いできるのですか?」
さくら「来てのお楽しみ!」
一郎「わかりました」
携帯を切る一郎。社長訓話の厳しい表情は一変、柔和な笑顔に
「社員のみなさん、ま、とにかく、ことしもヨロシク!以上!」


自由が丘の改札口で待ち合わせした二人、久々の再会である。
さくら「一郎さん、元気そうね。今年もよろしくお願いします」
一郎「さくらさん、今年もよろしく。で、占いの先生はどこにいるのかな」
ここには二人だけで占いの先生らしき人はいない。
さくら「一郎さん、相変わらずせっかちね。落ち着いて話が聞けるように場所を取ってあるの」

さくら、阿部さん、一郎 駅前から自由が丘商店街を抜けて熊野神社(熊野神社について)へ。その隣の自由が丘住区センターの前に独りの女性がたたずんでいた。声をかけるさくら。
さくら「阿部さん、久しぶり」
過去の記憶をたどる一郎。25年前がフラッシュバックする。
一郎「ひょっとして、C組の阿部恭子さん?いや、懐かしい。卒業以来だろうか。占いの仕事をしているとは知らなかった」
さくら「一郎さん、話は中でしましょう」
三人は住区センター3階の和室へ入った。

一郎「阿部さんの思い出は中学卒業の謝恩会だね。スケ番役『おおき・さき』という名前で長い髪をばさっとかき分けて啖呵を切るところがかっこよかった」
阿部「私も謝恩会で演劇に目覚めて、多摩大学の演劇科に入学したの。だけど結局演劇の道は進まず、卒業後に自由が丘の輸入代理店に就職したわ」
さくら「それでどうして占いを勉強することになったの?」
阿部「母が占いや方位よく観てもらっていて、その縁で井上象英先生のもとでアルバイトをするようになって占いの勉強を始めたの。その後象英先生の「象英企画」社員になって昨年2月まで10年ほど占いの原稿を書いたり、東急カルチャースクール(授業風景)の講師も勤めていたこともあったわ。象英先生からは、「阿部匡秀(あべきょうしゅう)」という名前をいただきました。今は、「象英企画」から依頼がある分だけ執筆しています。

一郎「占いといっても星座、血液型、姓名判断・・といろいろあるけど、阿部さんの占いはどのような種類なの」
阿部「占いは、星座・タロットカードなどの西洋占いと四柱推命・風水などの東洋占いに分類でき、私が専門なのは東洋占いの気学ね」

気学とは−
古代中国から伝わる占術。別名:九星学・九星術。
大自然のあらゆる事象を九つの性質(一白水気性・二黒土気性・三碧木気性・四緑木気性・五黄土気性・六白金気性・七赤金気性・八白土気性・九紫火気性)に分け、事の推移を判断する。
もちろん自然の一部である人間も、生まれた年月日によって、これらの性質のいずれかを持つとされ、その組み合わせから、その人の性格・特質・才能、または他の人との相性、運気の良い時期・悪い時期、事の吉凶などを予測・判断するもの。
※通常、九つの性質は「一白水星・二黒土星・・」と言い習わされていますが、これらは天体の星でなく「気」の性質なので、私の習った観象派では「一白水気性・・」と表しています。ご了承ください。 <阿部匡秀>
阿部さん さくら「具体的にはどのように占うのかしら」
阿部「その人の生年月日で占うの。ですから年だけならば大まかな運勢、年月日まであれば詳しい運勢がわかります」
一郎「まず私たち同窓生の今年の運勢を教えて下さい」
阿部「気学では、節分を一年の区切りとしています。私たちの年では、昭和33年2月4日から昭和34年2月3日まで六白金気性、2月4日から七赤金気性になります。同窓生の多くは六白金気性で、男性は数え年42歳の大厄、女性も含めて今年は運気が悪いです」
さくら「それは大変、何か対策はないのかしら」
阿部「残念ながらこうすればよくなる、というものはないの。植物の種の越冬と同じで、おとなしくして、余計な事をしてはいけません。ですから、株や投資、お金の借り換えはだめ。健康面でも病気になり易いため、ちゃんと健康診断を受けること。子供や家族にトラブルが発生する可能性がある」
一郎「そんなに良くないのか・・良いことは一つもないの?」
阿部「この時期は勉強するには最適、準備期間として考えるとよいわ。再来年には運気がよくなるので、例えば資格を取るとか趣味を始めるとか・・これも一つのチャンスです」

さくら「ではそろそろ私たちの今年の運勢を占って下さい。緊張しちゃうわ」
さくらと一郎の生年月日は阿部さんに連絡してあるため、阿部さんは手帳を見ながら占いの結果を説明する。
阿部「一郎君から・・昭和33年5月10日生まれね。まずまじめな人、仕事好きだが人間関係に気を遣っている。利害に左右されず、自分のポリシーを持っているが人に見せないといったところかしら」
一郎「うーん、あたっているな」
阿部「お金の面では、商売には不向きね。勘がなくて理詰めで考えるから。それから、家族とのコミュニケーション不足、このままではいけないわ」
一郎「ばっちり当たっている・・」
さくら「で、どうすればよいのかしら」
阿部「家族とのコミュニケーションをしっかり取って、疎外されないようにすること。それからストレス解消には温泉やプールのレジャーを推薦するわ」
一郎(神妙に)「分かりました。早速明日にでも家族と遊びにいくよ」

さくら「いよいよ私の運勢ね。心臓がどきどきしてる」
阿部「さくらさんの誕生日は昭和34年1月5日で・・一郎さんと違って人間関係のトラブルがないわね。さっぱりしていてあけっぴろげ、根は親切だが合理的といったところ。六白の人は仕事好きだけど、職業主婦には向いていないわね。それに良妻よりも賢母型だわ。」
さくら「これも当たっているわ」
阿部「今年は先ほど言ったように新しいことを始めるのは良くないので、まず家の中の環境を整えること。たとえばお子さんや旦那さんとの接し方を変えるとか、部屋の模様替えをするとか」
さくら「あと何か気を付けることは」
阿部「いやでもやることは早めにやること。金銭面では、衝動買いに気をつけて、クレジットやローンは扱える範囲にすること。好奇心旺盛で突然始めてしまうが、体力・お金・家族に負担がかかることはやめること」
さくら「何かこうした方がよいということはあるかしら」
阿部「自分で社交範囲を広めるのはよいわね。ストレス解消にいいわ。同窓生みたいに安心な社交で交際範囲を広めて、好奇心を蓄積して運気の良くなる年に備えるの」
さくら「ありがとう、交際範囲を広めるということで48netに参加できたのも何かの縁ね」

住区センターの前で阿部さんと別れたさくらと一郎、二人で駅まで歩く。
一郎「私たちの今年はあまり運気が良くないけど、勉強・蓄積の年と考えて頑張ろう」
さくら「そうね、同窓生も頑張っているし。次はどこへいきましょうか」
一郎「次も楽しみだね」

残念ながら阿部さんは個人鑑定を受け付けていません。
その代わり、3月から「阿部匡秀先生の同窓生月間運勢」をお届けする予定です。ご期待下さい。

<特別付録>阿部さんブロマイド(その1) (その2)

第三話に続く


シリーズ<さくらと一郎の「遊びに行こう!」>では、 さくらさんと一郎さんが皆様をお訪ねします。どうぞよろしく。

さくら役は芹沢啓子(A組)・一郎役は梶誠一郎(A組)でした


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